2017年02月13日

決める。

日曜日は日本からのお客様と夕食。スカイシティ横のデポ(Depot)で生カキ、貝、それにミニフィシュバーガー等を楽しむ。

 

食べログのつもりではないのだけど何故か最近食い物ネタになるな。

 

このお客様は日本で様々な業態のレストランを経営するオーナーシェフであるが既に何度もオークランドに来ており当社のレストラン部門の提携先でもあるので気軽にお店を決めて食事を楽しめる。

 

彼らの間で「決める」という言葉がある。料理を作る際に「ここまでやって自分の味を決める」という意味だそうだが要するに自分の出したい味がお客にも伝わるその限界である。

 

妥協しすぎても美味しくないし自信がないからと味を追求しなければこれも美味しくない。

 

シティで昼食をあちこちの店で取るようになってから繁盛店や客の入らない店の違いも段々分かるようになった。味だけではないが味も重要である。

 

特に日本食レストランとなるといくら客が入ってても殆どは日本人客ではないので日本の味付けの必要性がないからと随分「独創的」な日本食を出す店もある。

 

しかし一番多いのはまともな日本食を食べたり料理経験のない人々が見よう見まねで作る場合だ。つまり独創的ではなく単純に本当の味を知らないという話である。

 

例えばどんなに勢いがあるらーめん屋でも作っているのが素人なんてのはよくある話である。

 

彼らはラーメンと言えば塾帰りのコンビニで買って食べるカップヌードルをラーメンと思っているしコンビニ世代に本格的な味を求めても「本当の正しい味」を知らないのだから再現のしようもない。

 

これはもう食べたことのない味の再現なんてムリな話でありラーメンを美味しそうに思って作ってるその顔を観ているとこちらが胸が痛くなる話である。

 

彼らは店のキッチンの壁に手書きで貼ってる「作り方」を観てそのように手続きを進めるのだけど、ラーメン、特に豚骨スープの場合毎日の気温や湿度で味が変わるから本当の味を知っていないと再現のしようがない。

 

ましてや味を良くしようと下手に手を加えてしまえば失敗してボスにも客にも怒られる、ならばこの辺でいいや、レシピ通りにやってまずければ俺の知った事ではないなんて話にもなったりする。

 

その結果として「美味しくないラーメン」、博多弁で言えば「ふーたんぬるかと!」となるわけだ。

 

シティの日本食レストランでも洋食MORITA等は日本的洋食を美味しく食べさせてくれる。シェフが本場の味を理解した上で日本風に少し手を入れているけど本当の味が分かるから「決める」ことが出来る。ぎりぎりまで自分の味を出せるのだ。

 

刺し身一つにとっても同じ魚なのに切り口や包丁の入れ方一つで全く味は変わる。見かけは変わらないのに口に入れると味の違いが出る。同じ魚の刺し身を半分は刺し身、半分は炙りで出すと一つのネタで味が二回楽しめる。

 

悪いのはちゃんとした食事を子供に食べさせない親の問題でもあると言えるが親も忙しいのだろうし子供も塾がある。その結果として日本人でありながら本当の味が舌に残ってないから日本人が作る日本食が美味しくないというミスマッチが発生する。

 

オークランドでは最近日本食のレベルが上昇して来た。それは日本で料理の勉強をきちんとして来たプロがいかにオークランドの食材で美味しいものを出そうかと考えて現地に馴染んで出来上がった美味しい料理になるからだ。美味しい料理お代表といえば和食ではないがKAZUYAがおそらく一番だろう。

 

日本でイタリアンを学び日本食の要素も取り入れつつ日本らしきめ細かなサービスと共に提供される料理は今やオークランドで予約の取れにくい店になり地元雑誌でも毎年賞をとるほどである。

 

これからはプロの日本人シェフの下で日本人の若者が努力をして料理を学び美味しいものを味わうことで「決める」料理が出せるようなレストラン世代になればと思う。



tom_eastwind at 13:39│Comments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

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