2018年05月06日

英国紳士

オークランドから香港へのフライトは約11時間。二次元地図で観ると東京よりずっと近い感じがするが、香港も東京もシンガポールも飛行時間は約11時間と同じである。

 

飛行機に乗って真っ先にするのが着替え。ユニクロの部屋着に着替えてスリッパ履いてゆっくりする。

 

このフライトは欧州人、特に英国人が多い。彼らは元植民地であるニュージーランを訪れて「田舎だなー」とか「空気と空が綺麗だなー」とか思いつつ英国に戻るのだが、直行便がないためどこかで乗り継ぎとなる。

 

その意味では同じように元植民地である香港は馴染みがあるので、オークランド→香港→ヒースローと乗り継ぎをすることになる。

 

この場合飛行機に乗っている時間だけで約25時間、乗り継ぎを含めれば30時間程度の長旅である。

 

船旅ならまだしも狭く監禁された機内で、飛び降りることも出来ず外の空気を吸うことも出来ない。

 

それだけならまだしも、やはり英国紳士と言うのかな、一部の男性は飛行機に乗る時も乗ってる時も乗り継ぎの時も次の飛行機に乗る時もスーツを着たままネクタイも外さず革靴のままで真面目にずっと座っている。

 

あそこまでいけばもう根性とか忍耐とかじゃないな、自分の持つ親から教えられた矜持だろうな、ほんとに大したものだと思う。

 

英国では貴族の子供の世話をするのに2人のナニ−がいると言う。一人はウェットナニ−と言って本当に子供の身体の面倒を観るのだがもう一人のナニーはドライナニ−と言って精神教育をする担当である。

 

子供は三歳までに叩き込まれた精神はなかなか変わるものではない。「戦場にかける橋」で英国軍将校達が炎天下で立ち続けていた場面のようなものだ。

 

僕にはそういう英国人のような矜持はないので自分がいちばん楽に出来る服装で機内を室内のように過ごすのだが、彼らを観ていると本当に大変だなと思う。

 

これって飛行機の機内と自宅の室内の区別だと思う。

 

日本人は旅先の旅館で玄関先で靴を脱ぎスリッパに履き替え部屋で浴衣に着替えて旅館の中を浴衣のままで過ごす習慣がある。つまり日本人にとって旅館は旅先であろうがそこは自分の室内であり、だから浴衣で過ごせる。だから僕は飛行機に乗ったらそこは旅館の中と同じでリラックスした服装になることに何の抵抗もない。

 

しかし英国人等の場合、ドライナニ−に子供の頃に叩き込まれた教育が肌に染みており、自室を一歩出ればそこは外部であり共用施設でありスリッパや部屋着などはあり得ない。だからホテルでも廊下をスリッパで歩くなどはあり得ない。

 

そういう生活を感覚で学んでいるので飛行機の機内と言えどもそこは共用施設、街を歩くような格好でいるのが当然であり、それ以外の選択肢はない。だからネクタイも革靴も当然着用となる。

 

随分と生きづらいなとも思うがそれが彼らの主義である限りこちらが口を出すことではない。

 

そんなことを考えつつ香港に向かう飛行機で映画と本をゆっくり楽しむ。



tom_eastwind at 21:39│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