2018年05月31日

スターバックス・フィラデルフィアについて

412日、裕福な人々が住むロッテンハウス・スクエア地区のスターバックスに若い黒人2人が地元ビジネスマンと商談をするために来店した。

 

彼らは椅子に座ったが何も注文せずトイレを使いたいと要求した。店長は「食べ物も飲みものも注文しないのに貸せない」と拒否した。

 

そして店長は警察を呼びこの二人の若者は手錠をかけられて逮捕された。

 

ここからいいのが、スターバックスのジョンソン社長が自ら「落胆すべき」「非難をまのがれ得ない」と遺憾の意を表明したことだ。

 

その後ジョンソン社長はフィラデルフィアに飛び2人の男性に直接お詫びをすると共に地域警察などと今後の対策を検討した。件の店長は店を去った。

 

この事件で何が良かったかって言うと、米国はまだまだ自浄能力があり自己治療が出来る、免疫のある国だったったことである。

 

スターバックスは元々人種問題やコーヒー豆を買う場所まで考える企業だった。元CEOのハワード・シュルツ氏は企業が社会における立場をしっかり考える人であり社員教育もやっていた。

 

しかし離職率も高い職場ではなかなか教育が行き届かず今回の事件が起こった。

 

ただし今回の問題でスターバックスのみが批判を受けるのはどうなのかと思う。では黒人経営のカフェで若者二人が店に入り飲み物も食べ物も注文せず椅子に座り込みトイレ貸せって言われたらどうだろう。

 

僕がオーナーであれば警察は呼ばないが「出て行け」と言うだろう。カフェはビジネスである。相応の対価を払う人に対してサービスを提供しているのに相応の対価どころか一円の金も落とさない人間に対してサービスを提供する義務はない。

 

だからスターバックスとしては十分に反論の余地があった。ところがそこに踏み込まず「ごめん」を徹底したとこが、危機管理がしっかりしている企業だなと感じる。

 

米国社会は移民社会であり様々な宗教、習慣、肌の色、違いがあるなかで成立している。そのことをよく分かっている会社が顧客(金払ってないが)にお詫びした。

 

スターバックスは税金問題でよく米国税務署(IRS)から追っかけられてるが、バカ相手に納税するより社員の意識向上のために直接費用を遣う方が正解であると思う。



tom_eastwind at 15:57│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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