2006年05月

2006年05月31日

小田和正

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小田和正

 

ニューミュージックと呼ばれていた時代があった。小田和正、中島みゆき、チューリップ、長渕剛、ユーミン、アリス(谷村新司)、さだまさし等、とにかく1970年代の日本の音楽シーンは、今思い出してみて、初めてその凄さが分る。

 

誰もが自分を持っていた。自分の歌を歌っていた。創造力と感性が、性能の悪いミキサーやマイクやすべての機械を包み込んで、一つの世界を創っていた。

 

今の時代の、他人のコピーをラップペーパーで巻いた土人の太鼓踊り等、個性なし。声出ず、創作能力ゼロ、多分知性もないだろうが、あの格好で人前に出るだけの蛮勇は誉めてやるという程度。

 

それも、存在価値ではなく希少価値があるだけなので、1年程度で見事に存在が消滅する、ハクチ集団。唯一の救いは、土人が今の自分を幸せと感じているという、まるでどこかのジコマン教団。

 

1970年代をライブで経験した僕としては、銀座の新星堂で偶然見つけた小田和正のCDは、当然買わねばならぬものであった。3000円とちょっと。高いな、でも小田だもんね。それも、最近の新曲ばかり。聞かなきゃ。とは言っても、よく見ると今回買ったのは「個人主義」2000年の作品だ。本当は今年出たCDを買う積りだったが、無かったので仕方ない。

 

何で数ある中でオダかというと、前回の日本出張で、ある番組が小田を取り上げていたからだ。その番組の中で若い女性アナウンサーが「小田さんは、もうすぐ50歳になる同じ年代の人に、彼らの心の支えになるような歌を作っているんですよね、優しいですよね」と、あふぉ〜をこいてた。

 

それに対して小田は少し憮然とした顔で「違いますよ。僕は、同じ世代の人間に、もっと頑張ってもらいたいんです。何をしょぼくれているんだ。何を逃げているんだ。若い頃は、安保や学生運動で戦ったじゃないか。最後まで戦おうよ、逃げるなよ、そう言いたいんです。慰めでも心の支えでもない、僕の怒りを聞いて、そして頑張って欲しいんです」

 

大意はこういう事だったと思う。

 

「個人主義」このCDは6年前になるが、今回初めて聴いた。日本に住んでない事の辛さの一つだ。情報不足。

 

30年くらい前の彼らのファーストLPは、まだ若い小田と鈴木が透き通った声で「水曜日の午後」や「もう花はいらない」等、今でもライブで歌っている名曲だらけだった。政治的メッセージもなく、突っ張るでもなく、とにかく純粋に歌を楽しんでいた。当時は、下手なギターで全曲をコピーしたものだ。

 

さだまさしは映画で破産したが、その後も歌いつづけて、ついに何億という借金を返しきった。矢沢もゴールドコーストで知合いに騙されたが、その借金を全部背負って、CMに出たりコンサート回数を増やしたりして、騙された相手にどうこう言うのではなく、きちっと自分でけじめをつけた。

 

ユーミンやたけうちまりやはいいとこの娘だし、一生苦労せずに生活しているなってのを感じる。長渕のようにカリスマ的な道を走ったり、谷村みたいに上海の音楽学校で先生をしたりする人もいる。

 

歌手も人間、多くの連中は1990年代には音楽活動から遠ざかっていたが、小田だけは、いつの時代も頑張ってきた。突っ張るでもなくだらけるでもなく、とにかくこつこつとやってきた。

 

そんな彼が、今の日本に対して怒ってる。同世代に対して「戦え!」と言ってる。日頃、政治的発言も、他人に影響するような発言もしない彼が。

 

「ラブストーリーは突然に」や「さよなら」を聞いた人たちは、小田ってラブソング専門だと思っていたのではないだろうか。僕もそう思う。彼の声は基本的に、政治や反動の歌ではない。

 

その彼が個人主義の中で歌っている。

 

The flag

自由な翼を 僕らは たたんで

二度と そこから 飛び立つことはなかった

 

やがていつの日か この国のすべてを

僕らが この手で 変えていくんだったよね

ここから 行くべき その道は どこかと

できるなら もう一度 捜さないか

戦える 僕らの武器は 今 何かと

それを見つけて ここへ 並ばないか

 

僕は諦めない 誰か 聞いているか いるか

僕は ここにいる 誰か そばに いるか

 

 

1000枚のカスを、例え無料で聞くよりも、3000円払って同じ歌を何百回も聴きたい。心が疲れるたびに聴きたい。

 

良い本と良い音楽。これに勝る心の薬はない。

 

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tom_eastwind at 00:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月30日

2年後

2年後?

 

個人面談やメールの問合せで多いのは、「2年から3年後に移住したい」という問合せだ。正直、この質問には答えられない。

 

2年後も今と同じ移民法が適用されるかどうか、何の保証があるのだろう?

