2006年10月
2006年10月31日
Jury again
今年2回目の陪審員に選ばれる。永住者で裁判の陪審員に選ばれるってのは、どれくらいの確率なんだろう?少なくとも、いくらランダムに選択されたと言っても、一人の永住者が一年に二回は多すぎじゃないか(笑)?
まあ市民の義務ですからきちんとやりましょ、民主主義は自ら守るものを守る。他人任せでは民主主義は機能しませんからね。
と言う事で、11月20日からの高等裁判所の陪審員枠に選ばれる。流れは前回と同じで、まずはランダムに選ばれた200人くらいが、更に抽選でその日に開始される裁判ごとに振り分けされて、指定された法廷に入る。そこで更に弁護側によって11名程度?(うろ覚え)が選ばれて、その中に入ってしまえば、裁判が終了するまでの一週間くらいは缶詰になる。
どのような事件を担当するかは、その場にならないと分らないし、選任されなければ、その場で解散になる。後は日当を受け取って職場に復帰。
この週、日本から下見に来るお客様が多いんだよね。今の予定でもすでに5組、特に11月25日はオークランドで日本人向け就職セミナーがあるので、セミナーに合わせて来られるお客様の対応が、ちょいと手不足になりそ。やば、今から人員を確保しておかなくちゃ。
閑話休題、先週は日本に在住しているお客様用に、NZの株式会社を2社設立。ニュージーランドという国は会社を作りやすいという話を聞いた事がある人は多いだろうが、実際にどうやるかとなると、それはやはり手続が必要だ。法人と言う名前のごとく、法律的に人間と同じに扱われる人格を造るのだから、僕はもしかして「造人主」かいな、なんて思ってしまう。
しかし、この法人というもの、一旦出来上がると実に便利だ。日本にいながらNZの株式会社の社長になれるし、100%の株主でもある。要するに何でも出来る会社の一丁上がりなのだ。
日本での利益調節にも、会社の肩書き増やしにも、海外投資にも、そして将来的には相続税対策や全般的な節税にも使えるのだから、どうぞお一ついかがですかって事になる。設立は決して簡単ではないし、誰にも有効活用できるわけではないが、人によっては思いもよらぬ効果があるものだ。
最近は経営コンサルタントや投資コンサルタントも「分散投資」や「海外投資」を勧めている。木村剛なども、ユダヤ式に「土地と株と現金を」分割して持つ事と言ってる。
特にこれからは、日本が益々やばくなっていくので、金を逃がせるうちに海外に逃がしてしまえという「教え」がコンサルタントの流行?になっているようだ。
海外を知らないまま、海外を怖がるか嫌うかでは、話は進まない。てゆ〜か、日本が今世界に取り込まれているのだ。国内ですべて賄えるような時代は、もう終わってるのだ。
コンサルタントは、少しでもまともな脳みそがあれば、日本国内の今後の見通しなど丸見えだから、海外投資にシフトという助言くらいしなくちゃ、お客からも笑われる事になる。そして、助言するからには、素人っぽい事を言ってても始まらない。その為には海外の税制を勉強する必要もある。
そのための第一歩が会社設立だ。まずは習うより慣れろ、会社を作ってみて運営してみて、いかにNZの会社が使い勝手が良いかを理解しながら、NZの会社を使ってどんな事が出来るかを学べばよいのだ。
写真は、竜馬君が通うスケート場で、子供たちが一列になって滑ってる場面です。
2006年10月30日
スタンフォードホテル
このホテル、今年6月から始まって現在も屋上部分を工事中。でも既に客室は利用開始している。これから更に半年くらいかけて、写真上部に長方形の箱のようなタワー部分を構築する予定。
このタワー部分が本当に構造計算やってるのかどうか分らないところがNZの面白い部分なのだが、もともと10階建てで計算された建物の上に、更に10階分を上乗せするのだから、良い度胸。地震が起こらない事を前提にしているのかな。
それにしても最近のアパートブームは、凄いの一言だ。次々に新しい建物が建築されて、それがどれも最新式の外見や内装なんだけど、新築1年未満の建物が、エレベーターが普通に停止したり、壁にぎざぎざのヒビが入ったりしている。
香港式でも言うのか、ペンシルマンションもどんどん出来ている。この広さで本当に建築許可でたのか〜?って、マジで気になるペンシルマンションが増殖中。
一通り建築して、投資用マンションとして売却が終わった頃から、市役所が「は〜い、建築違反ですね、構造が駄目なので立て直すか転売禁止!」てな事で、儲かったのは地元の建設会社、作ってから今度は壊す事で、一粒で二度美味しい、グリコ物件になるのでは?
そう言えば最近は、空港からオークランドシティ西部を経由してノースショアに抜ける高速道を建設中。2015年に全面開通の予定だが、どうもそろそろ資金が枯渇しているのだろう、アジア人向けに「起業家ビザ」の英語テストを免除しようかという「噂話」が出てきてる。
2001〜2002年も、ブリトマートの地下駅計画や高速道整備でお金が必要だった時に、アジア人の移住をどか〜んと受け入れた経緯があるから、今回も同じような事をやるかもしれないな。
あ、そうそう、今回の西回り高速道路計画については、全線開通で通行料7ドルくらい取りますよと、計画段階ではあるが、遂に有料道路になるそうだ。ちなみに、投資家ビザで支払う200万ドルは、このような政府主体の計画に投資をするように指定されている。投資家ビザで200万ドル払った人は、自分のお金で出来た高速道路を走ると、感慨があるのでは?
