2016年08月20日
黄色いステッカー
土曜日の朝シティの南行き高速道路にはいつも数台の車が黄色いステッカーを貼って駐めている。今朝も同様に並んでいた。
これは金曜日の夜にシティで酒を飲んで南に帰ろうとした人々が警察に捕まりステッカーを貼られて車を置いて帰らされることになったケースだ。
飲酒運転は1990年代後半まではそれほどうるさくなかった。タクシーの台数も限定されておりシティで夕食を楽しんで自宅に帰るような普通の人々は飲んでもほどほどにしており事故に繋がることはなかった。
ところが1990年代後半になりシティが栄えてKロードあたりに様々ないかがわしい商売が繁盛するようになるとその話を聴きつけた地方の若者が仲間と車に乗りあわせてシティに出てくるようになった。平均年齢20歳である。
当時の地方の若者は親が経営する牧場を手伝ったりしていたが何より娯楽がない。せいぜい仕事終わりに同級生と集まるパブでビールを飲むくらいであった。
そんな彼らにオークランドシティの話は当然魅力的であった。木曜日にもらった週給を握りしめて金曜日のシティに繰り出してくる。そして仲間と飲み踊り派手に騒いで酔っ払った後に南の街に戻るのだが途中でハンドル操作を間違って次々と事故が起こった。
この当時オークランドから南へ下る高速道路の脇には本当にあちこちに十字架が建てられたものだった。中には一箇所に十字架が3本、これは一台の車で3人が亡くなったという意味である。親としてもやりきれないであろう。
そのような状況をやばしと考えた警察が高速道路入り口付近で飲酒検査を行うようになった。それが現在まで続き特にここ1年はゼロトーレンス(情けなし)でビシバシとやられている。
おかげで1990年代後半のような事故は随分減ったがその代わりシティで食事を楽しんで帰る大人たちも捕まるようになった。
大人からすればえらい迷惑な話である。今までは問題なかったのが突然問題になるわけだし実際に交通事故の殆どは25歳以下であるのだ。
しかし警察の言うことも当然至極な話で今ではどこのレストランもタクシー会社の電話番号を用意している。またグループで来る時は運転手は飲まないとか、又は運転手はアルコールフリーのビールを飲むとか対応を考える必要がある。
さてここからは日本人でワークビザや旅行条件付きの永住権保持者が注意すべき点だが、ニュージーランドに滞在する外国人が何らかの法律を犯した場合滞在ビザは取り消されることがある。
だから友達同士で外で飲むにしても飲酒運転は十分に注意することである。
頑張って永住権が取れたと言っても最初の2年間はお試し期間であり2年の間に飲酒運転にかぎらず何かの犯罪や事故を起こした場合、旅行条件なしの永住権は発給されず、つまり滞在資格がなくなる可能性がある。
この点十分注意してくれぐれも飲酒運転だけはやめて欲しい。どうしても飲みたければアサヒのノンアルコールビールにしよう。