 

普通の日本人なら、一度決まった法律はずっと変わらないという認識を持つだろうが、ニュージーランドでは、実に法律変更が多い。移民法など、3ヶ月に1回づつ変わっている。

 

実は日本でも、細かい法律はしょっちゅう変わっているのだが、何せ国民数が多いので、自分に影響のない法律には関心を持つ事も情報が入手される事もない。

 

で、2年後。そういう質問が来ると、「それでは移住する日が決まったら連絡下さい」としか言い様がない。現在の情報を伝える事は出来るが、その法律が2年後も同じであるとは、まず思えない。現在の法律でさえ運用一つで大きく変わっている国だ。

 

逆に言えば、今のルールでは難しい人でも、とりあえず最低必要な英語力と国際的に通用する資格だけ日本で取って、まずは来て見てはどうだろう?実際に、観光ビザからワークに切り替え、何の審査もなく永住権を取得した人を個人的に知っている。

 

移住と言っても目的が「住む、生計を立てる」事なのだから、それさえクリアーすれば、ビザは何でも良い。

 

実際に今なら、学生を1年間真面目にやると、漏れなく何処でも働けるワークビザが付いてきますよと、オーストラリアの制度をぱくった制度を導入している。

 

いずれにしても毎年5万人程度の移民が来ないと困るのはNZ自身なのだから、移民局にしても、国際的に通用する資格をもって、まずはワークビザでも良いから入国すれば、後は数年のうちに制度変更があるので、制度が緩むのを待ってから申請しても問題はないのだ。

 

法律解釈よりも上位に、担当者の判断が存在するという国だから、良い意味での人治主義であろう。しかし、法律が人間を縛る日本では、なかなか理解しずらい話である。

 

移住したい、そんな人への一番のアドバイスは、出来る限り早く来てください、夢を語っているだけではなく、自分で渡航できる状況を創って下さいという事だ。勿論面倒を見なければいけない家族の問題や生活費の問題など、基本的な面で移住が難しい場合は仕方ない。

 

その際は、家族の問題が片付き次第渡航出来るように、NZで生活が出来るように、日本で出来るだけお金を節約しながら、国際的に通用する資格を取る事だ。それが裁量の準備だ。

 

それさえ出来れば、そしてしっかりした人生設計さえ出来ていれば、後は正直、どうにでもなる国だ。

 

来てしまえば、びっくりする事も腹立たしい事もあるが、それなりに、日本では得られなかった自由や楽しい生活を享受出来るのだ。

 

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tom_eastwind at 00:14|PermalinkComments(1)TrackBack(0) 移住相談 

2006年05月29日

性善説

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先週末、午前中は子供のアイススケーティングに付き合う。姉弟揃って週末にアイススケートを習っており、ボタニーダウンにあるスケート場まで30分程度のドライブだが、さすが場所柄で、生徒の三分の一はアジア人である。

 

スケート場全体が実に冷んやりているので、外気との差が大きく、10分もリンクサイドにいると、薄着のままではかなりこたえる場所だ。でも、そんな場所でもさすがにキーウィ家族は、半袖でけろっとした顔でリンクの上の子供を見守っている。

 

子供二人は前払い年間会員になっているので、会員証を出せばお金は不要だ。午前10時30分頃になると、ぞろぞろと子供たちが集まってきて、どんどん勝手にゲートを抜けて中に入っていく。

 

受付の若いキーウィの女の子は「おっは〜!」という感じで迎えるが、別に会員証をチェックしている様子もない。たまに「会員証を忘れたんです〜」と子供が言うと「Ok!大丈夫よ、次回ね」で終わり。

 

場所柄、ただで入場して滑る奴もいないだろうから、チェックを厳しくする必要もないのだろうが、受付の女の子の顔を見てると、やっぱりこの国は人間性善説だなと感じた。

 

勿論スーパーマーケットでは万引き防止のカメラもあるし、映画館ではチケットが必要だ。でも、何て言うか、本当のキーウィジモティの世界では、やっぱり性善説だなと思った。

 

性善説で生きてるキーウィからすれば、性悪説のアジア人,特に中国人に対して腹立たしく思うのも、理解出来る。僕自身も、性善説以前に、日本人としての躾として「他人の家では大人しくする」が基本だと思ってるので、中国人の傍若無人な振る舞いには腹立たしく感じる。

 

性善説で生きようとすれば、鎖国するしかないだろうな。でもそれじゃ国際社会で孤立してしまう。国際化の一つの要素とは、よその国の人間が自国の独自文化に対して、かなり物理的精神的に影響を与えるものだと思う。

 

しかし、そうは言っても日本人とキーウィには近いものがある。アジア人はこれからも増えるだろうから、出来るだけ性善説の良い部分を残しながらソフトランディングしてくれればと祈る気持ちである。

 

 

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tom_eastwind at 01:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月28日

流すか埋めるか?

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流すか埋めるか?

 

金魚

 

先日自宅で飼っていた金魚のうち、一匹が死んだ。他の金魚は元気なのにね〜とか言いながら、妻が金魚を持ってトイレに行く。

 

暫くして戻って来た時、その手に金魚はいなかった。

 

流したのか??????

 

香港に住む殆どの人々はアパート暮らしで、学校の校庭にはコンクリートが敷き詰められている。海が近い事もあるのだろう。トイレに流せば、そのまま海に戻れるでしょという発想らしい。

 

金魚が海で生活しているかどうかは別にして、折角土地がたくさんあるニュージーランドなんだから、庭に埋めればいいじゃないかと言うと、「ニュージーランドでも、みんなトイレに流すわよ」との事。

 

早速キーウィに聞いてみると、どうもそのようだ。親子で庭に墓を作ってあげるというのは、日本人だけなのか?

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tom_eastwind at 02:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月27日

土曜日の朝

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土曜の朝になる度に思う事がある。これで一週間が終わり、次の週が始まるのだという当然の事を。

 

普通の社会生活をしていれば、特に日本やニュージーランドのような平和な国で生活をしていると、昨日と同じ今日があり、明日もまた同じ生活がくるということを、殆ど確信に近い状態で、まるで明日も僕は呼吸をしているだろうと感じる事が出来る。そういう安心感も捨てがたいものがある。

 

しかし、一度でも死と言うものに接してしまえば、生きることの意味を真剣に考えてしまう。そうなると、餌を自分で見つける人生を求めるようになるし、その為の狩猟技術を磨く必要があるから、勉強の必要が出てくる。

 

僕にとって本を読むという行為は、勿論過去の人と触れ合う事で追体験を楽しむ事もあるが、勉強という意味も大きく占めている。

 

日本から戻ってくるたびに毎回感じるのが、ニュージーランドに住む日本人の勉強不足である。もっと勉強しなくて良いのか?何かあった時に、どう対応するのか?戦えるのか?

