2017年04月13日

家畜輸送機

日本でもニュースになっているユナイテッド航空のオーバーブッキングで乗客引き釣り下ろし事件であるが、航空業界ではオーバーブッキングは常に行われている。

 

僕がいつも利用するキャセイ航空でも空港カウンターで受付をしている担当者が時々行列の中に入って聴いてることがある。

 

チェックイン担当者がチェックインの為に並んでる人達の列へニコニコしながら寄ってきて「ねえ、明日のビジネスクラスに乗らないか?今晩の宿泊代も出すよ」とやってる。

 

これは航空業界では何も珍しいことではなく昔からいつもやってたことだ。

 

僕が旅行業界に入った頃は国内線予約をする時は各航空会社の専用端末がありこれがまだ番号制であった。つまり予約をする際は日付と便名と区間を入れると席が取れると番号が出てくる。

 

航空券は手書きで発行するがその時に予約番号を記入するのだ。

 

現在はPNRと言う方式で名前を入れて予約をすることで他の人が使えないようにするのだが以前はこの番号だけで予約が取れたのだ。

 

そこで質の悪い旅行会社の連中等はお正月など予約が取れない日時については予約番号を予測して手書き航空券に番号を書き込みお客様に渡す時に「必ず1時間前にチェックインして下さいね」と伝える。

 

航空会社も名前ではなく予約番号なので番号があればとりあえずチェックインさせる。一旦チェックインした搭乗客を下ろすのは大変なので後から来た同じ番号を持っている搭乗客をオーバーブッキングとしてチェックインを拒否するのである。

 

後から来た客は自分の予約が取れてない事にびっくりするが航空約款では航空会社は搭乗拒否が出来る。

 

勿論航空会社も後で調べて旅行会社が質の悪い事やってるのが分かった場合は相当厳しく抗議するが当時は旅行会社抜きでは航空券は売れず航空会社としては痛し痒しであった。

 

今ではこんな事は出来ないが昔はこういう航空券の事を「紙飛行機」と呼んだものだ。

 

しかし今回のUAのオーバーブッキング対応は実に話にならん。元々UAなど米国系航空会社は一体誰が金払ってるのだと腹が立つくらい昔から対応が悪かった。

 

特に女性搭乗員機内キャビンアテンダント等は酷いものでアジア人等は人間とも思ってないのか、機内で食事を配るのもまるで動物の餌やりだし飲み物を一杯出したら後は何もせずに機内後部の座席に仲間と座り込んで座席をどーんと倒してワイワイやってた。

 

乗客が英語出来ないと完全にバカにして「何で英語が出来ないんだ!」と怒り出すようなのもいた。本当にアタマが悪いのだ。なので僕からすればNZ航空よりも嫌いなのが米国系航空会社である。

 

乗客の引き釣り下ろし役をやったのは今回はUAではない。しかし自分とこの交代搭乗要員をあからさまに優先するのはまさにバカの真骨頂である。

 

他にいくらでも方法があっただろうにマニュアル通りの作業しかせずに自分たちが手抜きした事で問題が悪化した。一体どっちを観て仕事をしているのだ?

 

日本ではオーバーブッキング自体を「やだー!」とか「うっそー!」とか言ってるようだから今回の事件をオーバーブッキングの問題と捉えているようだが、飛行機と言うのは必ずドタキャンが出るものであり効率的に搭乗率を上げるためにはオーバーブッキングは必要である。

 

そうでなければ毎回座席に空席が出てしまいそうなると航空会社は運賃を上げる必要がある。つまり安い運賃を出すためにはシステム的に一定のオーバーブッキングを入れておくのは当然の戦略なのだ。

 

今回の問題もUAは搭乗した客を降ろそうとした訳だがこれは本来搭乗チェックインカウンターで行う作業である。

 

予約の時点でオーバーブッキングしていても航空会社は毎年の経験と勘とビッグデータを活用すれば搭乗当日には何名がオーバーブッキングになりそうか見当がつく。

 

だからチェックインカウンターに行列が出来た時点で「お金出しますぜー」とやるのだ。そこを手抜きして乗客を機内に乗せた後に降ろそうとすることがすでに如何にも米国的アタマの悪い手抜き作業である。

 

第一、一旦チェックインすればまず預け荷物があった場合、その乗客の荷物を下ろす必要がある。また空港に提出する搭乗者名簿を変更する必要がある。これで飛行機は出発時間が遅れる。混み合ってる空港だと次の離陸時間を貰うまで時間がかかってしまい遅延によって今度は乗り継ぎ客に迷惑がかかる事になる。

 

そのような事態を考えれば交代要員が搭乗するのが分かっていれば事前にやれることがあった訳で搭乗を分かってなければどんな組織かって話である。

 

挙句の果てにアジア系米国人を引き釣り下ろしておいて自分たちは悪くないって態度でいつもの厚かましさである。

 

航空会社は運送会社でもあるが人間を運ぶサービス産業でもある。その根本を忘れた航空会社は貨物や家畜輸送に専念してもらいたいものだ。



tom_eastwind at 10:33│Comments(0)TrackBack(0)諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