2018年06月10日

今年のG7

ひどかったな。トランプ大統領がG7でまたあちこちぶち壊してそのまま専用飛行機に乗ってシンガポールに飛ぶ機内からチャットで「おりゃ、降りた!」である。

 

おいおい、江戸時代のべらんめえならまだしも、世界で一番大きな国の指導者がそんな前後の見境のないことやって、決めた事を次々と破るようではもう誰も米国と付き合えなくなるぞ。

 

てかそれが目的なら分かりやすい事だ。

 

元々米国は世界の警察を降りて3極化したかった。アメリカ大陸、欧州、中国である。それぞれが自由に生きていけってことだ。

 

取引相手の信頼を失いたいなら交渉で嘘を付くことである。成功している物事をぶち壊す事である。

 

トランプは北朝鮮相手にも去年から週替りで言うことが違う。会うと言ってみたりやはり会わないと言ってみたり、今日のシンガポール交渉もお互いに後日「約束はしたが守るとは言ってない」が炸裂するんだろうな。

 

ニュージーランドは大国でもないし核爆弾も持ってない。あるのは羊と牛と450万人の人間だけである。

 

しかしトランプがかき回したG7の影響はNZにも確実に出てくる。G20でも影響が出る。

 

一番困っているのがFMA(金融庁)と銀行上層部である。北半球でなにか決まる度にルールだけが降りてきて「あれ守れこれ守れ!」とやる。NZの銀行上層部は心の中では「ふざけんな、この為に新しいシステム導入するのに政府は金払ってくれるのかよ!」である。

 

それでもNZは北半球の決定に従わねばならない。

 

そういえば日本でも去年愛媛銀行が顧客の依頼に応じて身元確認してから約5億円を香港のハンセン銀行に海外送金したらこれが北朝鮮に流れた。

 

当事者の愛媛銀行も金融検査受けて大騒ぎであるが問題はそれ以外の銀行も一気に金融検査が入り、本来業務が全く出来ず「愛媛銀行のやろーめ!」、またこの検査以降取締が厳しくなり、これでますます海外送金は厳しくなったと言うことだ。

 

米国はカナダとスリッパの投げ合いをしてメキシコには高い壁を作ると宣言したり、モンロー主義になり始めている。

 

中国は自分が持つ本来の力を発揮すべく海洋進出をすると同時に一帯一路で欧州を味方に付けてアフリカでは豊富な資金で現地に資源開発を行っている。

 

欧州。ここが今まさにメルティングポット。メルケルが押し切るのか、フランス語を公用語にしようとするマクロンがどこまで踏み切れるか、全く読めない。

 

唯一単独で羽根を伸ばしているのがロシアのプーチンである。3極と言った時にロシアが何処に入るのか?欧州かアジアか?

 

彼は自由に羽を広げて南はアフリカの資源国に兵を送り込み東欧にはガスラインなどの繁栄と必要であれば軍隊を送り込みウクライナのように出来る。

 

東はシベリア資源を日本と共同開発するというが北方領土の話はしない。

 

南に接する中国とは付かず離れずの関係で、お互いに相手を牽制しているところがある。「あいつ、何しでかすか分からんな・・・気をつけよっと」それが双方が感じていることだ。要するにヤンキーの殴り合いだ。

 

トランプはプーチンを世界会議に再参加させようとしている。そこにいくつか理由があるが、まずはロシアンゲート疑惑をどうかわすか。次にプーチンと個人関係を作る事で自分の足元を固める。そして最後はロシア美人をプーチンに紹介してもらうことくらいか。

 

G7も昔は品があったのだけどなー、今はスリッパの投げ合いか。これもトランプには「世界の3極化」でぶっ壊す対象になっているのかな。まあこちらとすればぶっ壊してもらった方が良い、毎年毎年Gの命令が下りてくるのは超面倒である。自由にやらせてもらいたいものだ。



tom_eastwind at 17:28│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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