2006年10月29日
殆ど日本
日曜の昼下がり、竜馬くんは機械ゴジラ2?(日本名は不明、釈由美子がきりゅうに乗っかってる)を観ている。
昨晩は家族でPrinces Mononokeの鑑賞 だった。
ゴジラは香港で出回っているDVD、もののけ姫はNZのビデオショップで購入した中古品。ゴジラ2は日本語放送版で広東語と英語字幕、もののけ姫は英語字幕で英語吹き替え。
NHKニュースでは、朝から「高校生の単位不足」問題を特集している。改めて考えて見れば、今日は朝から日本語しか使っていない。
こうなると、殆ど日本じゃんか。
それに車のハンドルも右側だし、ジャパンマートで買ったそばを朝から食ってるし、読んでる本は大沢在昌だし、BGMは絢香の「三日月」となれば、日本の生活とナニが違うの?って感じになる。
日本のDVDは、良い作品なら外国で普通に販売されているし、毎月40ドル払えばNHK、香港のテレビが観れる。CDは海外からの直接購入は出来ないものの、一旦国内の友達の住所で購入、郵送してもらい、それを転送してもらえば間に合う。違法だが、ファイル交換ソフトで無料で日本の最新音楽を入手している人もいる。本などはamazonで直接購入すればいつでも最新作が入手出来る。
街では100万台以上の日本車が走っており、保冷車は紀文のマーク、バスは「xx養護学校」等の日本語が、そのまま乗っかっている。キーウィからすればデザインの感覚なのだろう。
食料品は、さすがに高い。スーパーで買う生そばや生うどんは、一袋1ドル(大体80円)と安いが、ジャパンマートで買う「午後の紅茶」は、300ml入りが一本4ドル(320円)以上する。過当競争もないので、バーゲンもなく、どうしてもその銘柄が必要な時は、しっかりと貯蓄するしかない。
でも、醤油や味噌、調味料などは、韓国製やシンガポール製、中国製と、安いものが出回っているので、銘柄さえ拘らなければ、随分安く買える。
僕が初めてニュージーランドにやってきた1988年と比較すれば、格段の進歩だな。以前も書いたが、この進歩の原動力になったのがインターネットの発達と海空輸送能力の増加である。
だが、考えて見るとそれだけではない。一つには日本の食料品が海外で十分に受け入れられる素地が出来たし、日本製品の高品質が認められているという事だ。
いくら輸送能力が発達しても、誰もアフリカの山の中で売られているまずい豆を買う人はいない。競争の厳しい車業界でも、右ハンドルというだけで日本の車を買ってくれるほど甘くはない。
それだけ日本の品質や商品は優れている。なのに、日本人は今だ本格的に輸出されてない。
ニュージーランドやオーストラリアを、輸出対象の国として見るだけではなく、今の日本の生活のしずらさを感じる人なら、生活の為の国として考えて見ても、悪くはないと思うのだが。なぜって、これだけ日本製品が出回っているのだから。
子供の登校に鉈と銃を持った車が突っ込んで来ない、受験戦争のない、それでいて大学を出れば世界中の英語圏で仕事が出来る環境で、食料自給率が300%で、15歳から65歳まで失業保険が貰えて、医療システムが整備されてる国で生活をして、仕事は日本ですれば良い。
そんな仕事ないって?ありますよ、たくさん。実際に移住された方でも、日本で楽天市場で商品売ってる人もいます。出来ない言い訳を考えるよりも、どうすれば出来るか、考えて見ればどうですか、頭の上にテポドンが落ちてくる前に。
韓国人3万人、中国人10万人が、現在のニュージーランドで正規に登録されている数らしい。実際は短期滞在や不法滞在で、韓国5万人、中国人20万人くらいいるだろう。
人口1億2千万人の日本人は、わずかに1万2千人。韓国の人口は約6千万人、中国は12億人なので、割合から観ても日本人の輸出は、まだまだと言える。皆さん、もっと出て行きましょうぜ。
2006年10月28日
鬱な季節
イーホームズの藤田告発が、インターネット上で段々広がっている。
特に、問題となっているマンションを購入した人が参加する掲示板で、ついにAPA側が契約者に対して手付金の倍返しで契約解除に踏み切っていると言う書き込みが出てきた。
http://www.e-mansion.co.jp/cgi-local/mibbs.cgi?mode=point&fol=saitama&tn=0138
しかし、新聞やテレビは、いまだ報道管制を受けているようで、何も発表していない。
週刊誌が取り上げているので、そのうち国会質問で民主党あたりから突っ込みが来るだろうな。そうなるともう、今回の隠蔽事件は全て表に出る。これで安倍政権も終わる可能性ありだ。
もし国会質問さえないままこの問題が終息してしまえば、安倍政権じゃなくて日本が終わりだ。北朝鮮もびっくりの、飛び切り上等な共産主義国家の出来上がり。中国が共産主義について学びに来るのではないかと思われるほど、経済一流政治三流、国民総奴隷化の時代がやってくるという事だ。
偶然だが、きっこが取り上げた記事でも「国境なき記者団」のことに触れていた。皆、感じる事は同じなんだろうね。何か欝になってしまいそうな話だ。
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今朝はちょいとした楽しい事があった。いつも出勤途中に聴いてるラジオ、「ダブルロビー」って言って、二人のロビーがお互いに掛け合いながらおしゃべりをして、途中にイージーリスニングを流すのだが、今朝は片方のロビーが休暇で不在の為、一人ロビーです〜とか言いながらキーウィジョークを連発。
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離婚率が50%以上のキーウィカップル。そんな中で6年も一緒で今も新鮮な気持で素敵な結婚生活を送ってる夫婦に聞きました。一体どうすれば、そんなに二人の気持が持続出来るの?
