2018年05月19日
ひらめき
僕のビジネスモデルは誰もやってない事を手がける事だ。すでに存在するビジネスに飛び込んで競争しようとは思わない。
その代わり、今の世界を見渡して日本を観てニュージーランドを観て、それぞれ何が不足しているかを考える。
例えばニュージーランドで戦車を操縦する。スピットファイアー体験搭乗もある。これなどは大人数にはならないだろうが戦争オタクには受けると思う。
ただオプショナルツアーにして売っても利幅は少ないし他社が同様の商品を販売して安売りしたら競争状態が発生して利益が減る。だから大事なのは自分でその戦車とスピットファイアーを買い取ってしまう事だ。
こうやることで誰にも手が出せないビジネスが成立する。この好例が日本人が南島で行っている星を観るツアーである。満天の夜空に光る星の美しさに北半球の都会から来た人々はびっくりする。
けれど星なんて仕入れの必要がなく毎晩空に上ってくるもので原価ゼロ、そりゃ儲かる。けど最初にこのツアーを思いついた人には周囲から「そんなもん売れるわけがない、ただで観られるんだから」と言われた。それでも都会から来た観光客をきちんとガイドしていくと売れた。今は大成功である。
これは彼らがひらめいて始めたビジネスであるが、同様の例で言えば冬の北海道の網走、屈斜路湖あたりの観光ツアーも今は外国人に受けだしている。
流氷の上を歩いたり(勿論万が一の際のウェットスーツ着用)網走監獄体験入所、雪も氷もそれまでは単なるゴミと思われていたのが地元の人々の努力でお金を生み出すようになった。
星も雪も流氷もすべて原価ゼロである。地元で運営するから利益はしっかりと地元に落ちる。ビジネスとはそうやって「思いつき」で「まずはやってみっか」から始まる。駄目でいいではないか、やらなければ確実にダメになるのだから。
この時の思いつきが実はひらめきでありそのひらめきは過去に自分が見聞きしたものからしかひらめかない。だから見聞が必要なのである。
見聞を広める、その為に何より大事なのが日頃からの読書や常の情報収集である。そうやって知識=見聞を広めておけば今目の前に出て来た現象に対して他の人には観えない絵図が観えてくる、様々な選択肢を持てる。
もちろんビジネス化するのは簡単ではないし、ましてや当たるなんて確率は非常に低い。ただ1000個やれば3個位は当たる、千三(せんみつ)ビジネスである。問題は1000個のビジネスを思いつくかどうかである。
1000個のビジネスをひらめく為に必要なのが日頃の見聞なのだ。
例えば一冊の小説には作者のたゆまない調査と勉強が打ち込まれている。例えば今日読了した「コマドリの賭け」ではノルウェーに行かなくても当時や現在のノルウェーに関する知識を身につけることが出来る。
作者としては本を作るにあたり様々な詳細な点をしっかりと自分の時間とカネで調べ上げる。そして僕は日本にいながらそういう作者の知識を身につけることが出来るし主人公と一緒に行動することで追体験が得られる。
そうやって得た知識は僕の体内に蓄積されていく。そして常に世の中に不足しているものを考えていれば、ある時ふとひらめきが出てくる。ノルウェーの方法が使えないか?このひらめきはノルウェーの知識がなければ出てきようがないのである。
今も一つの仕事を進めつつ、このやり方を他のビジネスに転用出来ないかと考える時に、既存のビジネスではなく今ここにないモデルを考えることで他人が手を出せないビジネスを構築出来る。
勿論そうは言っても同じことを3年もやってれば他社が参入するわけだが、それでも先行者利益は得られるし老舗であることは強みである。
こういうひらめきビジネスで注意すべきは撤退時期である。立ち上げで先行者利益を取りそこから数年利益が安定するが、必ず市場が変化する時がある。そこを見抜いて一番早く撤退するのが大事だ。
この、撤退時期の見極めは徹底的に戦史や歴史本を読むことである。そうすれば「あ、これか!」と、ピンとくる瞬間がある。その時に撤退する、他社を残して。
そしてその頃には先行者利益で得た資金で次のビジネスを立ち上げている。後はこれの繰り返しである。他社より早くひらめいてビジネスを立ち上げ先行者利益を得て安定している間に次のビジネスを「ひらめく」。
ビジネスは見聞+ひらめき+千三+努力、撤退の見極め、これの繰り返しだ。