2016年03月08日

フォン

あるお客様家族との面談の際にドイツ貴族(フォン)の話になった。例えばギムナジウムを卒業した優秀な男性がトルコ出身三世の女性と結婚することの社会的評価は現代ではどうなのかのような話の最中に「でも、フォンは全く別ですね、彼らの視界には一般市民は入ってないですね」。

 

同席していたうちのスタッフがフォンの意味が分からず「あの、フォンって何ですか?」と聴いた。

 

そこで僕は普段なら確実に「フォンって言うのはドイツの一番出汁のことだよ。二番だしはヘイミンという」というおちょくりを入れるのだが今日はお客様の前なので遠慮しておいた。

 

欧州貴族は国家を超えて繋がっている。今の英国にもたくさんの貴族がいるがそれぞれに国を越えた血筋が繋がっている。彼らは彼らだけの世界で生きており欧州政治の多くもここで決まる。このあたりヘイミンには全く見えない世界である。

 

東京で仕事をしていると、スラっとしたしょうゆ顔のハンサム男性と美人女性カップルを見かける事がよくある。あれなども血筋であろう。

 

江戸時代から続く歌舞伎役者と美しく賢い女性の結婚で優性遺伝子が連綿と続き、いつの間にか美男美女の生産地になっているのもある。

 

松たか子は良い家庭に生まれたなーとか中村獅童の気合の入った顔はかっこいいなとか思うが、けど勿論彼らもヘイミンと同じような、時にはそれ以上の苦労をしているのだから「隣の庭は青い」程度の話であるが。

 

そう言えば慶応幼稚舎から連綿と続く学閥閨閥もやっぱりすっきりハンサム男性と可憐でおしとやかな美人が目立つ。あれなど日本経済の中心地のど真ん中で彼らなりの義務と責任を負って次代に繋げようとしているのだろう。

 

どのような生き方も良い点もあれば不合理に悪い点もある。特に天皇陛下など、あれは大変なまでに不合理だ、天皇家に生まれたというだけで一生天皇家という重しを持って言いたいことも言えずに生きていくわけだから。

 

そう考えるとフォンを一番出汁とからかってる自分が随分お気軽に思えてきた。

 

名古屋空港ではココイチのキーマカレーを食べた。いつも通りのヘイミンの味、美味かった。カレーと牛丼とラーメン、ヘイミンはこれでいいや。



tom_eastwind at 14:05│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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