2018年09月13日

一様性と多様性




大坂なおみが日本のネットやテレビを賑わしてる。しかしニュージーランドのニュースでは負けた方のウィリアムズ選手だけを取り上げている。

 

テニスは元々が白人の楽しむ世界であった。そこにパワーテニスの黒人女性選手が台頭して来た。そして彼女は何かあればすぐに「差別だ!」と騒ぎ、テニスが白人だけの世界でないのを主張して米国系黒人として一定の地位を収めた。

 

ところがそこに大阪生まれの米国籍を持つ大阪なおみが出てきた。

 

ちょっと待て。差別と言うなら大坂なおみの方がウィリアムズ選手より下ではないか、だったらウイリアムズの得意とした「差別」はもう通用しない。

 

そして今回のゲームでウイリアムズはなおみに負けた。さてこれはどう表現すべきだろうか。

 

これは黒人の一人がやんちゃで入ってきたテニス業界で「まあ一人くらいなら」と思ってたところに、見かけはほぼ黒人だけど国籍日本だよってのが来てウィリアムズ選手を破る。

 

その後のインタビューとかの対応も実に良くて、逆にテニス業界はなおみをどう評価していいかわからない。だから今回は一時保留と言うことで最初はどこの番組も彼女を取り上げなかった。

 

けれどこれからテニス業界では彼女に対する評価が急激に高まるだろう。それが多極化になるからだ。そして多極化はテニス人口を増やす。根っこを握っている白人からすればその方が白人だけでプレーするよりよほど儲かる。

 

それにしても日本はひどい。なおみ選手が勝って皆が言うことが、「あいつ日本語下手だなー」である。

 

要するに日本選手として登録するなら日本語学べ、俺達と同じような日本語を話せば仲間に入れてやるよ、そうでなければ日本人として認めないよって差別である。

 

おいこら、お前らどれだけ立派な日本語喋ってんだ?所詮は「ら抜き言葉」のネット単語で崩した日本語しか話してないのにそれが主流と思い込んでる。

 

世界は多様性を認め、今回の件で米国は彼女に「米国籍にすれば?」と働きかけているのに肝心の日本ではなおみ選手に対して一様性を要求している。

 

日本が世界の中で成長出来ない理由の一つに英語の壁がある。その英語を学び多様化をしようとしない日本。日本人の基準に一様性を要求する日本。

 

今回のなおみ選手の件では日本のニュースと英語のニュースを同時に観ながら、多様性を受け入れる文化と一様性を要求する、何だか全く違う視点から20歳の女の子を観ているのが良く分かった。



tom_eastwind at 15:42│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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