2017年03月21日

幸福度調査

先週書いた「住みやすさ調査」と違い、これは何となく分かるかもと思う調査結果だった。

 

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[ニューヨーク 20日 ロイター] - 国連と米コロンビア大学が設立した「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」と同大学地球研究所は20日、最新の「世界幸福度報告書2017」を発表した。

報告書の幸福度ランキングでは、ノルウェーがデンマークを抜いてトップ、日本は51位だった。一方、サハラ以南諸国とシリア、イエメンが下位となった。

 

ランキングは2012年に開始され、今年で5回目となる。155カ国を対象に、1人当たりの国内総生産(GDP)や健康寿命、困難時に信頼できる人がいるかどうか、政府や企業における汚職からの自由度などを手掛かりに幸福度を調査。

 

210位は、デンマーク、アイスランド、スイス、フィンランド、オランダ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、スウェーデン。

 

最下位は、南スーダン、リベリア、ギニア、トーゴ、ルワンダ、タンザニア、ブルンジ、中央アフリカ共和国となった。

 

このほか、ドイツは16位、英国は19位、フランスは31位、米国は1ランク下がって14位だった。日本は51位、シンガポールが26位、タイが32位、台湾が33位などとなった。

 

地球研究所の所長でSDSNを統括するコロンビア大学のジェフリー・サックス教授はインタビューで、米国のランク低下は不平等と不信感、汚職が原因と指摘。さらに、トランプ政権が実現を目指す経済政策は事態を悪化させるとし「富裕層対象の減税、一部の人々の保険制度からの除外、軍事費捻出のための食事配給削減と、全政策が不平等を助長するものだ。提案されているすべてが間違った方向に向いている」と述べた。

http://toyokeizai.net/articles/-/164020

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仕事生活をしやすいかと言う視点であれば、特にオークランドで仕事生活をしていれば、ましてやシティのど真ん中で現場の仕事をやっていれば「生活しやすい」とは到底言えない。毎日が戦いでありちょっとでも乗り遅れたらあっと言う間に取り残される。

 

僕は日本の市場成長経験世代なので分かるけど、今は誰もが絶対に勝つと思ってこの市場に進出してきて多くの人々は早々に退出するのだけど、退出するよりも多くの人々がこの街に夢を観てやって来るので結果的に昔の日本のように市場はどんどん熱くなっていく。

 

変化は都市を大きくするが同時に物凄い力でそこにいる人々を巻き込み成長していく。生き残れるのは力の流れを読んでその流れに乗った人々だけでありそれはいつも決して多数ではない。

 

都市の人口増加と言うパイの拡大が街を発展させてオークランドはこれからもニュージーランドの中の一極集中の坩堝として成長していくだろう。

 

けど調査にもあるようにシティを一歩外に出ればそこは昔ながらの自然と優しい人々が生活しており、勿論2世紀のオークランドのようなのんびりさはもうないけど、それでも北半球の生活と比べれば地元に根を張った人々は楽しい隣人付き合いもあり生活を楽しみながら生きている。

 

1人当たりの国内総生産(GDP)は国民を豊かにさせているが、これを享受出来ているのは国民のうち50%くらいではないか。

 

20世紀に自宅を購入して退職までにローン支払いが終わり21世紀に年金を受取り夫婦でリタイアメントハウスに入居できる、そんな人々にとっては生活物資は豊かになり物価スライド性の年金は今までの貯金と合わせて持ち家があれば生活に苦労はしない。

 

 

健康寿命は前回も書いたようにこの国はぴんぴんころりの発想なので死ぬまで元気と言う人が多いのも健全であろう。

 

そしてここがキーウィの良い点だけど「困難時に信頼できる人がいるかどうか」は、キーウィ同士の人助けって本当に良いなっていつも思う。自分の状況がどうであろうと目の前の人を助ける習慣が国の中に根付いている。

 

こんな事書くとまた「そんな事はありません!私は悪いキーウィを知ってます!」って書く人がいる。

 

だけど、こっちが「一般論」を書いている時に個人の主観の「例外」を持ち出して如何にも鬼の首!ってのは頂けないぞ、日本語の会話力をもっと付けてから参加しろ、でないとお前が酸化するぞって話である。

 

もっと簡単に書けば「豚骨ラーメン美味しいよね」って書いたら「豚骨ラーメンの塩分が云々でカロリーがどうこうで夜中に食べることで肥満がうんちゃらで、だからあなたの言ってる事は間違いです!」と言われるようなものだ。

 

「政府や企業における汚職からの自由度」これも社会の大事な要素である。僕がこの国の仕事をやりやすいと感じるのは、まさに20世紀の日本で村社会の利権、政治家の贈賄や「俺は聴いてない!」だけで理論が通じない馬鹿社会を観てきたからだ。

 

ほんとに日本人は理論建てが弱い。特に田舎の人間になればなるほど根回しすべてであり「聴いてない」の一言ですべてがぶっ壊されるし「あそこに話は通したか?」で義理立て筋立て最後はこんにゃく(鴻池料理らしい)が必要となる。

 

その点このNZと言う国はそういう事を「出来るけどやらない」と言う文化があるのだ。誰もが生き馬の目を射抜くようなビジネス社会で生きているけど、騙すとか嘘をつくとか賄賂とかは、やっぱりビジネスマン同士の暗黙の了承で「そりゃやめようぜ」ってのがある。正直に紳士的に、背中に斬りかかることはしない、そういう文化がある。

 

僕の場合いろんなキーウィとビジネスをする機会があるけど、上に行けば行くほど「出来るけどやらない」と言う暗黙は感じる。

 

勿論政治家でもある種の人々はまさに「こいつら食人鬼だな」と思うようなやつもいるし時々食われた奴も見るが基本はやはり「人を騙さない文化」である。

 

その意味で仕事をするにしても日本と違ってやりやすい。ひょっとして相手が騙すのでは?と考える必要はない。勿論もちろん何度も書くが例外はある。けれどビジネスの基礎が嘘をつかない誤魔化さないなので日本よりは気を使う部分が少ないのは事実である。

 

幸福度調査かー。自分のために生きてるか?自分の中に試金石を持っているか?ニュージーランドに来てもいつも他人と比較してしか生きていけない、つまり自分の試金石を持たない人にはあまり意味のない調査かもしれんなー。



tom_eastwind at 18:30│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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