2017年08月27日

満足度調査

オークランドはそろそろ春らしく花が咲き始めている。毎朝の気温が10度前後、お昼が15度前後と過ごしやすい空気になっている。

 

昨日書いた記事の中に出てくる満足度調査は下記内容。

 

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内閣府が26日発表した国民生活に関する世論調査で、現在の生活への満足度を聞いたところ「満足」「まあ満足」と答えた人は昨年の前回調査に比べ3.8ポイント増の計73.9%に上り、1963年の調査開始以来、最多となった。

 

同種設問でこれまでの最多は95年の72.7%。政府に力を入れてほしい政策分野(複数回答)は「防衛・安全保障」が前回比4.3ポイント増の36.2%に上昇した。調査形式などが現行とほぼ同じになった2001年以降で最高。分野別では5番目に多かった。

 

 調査は6月15日〜7月2日、18歳以上の男女計1万人対象に面接形式で実施し、回答率は63.2%だった。(共同)

https://mainichi.jp/articles/20170827/k00/00m/010/080000c

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これは言葉を変えればいよいよ今の普通の日本人は危機感覚が失われてきて目先の事にしか目が行かなくなっているという事であろう。だって95年ってまさにバブルが崩壊した前後であり本来一番きつい筈の時期が満足度高いってどういう事だ?って話である。

 

現実には日本全体の下向きの平等が安定化して皆が貧しくなりそれでも治安はまだ大丈夫だから周りと比較して自分だけが特別ひどいわけじゃないから「満足」なだけである。

 

日本国債の負債を日本人個人が「資産」という形で抱えているという問題だけではなく今後インフレが起こった場合にそれが適度なところで止まるかというとそんな期待的予想は出来るわけがない。

 

そして医療や年金が期待出来ないのは分かりきった事である。そんな状態で一体どう「満足」出来るのだろうか?

 

コンビニがあって携帯電話があってワンコインでご飯が食べられて芸人がテレビでバカな事をやって笑って風呂入って寝て翌日又仕事に行って会社の愚痴を言い合う。

 

けどその先にあるものを考えたり予測すれば決してあなたの人生が満足出来る状態でないのは見えるはずだ。

 

ということは、もしかしてもう予測したって何の意味もないから止めとこう、今が良けりゃもういいやって開き直りなのかもしれない。今までだってお上が何とかやってくれた、だからこれからもお上が何かやってくれるだろう、俺たちゃ黙って真面目に働いていりゃいいや、そう考えているのかもしれない。

 

ただ、大体において多くの人が考えるのは「こうであって欲しい」が出発地点であるから安心するがそれは安全とは違う。

 

日本人は何かあると安全なのに安心を要求するが、安全でない時に何故か周りを観て誰もバタバタしていないから「安心」してしまい準備を忘れてしまう。

 

1991年にバブルが崩壊した時も多くの人はその先のことを考えずに「株価はまた上がるさ」と思い込み1997年に拓銀などが倒産して初めてバブルが崩壊していた事に気づくが時既に遅しである。

 

多くのサラリーマンが住宅ローンを払えず手放して借金だけ残って、けど社内で給料は上がるどころか成果主義で切り下げられてついに家族離散、旦那はブルーシート奥さんは実家。

 

バブル景気で保険会社や銀行に言われるままに変額保険を掛けてバブル崩壊後に「俺に死ねということか!」と銀行窓口に乗り込む人々が続出したが、彼等は隣の人がやってるからという理由で自分も同じことをやって隣の人と同様にトラブルに巻き込まれたのだ。

 

日本のバブルが弾けた頃から僕は香港で働くようになった。1992年に名古屋から出張でやって来たある社長とお話をする機会がありその時に「日本のバブルはもう崩壊した。これから一気に不動産価格が下落して100兆円くらいの大変な事になるけど、放置しておくともっと被害が広がって、下手をすれば銀行も倒産するぞ」と言ってたら、本当にその社長の予測通り200兆円くらいの被害になった。勿論その社長は事前に先読みして見事に切り抜けた。

 

同じ時期にやはり名古屋の不動産会社の社長ご家族とも知り合いになりアフリカのサバンナ旅行とかも手配してて彼にもバブル崩壊の話をしたらにやっと笑っていた。

 

彼の場合は不動産の総量規制を予め見込んで早めに土地や建物を手仕舞いして現金に替えた為一番高いときに売り抜けて悠々と家族海外旅行を楽しんでいたのだ。「暫くはこうやってのんびりしますよ」と言ってた。

 

昨日は国債の話だったが今日は2020年以降の日本をどう生き残るかって話である。

 

前回はバブル崩壊だったが今回はそうではなく国民財産の総量規制、一定量の財産があれば自動的に国家に移転させますよ、日本人の個人資産は生活に必要な分だけは持ってても良いけどそれ以上のお金は国家が資産税、相続税、贈与税等の名目で没収しますからね、皆さんの資産はすべてマイナンバーで名寄せ捕捉しますよ、である。

 

バブル崩壊で多くの被害者が出たが今回もこれから3年にかけて国民の資産捕捉、そして可処分所得は一定額以上にはならないようにする。携帯電話業界ばかり儲からせない為に、つまり可処分所得から差し引かれる携帯電話料金を下げてそれを他の業界に回す、けれど個人財産の総量規制はしっかり導入しますよって話である。

 

でもって再配分をするはずの税金は政府がしっかりと再利用して医療は自腹、失業は自己責任、老齢者の病気は治療せずにピンピンコロリでいきましょうって筋書きだ。こうなれば誰でも公務員になりたくなる。だって公務員の場合は一般市民が母屋で干物食ってる時に離れですき焼きが出来る仕組みがあるからだ。

 

それでも古い歌じゃないが「いいじゃないの、今が良けりゃ」それでいいさってんなら、どうぞ満足して下さいだ。何も言うことはない。



tom_eastwind at 17:24│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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