2016年11月16日

オークランドの都市化

今日は会計事務所と投資会社と続けて会議。最初の会計事務所との面談は連絡メールのタイトルが「Coffee」で意味は最近会ってないね、どんな感じ?ちょっと話しませんか。である。

 

彼らにとって日本人市場は大事であり現在の日本がどのような状況なのか話を聴きたい様子。

 

安倍政権が上手く回っているように観えるから社会の表面は調子良さそうだ。けれど経済ではデフレが続いており良い大学を出ても良い就職先が見つからない状態は続いている。

 

日本の世の中が二極化しているけどマスコミがそれを大きく取り扱う事はない、知られたら困るからだ。

 

無差別犯罪は社会に対して生きていく力もやる気もなくなった人々が選ぶ道であり「もうどうでもいいや、さっさとその辺歩いてる子供を殺して刑務所に入った方がまし」である。

 

大学は出たけれどその時点で自分の長い将来が見えてしまったら?

 

これに対して彼らは「やはり日本もそうか」と少し嘆息をつく。彼らは米国の二極化を目の当たりにしている。米国ではせっかくMBA取って大学卒業したけど良い就職先がない。

 

大学は出たけど学費ローンが払えずに自己倒産する米国の若者たち。

 

ニュージーランドに話が戻り道端の乞食の話になるとNZで生まれ育った彼らからすれば「昔はこんなのあり得なかったよ・・・」とまたも嘆息をつく。

 

それでもNZは米国と比較すればまだまだ三極化社会、つまり中間層がいるからましである。この中間層をこれから増やしていくのがジョン・キーの国策であり彼ら一般市民の希望することだ。

 

しかし世の中の変化を止めることは出来ない。世界が効率化されることで今まで非効率であったからこそ残っている仕事がなくなるのは世の中の道理である。

 

そうなると国民全体にベーシックインカムを導入してヘリコプターマネーやるか?

 

しかし働けない=社会に参加出来ない、こういう一般市民の不満は残る。社会に参加して皆と働き仲間を作り社会を楽しむことが出来ない。

 

大学は出たけれど・・・この問題はこれからのNZでも起こりうる問題である。これなら学生ローン借りて大学に行くよりも15歳で義務教育終わったらすぐ南島の農園で働くほうが良いか?それとも建設会社でゼロから建築の仕事を覚えるか。少なくともローンを払う必要はない。

 

あまり楽しくないCoffee timeではあったが現実から目をそらしてもどうしようもない。

 

次の会議はランドバンキングである。大型政府開発物件でオークランド東部の見晴らしの良い場所にあり来年から建設が始まり、この地域では最終的に約5年以上をかけて7,500の住宅を作ることになる。

 

ここはNZ政府、オークランド市、地元団体が今一番注目している案件でもある。何故ならここが無事に開発されれば住宅不足の解消に繋がるし若者の建築の仕事も約10年にわたり作られるからだ。

 

来年の開発に向けてこれから当社割当枠の住宅件数やこの案件用の新しいスキーム作りの話をする。

 

こちらは午前中の会議に比べて楽しい話である。何もない広々とした土地に続々と新しい住宅が建設されるのだからファーストホームバイヤーであるオークランドに住む30代夫婦の夢が叶うし銀行は安定したローンで利益が出せるし新しい街には中間層が集まり地域社会が発展する。

 

皆が幸せになれるビジネスモデルである。

 

何だか規模は違うけど日本の昭和世代の土地開発、1970年代の多摩ニュータウン事業のようなものかと思ったりする。

 

1日の会議で暗い話と明るい話、全く正反対の話をしながらオークランドは確実に都市化していると感じた。



tom_eastwind at 14:22│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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