2016年05月02日

5分で分かるマイナス金利

日銀のウェブサイトが面白い事になっている。

 

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「マイナス金利になると、私が銀行に預金しているお金も減ってしまうの?」

「マイナス金利といっても、銀行が日銀に預けているお金の一部をマイナスにするだけ。個人の預金は別の話です。」

「個人の預金金利はマイナスにはならない?」

「ヨーロッパでは日銀よりも大きなマイナス金利にしていますが、個人預金の金利はマイナスにはなっていません。」

「マイナスにはならなくても少しは下がるでしょう?」

「普通預金金利は0.02%だったのが、0.001%になりました。」

「それで消費が悪くなったりしない?」

100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね。」

https://www.boj.or.jp/announcements/education/exp/exp01.htm/

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「マイナス金利になると、私が銀行に預金しているお金も減ってしまうの?」

「マイナス金利といっても、銀行が日銀に預けているお金の一部をマイナスにするだけ。個人の預金は別の話です。」

 

1・質問の意味に適切に回答していない。「個人の預金は別の話で」じゃあ誰とどこの別の話なのだ?

 

「個人の預金金利はマイナスにはならない?」

「ヨーロッパでは日銀よりも大きなマイナス金利にしていますが、個人預金の金利はマイナスにはなっていません。」

 

2・これまた同様に、ヨーロッパの話は聞いてない、日本の話なのだ。ヨーロッパがマイナス金利にならないからって日本がならないという理屈はおかしい。もっと正確に言えば質問に答えてないのである。

 

「マイナスにはならなくても少しは下がるでしょう?」

「普通預金金利は0.02%だったのが、0.001%になりました。」

「それで消費が悪くなったりしない?」

100万円預けて1年間の利息が200円だったのが10円になったということです。消費を悪くするほどの規模ではありませんよね。」

 

3・200円が10円って、お前に関係ねーって話である。

 

何だか最近の黒田総裁の発表も矛盾だらけであり、一体日銀の中で何が起こっているのだ?って感じである。

 

黒田バズーカ、アベノミクス、どれも導入当初から多くの経済学者の中で「効かねーよ」、「そこじゃねーよ」的発言が多かったのだが相手は政府、政府は民間がどう言おうと自分の信じた道を行く。

 

自分だけが信じるのは構わないのだがそれが国民全体に影響が出るとなった場合、行政としての責任がある。

 

マイナス金利導入は銀行の商売に影響するわけで銀行は口座そのものを保持するための手数料を何らかの形で導入する。一行だけではやれないのですべての銀行が足並みを揃えて「今年10月から手数料を導入します、不要な口座は閉じて下さい」。

 

不要な口座を閉じずに残高不足になった場合は銀行から催促の手紙が送られてくる。

 

手数料導入よりもっとすごいのが財産税である。銀行預金が1千万円以上ある場合課税しますよって奴だ。

 

銀行に寝ているカネを市場に回したいのは分かるがそれは車の片輪にすぎない。もう1つ大事なのは国民を安心させてお金を使わせる気持ちにすることだ。

 

ところが現実的には年金崩壊、医療抑制、低金利、ぎりぎりの給与が続いており誰もが自分を自分で守るしかない、すなわちお金を使わないという気持ちになる。

 

車は両輪が揃って初めてまっすぐに動く。日銀がいくら前に行こうとしても実態社会生活は皆将来の不安を抱えているのだ。そこを政府としてどうするのか?

 

死ぬまで安心の年金をどう構築するのか?それとも最初から「ああ、あれ、あれね、僕らは税金と思って徴収したらすぐ箱物作ったのよ、だからこれだけしかないよ、我慢してね」というか。

 

もちろん医療費に関しては甘い老人も多い。病院が老人ホームになっている。その病気、ほんとに薬必要なのか?ここは抑制すべき点はある。

 

もっと言えば子供が親の葬式で周囲に対して「ぼくはここまでやりました、母親をチューブ付けにして5年生かしました」と言いたいが為に医療費無駄使いが発生する。

 

けれど健康保険が払えずに無保険になった子供たちがいる現実はどうにかすべきである。バランスの悪い医療行政はまさにガラガラポンでやり直すしかないけどこの仕組でやって来た官僚は自己否定することが出来ない。

 

今が大事な時なのに政府という車のタイヤがそれぞれ変な方向に向いてるから全然進まない。他にもいろいろあるけど日銀のウェブサイト、興味のある方はどうぞ。



tom_eastwind at 11:18│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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