 

生きてる間に頑張ってみたい。精一杯戦うだけ戦って、後悔のない生き方をしたい。土曜の朝になる度に、そう思う。そうでないと、生きていても楽しくないだろう。

 

来週も頑張ろっと。

 

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tom_eastwind at 18:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月26日

過ぎ行くエレベーター

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 東京のエスカレーターでは、人は左に並ぶ。大坂では右に並ぶ。しかし、エレベーターで男性が先に乗るのだけは、日本の東西を問わず同じである。

 

 ニュージーランドに限らず、白人社会では女性優先という習慣があり、エレベーターでも必ず女性が先に乗る。従って僕ら東洋人でも何時の間にかその習慣が身に付き、「 After you please, 」と言うようになる。この言葉は、「おはよう」等とほぼ同じく、無意識に使うようになる。

 

 しかし、このような白人社会のエレベーターに、日本から来たばかりの女性が並ぶと困る事が起こる。エレベーターが通り過ぎてしまうのだ。

 

 男性からすれば「どうぞお先に」の積りで、相手女性の目を見ながら、彼女が乗りこむのを待っている。しかし彼女からすれば、男性より先に乗る習慣がないから、二人はお互いに見つめあったまま、間にある空のエレベーターのみが過ぎ去っていくのだ。

 

 白人男性の場合は、日本人女性もそれなりに考えているのだろう、男性から「お先に」と言われると、結構さかさかと乗り込んで「やっばり、はくじんはえ“え”な〜」となるのだが、お互いに東洋人、特にこちらからすれば相手が日本人女性とわかってしまうと、初対面の女性にいきなり「お先に」と言い辛い。

 

 だからどうしても無言になり、先に乗ってしまうかという事になる。そんな時に同じエレベーターに白人が乗り合わせていると、更に気まずい。「いやいや、男尊女卑って訳じゃなくて、この環境がね〜」等と言い訳をすると、更におかしい。

 

 普通に白人と同じように話し掛ければ良いではないかという事も言えるが、下手に声をかけたら変態扱いされかねないしな。何?被害妄想?僕の容貌が怪しいから?・・・まあ、それは・・・良しとしよう。

 

 いずれにしても、オークランドで日本人女性と乗るエレベーターは緊張するのである。

 

 

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tom_eastwind at 11:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月25日

オークランドに戻る

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やっとオークランドに戻る。

今回の出張は、何故かとても長く感じる。正確な理由は不明だが、日本でも個人面談が続き、どれも結構重かったからかな。

移住に年齢制限はあるが性別制限はないし、学歴、職歴などの点では日本人に対して門戸が開かれていると感じる。

移住だけは、誰も背中を押してくれない。本人がその気にならないと絶対に前進しないのである。

僕の仕事は移住希望者が直面する様々な課題を一つ一つ処理しながら、彼らの背中を押す事だ。

人生一度しかないんだよ、楽しんだ者の勝ちですよ。不安定は怖いかもしれないけど、動かずに後悔するよりは、動いて後悔した方が、より人生を楽しめます。これは、自分の経験から、本当にそう思う。

いや、それにしても長かったな。重かったし。

 



tom_eastwind at 14:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月22日

説明会終了

無事終了。

毎回思うことだが、本当に10人の人がいれば10個の人生がある。

僕の仕事は、10人それぞれに解決策を提供する事。

本当に、10人いれば10の提案があるので、誰に対しても通用するマニュアルが存在しない。結局は、すべてを手作りで対応するしかない。

移住で一番大事なのは、どうやれば出来るかという具体的な道筋を作ること。それだけは自信がある。

さてっと、明日はニュージーランドに戻る。戻ったら、またやる事が山積みだけど、そんなことは誰でも同じ。一つ一つ片付けていくのみだ。

よっしゃ。がんばろっと。



tom_eastwind at 10:59|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月21日

本日は東京にて説明会

昨日までの大雨が嘘のように、今日は晴天の東京。

約20名のお客様が集まってくれるが、これで今年の説明会参加者合計は、アルクを入れると約140名。

最近のアンケートによると、日本の福祉、医療は改善されている、悪くなっているのは外交という結果が出たそうだ。

うっそ、それってどんな集計したの?と思わず疑問に思う。実際にお客様と会って話をしても、福祉の切り捨て、医療の値上げ、どう見ても年金は崩壊している中で、自分の身は自分で守るしかないという印象を持っている。

3年前から開催している説明会だが、すでに100名以上がNZに渡航して、新しい生活を楽しんでいる。彼らの特徴は、「動きが速い」という事だろう。とにかく、決めたらすぐ行動する。

駄目なら戻ればよいじゃないか。やれる時にやらねば。勿論それを実現する為には、日頃の努力が必要である。

移住に必要なのは、積極的精神と行動力と、少しのお金である。なんかチャップリンの言葉みたいだが、移住に限らず、何かを成功させようと思えば、必要なものは自ずと決まっていくのだろう。

安住の地は怠惰な毎日を繰り返す事ではなく、常に新天地を求める気持ちだ。毎日を怠惰に過ごすならば、そのツケは必ず本人に回ってくる。

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tom_eastwind at 07:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月19日

ひつまぶし

胃の痛みもかなり治まり、今日の昼食はお客様に招待されて名古屋名物の「ひつまぶし」ならぬ「釜まぶし」を頂く。

お櫃の代わりに釜を使い、しっとり軟らかに炊かれた米が、タレをしっかり吸っていて実に美味い!思わず駆け込む一杯目。

二杯目はお茶漬け風にして頂き、これがまたあっさりしてて美味い!

