2016年08月01日

バルカンレーン

クイーンストリートと交差するように出来たバルカンレーン通りは1800年代後半から英国からの移民がオークランドに到着して船を降りて最初に尋ねる場所、宿屋であった。

 

英国から約70日かけてやって来た人々にまず必要な物はお風呂と寝る場所と食事である。バルカンレーンでは当時数軒の宿屋があり旅人に必要なサービスを提供していた。

 

当時の宿屋は1階がバーになっておりそこでジンを注文してくいっと引っ掛けて部屋の鍵を受け取って2階の自分の部屋に行く。ジンでなくてもラムもある。

 

荷物を置いたら子どもや奥さんとまずはバーで食事である。英国伝統の食事に美味しいも美味しくないもない。

 

イングリッシュ・ブレックファーストもキーウィブレックファーストも食べる方からすれば同じであり「火を通した」だけの食い物である。塩コショウはご自分で。

 

そんな宿屋の中でも今でもバーレストランとして人気なのが「バー・オキシデンタル」である。今では宿泊は提供していないが2階部分を見上げれば当時の雰囲気が分かる。

 

そんな中今日は市場調査の仕事でバルカンレーンのレストランで食事をすることになった。一軒目は「一体どんなもん出してんだ」と疑問の回転すしレストラン。

 

この店はそれこそ20年近く前に日本人が経営していた時によくお邪魔したものだ。料理人が作る料理は美味かった。

 

当時は近畿日本ツーリストの支店長がここで良く夕食と酒を楽しんでおり僕も時々テーブルが一緒になった。彼は元々名古屋出身で声が大きくて元気の良い親父である。

 

その当時福岡の球団と名古屋の球団が日本一の座をかけて試合をするって事で特に支店長は名古屋出身なので盛り上がっていた。

 

そこで僕が「今回は都会を破って地方都市同士の試合、凄いですねー」と褒めると「なんだこらー、名古屋が日本の中心じゃー」と怒られた。ある意味可愛い話である。

 

さてカウンターに座って回ってくるネタを観てまずは白身さかなを取る。食べる・・。違うな。これは魚を切っただけであり料理ではない。

 

次に鉄火細巻きを食べようと思うけどサーモンの色を観てやめた。それからもずいぶんと面白いもの、例えば小型チヂミ、揚げた何だか中身の分からないもの。

 

こりゃムリだ、これは日本食と言ってるけど全く日本食の態をなしてない。一皿で店を出た僕は次に道路向かいのレストランに入る。ランチタイムであるが客は1人だけ、テーブルはすべてバー仕様のハイカウンター。

 

それでもまあいいや、出て来たメニューを観て一番分かりやすいステーキを注文する。ミディアムレア。10分ほどして出て来た料理は昔懐かし草履ステーキであった。

 

おー、今の時代もまだこれ出している店があるんだ、ある意味びっくりである。

 

草履ステーキとは1990年代まではニュージーランドでは一般的に提供されておりどんな焼き方で注文してもガチガチに焼かれてそのまま草履として履けるぞという冗談だった。

 

付け合せの芋フライ、ブロッコリ、どちらも「さあ食え。新鮮だぞ」である。半分ほど残して店を出たが今日の2軒はまじ失敗であった。けどそれも調査の目的。



tom_eastwind at 22:10│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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