2017年02月19日
棘の街
久々の堂場瞬一作品。堂場作品はどれもさらりと読めるのが良い。その分激しい感情描写とかがないので過激本が好きな人は西村寿行を読むべきだろう。
さてその棘の街、文庫本で589ページであるが読みやすい為に週末2日で読み終わった。
ただ読みながら普段の堂場作品と違って随分ぎしぎししてるなー、何だか話の作りは面白いのに一章ごとにでこぼこしてて、あれ?言ってること違うじゃんって感じがしたり、ちょっと偶然に頼り過ぎな筋書きは他の堂場作品とは異なる印象。
何だか同時期に書かれた他の本と切れ味も切り口も違ってて、何か新しい事を試したいけど何とか繋げようとしてるけどムリのある感じ。けど彼の特徴である「さらりと読める」ところは変わっていないから不思議なものである。
だから自分としては珍しく「この本は秀逸なのか少しデキが悪いのかそれともその真中あたりを行ったり来たりしているのか?」という印象を持ってしまい、普段なら他人のレビューなど読了後の作品で読むことはないのだけど他の堂場作品ファンはどう感じているのかと考えた次第。
でもってレビューを読むとやはり似たような印象を持っている読者は多く「この作品、他と違うね」という意見が多かった。
ここ半年くらいまともに堂場作品を読む機会がなく、ましてやこの作品は購入したのが半年前でそのまま積読(つんどく)になっていたのでちょっと作者に申し訳ない気分になった。
この作品を初めての堂場として読む方には「これだけが堂場じゃないから他の本を先に読んでみれば?例えば鳴沢了シリーズを読めばこの本の立ち位置が分かるよ」と言いたい。
買ってそのまますぐに読んでおくべきだったな、やはり気になって買った本はすぐ読むべきだろう。自己反省。