2017年02月12日

平等に貧しくなろう?

上野千鶴子という人物がいる。彼女が最近の対談の中で下記内容を語ったとの事。

 

***

1.     日本は今転機にある。最大の要因は人口構造の変化。

 

2.人口を維持するには自然増か社会増しかない。自然増は無理だから社会増、すなわち移民の受け入れしか方法がない。

 

3.したがって、日本には次の選択肢がある。「移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。」

 

4.「移民政策について言うと、私は客観的に無理、主観的にはやめた方がいいと思っています。」世界的な排外主義の流れがあり、さらに日本人は単一民族神話を信じているから多文化共生には耐えられない。

 

5.結局自然増も社会像も無理だから「日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればい_い。」

 

6.「日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です。ところが、日本には本当の社会民主政党がない。」

 

7.本の希望はNPOなど「協」セクターにある。様々な分野で問題解決してる。人が育ってきている。

 

8.憲法改正論議についても心配していない。 日本の市民社会は厚みがある。

http://www.huffingtonpost.jp/hiroki-mochizuki/chizuko-ueno-government_b_14716704.html

***

 

これに対して多くの反論が繰り広げられている。特に若い世代から「ふざけんな、自分たちだけはバブルを謳歌して景気の良い時代を過ごし今も安定した地位で収入のあるヤツが言うんじゃねーよ!」である。

 

聴くとこの上野という人は以前は本も書いて一定の評価を得ていた人らしい。僕はその本を読んでないが今回の彼女の主張は僕としても「全体的に的外れだな」と感じる。

 

僕は彼女の意見のうち、4については同意見である。日本には移民を集団で受け入れる素地もないし集団で受け入れて彼らの文化と共生することは出来ないと考えている。

 

だから労働力確保とか人口確保なんてちっちゃい発想で日本の将来を破壊することはあまりに費用対効果が合わない。もっと書くと民族論になるからきりがないけど、4については同意見、但しそこに至る経路は彼女と違う事は明記しておく。彼女は本当の意味での移民を理解していない。所詮は「塀の向こうの良い人々」である。

 

けれど5については「馬鹿やろー!」である。少なくとも社会的責任のある立場の人間がこんな「平和に衰退していく」なんて、まさに「お前が言うな!」である。

 

1990年代に社会に出てきた若者はその時点からすでに「失われた20年」という衰退をまさに体験しており社会に出て一度も良い事もなく賃下げ、サービス残業、休暇を取れば戻ってきたら机がなくなるような時代を生きてきたのだ。

 

衰退の前の繁栄期を満喫した人間に今更そんな事言われたら「ふざけるなー!」と言いたくなるのもよく分かる。俺たちゃすでに20年間苦しんでるんだ、それをこれから更に衰退しろだと!?ふざけるな−!である。

 

少なくともここで語るべきは上向きの平等「みんな一緒に上を向いて、落ちこぼれを出さないように上昇しようよ」である。

 

何故なら平等に貧しくなるのも平等に成長するのもどこに線引をするかだけの問題であって意味は同じなのだ。それならば言葉を選んで「平和に成長していこうよ」と発言すべきなのだ。

 

本も書いて対談にも出るくらいだから言葉の使い方くらい知ってるだろうに、それがこんな発言をすれば「老衰ですか?老害なんですけど」と言いたくなる。

 

そして6番目の社会認識のなさ。「日本には本当の社会民主政党がない」だって?まさにアフォか!である・

 

日本には自由民主党及び東京大学法学部で社会民主主義を学んだ霞が関官僚がいるではないか。彼らこそ再配分を行い金持ちも貧乏人も作らず人々が平等に生活出来るように社会構築をしているのだ。

 

名前に社会主義がないからってやっていることが社会主義じゃないってわけではない。むしろ昔の戦後社会党より余程強烈な国家全体主義の社会主義である。

 

ご自身どこかの大学で学んだのだろうから東大で当時何を教えていたかくらいは分かるだろうにこんな事を書くのは何か裏があるのか?

 

日本で本当に不足しているのは民間で突き抜けた人材を生かす技術である。しかしこれは東大法学部のみが国家運営をするのに彼らより頭の良い連中が民間に委ねるなんてプライドが許さないしそれを認めてしまうと東大支配そのものが否定されてしまうから官民交流はやらないのだ。

確かに東大法学部は飛び抜けて優秀である。しかし彼らの致命的な欠点は自分たちのやっていることが完璧でありそれ以外の答がないと決め打ちしてだから更に過去の先輩が決めた製作は無謬であり死守するものだとして不要なダムを作ったりすることだ。

 

これは戦前の日本も同様であり陸軍大学を出たエリートが自己無謬で突っ走った結果として全体の誤謬を生み出して日本を崩壊させて300万人の日本人が死ぬことになった。

 

しかしだからと言って東大法学部がバカなのではない。ほんの一部の作業に問題があるだけで全体的には社会民主主義を実現させるために頑張っているのは間違いない。

 

だからこそこの上野さんが言うところの「社会民主政党がない」という意見には「何かあるのか?」と思わざるを得ないのだ。



tom_eastwind at 19:10│Comments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

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