仕事でお呼び頂いた名古屋であるが、実に楽しい昼食でした。

このお店、昭和初期からの名店で、戦時の空襲も免れて現在に至るとの事。作りに風情があり、狭くて急な階段、2階の窓の格子沿いに見える景色など、昔の日本のお店そのものである。

好景気に沸く名古屋であり、新幹線で到着した時の、周囲のサラリーマンの顔が生き生きしていた。ええこっちゃ。こうでなきゃね。

好きだな、にっぽん。よっしゃ、名古屋の人に負けてられない、最後の一瞬まで、結果がどうあれ、精一杯がんがろう。努力もせずに終わって後悔するなんて人生は嫌だ。

 

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2006年05月18日

環境の変化

オークランドを出てから今日で6日め。雨の本州を、福岡から大阪、そして名古屋へと移動中。

日本では毎日大きな事件が起こっている。朝鮮総連と民団の和解などは、その歴史的長さから見れば、素晴らしい進歩だと思う。

かと思えば、国会では次々と大きな法案が上程され、千載一遇の機会とばかりに与党が攻勢に出ている。

夜中の1時には竹中大臣や石原さんが、民主党の論客と「格差論」について丁丁発止のやり取り。見ていて、竹中大臣の理論構成が一番現実的でしっかりしている。

機会の平等と結果の平等を同時に叶えてきた日本は、今後結果の平等を今まで程には追及しない、そうしなければ社会に活力がなくなり、これからの国際化で戦っていく事が出来ない、これが竹中大臣の主張だろう。

そして、これに対して真っ向から反対できないのが、今の民主党だ。何故なら民主党でも今回のメンバーは、皆自民党に近い人だからだ。

それを気付いてる石原さん、しっかり民主党のメンバーをからかっていた。「あなたらが民主党全部を打表している訳ではないでしょ、どちらかと言えば僕らの政策に近いじゃないですか」

日本という国が激動している。安全、安心、結果の平等が守られていた日本に、振り込め詐欺が出現し、結果の不平等が発生し、間違いなく日本が変わっている。それを実感する、旅の途中だ。

携帯カメラがなくて不自由だな。写真が撮れないよ。

 

 



tom_eastwind at 07:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月13日

いつの時代も

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  「今日はリトル調子が良いから朝からテレビなんか見てたら、何とxxxxxが逮捕されてる記事で、思わずびっくる一気飲み!」

「  誰から麻薬買ったか言いたくないなんて、鬼の神奈川県警が許してくれるわけがないじゃん、神奈川県警はxxxx集団の巣窟みたいなところなんだからと知ってる今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか」

僕なりに「きっこのブログ」の特徴を略して書けば、このような文体だろうか。きっこ文体は軽くてノリが良い割に、とげの忍ばせ方もうまい。どう見てもセンスのある素人の文章だけでは書けない「学」がある。それも、ブンヤ流。学者流ではないと感じる。

しかし、このブログが人気ある。そのベースは基本的に暴露ネタであり、時の事件の真相が警察や司法の隠蔽努力にも関わらず、次々とばらされていくという、とっても時宣を得たテーマが突然出てくるからだ。

ある意味、マスコミの基本を押えている。

いつ何が出るか分からないから、まずはいつも目を通す必要がある。書いていることが分りやすい。感情論をかきたててくれる、民衆の味方。

こういうブログ、つまりインターネット技術が民衆に溶け込んでいき、政治がそれを制御出来なくなった時に、国家の崩壊が始まるのかな。

ある日、どこかの信用あるブログで「日本沈没!」なんて書いて、それで成田空港に国民が集まって日本を捨てようとしたら、政府は民衆に対して銃を向けることが出来るか?

国家が国民や信用の上に成り立っていると言うのは、実は政府が一番良く知っている。一番知らないのは国民だ。でも、その事実がインターネット技術によって暴露されていく。

人間が火を発見してからいろんな時代があったが、確かにインターネット技術は、それまでの時代を化石のような過去に追いやる事になった。15年前、PCがない時代にどんな仕事をしていたのか?

「きっこのブログ」に代表されるブログは、政治的、社会的意味で面白い。未読の方、是非一度読んで頂きたい。

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5月21日に東京国際フォーラムでニュージーランド移住説明会を開催します。きっこさんは来ませんが、面白いですよ。

 

 

 

 



tom_eastwind at 06:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月12日

Remittance Advice

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  今日、裁判所から小切手が郵送されてきた。参加費用31ドル、経費として11.40セントの、合計42ドル40セント。日本円で3500円くらい。参加費用は日当、経費は車代だろう。、

  4月26日に高等裁判所に出頭し、約200人の陪審員候補と共に、裁判に参加した時の費用支払いである。と言う事は、これだけで約70万円の経費がかかってるな。

  実際には陪審員にはならずに、午前中だけ傍聴して会社に戻ったのだが、機械的に送られてくる小切手を見て、「おお、やっぱりNZの陪審員制度ってのは、しっかりとNZに根付いてるんだな」と、どうでも良い事で感心した。

  日本で検討されている裁判員制度も、実際に日本の風土に合うのだろうか?役人天国で役所主導の裁判員制度は、特に法律も制度も知らされていない日本人には、まだ時期が早すぎなのではないかと思う。

  でも、もし日本の裁判員制度が、実は将来を見越して「ほら、国民の代表が有罪と言ってるから有罪なんですよ、裁判所(=政府)が勝手に決めたんじゃないですよ」という言い訳の為の「弾除け」に使うつもりなら、これは効果的だろう。

