2017年05月07日

駆け込み寺2

今日の記事の前にご案内を1つ。当社の入居している220 Queen street, Data Centre Bldgの7階オフィスが7月に空室になります。

 

この7階はオフィススペースが5つあり当社が3区画を使用しもう1つが日系企業、もう1つがキーウィ企業だったのですが、このキーウィ企業が今回契約更新をせず出て行く予定。

 

このビルは場所柄が良いせいかここ数年中国系企業が入ってきてあちこち中国語サインでエレベーターホール等もちょっと雰囲気悪いのですが、彼らが7階のオフィスに入ってくると共有廊下やトイレの清潔度を維持できるのか?と疑問視。

 

なので現在シティにオフィスを借りたいけどちっちゃいシェアオフィスを探している人向けにテナントを募集中です。もしシティオフィスに興味のある方はお問い合わせください。

 

問い合わせ先は下記です。

https://nzdaisuki.com/classified/house/ad/others-35/auckland-cbd-34712

 

 

さて本題。

 

それからもいろんな駆け込み相談があった。当時は会員制ではなく無料で情報を提供するオープンセンターだったから相談したい人はまずは学生と一緒に当社センターを訪問して掲示板観るふりしながら僕らの働いている姿を観ることが出来るから少しは心の準備も出来る。

 

ある時のご相談、20世紀の終わりに父親がNZで不動産を買ったのだけど子供にはきちんと内容を伝えないまま最近ご逝去。

 

日本で資金移動記録があるので相続税計算の際には組み入れる必要があるけど相続人であるご本人は父親が死んで初めてNZに不動産があると知っただけでその不動産の現在価値を把握する方法さえ知らない。

 

ましてやその不動産の相続税を払うと言っても現金がない。不動産を売却しようとしても名義が父親なのでNZの高等裁判所に申請をして親子関係確認から始まり自分が日本の法律において正式な相続人であることを証明して、そりゃもう1年位かかる手続をしなければいけない。

 

そんなこんなでどこからどう手を付けていいのか分からんし文句を言おうにも父親は既に他界しており文句の言いようもない。

 

だもんでNZの日本語のウェブサイトをあちこち検索して当社に辿り着くのだけど、この「当社」が信頼出来るかどうかも分からない。だもんで最初は非常に慎重にできる限り自分の身元を明かさずにいろんな事を「一般論」として聴いてくるのだ。

 

だもんでこっちも相手が誰でも同じ回答になる一般論を返す。そして1時間ほど話すとやっと「実はうちの父親がー」と言う話になる。

 

そこでNZでの裁判の起こし方から始まって権利確認、裁判所命令、その後に住宅の売却と日本への送金、最後は相続税の支払いとなる長い道のりと裁判費用や日本に資金を送り返す方法などを具体的に説明して必要な場合は当社がサポートして長い時間を一緒に過ごすこともあった。

 

最近の問い合わせで目立つのがやっぱり永住権である。豪州で永住権を取得しようとして現地のビザアドバイザーや弁護士に相談して「こうやってがっこ行ってこうやって会社作ってこうやって起業して〜」といろいろ言われてその通りにやってたらある日突然豪州移民局のルール変更で永住権が取れない事が分かる。

 

最初に相談したとこに聴いても「わしゃ知らん」で終わり。そう、彼らもその場仕事が終われば後は「知らん」である。

 

けれど永住権が取れると聴いて申し込んで学校に通ったり会社作ったりしたのにルールが変わったら「知らん」で放り出されては一体どうすりゃいいんだ?て話である。

 

そこでNZの事を思い出して「あ、そうだ、NZで永住権取って5年住めば市民権が取れる、そしたら豪州で働ける」と言うことで当社に問い合わせをしてくるのだろう。

 

これは勿論NZで現在学校に通っている人々も同様である。「この学校に通ってこのコースに申し込めばこうなってああなって永住権に繋がる」と聴いて申込んだけどNZも突然のルール変更で今までの計画が使えなくなる。

 

さあどうすると言っても学校やエージェントが超法規的措置で何か出来るわけでもない。結局ネットで検索して色んな情報を探していくしかない。

 

そこで当社のウェブサイトに辿り着くのだが話を聴くと入り口からかなり無理のある筋書きである事が分かる。何故なら道を作るのは良いが今回のようなルール変更があった場合にどう対応するかという「避難訓練マニュアル」が作られてないのである。

 

道はいつも晴れているわけではない。雨が降ったらどうするのか、雷が落ちたらどうするのか、道に迷わないための思考方法は?等などいろんなバックアップをしておく必要がある。

 

僕が移住計画を立てる時は常に「緊急の場合は」と「駄目な場合は」の避難コースを作っておき移民局のルールが変更になればプランAに変更、プランAが駄目ならプランBって感じでプランを多数作っておく。つまりいつも他の道に回り込めるようにしている。

 

3年前も起業家ビザで中国人問題にNZ全体が巻き込まれて移民局が大きなルール変更をいきなり導入した。その時もプランA、プランB等を使い当社を信じて最後までお付き合い頂いたお客様はいろんなプランを使って永住権を取得した。

 

今年はニュージーランドの総選挙の年であり3年前と同様に移民局の対応が厳しくなる。どのような形で永住権申請の計画作りをするにしても避難訓練マニュアルは持っておいた方が良い。でなければビザは取れず資金が尽きて家族揃って日本へ撤退するしかなくなる。

 

豪州で永住権への道が閉ざされた人たちもNZは確かに豪州よりも「まだ基準は低い」けどいずれ豪州の後追いで厳しくなるのは間違いない。その点を考慮に入れてプランの練り直しをすることをお勧めする。



tom_eastwind at 11:04│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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