2018年05月27日

出すだけなら誰でも出来る

オフィスの向かいにあったTOPSHOP1年足らずで撤退して次に入るのは化粧品屋のMECCAだ。

 

他にもクイーンストリート沿いのお店は出たり入ったりを繰り返してその頻度は最近とくに短くなっているような感じだ。そう言えばカントリーロードも最近撤退した。次は何が入るやらである。

 

たしかに街を歩く方からすれば昔の101日のような、買う気をなくさせる店に比べればずっと良い。

 

ただ、小売店、それも北半球や豪州から出てくる店はきちんと出店調査をしている筈なのに出入りが多いのは、これ如何に?である。

 

いや、確かに人通りは増えて消費者物価指数も上昇して街は賑わってきている。Restaurantの数も急上昇している。

 

しかし、キーウィは基本的にケチなのだ。消費意欲の強い豪州や北半球の市場を経験した人々からすれば「これだけの市場ならこれくらい行ける」と計算するのだろうが、ましてや豪州とNZは同じ人種と考えるのだろうが、そこまでは正しいのだが、キーウィは基本的にケチなのだ。

 

そしてもう一つ、小売店が出店する際には自分の店の特性と客の属性を考える必要がある。自分の売ってる洋服はいくらで、誰が買うのか?

最近出店している、例えばTOPSHOPもそうであるが若者を対象にしている。ところがこの若者たちは金がない。可愛い洋服でも50ドル出しては買わないのだ。

 

何故なら大学を卒業してもフルタイムの仕事がなくマックでパートタイムするしかなくて、昔だったら何処のオフィスでも若者を雇用して経理や雑務をさせながら教えていたのだが今や経理はパソコンとアウトソーシング、雑務もパソコンで片付くようになったので若者のフルタイムの仕事がなくなったのだ。

 

こういう状況でキーウィは企業として社会貢献のために人を雇うなんて発想はまったくない。企業は株主のものであり若者に仕事がないならそれは政府の考えることである。

 

あくまでも利益を出して納税して株主に配当して自分も高い給料を受け取る。政府は政府に納税した金で若者対策考えてくれってことである。

 

じゃあ何で街はこんなに景気よくて高級Restaurantや紳士洋品店が続出しているのか?それはまさに若者を雇わない地元企業の中高年層である。

 

例えば税理士とか弁護士とか銀行の上の方とか上場企業の役員は収入が増えた。何故なら人を雇わずにコンピューターと外注で経費削減しているからだ。

 

つまり今オークランドが景気良いように観えても、それは中身をよく観て金を使う属性がどこなのかを読み取って、その層に対して商品を提供する必要があるのだ。

 

その意味で典型的なのは最近増えているビスポーク、つまり男性用高級紳士服、ネクタイ、カフリンクス、革靴などを扱う店の調子が良いことである。

 

つまり成功した中高年ビジネスマンは金がある。街を観ると最近は立派なスーツ着た人間がネクタイして歩いてる。よっしゃ俺も買おう。今まではシドニーに行かないと買えなかったような品物がシティで手に入るようになった。

 

そうだ、最近のメトロ(地元雑誌)を観ると美味しそうなRestaurantが軒を並べてどこも賑わっている。一人いくらだろう、ネットで調べると何とか払えるな、よっしゃ、じゃーRestaurantにも行ってみるべ!

 

こうして中高年は金を遣う。

 

そしてオートバイの売れ行きも好調である。10年前ならあり得なかったハーレーがクイーンストリートを次々と通り過ぎていく。この国では大人のオトコのおもちゃがバイクなのだ。だからここには金を遣う。

 

という事で若者は街にいても金はなく金を持つ中高年はTOPSHOPやカントリーロードには行かないと言う現象が起こるわけだ。

 

出店するだけなら誰でも出来る。問題はビジネスを継続出来ているかどうかである。ニュージーランドでは会社の平均寿命は非常に短く1年以内に50%がいなくなる。次の1年で20%が退場する。ましてや10年以上継続する企業は全体の10%以下である。

 

最近オークランドでも様々な業種で新規出店が観られて、それはそれで良いことであるが、いくら他人の市場の景気を見ても意味はない。自分の市場に需要はあるのか、そこが肝心である。

 

出すだけなら誰でも出来る。



tom_eastwind at 11:27│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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