  例えば共謀罪でも、法理論ではなく感情論で誰かを逮捕有罪にしようとすれば、まずマスコミ誘導で無実の人間を悪く仕立てておき、裁判員が悪印象を持つようにする。

  その上で、法理論を並べる裁判員がいれば、彼らにはマスコミが「世間の気持ちを分らない、非国民」であると糾弾する。こうして、事実は放置した上で政府のやりたい状況を作る。その時に「国民合意」を持ち出せば、こりゃカッタモ同然のヤラセゲームの出来上がりだ。

  どっちに転んでも役人が勝つ仕組になっている日本、というか、やっとその体制に戻った日本。たくましく生きろよ。でも、俺は君らの茶番に付き合う積りはない。外国で見つめているから、しっかりやってくれ。

  5月21日に東京国際フォーラムで移住説明会を開催します。ご興味のある方、是非ともご参加ください。

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tom_eastwind at 08:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月11日

ニュージーランド経済の鈍化を世界的調査機関が指摘

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ニュージーランドの世界競争力格付けが最新の調査で下降していることが分かった。

 スイスビジネススクールIMDによる、61の国と地域を対象にした最新の経済格付けによれば、NZは16位から22位へと下降し、オーストラリアは9位から6位へと上昇している。

 なかでもNZは、ブロードバンド、特殊技能を持つ移民の受け入れ、確実で手頃なエネルギーと水の供給、職場の生産性、生活基盤などの項目において課題のある国と指摘されている。また「経済活動」の分野においては、貿易や国際投資の低下により15位から30位に下降した。

 一方、教育への公共支出や汚染規制については高い評価を得た。

 この調査結果を公表した国民党は、NZの将来に対する「大きな警告」として労働党政府を非難している。

 

記事:NZdaisuki より

***

日本は21位から17位に伸びたので、丁度日本とNZがひっくり返った感じかな。え?という事は、去年は日本よりNZの方が競争力が上だったんだ。こりゃ面白い。多くの日本人は、まさか南太平洋の小島と比べて競争力が低かったって、思ってもいなかっただろう。

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オーストラリアは6位。あっこの景気のよさは、先月シドニーに行って実感したから、こりゃ評価高そうだろうと思ったら、案の定。

香港も元気良くて競争力2位、カナダは下降気味で7位、復活日本が17位でニュージーランドが22位だ。明後日から香港、そして日本に行く。香港で少し元気をもらってこよっと。



tom_eastwind at 23:14|PermalinkTrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月09日

アイフル全店処分・規制強化!と思ったら中央青山監査法人まで!

4月14日にアイフルの業務停止処分が決まった。いよいよ政府による金融の規制強化の開始だ。まさしく迷走を続けたサラ金業界だが、政府主導の、銀行を中心とした金融再編成に組み込まれた「大人しい会社」はきちんと業務を継続し、「ちゃんとしたサラ金」に変貌した。今後は変なテレビ広告や無理な取立ては(表立っては)やりませんよという訳だ。

 

しかし政府に逆らうような「変な会社=武富士」は、独裁者会長を追放して「民主化」する事で政府の手中に取り込んだ。次に生意気な会社「アイフル」は業務停止だ。

 

これで政府に逆らうサラ金はいなくなったので、次は業法改正だろう。現在の貸付金利の矛盾を出資法(29.2%)と利息制限法(15〜20%)解決すべく、新しく取り込んだサラ金業界と共に「健全な発展」をしていく事になる。

 

勿論政府のいう事を聞く「大人しい会社」は「良い会社」だから、ちゃんと政府が保護をする。もう、サラ金の取り立てが新聞記事に載ることはない。実体がどうであれ、だ。

 

と思ってたら、次は中央青山監査法人がやられた。カネボウの粉飾決算で粉飾に加担したとして1〜2ヶ月の営業停止。顧客との監査契約もすべて解約する事になる。実際にはその期間業務が出来ないので、約800社に及ぶ顧客は、他社に依頼するようになるだろう。そりゃそうだ、役人に睨まれた会社と付き合って、けちを付けられたら堪らないからね。

 

勿論粉飾決算が違法なのは当然で、営業停止処分も、さもありなんというところだが、そんなもん、役人は以前からとっくに知ってた事だ。相手から金をもらって悪い事を書けるわけがない。そんな商売の基本を無視して法律だけを押し付けてくる金融庁も、実に大したタマだ。

 

金融庁も、最初は大蔵省から切り離されてどうなることやらと言ってたら、竹中大臣の後押しで、公正取引委員会と共に一気に権力拡大した勝ち組だ。

 

今後日本の会社は、監査はきちんとやりなさいよと言いつつ、片方では政府の言う事を聞く消費者金融はOKを出す。つまり、いつでもお前の首を締めれるよという状態で、日本すべての企業を操るという仕組の、飴と鞭で言えば、この2件は金融庁の鞭の強力さを、企業に周知徹底しているようなものだ。

 

これで終わるわけはなく、日本再生に賭けた政府の本気が見える。まだまだ国内で様々な規制をかけてくるだろう。だが問題は、海外に逃避する日本人の金をどう押さえ込むか、だろう。

 

国内と違い、海外規制は相手国のある事なので、決して一筋縄ではいかない。最後には、金持ち国民の取り合いになるだろう。その時点で、国とは実は株式会社であり、優秀な社員が欲しければ、良い労働条件を与えるしかないという事に行き着くだろう。

 

問題は、そこに至るまでに「優秀な社員」が自分の資産をしっかり持っていられるかどうかだ。こわ・・・

 

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5月21日に東京国際フォーラムでニュージーランド移住説明会を開催します。規制を逃れて自由を手にしたい方、



tom_eastwind at 21:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月08日

最近のスパムメール

 

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益々進化するのは、パソコンや音楽プレイヤーだけではない。振り込め詐欺もスパムメールも、益々進化している。

 

以前だと、見た瞬間に「あっやし〜!」と思うので、速攻で削除出来た。ところが最近は「決算報告」とか「先日の会議について」などと、普通の文面。開いてみると、あれ!恥かしい画像があるではないか!

