2018年02月28日

Simon Bridges


ニュージーランド国民党党首であるBill Englishが辞任後に党首についたサイモン・ブリッジスの出自について国民の中で様々な議論が行われている。

 

それは彼がマオリ出身だからだ。

 

NZの先住民族がマオリ族である。今から1000年くらい前にタヒチの近くのソシエテ諸島から部族毎に海を渡ってきた彼らは中央集権国家を持たずそれぞれの部族が山城を築き山では狩猟、城の中では農業、海では魚釣り、そして時間があれば他部族と戦争をして首刈りをやってた。

 

1800年代になり英国貿易商がNZに出入りしてマオリから動物の毛皮を買い毛布や銃で支払いをして、1840年になるとNZは英国植民地となった。

 

マオリからすれば白人は後から来た人々であり我々マオリとは違う、彼らはパケハ(白人の意味)だと位置づけた。

 

その後マオリ戦争でマオリ族は負けたがプライドだけは負けて無くてその後も「俺たちが先住民だぞ」だった。

 

これは良くも悪くも現在まで引き継がれており政治においてはNZファースト党がマオリの意見を代表する時は必ず「我々マオリは〜」とやるし社会面ではひったくりや乞食、喧嘩、恫喝等を行う際に必ず「俺達は先住民だから何をやってもいいんだ!」と考える。

 

しかし二大政党制であるNZでは労働党にも国民党にもマオリが党首になることは今までなかった。それが今回マオリが党首になったものだから2つの意見が出て来た。

 

一つはマオリ族の意見で「彼は十分にマオリなのか?」である。この意味は彼の血液にマオリの血は流れているがモノの考え方や行動は完全にパケハ(白人)であるから十分なマオリではない、だから彼にマオリを語る資格はないという声である。

 

もう一つはパケハからの意見で「彼はマオリだ」である。つまり伝統的政党である国民党党首はずっと白人が就いていた、そこにマオリを選ぶことで政策に歪みが出るのではないかである。

 

もちろん国民党にも労働党にもマオリ議員はいる。しかし党首はNZの人口の多数を占める白人が就くべきだという考え方である。

 

この議論は白人とマオリの間で行われている。

 

アジア人である僕としてはこの議論からは敬遠してた方がいいなって感じであるが議論の行く末は観ておきたい、そしてその議論を通じて現在のNZにおけるマオリとパケハの本音を理解してアジア人としてどう対応すべきかの参考にしたいと考えている。

写真右がサイモンさん。それにしても画像の貼り付け、まだ要領が分からん。上手くいかんな。 




Siom Bridges

tom_eastwind at 18:58│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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