2016年04月28日

大阪二日目

大阪では午前から3件立て続けに個人面談を行う。一件平均2時間で合計6時間、ソファに座りっぱなしで話すので夕方仕事が終わった頃にはズボンが蛇腹状態になっている。

 

大阪の顧客層は一人ひとり個性があり情報収集の多様さが伺える。おそらく相当に仲間のクチコミ情報が入っているのだろうが、これが濃くて当たってるから面白い。

 

東京だとどうしても公表された画一的な情報をもとに相談されるのでまず正しい情報と間違った情報を整理する作業が必要になる。

 

1970年代に大阪では多くの優秀な若者が東京に行き東京で成功した。その後彼らは独自の情報網を作り仲間で情報共有してそれが大阪の友達にも送られてくるようになった。ここに官僚からの内部情報も入ると相当に正確な話になる。

 

初回の個人面談で話すことは事前に頂いた資料を基にその方がどのようなビザの申請が可能かを聴き取ることだ。人によって移住の理由や家族構成は千差万別であり、初回ではなかなか聴き出せないこともある。

 

そこはもし重要でなければ空欄にしておいて「そのうち聴く」事にする。どうしてもその場で必要であれば事情を説明して聴くが、大体において黙っている部分はブラックホールのようなもので周辺説明をお伺いするうちにホールが「見えてくる」ので初回で無理して聴きこむことは殆どない。

 

昨日の夜は個人面談を終わらせたらかなり疲れたので部屋で夕食を済ませる。昔はルームサービスなんて誰が注文するんだろう、外に出て食べるほうが楽しいだろうにと思ってたが今はよく分かるようになった。

 

ところで大阪はいつも何かこう歯車がずれることがある。

 

例えばホテルに入りそのまま27階でチェックインしようとエレベーターに乗ってボタンを押しても動かない。仕方なく近くのコンシェルジェで聴くと「エレベーターに載るには部屋の鍵が必要」だとの事。

 

いや、だからその鍵を取りに行くのに27階に行きたいんですよと言うとニコッと笑って「ご案内します」

 

要するにここは「ご案内」がなければチェックインも出来ないご立派なホテルでありどこの街でも「ご案内なし」で生きて来た僕には何だか歯車がずれた感じになるのだ。

 

今回は面談を行っていたカフェでのこと。紅茶を注文するとヒーターに載せたポットで出てくるのだがずっと喋っているので紅茶がなくなった。

 

そこで僕はウエイトレス(そろそろ顔なじみ)に「すみません、紅茶をもう一杯お願いします」と言うといつもの笑顔で「はい、分かりました」とテーブルのポットなどを片付けて一旦立ち去る。

 

かと思ったら途中で振り返って戻って来て聴いてきた。「あの、お湯差しでしょうか?それとも追加ご注文でしょうか?」

 

むむむむ。僕は持論であるがこういう高級ホテルのラウンジで飲むお茶は高くて当然、何故ならそれはお茶を飲むのが目的ではなく一定時間場所を借りる費用だと思っている。

 

今回も合計で6時間も座っているのだからお客様には勿論飲み物を注文して頂き(代金は頂かない)僕も何度か追加注文をする。だからお湯差しなんて思いもつかないし恥ずかしい事である。

 

ところがこのホテルでは立派なソファに座ってお茶を飲み、空っぽになったらお湯だけただでもらうという客がいるという事だろう。そしてホテルもそれを受け入れているのだろう。むむむむ、僕の中にある「恥」の認識がずらされた。

 

このホテルでのお湯差し、これは僕の倫理ではない。他人に強制するものではないが自分の中であり得ない選択肢である。



tom_eastwind at 10:46│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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