 

思わず目が釘付けにされてしまうほどの画像・・・じゃなくて、タイトルにうまく引っかかっている自分に馬鹿さと憐れみを感じるのだが、まあ憐れんでも仕方ない、これが現実だ。

 

硬いタイトルだけじゃなく「ゆきからお願い!」みたいなメールだと、「え、何かあったの?」と思わず開いてしまう。う〜む、敵もさるものひっかくものだ。

 

実際に、このスパムメールの被害ってどれくらいなんだろうな。DMより安い原価で一気に配布して、まともに見て1%でも反応してくれれば、商売になるんだろうね。

 

道徳的に問題な点はあるけど、市場開拓という発想から見ると、実に面白い。でも、毎朝整理するのも結構めんどい。これこそ、痛し痒し?

 

 

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 5月21日に東京国際フォーラムで、スパムメール、じゃなかったニュージーラーンド移住説明会を開催します。素晴らしい生活環境への第一歩!

 




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2006年05月07日

日本株式会社のデータ

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ニッポン株式会社という言葉を創造したのは、ジェームス・アグベレンという米国人だ。

 

戦後の日本が急成長する中で、通産省が会社を仕切り、大蔵省が金融を仕切り、自民党が全体を仕切る日本では、実際の経営者は政府自民党であり、取締役担当専務あたりが通産省、大蔵省だ。

 

 

なので、民間大会社の社長と言えども日本株式会社の中では平の部長クラスにしか過ぎないという事実は変わらない。

 

日経ビジネスの記事によると、

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80年代に15行あった大手都市銀行は、現在4行に統合された。製油会社は14社から4社へ。製紙会社は14社から3社へと統合されている。

 

90年代には錆びた産業として見られていた鉄鋼産業は、中国向けの高級鋼材輸出を中心として復活している。90年代に米国式経営が標榜される中、トヨタやキャノン等は日本的経営を貫き、見事に世界トップクラスの会社として成長した。

 

反対に、米国式経営や評価システムを導入した会社は、富士通など大手でさえも、復活に立ち遅れている。国際競争に勝ち抜くために、総合電機メーカーはお互いに技術を他社に売却したり買収したりの資産交換を行いながら、得意な分野に特化する姿勢を明確にしている。

     ***

 

この全体像を眺めてみると、企業の合併や技術交換などは、その全てに通産省や財務省の行政指導があり、最終的な絵を描いたのが政府であるという事は、極めて明確だ。その最終図は、日本株式会社の再編である。戦前の、強かった日本を取り戻すという意思表明である。

 

民主主義とか自由とか、何か勘違いしちゃいないか、国民の皆さん。貴方達は戦前のように、大人しく長いものに巻かれていれば良いのです。ちょっとばかり戦争に勝ったからと言って、アメリカの変な民主主義とか取り入れたから、戦前の「強い日本」が壊れちゃったんです。

 

これからは、自民党政府と官僚がちゃんとするから、大丈夫。少しは自由を奪うけど、安心安全な生活が、また取り戻せますよ。

 

そして医療改革、共謀罪、米軍再編など、国会の過半数を占めている今のうちに、政権かぶれした公明党を巻き込んで、一気に法改正やっちゃおう!

 

医療改革?だって、今老人の負担を増やしておかないと、あの人たち、只と思って皆さんの大事な医療費を使い尽くしてしまいますよ。そうなりゃ困るのはあなた達でしょ?

 

共謀罪?あなたたちが悪い事してなけりゃ、共謀罪なんて関係ないでしょ、あれは、悪い人の為に作った法律で、普通の人には関係ないのよ。

 

米軍再編は、戦争に負けてしまった罰の一つみたいなものです。今後10年間でもっと米国よりになるかアジアの一員になるか、政府内でも結論は出てないけど、とりあえず米軍は自分の国に戻ってもらった方がよいでしょ?

 

日本人の競争力の一番の源泉は、他人を信じて疑わず、団結して働ける点である。

 

僕は運営側にいる訳ではないし、政府が私利私欲だけで法律を作っているとは思わない。彼らなりに国家の将来像があるのだろう。その点だけは僕も日本人だから、彼らを信じて疑ってない。

 

でも、日本株式会社を運営する人々に言っておきたい。運営するからには、井戸塀政治家とは言わないが、一般国民よりも高い道徳観でその義務と行動を自己統制して欲しい。それが貴族の義務だ。

 

 

 

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5月21日に東京国際フォーラムでニュージーランド移住説明会を開催します。芝生のある国の話を聞いてみませんか?

 

 

 



tom_eastwind at 11:39|PermalinkComments(23) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月06日

芝生のある学校

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日経ビジネスに載ってた広告主はJリーグで、芝生のある学校を増やそうとしているらしい。

 

今、日本で芝生を持っている学校は1119校〜1290校。学校全体の3%程度だそうだ。

 

 

僕が子供の頃、そう言えば芝生はなかったな。校庭の隅っこが雑草だらけで、それを芝刈り機で刈ってた記憶がある.思えば、子供に芝刈り機を使わせる先生も、大胆なものだった。

 

芝生は子供の健康にも良い。走り回ってこけても擦り傷は出来ないし、何よりも目に優しい。芝生になってから昼休みに教室に残っている生徒数が減ったという調査もある。付け加えて言えば、野球には不向きかもしれないが、サッカーには最適という事だろう。

 

そんな記事を読みながらオークランドの学校の事をふと思い浮かべると・・・あれれ、芝生がない学校って、あったっけ?