それは簡単だよ。まずちゃんと相手を愛してあげて、週に2回は素敵なレストランでディナーを食べる事さ。ドレスアップして、キャンドルを点けて、ワインを傾けて美味しい料理に舌鼓を打てば、二人はいつも幸せさ。
火曜日のディナーは妻が、金曜のディナーは僕が行くんだ!
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あれ?ラジオで聞いた時は思わず吹き出してしまい、運転不能に陥るほど可笑しかったんだけど、今、日本語に訳してて、あれれれ?これじゃあんまり面白くないな、ポイントが掴めてないなって思った。
英語のジョークを日本語に訳しても、あまり笑えない時がある。多分、さっきの幸せな夫婦に関するジョークも、離婚に関する東西の道徳観の違いがあるからピンと来ないし、恥の文化の違いがあるから、僕らが恥かしいと思わない事を彼らが恥ずかしいと感じて、彼らなりに恥ををねたにしたようなジョークが、僕らにとってはあんまり笑えないって事になるのだろう。
随分昔の話だが、ウインドサーファー仲間とハワイのビデオ見てる時に、途中で急にHなビデオになった。どうもHビデオにハワイの画面を上乗せしたらしい。すると30前後の社会常識もある彼が笑いながら「こりゃ母親とは見れないな」と言って笑ってた。それって冗談?
英語でくそったれと言う時に使う言葉も、日本語で訳すと、怒るというより、あきれるばかりだ。自分の母親と・・・これってやっぱり文化の違い、価値観の違いだよね。
そう言えば、香港での冗談は、香港人と同じタイミングで笑えた。あれは、やはり道徳観や文化、価値観が同じだからだろう。そう言う意味でも、言葉は通じなくても北東アジア人には共通するものがあると思った。
でも。でもですよ、最近のある一部の人種や地域に於いては、どうもその歴史的価値観や文化にずれが出ているような気がする。中国でも、文化大革命の洗礼を受けた世代の子供たち、特に北東部から来た人たちは、同じアジア人と思えない行動を取る。バスの列に割り込む、道に唾を吐く、赤信号を、車を押しのけて渡るなど、公共精神が日本人以上に欠けている。文化大革命は、本当に伝統的な中国文化をぶっ壊したのだ。だから今では、伝統的な中国人と言えば、むしろ台湾や香港の方が本家になっている。
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朝鮮半島の一部でも同じような状況みたいだ。韓国統一省は、北朝鮮に対する制裁に韓国政府が加担するなら、それは民族への裏切りだと言ってる。おいおい、北にいる朝鮮民族は、すでにあなた達が知っている「同朋」ではないのですよ。洗脳され変化した国家なのですよ。
韓国の問題点は、何かあった時にすぐに国が割れて離散集合、意見がまとまらないまま、最悪の状況で最悪の事態に突入してしまうって事だ。昔日本が侵略した時も、国を挙げて闘おうとせず、その昔、中国が侵略してきた時も朝貢外交で隷属化している。そして戦後は米国派閥と中国派閥に分かれて、遂に国を割ってしまった。
今米国は、北朝鮮に対して韓国に攻め込ませようとしている。ソウルを火の海に放り込んでから米軍が出てきて一気に叩こうという戦略だ。その為に、ソウルに住む米国人兵士の家族などを横田基地に移送する計画も着々と進んでいる。
そんな状況下で、60年も前の歴史を引っ張りだして、昔僕らは一緒だったなんて言っても、現実的ではないよね。北はいつでも攻めてくるよ。統一したいなら、もっと早い時期から国論をまとめておくべきだった。機会はいくらでもあったのに、それを怠ったのは韓国と北朝鮮の、両方の危機意識の問題。
しかし今はそんな事言っても仕方ない。とにかくこれ以上韓国の文化を壊したくないなら、文化大革命後の大陸中国のようになりたくなかったら、今が最後の機会だ。これ以上の韓国側の妥協は、かえって国難を招く事になる。
ああ、また鬱になった、最近の世界情勢。ニュージーランドでのんびりてれ〜っとラジオ聴いてるほうが、よほど幸せだ。
写真は、朝のWestLakes Girl’s school の登校風景。子供の送迎場所が変わったので、学校前まで来る事になった。
2006年10月27日
虹と水晶ピラミッド
写真では分りにくいけど、水晶の横あたりから上空に上っているのは、オークランドの虹です。
雨上がりのオークランド、自宅のPC前に座ってると、偶然虹が出てきて、思わずパチリです。
KeikoLeeって人のジャズを聴きながら仕事をしている。迫力のある低音で、なかなか良い。検索して見ると、日本でも何度か賞を取っているとの事。
それにしても仕事が溜まっているな。毎日のメールのやり取りだけで殆どの時間を過ごしているが、最近はそれに起業や移住の面談をやるので、時々目の前のお客様のデータを読み違ったりして、怖いっすね。さすがに名前を間違う事はないけど、「お客様はとう、ええっと、とうきょうですね〜」頭の中では彼の学歴が東大と入力されていて、やばい事もある。
