2018年03月12日

鎖国している開国日本

ニュージーランドに住んでいると財務省や麻生さんが吹っ飛ぶような森友問題とか全然関係ないわけで、毎日読むNZヘラルドの記事には地元で発生したサイクロン(暴風雨)とか地元の政治家があーしたこーしたとか本国である英国の皇太子が結婚するとか中國との貿易で何が売れるか等である。

 

今のNZにおいて日本は政治的にも経済的にも中國と比較して相対的に低下している。NZを訪問する観光客も圧倒的に中国人が多くNZの酪農製品や農産品を売る相手としても中國の存在は大きい。

 

NZにとって何よりも良いのは、中國は良いものは良い値段で買ってくれるし金払いがよいって事だ。その分消費者に価格転嫁をするわけだが安全な食品であれば高くても買う消費者層が存在するから問題はない。

 

これが日本だと、やれ形がどうだの、やれ値引きだの、やれ支払手形が半年後支払いだどうだの、やれ返品だの、とにかく日本の商習慣を日本式に押し付ける。ところが実際に購入するのは中國の十分の一以下である。そんな面倒臭い国と付き合うだろうか?

 

変な話である。1945年の戦後の日本は米国主導で西洋化して米国からビジネスを学んだはずなのに1977年に経済解放された中國の方が余程資本主義的に世界と付き合っている。これはやはり中国人が本来持つビジネスパーソンとしての資質であろう。

 

日本と言う島国はどうしてもビジネスパーソンになりきれない。職人と言うか、細かいことに打ち込むのが得意であっても、それをどう売るかと言う部分については弱い。良ければ売れると思い込む。

 

そして商品を更に複雑化させて消費者を惑わせる。取引先は「業者」と呼び自分が偉いとふんぞり返りそれが良いと思い込む。

 

そして更に弱いのは身内同士で叩き合う性格である。

 

何故この100年西洋、つまり英国と米国が発展したか?それは彼らは内部でどれだけ喧嘩してても外部に対しては一枚岩で戦うことが大事と知っていたからだ。

 

何故アジアが植民地化されたか?それは身内が分裂したからだ。あいつが気にいらない、だからガイジンの手を借りてあいつを叩く。しかしその先を全然読んでない。

 

「あいつら」と言う身内を叩くことで「ガイジン」が日本の権力を奪う、それが明治以前から戦後まで続く日本人の本質である。

 

日本が鎖国したいならすればよい、もちろん世界の常識を日本人から隔絶させているのは表向き開国実質鎖国主義な官僚であることは明確であるが。

しかしもし世界に広がっていきたいなら根本のところから考え直さないと日本人は世界でますます存在価値の低い国になる。 



tom_eastwind at 21:01│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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