 

ニュージーランドでは義務教育が1800年代から導入されており、どこも学校は古くて歴史がある。校舎は殆どが平屋の木造だが、校庭は実に立派である。整備された、バスケットボールが出来る運動場と、学校の大きなスペースを占める芝生の校庭は、最初から普通に存在している。

 

そう言えば、日本から移住の下見に来たご家族は、特に都会から来た人たちからすれば、芝生と学校の明るさが印象的だと言ってた。

 

 

実際にオークランドのような都会でも、glenfield school、まさに立派!の一言だ。

 

 

 

市内のあちこちにある公園では、普通にラグビーやサッカーが出来る広さの芝生がある。

 

 

ゴールデンウィークを利用して、様々な移住希望のお客様が下見に来る。

 

 

中には為替レートを気にしている人や、経済指数がどうのこうのという人もいる。でも、子供を育てる環境は、為替レートよりも芝生の多さではないか?

 

治安、教育、医療。これが生活の基本だし、これが整備されている国で住むって事が、家族の将来を守る基本ではないかな。

 

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tom_eastwind at 13:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月05日

失敗を恐れる風土

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2000年頃のコラムで「後5年で勝者と敗者が決まる。この5年はやりたい放題だ。何故なら既成権力が崩壊して新しい権力とルールが生まれるまでの空白期間だからだ」と書いた。

 

 

最近の企業の入社式や新聞の論評ではよく「失敗を恐れぬ心を持って欲しい」って言うが、そりゃ無理でしょ。

 

 

 

個人が起業して失敗したら、個人資産まで巻き上げてしまうという現実の中で、誰が家族を路頭に晒してまで起業するものか。

 

それよりも政府の敷いた「黙ってついてくれば餌あげるよ」方式にのっかった方が簡単だ。その為には良い学校を出て一流企業または公務員になること。

 

これに対してマスコミは「最近の若者は覇気がない」と言う。ふざけるなと言いたい。貴様ら何物だと言いたい。自分こそ真っ先に企業に逃げこんでおきながら。起業すればどぶに落ちるという仕組がある事を、失業して電車に飛び込む父親を見て知っている子供は、そんな危険な事はしないのだ。

 

実にたちが悪いのはマスコミで、社会の仕組を知っているくせに、ちょっと粋がって「俺は新聞記者だ、頭が良いのだ〜」みたいに、政府の行動をチェックする反体制みたいな格好見せながら、実はいつの時代も政府の街宣車をやっていたのが大手新聞ではないか。

 

失敗を許さぬ構造にする事で起業家=政府に反対するものを潰す。きちんと政府のいう事を聞いていれば、楽天みたいに成長させるが、いう事を聞かないならライブドアみたいに潰すぞという事だ。

 

サラ金業界もそうだった。結局政府が再度制御環を取り戻したのだ。そんな中で戦後の日本株式会社を再興させるという事は、規制社会に戻るという事だ。

 

今まで頑張ってきた人、お疲れ様。もうこれで受付終了、ここから先に起業家になりたければ、政府の言う事聞いて大手と組んでね、そう言うことだ。

 

「最近の若者は覇気がない」のではない。社会に擂り潰されて殺されていく大人を見て、より利口になっているだけなのだ。そういう社会を片方で作りながら、偉そうに「最近の若者は〜」等と言ってるんじゃねえっての。

 

まったく、マスコミの程度の低さはどこまでも低空飛行だ。待ってろ、いずれ無料新聞とブログが、君らの息の根を止めるよ。

 

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tom_eastwind at 00:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月04日

若葉の萌える頃 燃えてしまえっちゅうに

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ニュージーランドでは、運転初心者はLマークを付ける。写真の車の後部窓左側にあるサインだ。

 

これ、Learnerという意味で、日本の若葉マークと同じ意味だ。

 

この若葉連中、遅いし方向間違うし、何の為に運転しているのか、理解していると思えない行動を取る事が多い。

 

閑話休題

 

中国人ビジネスマンと会話していると、そのスピードの速さに時々ついていけなくなる事がある。彼らは実に頭の回転が速い。常に最高の利益と最高の速度を追求するというソフト機能を、子供の頃から頭に導入しているのだろう。

 

今日もある中国人ビジネスマンと軽く打ち合わせしたが、彼らと話していると、やはり日本人と交渉している時とスピード感が違う。話が早いしポイントを理解しているし、何よりもビジネスにおける価値観が一致しているから答えも早い。そして、交渉する時は必ずその場で判断権限のある人間がいる。だから答えは即決だ。

 

これが日本人だと、自分が何故仕事をしているか、その目的が理解出来てないから、同じ事を話しても結果が出るまでに一週間以上掛かる。それでもまだぐだぐたと「いや〜それがですね〜」とか、「上司が〜」とか、そんな事になってしまうのがおちだ。挙句の果てに「いや、プランは良いのですが、」とか「それでは食事でもしながら」となり、時間の無駄も夥しい。

 

海外ビジネスの良い点は、その企業が今までがどうだったかよりも、今がどうかを基準に、誰にでも機会が与えられる点だろう。この国でも、NZにある日本の企業と取引する事があるが、日本人相手だと、実にうざい。下らない、仕事と全く関係ない個人的な好き嫌いでこちらの仕事を判断される。愚昧でさえある。馬鹿は、本当に相手にするのがうざい。

