2018年08月03日

新米中秩序

最近は前言撤回することが多いが、その最たるものが習近平の国家運営の安定さであろう。2年前は「だめでしょ」と思っていたのが、状況変化している。

 

何せ外国から英語のニュースだけ観てれば分からないが、習近平は人民に嫌われている多くの役人をひっ捕まえ、中央にいる虎狩りも命がけでやって今では海外に脱出した中国人も「狐狩り」と称して逮捕して人民の評価を得ている。経済も何とかやっている。

 

それであれば安倍首相と習近平って同じではないか?「あまり良くはないけどやることやってるよね、だったら交代させる意味、ないよね」である。

 

NZでもきつねが去年中国政府に呼び出されてNZ弁護士同行で北京に行って「カネは返すから次のNZ行きの飛行機に載せてくれ」と言って取引がまとまった事件もあった。

 

その意味で中国人民からすれば習近平は「やることをやっている」のだ。

 

アジアにおける中國と米国の力が軍事力、経済力、などで比較されているが、今はもうほぼ互角である。

 

ある記者が18年前にワシントンで「21世紀中に中國は米国を抜くかも」と言ったら西側の他国の記者にあざわられたと言う話がある。しかし現在の数字を観ると十分にあり得る、習近平さえ死ななければ。

 

実際に世界の三極化は以前のブログでも書いてきたが、米国は世界の警察から降りると決めたのだ。しかしそんなはちゃめちゃな事をヒラリーにやらせるわけにゃあいかねえ、じゃあ狂犬トランプを送り込むと言うことになったと思う。

 

実際にアジアに送り込まれた狂犬は、北朝鮮と台湾に目を向けている。中國に対する対応策として。

 

トランプは名の通りトランプの名人である。人の顔を観て勝負をかける。おまけに自分が当て馬と理解しているから「親分、ちょっと外に出て、派手にやりまっさー!」というところがある。

 

北朝鮮に対しては直接交渉を行い台湾には実質大使館を建設し、さあどうだ、習近平、お前はどのカードをまくるんだ?と聴いている。

 

つまりカードを持っているのはトランプでありトランプからすれば所詮賭場荒らしだから誰が国際秩序とか言っても知ったことか。在韓国米軍を引き上げて後は中国さん、よろしくである。

 

何だか今になってトランプの戦略の一貫性が観えてきた気がする。

 

要するに彼は殴り込み専門のヤクザで外交ルールなど通じずとにかく自分の国が世界の警察官やめて兵隊引き上げて軍事費削減して昔のちっちゃな、まだイスラエルにも支配されず軍産複合体の地位を落として1960年代のベトナム戦争前の古き良きアメリカを目指しているのではないか。

 

いずれにしても日本はこれ以上米国を頼れない。10年後に中國と向かい合った時に、台湾、フィリピン、シンガポール、インドのような中國を包囲する「真珠の首飾り」を作るのか。

 

中國は長期的に観て怖い。日本などの地方政治にあまり口は出さないが台湾とはどこまでやるのか?

 

全く北半球は毎日見どころ満載である。



tom_eastwind at 20:03│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