それに輪をかけるように、他の部署もいろんな問題が発生しては、問合せや処理方法の相談が来る。今週は実に忙しいな。こりゃどうも、週末も仕事でぎっしりと予定が埋まりそうです。
おっかしいな、説明会では「ニュージーランドは残業のない国で〜」って説明しているのに、言ってる本人が毎晩自宅で夜中まで働いているんだから、変な話。
つ〜か、会社を出るのは早い。夕方の4時頃には既に退社するのだが、それから食料品の買い込み、自宅に戻って料理、合間を縫って洗濯や掃除をしながら、料理を家族に食わせたら皿洗い、仕事に戻るのは大体選るの9時過ぎ。
まあいいや、一人でも多くの日本人がNZに来てくれれば、遣り甲斐もあると言う事で、もちっと働こうっと。
2006年10月26日
香港大富豪のお金儲け
随分分りやすいタイトルの本だ。
「華僑財閥の資産運用を手掛けた日本人証券マンが初めて語る真実のストーリー」との宣伝文句。
中身はまだ読んでないが、7つの鉄則と言うのが良かった。
1・お金に感情をはさまない。
当然のようで、実は殆どの日本人がこれを出来ない。例えばインバウンド旅行会社が手配するホテルやバス、レストラン等は、日頃の付き合いで決めており、内容や料金を一顧だにしない現実には、呆れるほどだ。
2・経済合理性を第一に考える。
これも当然。合理的な考えは日本人の苦手とするところで、特に合理性を追求しているように見えて、実は無駄な時間を使っているという事が多い。
時間の使い方の下手な人が多い。
例えば仕事時間中に1時間かけて1ドルの値切りをして、それで儲かった気になっているサラリーマン。時給の方が無駄だっちゅうに。
3・お互いに儲ける。
これなど、まさしく今の日本人に言いたい。自分だけ儲けようとするから、お互いにやってる事がせこくなるし、疑心暗鬼になってしまう。相手に儲けてもらい、自分も儲かる。これこそが長く付き合う基本なのに、目先の自己利益しか見えない、心の寂しい、脳みそ日照りな人々。
4・国境を越えて投資する。
そうそう、日本人は国内投資しか考えないか、何も考えずに海外に投資して失敗している。海外を怖がってもいけないし無視してもいけない。常に学び、国を越えた投資をする事でいざという時のリスクヘッジをするのが基本だ。NZは金利は良いけど為替がね〜等と言う人もいるが、為替の上がり下がりはどっかの投資信託や銀行のなんちゃら研究員とやらが言った事の、大体反対に向かう。それよりも金利を考えれば、元金が10年で2倍になるのだから、長期投資で考えるべき。特に日本がこれから迎える危機的な状況を考えれば、分散投資は基本ですな。
5・つねに3年先を検証する。
これも、いつも皆に言ってる事。今は調子良くても、経済は必ず変化するし、今儲かっているビジネスでも、いずれ寿命が来て利益が出なくなる。その時に何をしているか。常に健全な危機感を持ちながら3年先を考える事が大事。
他にも2つあるが、とりあえずこの5つ、香港人の考え方としてはごく当然の発想である。日本人に是非とも理解してもらいたいと思う今日この頃。
出張から戻り、日本からの問合せが増える。それに加えて、昨日からいろんな問題が続出。今週はかなり大回転で働かねば。
写真はクライストチャーチの大聖堂前。何か最近はこの系列の写真が多いな。
2006年10月25日
お客様は神様じゃない。
お客様の為に尽くすという事と、お客様に奴隷のように仕えるというのは別問題だと思う。
お互いに相手を人間として尊敬して、その上で共同作業を行って、お互いに利益を得る、そういう関係を構築するのが正しいビジネスだと考えている。
商売をしていると、どうしても色んなお客様と会う訳だが、どうしても理解出来ないのは、値引きを要求するお客様と自分は神様と思っているお客。
何で値引きなんな事を思えるのだろう?僕が値段をつけたのは、それなりに理由がある。そのお金をもらい、お客様にサービスを提供し、社員に給料を払い、社員がいずれ家を買えるようにもしたいし、貯金が出来るようにもしたい。
だから当社では、社員に何を言われなくても、毎年10%近い基本賃金の引き上げを行い、少数精鋭だが、他社よりも良い労働条件を提供して、社員も僕も幸せになりたいと思っている。
その為に商品の値段を付けているのだが、単純に値段だけ見て「これは高いから安くしろ」というお客様。これは意味不明。自分に金がないから安くして欲しいとか、移住が成功したら後で払うからと言うなら理解出来るが、最初から「高い」では、取り付くしまもない。
僕は、自分が付けた値段には自信を持っているし、勿論失敗すれば全額払戻が基本だから、そういう意味では成功報酬と同じだ。ところが、最初から値段を「割増」してると思ってるのか、意味不明なお客は、理由もなしに値引きを要求する。
ああそうですか、じゃあ買ってもらわなくても結構です。消費者は、供給者の「売らない権利」があるという事を理解していないのだろうか?
