2018年04月18日
奥さん一人
僕がオークランドで地元弁護士にお客様の家族構成を説明する時によく使うジョークが「この方は日本でこのような仕事をしておられ〜家族構成は、奥さん一人、お子さん二人で」である。
これはかなりキーウィには効く。最初はびっくりした顔で次の瞬間に大笑いする。
キーウィの場合、国民が事務次官から県知事までセクハラやキャバクラ通い、挙句に女子大生相手に援交する国柄と違い、わりかし真面目である。
浮気と言うか他に好きな人が出来たら問題になる前にとっとと離婚するしセクハラはNZでは絶対にご法度。だから奥さんは一人と言うのが何も考えない常識なのである。
だから「奥さん一人」と真面目な顔でやるとツボにハマるのだ。
逆に彼らのジョークで僕らが全く笑えなかったのもある。随分古い話であるがクイーンズタウンで仕事をしてた頃何時もお願いしているリムジン会社の社長の自宅の新築パーティに呼ばれた時のことだ。
社長は60歳位のがっちりしたキーウィで自分で会社を起こして成功させたが、ほんとにキーウィファーマーって感じでよく笑うし人が良い。
その彼がビール片手に小高い丘の上にある広々としてベッドルームも4つくらいある自宅の部屋を順々に案内してくれた。ダブルガレージ、リビングから観えるワカティプ湖の素晴らしい眺望、そして反対側にならぶベッドルームに行くと「これが俺の部屋、奥さんは隣の部屋!」と言って大笑いしたのだ。
これには僕ら招待された日本人、誰も意味が分からずきょとんとした。すると彼のほうがびっくりして「おおい、笑わないのか?」
「う〜ん、日本では夫婦が別の布団に寝ることもあれば部屋が別の時もあるから、どこが笑いのツボか分からんのよ」と言うと、彼はそんな世の中があるんだってびっくりしてた。
香港でも同様のことがあった。香港でも日本から団体のご夫婦が来るとホテルの予約をする。ここまではどこの国からの予約も同じであるが、ある時フロントで部屋タイプの確認をしていたらところどころの部屋がキングサイズベッド一つになっている。
むむ、まずいな、けど僕の目の前にいる受付の若いお嬢さんは何が問題か分からない。すると後ろにいたベテラン男性上司が広東語ですかさず「日本人夫婦は同じ部屋でも別のベッドで寝るんだよ」と言われてお嬢さんびっくり。部屋タイプを変更していきながら上司に「こんな国もあるんですね〜」だって。
そんなこんなでジョークと言うのはその国の価値観が分からないとジョークにならない。下手なジョークを言ったら本気で怒って殴りかかってくるかもしれない。
そんな中で僕が「どこの国も同じだな〜」と思ったのは、相手のことをよくしらない限り絶対にネタにしてはいけないネタ。それは宗教とスポーツと政治である。
あ、勿論初対面でも一国の財務省事務次官の首が飛んだとか県知事が辞職したとかなら良い。これはほんとに世界の政治家共通の笑い話だから。