2018年01月04日
慈雨 1
今日のオークランドは昼頃から雨が強くなり午後遅くからはこれに大風が加わってオークランド中の木や草や花は満足であろう。これだけ降れば数週間は大丈夫で雨は草花にとっては慈雨である。
もちろんその分道路に水が溢れたりして今晩は停電もあるかもしれないけど、この自然のおかげでニュージーランドは観光や農業で豊かな恵みを得ているわけで、そう考えれば人間にも慈雨であろう。
日本はこれから10先どうなるのだろう。様々な面から観ていく必要があるが、やはり社会の基本は政治、経済、社会、そして個人に直接影響を及ぼす医療、税制、年金である。
このような要素は結局一つの形を作り上げてそこに新しい社会が発生する。
そこでまず日本の今後の政治である。安倍首相は株価を上げてきた。こうなると政治理論ではなく直接自分の腹に飯を詰め込んでくれる安倍首相は自民党だろうが共産党だろうが構わない、ネズミを捕る猫が良い猫なのだ。
その上に隣国である韓国や中国に対して毅然とした態度を取り日本国民からすれば溜飲の下がる思いであろう。
野党は安倍一強が悪いと言うけど、悪いのは政策を持たない野党の方でありそれは国民も既に気づいてそれが選挙結果に現れている。
白い猫でも黒い猫でも構わない、ネズミを捕る猫が良い猫なのだ。
そして経済を考えてみると株価上昇、円安による日系企業の高収益。例え內容が空井戸であっても人々が「良い!」と思う限り景気は上昇する。実体経済?ビットコインなど何の実体も無いがそれでも丁半博打の賭場になって今は稼いでる方が多いのだから何の文句があろうか。
次に社会。オリンピックを迎えて東京は盛り上がり建設関連や港湾関連はまさに隆盛を極めておりバブルの頃のような状況になっている。都内の夜のタクシーも時間帯によっては拾いにくくなっている。
安倍首相はトリクルダウンと言うが、簡単に言えばオリンピックがあるから建設会社が儲かりその接待で銀座や六本木に行く。お店で働く女性スタッフは当然一生懸命サービスして良いボーナスを貰う。
貰ったボーナスで新しい靴買ったり富士山あたりに旅行だ。すると靴屋のスタッフは実績に応じてボーナスをもらい旅先のレストラン、お土産屋、ホテルはどこも潤う。
するとレストランの従業員は週末の夜に地元の店で家族と一緒にご飯食べて楽しむ。すると地元の店では仕入れを増やすことで地元の肉屋とか八百屋の売上が増える。
地元の肉屋と八百屋では長いこと買い替えてなかった営業クルマを新しくする為にディーラーに向かう。ディーラーが売ればメーカーも儲かる。儲かったお金でメーカーはオリンピックに向けてもっと広告宣伝やろうぜって話になる。こうやってお金はぐるりと一周する。
そして安倍首相として恒例の官製春闘賃上げ3%、ここまで来れば見事な手腕である。
国家が政治、経済、社会を動かして国家の方向性と速度を決める。これを国家社会主義と呼ぶ。
こうなれば野党の主張である社会主義的內容をそのまま実行しているのが自民党であることが分かる。つまり現在の与野党は細かい意見の違いはあれ国内政策は全く同じ方向を向いている。ならば仲良く手を繋いで是々非々で行けば良い。
自民党は国家が付いてる社会主義、野党は国家の付いてない社会主義、自民党は国家がバックに付いてるから政策を実行出来るけど野党には実行力がないと、ただこれだけだ。
唯一違うのが外交である。中韓とどう対応するかであり、自民党の対応は国民の評価を得ているが野党が国民の評価を得ているというのなら「そうね、おたくの党員だけね」で終りである。ここは自民党は野党を切っても良い。
ただ問題は今後の個人が負担する年金、医療、地方住民税である。国家を運営する際には誰かが責任を持って対応する必要があるが、1970年代から分かっていた事を自民党も官僚も放置していた。
その結果としてこれから社会に出ていく若者たちの支払いは大幅に増えてしまう。これをぶち破るのは強力なインフレを起こすことである。年金等は物価スライド制にせずお年寄りの手取りは実質的にマイナスになり「死ぬまで働け」、若者は毎年10%程度の賃金上昇が起こり可処分所得を確保出来る。
この可処分所得が将来の消費社会の原資となるのだ。