2017年08月08日

平目銀行

ここ一年でオークランドの銀行の態度がびっくりするくらい変化している。OECD加盟国を中心とした個人税務情報の交換が一気に進み、NZの非居住者は今後口座開設や既存口座の変更等の際にはすべて居住国の税務番号提出が義務になった。

 

それと同時に今までは担当者レベルで進んでいた話が、これからは一切個人の配慮はなくすべて法務部が出した指示に従いコンプライアンスを徹底的に遵守して仕事をすることになる。

 

こうなってみてはっきりしたのは、やはり銀行ってのはお役所並みの組織であり下の者は常に上を観て行動する、下の者にとっての顧客とはカウンターの目の前にいる人物ではなく自分の上にいる人物、つまり上司が顧客であるという事である。

 

日本でも大組織になると顧客中心なんてのは猫の念仏で実際は上司中心である。今までのNZは顧客に対しておおらかであったが今後はもう一切期待出来ない時代が来たという事である。

 

最近はまた当社が駆け込み寺の様相だ。10年前はVISAや不動産の駆け込み寺だったが最近の相談内容は銀行口座である。

 

1・昔NZに旅行に行った時に口座を作って定期預金をしていたが最近になって銀行から意味の分からない手紙が来たから読んでくれ、なんだかマイナンバーの事を聴いてるようだけど?

 

2・NZの銀行口座の名義人が死亡したら口座のお金は政府が没収するのか?

 

3・最近はどこの銀行も日本語対応が出来なくなって非常に不便をしているがどうしてだ?

 

4・口座内容を変更しようとするとNZから日本に電話がかかってくるけどこっちは仕事中で電話に出られない。すると何時まで経っても口座変更が出来ない。どうすれば良い?

 

1についてはその通り。7月から一斉にすべての銀行が独自の様式でNZ非居住者に対してマイナンバーを提出するように、そうでなければ口座は変更出来ませんと通知が来るようになった。

 

2については正確には銀行が口座を凍結して一時的に裁判所の管轄になり正当な遺族が正当な手続きで死亡及び自分との身元確認書類を提出して半年くらい裁判所で審査をされて裁判所が納得すれば初めて正当な遺族の手元に口座資金が戻ることになる。

 

そして曲者がこの「正当な手続き」であり、まずは弁護士を入れて必要な資料をあちこちで集めてそれを英語に翻訳して弁護士経由で提出するのだがNZには戸籍制度がなく親子であれば出生証明(Birth Certificate)を提出しろと言われるが日本には戸籍しかなくその違いを説明するのが大変だ。

 

3は、NZの多くの銀行にとって日本人はすでに少数民族でありわざわざ日本語担当を置くだけの価値はないと判断されているのだ。しかし中国人スタッフはたくさんいるし韓国人スタッフも目立つので日本だけが地位下落しているのが現状である。

 

4もよくあることで更に困るのが電話をかけると言ってきた時間に電話がかかる各率は5割である。つまり半分は約束をぶっちされているのだ。電話の前で待ってて時間をムダにすることになる。

 

おまけに電話がかかってきても英語で早口だから何を言っているのか分からないとなる。それにこれは僕から観たらNZの銀行馬鹿かって感じだけど、電話した先が本人かなんてどう認証するのか?音声記憶装置でもあって照合するのか?電話で生年月日とか個人情報の質問をすることもあるけど、現実には個人情報を正確に言えなくても「あ、いいよ」で終わっているのである。

 

これじゃあなんのための本人確認か、であるが、要するに平目銀行員は電話をすることが大事でありコンプライアンスを遵守していれば上司に「愛い奴」と思われるからそれだけで良いのだ。

 

他にもいろんな問い合わせが来るのが最近の銀行口座の案件である。今もしあなたがNZで銀行口座をもっていたらそのデータはマイナンバーを経由して日本の当局が把握することになるので十分御理解の上で対応することをお勧めする。



tom_eastwind at 17:20│Comments(0)諸行無常のビジネス日誌 

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