2017年07月26日

加計問題

国会閉会中審査で安倍首相と野党がどんぱちやっている。

 

最初に断っておくが僕は安倍首相を擁護する気持ちはない。何故なら彼の目指す方向が間違いなく将来における日本の戦争の可能性を高めるからだ。

 

日本が武装するのは良い。そうでなければ危険な近隣諸国に攻め込まれるからだ。非武装都市は攻め込まれないなどと言う都市伝説を信じられるほど僕は平和な人生を送ってないので「戦争が出来る国」になることの重要性は理解している。

 

けれど日本を防衛する為に武装化するのと外国に侵略戦争する為の武装化をするのは全く別問題だ。武器とは他人と戦わないための道具であり戦うための道具ではない。

 

けれど小人は武器を持つとすぐに使いたがる。それで他人を威嚇して面白がる。まさにジャイアンか米国のようなものである。更に兵器産業にビジネスが絡むと軍産複合体のような事になって自分の利益だけのために他国へ侵略することになる。

 

安倍首相の、お爺ちゃんから引き継いだ考えは悪くない。けれど安倍首相のやり方は振り子の針が一番左に振れていたのを右に戻す作業で一気に極右に吹っ飛んでしまうからやばい。

 

日本が戦争に突入した時は何が起こったか。それは日本特有の現場の「部分の無謬」が上司をふっ飛ばして「全体の無謬」をぶっ壊して政府の制御の出来ないままに下っ端が戦争に突入した事だ。

 

そして今の安倍首相のやり方では確実に戦争への道を進む。彼のやり方には制御装置がないからそろそろ退陣して石和氏か岸田氏に政権禅譲しても良いかと思う。

 

けれど加計問題は別の次元の話である。

 

日本は官僚と既得権益保持者がべったりと癒着してお互いに利権を守っていたがそれは獣医師問題も同様でありその岩盤に穴を開ける必要があるのは間違いなかった。

 

だから今回安倍首相は官僚や既得権益の壁を突き破るために獣医学部新設に突っ走った。

 

だがぼくは今回の獣医学部問題は実は鳩山邦夫議員死去に伴う去年10月23日に行われた衆議院議員福岡第6区補欠選挙が発端であると思っている。

 

鳩山邦夫氏は普段は東京在住だが選挙区は福岡県久留米市である。これは鳩山氏の母親が久留米発祥のタイヤ会社ブリジストン創業者の石橋氏の娘であり嫁いだ先が鳩山威一郎だったからだ。

 

鳩山邦夫氏の死去に伴い補欠選挙が行われたが鳩山次郎が跡継ぎとして立候補して菅官房長官が応援に入った。つまり官邸がバックに付いたのだ。

 

そこに対抗馬として出て来たのが福岡県を地盤とする蔵内謙である。そして彼の応援に入ったのが何と麻生太郎と古賀誠と言う福岡を支配する二人である。

 

実は謙の父親が蔵内勇夫、福岡県自民党県連会長であるが勇夫と麻生太郎は親友であり福岡県南部を地盤をとする古賀誠も東京にしかいない鳩山よりも地場にいる蔵内を推した。

 

その結果として「麻生太郎+古賀誠」対「菅官房長官」と言う絵図が出来上がった。

 

この選挙では菅官房長官が推す鳩山次郎氏が勝利したがここに一つ裏があった。それは蔵内勇夫は元々獣医師であり日本獣医師会の会長を2013年から務めていることだ。

 

菅官房長官と安倍首相は勿論仲が良い。安倍首相としては岩盤規制に穴を開けたい。そんな時に麻生太郎と日本獣医師会会長を敵に回して衆議院選挙を戦い、菅+安倍コンビが勝利した。

 

つまり蔵内謙を破った事で今まで岩盤だった獣医師に穴を開けたと考えたのだ。そこで安倍首相としては一気呵成に自分の盟友である加計学園を引っ張り込んで四国の田舎に学校を作り獣医師を養成することにしたのだと思う。

 

この補欠選挙前であれば麻生氏に対する遠慮もあっただろうが福岡代理戦争で麻生氏と堂々と戦い勝った安倍首相からすれば麻生氏が後押しする獣医師会を敵に回してもいける、そう考えたのだと思う。

 

だから今回の獣医師問題を単なる身内びいきとかの程度で評価するのではなく、堂々とした戦いであったと評価すべきだと、僕は思っている。

 

だからこそ民進党のような下らぬ足の引っ張りをして問題の次元を低下させる事でムダな時間と経費を遣っている連中を観ると「お前らそれでも国士か!」と言いたい。



tom_eastwind at 17:14│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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