2017年08月01日

街の発展

今朝もよく冷えた空気の中で目を覚ます。早朝の6時前が一番冷え込み6度くらい。

 

これで寒いと言ったら北海道の人に冬の写真を送りつけられそうだ。北海道の冬はベランダに乾してたタオルが一晩で凍りついた国旗みたいとか、朝カーテンを明けたら窓ガラスが上の方まで雪で埋まってたとか、雪かきしないと表の道路に出られないとか、そんな写真が届きそうだ。

 

オークランドは南緯37度で東京や長野と同じくらいの緯度なのに何故こんな気候なのか?

 

それはまずオークランドが南北に50km程度に伸びていながら東西で観ると一番細い部分は11kmもないという、まるでグリコアーモンドクラッシュポッキーのような隆起のある形状をしていることが一つ。つまり両側を海に挟まれているのが原因だ。

 

次にオークランドの西側の海は遠く豪州まで続くタスマン海の暖流が流れており、暖流ってのはマグロが大好きな20度前後の温度である。

 

でもってオークランドの東側を流れるのは南太平洋の暖流でこれもまた暖かい。

 

つまりポッキーオークランドの両側を暖流が流れており本来は雪が降ってもおかしくない緯度でありながら大地と空気を暖流が温めてるから雨雲が雪にならない。

 

夜になってオークランドの上空に溜まった雨水の雲は大気に冷やされて地上に降り落ちて地面をしっとりさせて朝方になって暖流に温められて地上から蒸発する、これがオークランド名物の冬の朝霧になって冬場のオークランド空港をすっぽり覆い朝便の遅延となる。

 

けど昼になると霧は暖流で温められた大地から空に戻り晴れ間が出てくる。そしてスコールの様な雨が繰り返し降るが気温は大体15度前後の昼が続き、また夜が来る。

 

ちなみに夏場の温度が25度を超えずに夏場でもクーラーが不要な理由がやはり東西を流れる暖流であり夏場の井戸水現象でオークランドを適度に冷やしてくれるのと二つの海を駆け抜ける涼しく乾いた風があるからだ。

 

等などオークランドの気候は過ごしやすくて良いのだが、だからと言って仕事が過ごしやすい訳ではない。

 

特に21世紀に入ってからのような長期的に続く好景気では物価も上昇して人口も増えて街に人が増えて交通渋滞が起こり道路を増設しても急増する人口に追いつかない。

 

地主や支配層は相も変わらず「金に働かせる」事が出来るが僕らのように毎日の現場仕事をやる方からすれば年を経れば経るほど忙しくなり景気の小波を読み毎日微調整をしつつ来年の中波を読んで半年単位の「やるべきリスト」を作って実行しつつ10年単位の大波を読んでどっちに進むかの方向性を決める必要がある。

 

目の前の波をお洒落に乗り切ったとしてもそれで調子ぶっこいてると必ず次の波に吹っ飛ばされる。だから常に足元をこまめに足で舵を取りつつも頭と目は遠くの波も観つつ次に備え、目の前の波を無事に越えても常に常在戦場で気持ちを張り詰める必要がある。

 

この街で長く生きてると実にビギナーズラック(初心者の偶然の成功)に乗っかりそのまま次の波で砕かれ落とされる人々を観る事が多い。

 

そりゃ勿論景気の悪い街で仕事するより景気の良い街で仕事をするほうが仕事を得る機会は多い。下りのエスカレーターを駆け上るよりも上りエスカレーターを駆け上がることの方が早いのも事実であるし体力消耗が少ないのも事実である。

 

けれど、だからそれを知っている人が次々と新規参入して来るので上りのエレベーターに皆が殺到して駆け上がるようになる。

 

好景気ってのは一般論でありそこに参加している個人としての自分がこの社会で白人やインド人や中国人と個として戦って通用するかどうかは別問題だ。むしろ新規で入ってくる競争相手が多いだけ戦いがきついのも事実である。

 

オークランドが田舎だった時代は地元の優秀なA級連中は豪州から英国、そして米国や香港へと飛び立ったから地元にはB級しか残らず、B級同士がのんびりやってれば良かった。

 

ところが地元の景気を聴きつけた出稼ぎA級が最近次々とオークランドに戻ってくるようになった。5年ほど前まではNZから海外流出するキーウィが約4万人、戻ってくるのが3万人という人口減だったのが最近はすっかり流出(出稼ぎ)よりも流入(出戻り)が増えて1万人程度の純増になっている。

 

その上北半球生まれの生き馬の目を射抜く連中がやって来る訳だからのんびりした地元のB級では立ち行かない。そこで現在のように地元民の下の方から落ちこぼれが出てきているのである。

 

昨日と一昨日は戦略と戦術調整のために机の上でいろんな数字を引っ張り出してたので普段の肌感覚と違う景色が見えてきた。

 

街が発展するのは一般的には良いことである。けれどその時には必ず前に進む進歩と成長という大きな二つのタイヤに巻き込まれて潰されていく人々が出てくるのも事実である。

 

そして何よりの悲劇は田舎のオークランドしか知らなかった人々にとっては北半球に飛び出していったA級の人々と違って免疫がなく北半球の新種に対応出来ないから、結局そのままジリ貧になっていくという現実だ。

 

街の発展は一般的には有り難い。しかしそれがすべての人を幸せにするかと言えばそうではないのも現実だ。



tom_eastwind at 06:34│Comments(0)諸行無常のビジネス日誌 

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