2016年07月24日

空の色

今日は朝から家の前では大雨が降りつつ向こうの空には虹がくっきりと半円を広げ手前の雲の合間から太陽が日を注している。面白い天気である。まったく南半球は空の青さと天気まで独特だ。

 

ほんとに北半球の生活に比べるとオークランドの生活速度は30%くらい遅い。そして仕事は不正確な事が多い。それでも社会全体がその速度や不正確さを前提として回っているのだから面白い。

 

ここで北半球のビジネスマンが「こんなの北半球じゃ通用しないぞ」って言えば「あ、そ、で、何が問題?ここオークランド」としかならない。

 

なのでどれほど能力があろうと周囲とバランスが取れなければ浮いてしまうし不正確であることを指摘すればそれは社会全体に散りばめられているから社会全体を批判する必要がある。

 

そしていくら批判してもキーウィの国民性が変化することはあまり考えられないので結局本人は批判に疲れて北半球に帰るかこの国のやり方に慣れるか、しかない。

 

日本人同士で仕事をする時は日本の時間感覚でやるのでお客様はあまり抵抗がない。その代わり最初に説明する時に「周囲には仕事の遅さと不正確さがあるので」と付け加えておく。

 

これは仕事が遅いことの言い訳ではなく予めこの社会速度を理解してもらう為だ。もし僕らが最初にこれを言わず日本人がいきなりこの壁にぶつかると怒り出す。けれど予め聴いておけば「あ、これか」と理解してくれるのだ。

 

不正確さについても銀行の入金ミスなどよくあることである。「よくあること」で「私がやったんじゃない」から謝ることはしないけど口座の訂正はしてくれてにこっとして「ほら、良かったな」で終わりである。

 

ここで日本人感覚で「銀行は何やっとるんじゃ!」と怒っても周囲に不思議な顔をされるだけである。そこで誰かを問い詰めようものなら誰も知らんふりをするし第一手続きをしたのは他の人であるから最後は非常に不愉快な顔をされて終わりである。

 

銀行からすれば要するにちゃんと「現状復帰」したからそれで終わりでしょなわけで何でそれ以上にどうこう言うの?確実に「嫌な客」として記憶される。

 

あなたにとっての唯一の日本的正しさや日本的正義を貫き通す事はイスラムテロリストのISと実は同様なのだ。相手の考える正しさや正義がこちらとずれることがあるのだ。その“ずれ”を理解して対応していかねばならない。



tom_eastwind at 15:53│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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