2016年06月24日

一般的な国外強制退去について

数日前の記事でNZ移民局が中国人永住権保持者の国外強制退去が可能かどうか検討するって言ってた。

 

政治的にはどうか分からないが技術的には答はおそらくYESである。

 

何故なら永住権は権利であるだけで規則違反をすれば権利は剥奪される。また永住権保持者であればNZ以外のどこかの国籍があるわけだからAuckland空港で自分の国に戻る航空券を手配して刑務所から専用車で空港まで送られて移民局担当官と警察が座席まで見送ればそれで終わりだからだ。

 

塀の中で航空券が買えるかって話だけど塀の中にはヒソヒソ電話もあるしNZに住んでる親戚にお願いすることも出来るだろう。でなけりゃそのままずーっと塀の中だ、冬は寒いぞ。

 

たとえニュジーランドの永住権が取れたからって2年以内にNZで犯罪を犯せば無制限永住権は取れない。永住権剥奪である。

 

そして2年経って無制限永住権に切り替わったって、上記のようにNZ国内で何か問題を起こしたり、永住権取得時に違法書類が見つかればこれもやはり永住権は剥奪される可能性があるのだ。

 

永住権剥奪の場合通常は「一生入ってくるな」であり、その記録はパスポートに残る。次に豪州などに行くと入国審査で即刻入国拒否である。

 

またある国の入国カードに「あなたは他国で強制退去の記録がありますか」との質問に「ない」と書けば虚偽申告、「ある」と書けば次の飛行機で日本に帰れとなる。

 

そしてそれも入国拒否の記録に残る。そうなるとつるべ落としのように次々と入国出来ない国が増えていく。

 

これ、ほんとに普段は人の良さそうなキーウィの空港審査官だけど、相手がおかしいと思ったら徹底的に調べる。「BOARDER」という豪州のテレビ番組で放映されている通りである。

 

僕がAuckland空港からキャセイ航空に乗って座席に座って出発を待ってると、時々移民局と警察が同行して数名の若い人々が乗り込んだりしているが、あれは入国審査の時点で疑いを持たれて入国拒否をくらったのだ。

 

航空会社からすればエレー迷惑であるが移民局からしても強制送還食らうような客を何で飛行機に載せたのかって話である。突然追加で人が増えると乗客名簿の変更手続きが出て来て、場合によっては飛行機の遅延に繋がる。

 

日本人でもNZ入国審査の時点で入国拒否に遭う人はいる。これは意外と知られてない、だって本人も入国拒否食らっていちいち公にするようなことをしないから目立たないが、事実ある。僕も何度も駆け込み寺やったからよく分かる。

 

ニュージーランドで一生住んでいこう、国外退去喰らいたくないと思うならやはりNZの市民権とパスポートを持つべきだろう。

 

そして日本の国籍離脱。離脱と言っても戸籍謄本の中のお父さんだけ離脱も出来る。子供は日本国籍のままだ。

 

国籍剥奪って例えば行いのよろしくないNZ生まれのマオリを国外追放出来るか?であるが、行く先のない人々を追い出すわけにもいかない。これは国民を守る政府としても出来ないと分かる。なので彼らには塀の中で生活をしてもらうことになる。

 

日本人の場合で言えばNZは重国籍を認めているが日本は認めていない。しかし現時点では罰則がない。そこでジャパカナ(カナダ生まれの日本人二世)などはばりばり重国籍であったのを覚えている。

 

国籍剥奪がほぼ不可能の「ほぼ」は他国の国籍を持っている場合「あっちいけ」と理論的には可能だからである。

 

いくらNZが重国籍を認めていても日本の国籍を離脱してしまえば国籍はニュージーランドにしかない。つまり国外追放する先がないのであるから必然的にNZ国内に留まることになる。

 

ちなみに現在の日本の規則では日本に帰国したいと思った時は日本で帰化申請または永住権申請をすることになる。永住権は日本に10年以上住んでいて働けるビザを5年以上持つことが必要なのでどちらかというと面倒だけどNZの国籍を保持できるメリットがある。



tom_eastwind at 12:35│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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