2018年08月31日

中華文明




近い将来中国人観光ツアーがロサンゼルスに入国する前の機内で添乗員から常にこんな注意をされることがあるだろう。

 

「ここは米国です。殆どの人は中国語を話せません。多くの人は海辺では半裸で歩いています。けれどそれは文明が発達してないわけではありません、彼らは彼らなりの文明を持っているのです。なので相手が中国語を話さないからと言って馬鹿にしないで下さい」

 

1700年代に西欧で産業革命が起こるまで世界のGDPの三分の2は中國とインドだった。多くの発明は紀元前の中国から始まり中國から世界に広がった。

 

例えば火薬、羅針盤、紙と活版印刷は中国の発明である。火薬が発明されたからこそ銃や大砲が作られた。羅針盤があるからこそ大海に乗りだせた。紙が出来るまで西洋では羊皮紙やパピルスに頼ってたわけだから文化の大変貌である。

 

特に西洋がローマ帝国が崩壊して中央政府や中央国家がないまま泥で作った家や貧しい生活を送っていた時代、中国は西洋から観れば東洋の巨人であった。

 

シルクロードは誰もが知っている言葉だが、それは中国の文明が西洋に送られた事を意味する。絹、茶、陶器、西洋では小国が戦争ばかりしている時に東洋から余裕のようにこういう商品が送られて来て、受け取る方からすれば「中国はすごい!」であったし、これはその後14世紀まで続いた。

 

その後中国は西洋との取引を次第に止めるようになったが(このあたりをまともに書くと日本の幕末史より長くなるので割愛)それでも1800年代まではまだ「強い国」と思われてた。

 

そこに英国がアヘンを持ち込み挙げ句の果てに戦争を仕掛けると、実は中国が張子の虎とわかりそこに明朝の弱体化を観た列強各国は北京に大使館を置き中国と対等の交渉をするようになった。

 

中国からすればえらい迷惑である。今まで鎖国して寝てたのが、ある日突然白人が勝手にドアを開けてやって来てアヘンを売り戦争を仕掛ける。

 

おまけにキリスト教の布教の自由と言う名の下に田舎の街に教会を作りキリスト教徒でなければ薬は売らんとかとにかく徹底的に教会の美名の下に農村支配を図ったのだ。

 

本当に一方的な話だ。挙句の果てに義和団の乱が起こり遂に清朝はその後長年の歴史を閉じる。

 

世界史から観ればなんてことない話だが当事者である中国からすれば世界最大の文明国でありながら後発国であり文化や文明を教えた国から勝手に攻め込まれた「ふざけた話」でありメンツを大事にする中国としては「何時かは取り返す!」と考えた。

 

その先発が小平である。日本の新幹線に乗り松下電器を訪問してその文明の高さに感激して「まずはここらから学ぼう」としてその後中国内に経済特区を作った。

 

しかし小平からすれば経済特区は夢の実現のための一つでしかない。彼が目指したのは世界の王者である中国を取り戻すことである。

 

すべての国が中国に朝貢をして中国は彼らに返礼をする、そういう世界を取り戻したい、それが小平の夢であり今の習近平に引き継がれている。

 

つまり彼らは失われた財産の取り返しだけでなく、長い歴史の中で中国が失った「世界一」と言うメンツを追いかけているのだ。

 

中国人のメンツのうるささは本当に半端ではない。日本人だってメンツがと思うだろうが彼らの社会に入っていけば、喧嘩の際にお互いの名を名乗り怒鳴り合い最後には人数集めて殺すまでいく。

 

数年前まで僕は中国に対する懐疑派だったが、習近平が倒されても次に出てくる人物が中国世界イチというメンツを持っている以上、誰が出てきてもねずみたたき、国是は変わらない。

 

12億人を相手にいちいち一匹づつネズミたたきやってもきりがない、高校生の喧嘩じゃないんだし相手が欲しいのはメンツは取り返す、これだけなんだから形の上で返せばよい。

 

そして早いうちに中国海洋支配権を抑えることが出来る日本主導の「東洋の真珠」があるうちに日本にとって平等な取引が出来るように、攻防両方で構えた対応をすべきだろう。でないと時間だけ経てば中国に不平等に飲み込まれるだけだ。

 

しかしまあここまで「面子」にこだわるのは「Bee Bip High School」的である。山田くんが言ってた、あいつとは友達になっておこうって。



tom_eastwind at 20:28│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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