2018年02月21日

国外追放

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NZ移民局は米国FBIにインターネット上の違法コピー事件で訴追されているNZ居住者キム・ドットコム(NZ永住権保持者)が永住権申請時に危険運転で逮捕された事実を申告しなかった事で調査を行い本日その調査は終了した。

 

しかしその結果はまだ直属上司のリーズ=ギャロウェイ移民大臣にも報告されておらず移民局は口を閉じたままである。

 

例え移民局が結果報告の中で国外追放を申請した場合でも移民大臣はその結果を拒否することが出来る。

http://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11998870

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この事件は4年前の総選挙時のスキャンダルから続いている案件だ。

 

キム・ドットコムは元々ドイツ系移民でインターネットのオンラインソフト開発で大成功したのだがそのダウンロードソフトが米国FBIにとっては違法ダウンロードの温床となった為にFBIにより訴追されている。

 

当初はニュージーランド政府としても米国の言うことなど「知ったことか!」であったが国民党議員との癒着により永住権を取得しその後も議員の面倒を観ておりこれがスキャンダルの基になった。

 

元々総選挙の年で6年続く国民党政権を何とか追い落としたい労働党がスキャンダルを探しまくって移民局を叩きホコリを引っ張り出したのだ。結果的に総選挙では労働党があまりのスキャンダル騒ぎに嫌気をさした国民に嫌われて国民党が圧勝したと言う皮肉な総選挙であった。

 

しかし国民感情として米国嫌いなキーウィであっても自国の議員に賄賂を送り嘘をついて永住権を取ったのは、それはよろしくないとなる。

 

そこで今回NZ移民局が調査に入りその調査が終了したのが本日であり、結果的にキム・ドットコムが国外追放になればおそらくそのまま米国送りになりFBIの牙の下にキム・ドットコムを放り込むことになる。

 

まるでスパイ映画のような政治物語であるが、僕らにとって問題はここではない。問題は永住権だけだと国外追放される可能性があるよって事実だ。

 

NZを目指す日本人が何時も言うことは「永住権取得が目標だ!」であるが永住権はあくまでも幸せになるための手段でありここを勘違いして永住権取得のみに意識を集中して、実際に永住権を取得すると取得疲れで暫くは何も出来なくなる。

 

更に問題は永住権取得に意識が集中しすぎてその先の生活構築を忘れてしまい、いざ生活を始めてみるとNZの物価高、子供の学校で教師や同級生との揉め事、英語での生活の苦労、そんな中で憧れの移住生活に疲れてしまう。それでも永住権取れたんだからNZに一生住めると思い込む。

 

しかし現実的に永住権は「NZ政府によって法的に剥奪出来る滞在の権利」である。

 

真面目な日本人は自分が永住権を申請して取得する際には「何も嘘は言ってない」と思っているし本人が思い込むのは自由であるが、それは日本の法律や道徳から観た場合の思い込みである。

 

現実には永住権申請の際に提出した書類にはNZ移民局からすればいくらでも「ケチ」を付けることが出来る。

 

例えば大学学歴申請時に「私はこの学位、この単位、この資格を取りました」とやるが実際にはNZで存在する学歴と合致しない場合がある。

 

2年位前までならNZ移民局はそのまま受け入れたが現在の調査では否定される可能性がある。何故なら様々な国の様々な人々が正式な大学の卒業証書を購入して正式な書類として申請してえれー問題になったからだ。

 

だから申請時に提出した書類が現在のルールで過去に遡及して調査された場合、OUTになることもあるのだ。ここで普通の日本人なら「なんでだよ!申請した時点で調査してそれで合格ならそれで終了だろ!」となるがNZ移民局はそういう考え方はしない。

 

だから今回のKIMDOTCOMでも「過去に遡って」調査しているのだ。

 

永住権とは居住して働く権利であり市民としての権利ではない。市民権は一旦発給すると二重国籍でない限り剥奪は難しい。何故なら国外追放しようにも追放先の永住権や国籍がない限り相手国が受け入れないからだ。

 

しかし永住権とは滞在の権利であり国籍は他の国にあるから追放が可能になるのだ。

 

真面目な日本人の一番悪い癖は「僕は何も悪い事はやってません」であるが、そんな純無垢がまかり通るほど世界は甘くないのだ。



tom_eastwind at 17:13│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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