2016年11月03日

2島返還で進む日ソ外交

日本の外交が大きく変化しようとしている。その一つが北方領土を含む日ソ外交だ。

 

冷戦時代は日本とロシアが近づくのを敬遠させる意味で「北方領土4棟即時返還!」と霞が関の交差点に旗頭を建ててロシアとの政治的接触は持たなかった。

 

冷戦後は何度か日ソ交渉が進んだ事もあったが途中で挫折。

 

それが今回は安倍首相の外交大好きで一気に距離が近くなった。4島即時返還ではなくまずは2島返還、日本から大型の開発案件約30件持ち込み、そして最後は安倍首相の出身である山口県で日ソ交渉。

 

今回は日ソ交渉まとまると思う。2島返還という具体的な落とし所が日本政府によって発言できるようになったのだから。

 

これはまず米国が以前ほどロシアとの接近をうるさく言わなくなったことがある。特に米国としては21世紀の戦略として海外派遣米軍の撤退を挙げているから出ていく国が次にどこの国と手を組むかまで口出しは出来ない。

 

ロシアとしても西欧の経済制裁を受けているが日本と手を組むことで極東開発を進められる。

 

では日本のメリットは?早いとこロシアと正式に平和協定を結んで中国とのごたごたの時に面倒にならないようにする。

 

そして極東開発では油田がある。今のように中東から危険を犯して持って来るのではなく北海道のちょっと先から持ってくれば良いので安全である。

 

このニュースで安倍首相、年末まで人気ですね。経済についてはどうも開き直りで2%成長できないと言ってる記事がくすんでしまいもう「あ、そっか、でも年末にプーチンさん来日ですねー」で一般市民は喜ぶ。安倍政権の政治的勝利である。

 

但しロシアの外交の基本は「ロシアの国益」のみであり日本と組んで良い時はオーチンハラショーだけど自国に不利となるとすぐに手のひらを返す。なので日本もロシアとの付き合いは極東で相互利益が得られる期間であると考えているだろう。



tom_eastwind at 07:39│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