 

ビジネスには色んなルールがあるので、日本で商売をする際に日本の習慣を無視する積りはない。だから若葉マークが出てくれば、それなりに相手もしよう。但し、日本の若葉習慣をこの国まで持ち込んで、肩書きだけで商売するような事をする日本人ビジネスマン、お願いだから国に帰ってくれ。

 

そういう役立たずは、香港でも山ほど見て来た。北海道拓殖、長銀、大和、関西系のメーカーにも、あふぉが多かったな〜。でも、あんな上司べったり野郎が国内では出世するんだろうな。だからいつまで経っても日本企業が国際的に強くならないんだろうな。

 

オークランドにも、飛ばされた事にも気付かずに威張ってる日本から派遣された勘違い若葉野郎や、実力がない事を誰に指摘されても「お前が間違ってる」と、妙に自信満々なあふぉ〜が、たくさん転がっている。そのくせ、空元気若葉野郎は、ちょいと突くとすぐにしぼむか逆切れする。誠に始末の悪い連中だ。

 

最近は商品の仕入れに関してはNZ国内の、それもキーウィやアジア系などからが中心だし、サービス提供する先も日本のマトモな個人なので、精神的には非常に安定している。

 

しかし、同じ日本人として、いつまで経っても若葉マークの取れない勘違いサラリーマンを見ていると、いらついてしまう。

 

と言う事で僕は、出来るだけ若葉を避けて、今日も黒々とした中国人と密談でもしよう。ぼそぼそ・・・。

 

 

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5月21日に東京国際フォーラムで、数えて見ればもう、第17回目になるNZ移住説明会を開催します。興味のある方、是非ともお越し下さい。

 



tom_eastwind at 12:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2006年05月02日

コップ半分の水

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コップ半分の水を、「もう半分しかない」或いは「まだ半分もある」、そういう理論展開をする事がある。僕は「半分もある」派だ。それで積極的だと思っていた。

 

でも、昨日気付いた事は、もっと積極的なのは、半分である事を認めた上で、これだけあるじゃんかと幸せをかみ締め、そして同時に「まだ半分しかない」と、自分を励まして成長すること。

 

 

これがもっと素晴らしいと感じた事だ。つまり幸福とやる気を同時に掻き立てようという、グリコの二度美味しい発想だ。

 

 

人生は、見る角度で全てが変わる。サラリーマン時代からそうだったが、僕は仕事に於いて、いくらのお金がもらえるかよりも、その仕事をして何を学べるかを考えていた。

 

 

金儲けはいつでも出来る、それよりも若いときは、いろんな事を学んでみよう、そういう気持ちだった。その事は、自分が20歳台の頃に福岡で営業をしていて、いろんな経営者からいつも言われた事だ。

 

 

「おい若造、金なんていつでも作れる。今は思いっきり自分に投資しろ。30歳までに自分に投資したお金は、30歳以降に、全部自分に返ってくるから、30歳前に貯金なんて、くだらん事は考えるな。俺の言う事を信じろ」

 

 

言われた通りにしてみると、なるほど先達の言う事は正しい。目先のサラリーがどうのこうのと言う前に、自分を磨く努力はしているのだろうか?それなしに目先のお金の不満を、例えば掲示板などに匿名で書き込んで密かに喜ぶ人たちがいるが、あれはどうなのだろうと思う。

 

 

NZDaisukiという日本人向けのウェブサイトがある。そこの掲示板でよくテーマになるのが時給だ。「経営者が最低時給を払わない!」とか「給料未払い!」とか、である。勿論、どちらも事実であれば問題だ。理由はどうあれ、法律は守らねばならない。

 

 

以前も書いたが、最低生活に足るだけの時給は、労働力を大きな意味での消費力として考えた場合にも、払わねばならないものである。

 

 

しかし、である。この掲示板に書き込みをする人々、彼らは目先の給料の話をする前に、その仕事で一体何を学んでいるのだろう?日々の文句を掲示板に書き込み、それで鬱憤を晴らすのだろうが、その鬱憤とはどこから来るのだろう。

 

 

時給が安い?では日本で働けばよい。元々ワーホリビザとは現地の雇用に影響を与えない程度に、働きながら国際交流を行う仕組である。出稼ぎを促進するシステムではない。その点を履き違えているのではないか?

 

 

それ以外の永住権保持者等であれば、地元の企業でも働ける。あえて日系で働く必要もない。つまり高い給料をもらえないのは本人の努力不足なのではないか?

 

 

自分はお金を貰うに値する仕事をしているのか?

 

 

まあ、こんな事を書くとまた「いいんですよ、僕らは文句を言いたいだけだし、別にそれで何を変えようとか思ってないんです、満足している人はここに書き込みしないで下さい、大体あなたらなんですか!」となる。

 

 

だからDaisukiには書き込まずに、この場で書く。何故ならここが、僕の主張の場だからだ。

 

 

もし不当な給料であれば、僕が相談に乗ります。相手の経営者に連絡もして改善させます。その代わり、あなたも海外に出た日本人として恥かしくない仕事をして下さい。

 

 

コップ半分の水で語れる事は少ない。でもコップ半分の水があれば、半日は生きていけるだろう。それだけの時間があれば、「たった半分!」と悲嘆にくれてばかりいるのではなく、「まだ半分あるうちに」解決策を探す事が出来るのではないだろうか?

 

 

道はある。探せば必ずある。見つからないのは、探してないだけだ。

 

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5月21日に東京国際フォーラムで移住説明会を開催します。狭い日本にゃ住み飽きた、そう思ってる方、新天地へ、どうぞ!

 

 



tom_eastwind at 10:01|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