自分を神様と思っているお客に至っては、もう手におえない。自分の言ってる事を世界で唯一の真理と思っているから、供給者の気持など理解しない。だから、こちらが商品を売らないという状況が理解出来ず、逆切れしている。
全くもう、疲れるな。
欧州型社会では、例えばパリでブティックに入る時は「こんにちわ、入ってもいいかしら」と聞きながら購入者がお店に入る。
ニュージーランドでは、人が皆平等だ。店員である前に人間だ。互いに平等なのだ。互いに人間なのだ。何故それが分からないのか?
NZに来てまで日本の感覚で話す日本人。あのさ、移住止めて、日本に帰ってくれない?本気でそう思った今日。
写真は、クライストチャーチのエイボン川。最近はゴミが増えて市民が困っているらしい。それでも日本の東京の恵比寿あたりの泥川に比べれば段違いに綺麗だけどね。
2006年10月24日
祭りの終わり
10月22日、神奈川と大阪で衆院補選が行われ、両区とも自民党が勝った。
その翌日、3歳の子供の、虐待のあげくの飢え死事件が起こった。
北朝鮮はあいも変わらずミサイルを日本に向けている。
そして今日に至ってもイーホームズの藤田社長の告発文はどこのマスコミも記事にしない。
これで日本も、行き先が決まったような気がするな。
政府としても言い分があるのだろう。「今は国家の危急の事態、ここで総理を弾劾するような事をしてしまっては、国際社会が〜」とかね。
でも、日本に限らず政府はいつも国家の危急事態を処理する組織なのであって、それを理由に藤田社長の告発を無視するというのは別問題だ。
警察にしても言い分はあるのだろう。「だってさ、他人の家に勝手に上がりこむわけにはいかないでしょ、第一、民事だしね〜」とかね。
そして藤田事件で、マスコミは、本来の目的である「正しい情報」を「正確に伝える」という義務を放棄した。
生情報はそのままでは一般読者に理解しずらいので、マスコミによって読みやすく加工される必要があるが、それは情報の趣旨を反しない限りに於いて許されているのみで、告発した者を悪人に仕立て、その主張を無視し、政府に都合の良いように書くのであれば、これはもう、政府の広報機関にしか過ぎない。
10月22日
神奈川16区では、亀井善太郎氏(35)=公明推薦=が、大阪9区では、自民党の前大阪府議、原田憲治氏(58)=公明推薦=が初当選を果たした。
「与野党とも来年の統一地方選や参院選の前哨戦と位置づけ、総力を挙げて戦った」との事だが、与野党が総力を挙げて「投票率は神奈川16区が47・16%と郵政民営化の是非を争った昨年9月の衆院選より17・61ポイント低く、大阪9区も52・15%と15・41ポイント下回った」との事。
神奈川16区の選挙民はおそらく40万人くらい。そのうち選挙に来たのが半分の約20万人で、そのうち亀井氏に票を入れたのが11万人。これには公明党、つまり創価学会の組織票も入ってるから、実質的に彼の政策に納得して票を入れたのは、4人に1人以下という計算だ。
総力戦でやっても選挙民の半数しか集められない、今の政治は一体何なんだろう。それよりも、選挙に行かない人は、自分がどのような権利を放棄したのか、分っているのだろうか?
NZでは選挙の際に各戸に配布される選挙公報で「選挙に行かなければ法律違反です」とまで書いて、常に70%以上の投票率を確保している。それほどに民主主義は、皆で守らねばなし崩しに崩壊していくようなものなのだ。
今の日本で民主主義が存在しないのは、民衆がそれで納得しているからだ。政治に関心を持たず、隣家に関心を持たず、社会に関心を持たず、ひたすら小市民としての毎日を過ごす。
NZでは子供を一人で自宅に置いておくだけでDVと見なされて、親が逮捕される事も普通にあるし、親権が奪われるのも普通だ。それだけ子供を大事にしている。学校の送り迎えも必須であり、ましてや子供の躾のためと言って頭やお尻を叩くだけで警察が飛んでくる。では誰が通報するのか?隣家の友人である。友達関係よりも利害関係よりも、子供が大事にされているのだ。
そして日本では、これからは情報は政府によって操作され、政府に都合の良いニュースだけが流され、自民党が軍国主義に走り、幼児が虐待され飢え死にする。
北朝鮮と、何が違うのだろう?
