2017年11月11日

ASESAN

ASEAN。もう17年以上前の話だけど、小渕さんが首相だった頃にオークランドでASEANが開催されてその時に当社が携帯電話レンタルをやってて、日本航空経由で数十台の携帯電話の申込みがあった。

 

誰が使うのかと聴くと、何でも日本の首相やVIPを守るために送り込まれた自衛隊が持つとの事。それも一人二台ずつ持ち万が一の故障にも備えるとの事。

 

オークランドのASEANは無事に開始されてシティの数少ない高級ホテルが各国首脳の取り合いになって裏方では部屋取りで大変な騒ぎだったが、テロも起こらず無事に終了した。各国からの非公式な銃など武器の持ち込みも裏方で徹底した管理が行われるが実際には皆政府専用機で防御用の武器を持ち込んでいる。

 

今回のベトナムASEANも裏方ではホテル確保が大変だったろうな、それから護衛部隊。米国だと大統領専用車に堂々と護衛車がずらっと並び腰に拳銃と肩に自動小銃を支え、最近の護衛車には後部に機関銃を積んでいる車両もあるようだ。

 

機関銃と自動小銃は基本的に違う。鉄砲玉が出るって意味ではどのような銃も同様だけど機関銃の場合弾倉をベルト式にした場合ほぼ無制限に射撃出来る。それも据え付けが基本なので銃口がぶれず長距離射撃と敵の一斉制覇にすごい威力を発する。銃身が熱くなるので交換が必要だけど、それ以外では陸上戦では最も強力な兵器の一つである。

 

それに対して自動小銃は弾倉に入る銃弾は20発から30発。それに対してオートマチックで発射すれば約30秒で銃弾を撃ちきってしまい交換の間に完全に無防備になる。

 

なので実戦では弾倉を上下逆さまにして頑丈なテープで止めて最初の弾倉を打ち終わったらすぐにひっくり返して次の弾倉を差し込んで無防備の時間を極力短くすることもよくあるくらいだ。

 

但し狭いビルや路地での戦いには効果がある。機関銃では攻撃出来ない場所で機動的に移動して敵を補足して撃ち倒すには良い。

 

米軍正式銃のM-16は銃身が長くて屋内戦では不利だけどそのような時は銃身の短い自動小銃を使う。初期の自動小銃で言えばイスラエル製のウージ等が有名だ。

 

なので機関銃は大統領専用車が周囲をテロリストに完全に包囲された時には相手を一気に殲滅するための武器となり長銃身の自動小銃は市街戦、短銃身の自動小銃は屋内戦と使い分けることになる。

 

大統領などの護衛隊の目的は相手を殲滅することではなく自分の警護対象を安全地帯に逃がすことであるから拳銃は威嚇にはなっても相手を撃退する能力が低いので実務能力は低い。

 

て、それで今日の本題は自動小銃や機関銃の話ではなくベトナムで行われた首脳会談の結果である。

 

日本はここ1年の外交は結構上手くいってる。トランプと組むのはどうかって話もあるが政府からすればトランプと組むのではなく政府主導の外交を行い米国に対してきちんとしたパイプを作ると言う事だろう。

 

戦後の日本は外務省が米国との交渉を一手に引き受けて他の部門には一切触らせず外務省が自分の意見を通すために「これはアメリカ様の意見です!」とやって政府を押し切っていた。

 

そのような状況を変化させるために安倍+菅政権になって高級官僚の人事権を政府が握り次に政府主導の外交に変化させた為、今まで外務省が保持していた利権を政府が取るようになり国家レベルでの外交が出来るようになったのは良いことだ。

 

フィリピン、ベトナムとも交流して中國の海洋進出を防ぐための「東アジアの真珠のネックレス戦略」で抑え込みにもそれなりの効果が出ている。

 

但し外交は政治と同じで一寸先は闇である。今回もくだらん新聞は安倍首相が日本でトランプ大統領とゴルフした時にこけたとか実にくだらんネタを披露して喜んでいるが自分の属する国の最高権力者をそういったくだらんレベルの批判してどうする??

 

今の日本が考えるべきはいずれ去る米国の後にどうやって中國と対面するかである。ある意味北朝鮮は小さな目先の問題だ。百年の計を考えれば今こそ中國との対話と立場の明確化をすべき時期である。

 

今ならまだ米国の傘の下にいるし米国も助けてくれる。けれど2年後に米国が日韓から軍備を撤退したらどうなる?だから今のうちに中國政策を明確にして彼等中國に「日本はこうやるよ、その為にこんな軍備増強をするよ、けどそれはこっちが先制攻撃するものじゃなくて、あくまでも国防のためだよ」と相手が納得できる行動を起こす必要がある。

 

ASEANは世界の中では比較的に安定した平和な組織でありちっちゃな国同士が成長しながら組んでいこうって発想である。そして日本はアジア地域の国家からは「信頼出来る国」として高い評価を得ている。

 

ならば今のうちに中國との百年の計を考えて「アジアの真珠のネックレス」を当事国である中國も含めて「上手く収める」計画を日本が主導して提案すべき時期だと思う。



tom_eastwind at 09:58│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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