2016年04月23日
B列車で行こう
ニュージーランドは今日から三連休である。土日のお休みにアンザックデーが4月25日と続くからだ。
それに今はスクールホリデイでもあるので道路がすっからかんのがら空き、正月の霞が関みたいである。
僕はそろそろ出張の準備を開始する。スーツケースをクローゼットから引き出してメモに沿って順々に揃えていく。全く三連休に関係ない生活である。
僕のような仕事では基本的に休みというのはない。面談が入ってなくて描き上げる企画書がない週末などは映画を観て過ごすが膝の上には常にパソコンが乗っかっている生活である。
今回は大阪に入りそれから東京に向かう。例年なら連休の時期は外すのだが今年はあえて連休に組んでみた。大阪はすでに面談予約が満席である。
今回も伊丹から羽田までは飛行機で移動の予定。昔は新幹線ばかりだったけど、それぞれ空港からホテルの近さを実感してみると、もう新幹線はいいかなー、ぎりぎりかなー、やっぱり飛行機がいいやって事になる。
土曜日の昼飯は近くのモールにある香港人経営の日本食弁当屋で持ち帰り弁当を買って自宅で食う。弁当を食いながら今進めている企画の1つが居酒屋系日本食レストランであることを考えた。
これから日本からやって来る日本人家族やすでにNZで専門学校に通っている人々の職場の受け入れ先をどうするのか。その1つとして日本食レストランがある。
しかし現状では多くの日本食レストランは実態は労働法大嫌いな中国人経営などである。
ぼくは16年前にバンクーバーで観た景色が今も忘れられない。
バンクーバーのシティ内にはたくさんの日本食レストランがあるのだが、オーナーは殆どが香港から移住して来た中国人、マネージャーも香港系中国人。現場でまじめに働くのが日本人ワーキングホリデイ。何で日本食なのに日本人が下働き?
日頃は日本の事を文句言いつつ自分がやる時は日本食かよって思ったものだ。その後バンクーバーのレストラン事情がどうなったか分からないけど、Aucklandも今は日本食レストランと言いつつ日本人以外の経営者が多い。
日本食レストランビジネスは非常に微妙な点がある。それは純粋に日本人の味に合わせると単価高いし日本人が少なくて商売にならない。これをキーウィや中国人に合うようにすると今度は数少ない地元日本人から無責任に「あんなの日本食じゃねー」と言われる。
ビジネスなんだから開き直ってやればいいんだけどそこが日本人の微妙な点であった。
しかし今は潮目が変わってきた。B級料理の居酒屋という業態であればいけることが分かった。B級であれば日本人でもそれほど高い味は要求しない。
日本人が経営して日本人が料理して日本人がサービスをするB級居酒屋、それでいて一定の味を保つ、そして何よりきっちりと労働法を順守して働く、この流れが出来てきた。
世界に飛び出していく和食文化であるがあまり高級化してはビジネスとしての成功は難しい。まずはB列車でいこう、である。