今日の新聞記事より抜粋:
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国際的なジャーナリスト団体「国境なき記者団」(本部パリ)は24日、168か国を対象に報道の自由に関する調査結果を公表した。北朝鮮が調査開始の2002年以来、5年連続で最下位、2006年は日本は51位(前年37位)だった。
*************
2005年、ニュージーランドは12位だった。
写真はクライストチャーチの公園内の銅像。
2006年10月23日
マスコミよさようなら、ブログよこんにちは 1
1980年代に株価上昇が銀行金利を凌駕して、それまで流動性資金を銀行に預けていた企業が、その資金を証券会社に転用した。当時は「稼ぐ財務」と呼ばれ、企業がその本来事業である営業利益よりも営業外利益、つまり証券会社からの受取り利息が大幅に増加した企業が軒並みであった。
そんな時に言われたセリフが「銀行よさようなら、証券会社よこんにちは」である。
勿論これは一時的なもので、バブルの崩壊で日本経済が破壊されるまでの話であったが、今回の「さようなら、こんにちは」劇では、どうも僕らは本当に、100年に一度の時代の潮目の変化を体現しているような気がする。
それが今回きっこによる一連の暴露記事、特にイーホームズの藤田社長が発表した、政府及びアパマンションに対する糾弾状である。
およそ安定した日本社会が成立した江戸時代から現代に至るまでの400年間、徳川家康のルールによる「民は依らしむべし、知らしむべからず」という「積極的無知放置政策」=「お上と長いものには巻かれていろ、俺たちが知らなくても、お上がちゃんとやってくれるさ」政策が、政府は変われど国家運営方針は連綿と続き、民衆は何も知らない情報白痴状態に放置されていたし、それなりに民衆も幸せだった、第二次世界大戦の時期を除けば、だが。
ところが1990年代に始まったインターネットの普及は、400年続けてきた「政府による情報管理」を完璧なまでに破壊しようとしている。
発言の自由は民主主義の要であり、政府が自分の都合の悪い情報統制を露骨にやってしまう事は出来ない。しかしインターネットが出来るまでは、何が本当で何が嘘か、国民が自分の目で判断する事は出来なかったので、マスコミを使った政府発表を信じるしかなかった。
今回の耐震偽装問題でも、イーホームズの藤田社長の発言を封じる為、警察力と司法力、国会まで動員して彼を逮捕させ司法で有罪にさせ、国会では姉歯喚問を行い、建設業界を政府規制業界に戻して子会社業界にした政府の手腕は、あいも変わらず凄いものである。それまでの民間主導や民営化を見事に覆し、政府役所がまたも権力を掌握したのだ。
いつもならここで終わるところだったが、しかし今回は違った。藤田社長の糾弾状と言うコンテンツを、誰でも発信出来るブログと言う、全く新しい通信媒体を使ってきっこが国民に直接情報提供を行ったのだ。
*尚ここではきっこという個人名を使っているが、僕は彼女が一個人でやっているとは、99%思ってない。またブログの代名詞としてきっこを使っているが、他にも優秀なブログはたくさんある。要するに個人が情報を国民に向かって安易に提供出来る時代になった、その象徴としてきっこという個人名を使っているのだと理解して欲しい。
イーホームズ問題は、単なる耐震偽装隠蔽事件だけではなく、今までなら通用していた国家による情報統制が、もう通用しなくなった事を意味する。
政府はすでに去年あたりから露骨に「放送行政」に干渉してきており、免許剥奪と言う伝家の宝刀をちらつかせながらNHKや民放、そして大手新聞の情報統制をしてきた。その為今回の耐震偽装事件についても、マスコミが分っていても書けなかったという事実がある。
しかし政府が規制出来るのは会社や組織であり、個人のブログに規制をかける事は、明らかに民主主義の原則への挑戦となり、それをやってしまえば日本は北朝鮮と同じ独裁国家に成り下がってしまうから、その領域を侵犯する事は出来ない。
一応付け加えておくと、ここで言う情報統制とは、政府に、と言うよりも政府の一部グループの既得権益にとってのみ都合の悪い情報の隠蔽であり、国家安全保障の為の情報統制ではない。
例えば北朝鮮が新潟にミサイルを撃ち込もうとする情報を、政府が何の情報整理もしないまま安易に国民に伝えても、それはいたずらに国民を動揺させるだけであり、国益としての情報整理の為の情報統制が必要であるし、それは認める。
僕が今問題にしているのは、今回のように一部既得権益者の利益だけの為にもしも日本政府が本気で個人情報に規制をかけようとしたら、、、おそらく国家が崩壊するだろうし、それを分って個人情報に規制をかけようとする政治家がいれば、それこそ売国奴であるという事だ。
今ならまだ取り戻せる。人は誰でも失敗するし、間違う事もある。でも、訂正する機会があるのに何もしなかったら、それはもう人間の条件を失ってしまうという事だ。
いずれにしてもブログという情報伝達手段。10年後に振り返った時に、「きっこのブログ」が時代の変化の潮目であったという歴史的判断が成されると思う。
写真は、福岡のホテルの部屋から見た、公園に住むホームレスの姿。誰がホームレスを造ったのか?次にあそこに座るのは、あなたかもしれない。まさかそんな事!って思うかもしれないけど、彼らも「まさかそんな事!」って思ってたのは、忘れてはいけない。生まれつきのホームレスなんていないんだから。
