2016年03月11日

国の借金

何とも明るい音楽付きのウェブサイトが財務省から出ている。

 

http://www.mof.go.jp/gallery/201407.htm

 

日本国の借金が刻々と増加している様子をグラフにして、他国に比べて如何に状況が悪いかを明るく説明している。

 

普通の国民であれば「何でこんなものを国はわざわざ説明するんだ?」であるが、財務省の目的は増税である。

 

一般の普通の人が見ても分かりやすく色を付けて音楽付けてほら、「日本国の借金はますます増えておりますよ。国民の皆さん消費税や健康保険、年金、しっかり払って増税にご理解下さいよ〜」である。

 

よくもまあこんなのを思いついたものだ。実に良く出来てる。しかし殆どの国民はこんなウェブサイトを何度も見せられたらそのうち「そうかー、仕方ないなー、老人に死ねとも言えないもんねー」と思うようになる。諦めの境地に追い込むのだ。

 

そりゃ一回目に観れば「そんなもん、政府の借金だろ!」と思うだろうが現実として日本各地に税金で作った厚生年金会館がありそこで美空ひばりや杉良太郎が歌ってて、喜んでた市民もいるわけだ。

 

過去の生活では治安が守られて平和な日本では水と安全がタダだった。そう考えれば日本政府だってやることやってるよなー。

 

2回め以降に観る時は次第に「そっかー、増税も仕方ないかー、夕ごはんのビール一本減らすかな」という気持ちにさせていく。現実を見ようよと財務省が語るのだ。

 

そして財務省の狙いの本丸である個人資産約1千兆円を取りに行く。財務省は「ある所から取る」が基本であり子供たちには「親のお金は親のもの。日本政府が守ったから作られたのだ。なので相続財産は政府へお返しなさい、私達がきちんと再配分しますよ」となる。

 

グラフや表は今後少しづつ形を変えていくだろう。相続税の部分には今後子供たちが親のお金をあてにしないように社会道徳授業の場にするだろう。

 

何せ日本人は右向け右、である。次第に相続税に理解が出来る雰囲気が醸成される。もちろん税控除はあるわけで子供だって少しは手元に残るだろ、それで納得しろ、財産の多い人に限って負担してもらう税金だ。

 

相続税増税にどれだけ反対する親がいてもその親が亡くなることで発生する税金であり子供はそこまで反対しないように洗脳していく。反対するなら税務署職員が自宅の周囲を回って「あの人の家、最近何かありませんでしたかー?」とやる。

 

法律から逃げても家族、家庭、近所付き合い、学校、会社からは逃げようがない。

 

日本の相続税率は1950年には90%であった。一部の個人に富の集中を防ぐためだ。2003年に50%に下がったがその後55%に上がった。今後も上がることはあれ下がることはない。基礎控除も減らされるだろう。

 

それにしても財務省、さすが東大法学部卒業のエリート集団ですね。国民の一切の逃げ道を塞いで一歩一歩追い込んでいく姿がよく分かる。



tom_eastwind at 12:41│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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