2018年02月23日

清潔度指数

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【ベルリン=共同】世界の汚職を監視する非政府組織(NGO)トランスペアレンシー・インターナショナル(本部ベルリン)は21日、2017年版「汚職指数」を発表した。日本の「清潔度」は180カ国・地域中20位で、前年(176カ国・地域)から横ばい。ニュージーランドが2年連続で首位、最下位は11年連続でソマリアだった。

 汚職指数は国際機関やシンクタンクのデータを基に清潔度を100点満点で数値化したもの。ニュージーランドが指数89となる一方、前年まで5年連続1位のデンマークは88で2位に後退した。日本は73で、前年の72から上昇した。

 180カ国・地域のうち、3分の2以上が50未満。北朝鮮は17、シリアは14、最下位のソマリアは9だった。

 同団体は「世界中で汚職撲滅に向けた試みが行われているにもかかわらず、動きの鈍い国が多い」と指摘した。

 アジアではシンガポールが6位、香港が13位で、日本よりも上位にランクインした。台湾は29位、韓国51位、中国は77位だった。トランプ政権が発足した米国は前年の18位から16位に浮上し、ロシアは135位で前年より4つ順位を下げた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27199010R20C18A2FF2000/

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NZで汚職が少ないのは国民性の問題である。国民が賄賂好きなら政治家も賄賂好きになる。先日のKIMDOTCOMでも書いたがこの国の人々は基本的に不賄賂や不正を嫌う。

 

それは1800年代に集団移民としてやって来たイギリス人が真面目なキリスト教徒であり世界と隔絶された南太平洋の小島でそれが更に純化されたからだ。

 

英国の古い伝統である民主主義とキリスト教がちょうど良い感じに結びついてNZの国民性を作り上げた。

 

じゃあ日本人が不真面目か?

 

勿論そんな事はない。日本人は同じ島国であるNZと同様、他に逃げられないだけ人々の長期的信頼関係を大事にしている。米国や中國やロシアのような広い大陸を持ちどっかで犯罪やっても他の街に行けばいいって発想が出てこない。

 

でも今の日本なら田舎で悪さしても東京に出てパチンコ屋で働けば寂しいけど生活出来るってのは言えるだろう。

 

でもそれがNZでは可能か?不可能である。田舎で悪さしてオークランドに出てきても、オークランドの人口は150万人である。NZ全体でも450万人しかいないわけでインターネット時代でもありすぐ面割れして逃げようがない。

 

じゃあ田舎で悪さしてお隣の豪州に行くか?それとも英国に飛ぶか?ビザの問題もありそこまで無理して悪さをするよりも自分の生まれ育った街で悪させずに育つのが結局一番良いとなる。ここは日本と同じだ。

 

そして民主主義。NZでは国民一人ひとりが自分の主権を理解しているから自分がお上であり自分への付け届けをする必要がないと知っている。

 

日本でははるか昔からお中元やお歳暮等賄賂が横行していた。「付け届け」と言う名目で。その意味で日本人で最初に賄賂を払ったのは天皇陛下と言う話もある。これはつまり毎年の作物が無事に収穫出来た事を祝いそれを神様に初穂として献上するという「お上(神)に対する賄賂」であったからだ。

 

日本では戦国時代を除き常にお上と下々で社会が構成されていた。そこに民衆はいても国民が主権を持つ民主主義は存在しない。だから自分の上司や国政を司る政治家への賄賂を「お中元やお歳暮」と言う名目で柔らかくして渡す習慣が出来たのだ。

 

これは島国のむら社会で一生離れられない人々が思いついた生活の知恵でもある。だからお中元を送る方に犯罪意識はない、たとえそれが賄賂であっても社会に染み付いているから違法という認識がない。

 

しかしNZでは国家成立時点から英国式の民主主義が存在したからお上はいない。社会組織にはあくまでも公僕としての役人とボランティアとしての政治家がいるだけで彼らを選ぶのは選挙民である自分であり、だから自分が一番偉い。一番偉い自分が何で役人や政治家にお金を渡す必要があるか?

 

もちろん宗教行為として教会にいる神様に献金はしても自分の利害関係に直接影響は出ない。良い事したら良いことが返ってくるよって子供話は信じてないけど神様への献金は今無事に生きていることへの感謝の気持ちであるから額面がいくらでも構わない。

 

日本のように「この政治家への依頼はいくら」などと決まっていないのだ。日本では5%男なんてのがいる。政治家が口利きすれば必ず5%の手数料を民間企業が払う仕組みだ。

 

日本人もキーウィと同様真面目な人種である。生活様式も似ている。違うのはそこに民主主義があるのか、だけである。そして民主主義が根付くためには人々が自立した生活を送る勇気と根性があるかどうかである。



tom_eastwind at 08:00│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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