2006年10月22日
耐震偽装問題
本来僕のブログとは関係無いテーマであるが、これだけは多くの人に知ってもらい、公平に評価してもらう必要があると思って取り上げた。
事件の発端はきっこのぶろぐだ。姉歯ではない。
事件自体は損害補償など様々な問題を内包しているが、この問題はその事ではない。実は耐震偽装事件は政府による耐震偽装隠蔽事件であったという新発表だ。
発表自体は政府が告ったわけではなく、イーホームズの藤田社長がきっこのブログ(近日中に暴露本が出る予定)で公表しているのだが、これが生々しい。
是非ともきっこのブログを読んで頂きたい。そして自分の脳で、誰が正しいのかを考えて欲しい。
問題は、これが事実だとした場合、政府の隠蔽は明確になるが、もっと問題なのが、安倍首相に直結する醜聞になるという事だ。
安倍首相の後援会会員が不正を働き政治力を利用して、事件を潰したという事実が表面化すれば、大きな影響を与える。
もっと問題なのは、これにより、もう一人の後援会会員が関連しているライブドア及びHS証券の野口さん沖縄死亡の事件が再度表面化するという事だ。
偽造事件とライブドア事件、共に首相を吹っ飛ばすに十分の爆弾だが、一番やばいのは殺人事件が首相に絡んでしまうという自体だ。
そうなると首相の首どころか、日本の民主主義が根底から崩壊してしまい、自民党がどうのこうのの程度ではなく、政府が必要によっては国民を殺すという事実が表面化してしまうことだ。
僕の個人的な判断では、イーホームズの藤田社長の言葉に嘘は感じられない。おそらくほぼ全てが事実だろう。そうなると芋づる式に出てくるのはライブドアと野口さん殺人事件だ。
怖いけど、皆が日本人として、酒でもお茶でも良いから、飲みながら落ち着いて考えて見る必要がある問題だ。今の日本はどちらに向かっているのか?
左の写真は東京の行きつけのバーでの一枚。おいしそうなウイスキーです。
2006年10月21日
耐震偽装隠蔽問題1 直訴
正直、涙が出るくらい腹が立った。これが日本か!
昨日、イーホームズの藤田社長が首相官邸に行き、そこで今回の問題を直訴した。
実はこの事、明日書く予定で、既にUP予約もしていた。ところが今日、自宅に戻って30時間ぶりにPCを開くと、きっこのブログ、昨日、僕が飛行機の中にいる間に、更なる劇的変化が起こってる。
北朝鮮よりも、はっきり言えば、こちらの問題の方が大きい。北朝鮮問題では、正義は日本にあり、そこで日本人が死んでも、それは靖国神社に祭られる。つまり、どう転んでも日本人は日本人でいられる。
でも、耐震偽装隠蔽問題は、国家を揺さぶるだけではなく、信頼という文字だけで結ばれていた日本の結束を、根本からぶち壊す事なのだ。
日本は400年間、民衆を欺いて国家運営をしていたが、それでもそれはある意味立派な洗脳、生まれて学び働き年老いて死んだ人は、殆ど皆幸せだった。
騙すなら、最後まで騙しぬけ。ここに至って政府の馬鹿さ加減を出すのか、安倍さん!
政府はあなたのものかもしれない、でも国は貴方のものではない、すべての国民のものだ。ここで直訴を受けずに逃げてしまえば、あなたは国賊だ!
江戸時代でも、直訴をした本人は殺されても、その内容はしっかり吟味されたと聞いている。200年近い時代を超えても、日本は直訴という習慣が取れる国だ。
すでに社会的生命を絶たれた藤田さんの直訴だ。話だけは聞いて欲しい。
本来なら、一日一回のブログだが、先ほど自宅に帰りこの状況を知ったので、追加で書く。
実は移住という仕事をしながら、少しは政府に悪いかなという気持もあった。彼らもそれなりに一生懸命やってるもんなと思ってた。
でも、もしこの問題を政府がきちんと取り組みしなければ、俺、完全に切れるよ。
藤田さんを無罪にしろとか、白を黒にしろとか言ってるんじゃない。でも、一人の男が人生を賭けて訴えてる事を聞けない政府なら、今まではからかったりしながらも少しは同じ日本人として愛情を持てた政府だけど、もう慈悲の気持は持たない。
一人でも多くの日本人を、日本から脱出させる。
運河の街、博多
福岡にはキャナルシティと言う、ラーメン博物館で有名になったモールがある。
この土地は元々中洲の南側、南新地と言う繁華街の、更に南にある。博多駅と中洲の中間地点にあり、僕が20代だった頃は、いつも博多駅から歩いて中州に飲みに行ってたが、その時歩いてたコース上にある。
この地域は、当時はとにかく寂れていて、戦前からのしもたや(古くて小さな家)が並び、小型車が一台通るだけの道さえなかったような場所だった。その分、南新地でさえびっくりするような低料金設定のお店が多く、店というよりも家の一部を改装、というか、整地さえしてないような土間の一部で飲ませるという感じだった。
しかしまあ、月の出てない夜に歩く時は、とにかくよそ者が絶対に入れないような、一種異様な雰囲気があったものだ。
そのような土地に出来たのが、このキャナルシティ。完成と同時に九州でもトップクラスの有名な場所になり、週末になると県外ナンバー、特に佐賀あたりから車がやってきた。
昔を知っている者としては、何となくこの場所、くすぐったいような感慨があるのだが、今は写真のような立派なモールに変身してる。
そんな福岡で20代の経営者お二人に会う。これが快挙!
日本に出張していて、ビジネスと割り切っているから誰とでも会って話をするが、そのうちきちんと話が出来る人は、約半数。
特にビジネスをしている人と話すと、大きな会社になればなるほど、一体何を話しているのか意味不明で、10分も話すと疲れてきて、そんな時には頭の中で「今晩何食べようかな〜」なんて考えてしまう程だ。
企業が大きくなればナルほど、自分だけ儲かれば良いと思い込む。てゆ〜か、相手の利益など考えもせず、自分の利益をどう確保するかに血眼になり、相手の利益を貪り食おうとする馬鹿すけばっかりになる。
実に情けない。ビジネスとは信頼が基本であり、それは「互いに儲ける」という精神だ。これは香港人でも普通に理解しているのだが、日本の立派な大学を出たノータリンどもは、そんな勉強さえしていない。
そりゃあまあそうかもしれない、学校で学んだのは「いい国造ろう鎌倉幕府」みたいな暗記だけであり、何故その時期に源氏が台頭したかとか、それは政治的に正しかったのか等と言う事は考えない。考える力を学んでないから、何故取引先が嫌がるのかを理解出来てない。小学生でも分るような理屈を、大人になる段階で失ってしまい、社会人になる時はすっかり他人の気持ちなど分らなくなっているのだから。
しかし、ちょいと考えて見れば分る。儲けないビジネスを、一体誰がするか?あいつと付き合っても儲からないと分っているのに、付き合うなどあり得ない。唯一その会社の子会社みたいに、他のビジネスも思いつかずにコバンザメみたいに張り付く場合を除いて。
しかしこの二人、普通なら若い社長として威張っていても良いものを、きちんと腰を下げて丁寧に喋り、なおかつ相手の利益をきっちりと考えながら話を進めてくれる。さすが福岡ボーイズ!
世の中のあふぉ〜会社の皆さん、早いところ見習った方が良いですよ、自分の会社がつぶれる前に、ね。
写真はキャナルに流れる小川に浮かぶ、ハロウィンのボールでした。
2006年10月20日
来てもらいたい、人たち
大阪で個人面談をする。いやいや、びっくりである。その30代のカップル、男女ともに、僕の知合いのカップルとそっくりだからだ。顔がそっくりという訳ではないが、その雰囲気がぴったしなのだ。
飄々としたハンサムなご主人と、明るくていつもご機嫌な奥さん。
毎日10時間以上働く旦那さんを気遣って、「あんた、36歳までにこの仕事やめんといかんで〜」と言うと、旦那も「おいおい、過労死は38歳からや」と返しているが、お互いに相手の事を気遣っているのが良く分る。
NZに行って、人間らしい生活をしたい、そう望む二人は、それほど永住権に固執している訳ではない。
「まずは行って見て、良ければ住むし、合わないなと思ったら日本に帰ります。でも、やってみないと分りませんからね〜、あは!」って感じの奥さん、しっかりと現実を見ながらも、ちゃんと目標を明確にしている。
こういう夫婦の移住は成功する。相手の事を気遣い、現実を見ながら、でも夢は捨てない。世の中色んなことはあるけど、それをマイナスに捉えない思考。何か悪い事があっても他人のせいにはせずに、良い事があれば他人に感謝できる気持。そういう心構えでいれば、NZでの生活は、必ず楽しいものになる。
今日のNZdaisukiの書き込みで「帰国」というスレがあった。
「NZは退屈でやる事もない、こんないい加減な国はもう嫌だ、帰ります」だって。どうぞどうぞ、お帰りください。但し自分の失敗や勘違いを他人に押し付けるような人は、どこに住んでも同じですよ。何故って、問題はその国にあるんじゃなくて、あなたの無責任な心の中にあるんですからね。
自己責任。自己判断。これが理解出来ない限り、移住は成功しない。昨日の夫婦、来年には渡航したいとの事。是非とも来て頂きたい。
写真は大阪御堂筋の夜景です。
2006年10月19日
連鎖ストレス症候群
「ちょっとあんた、何やってんのよ!」
「あ。お客様、申し訳御座いません」
「謝ればいいってもんじゃないでしょ!一体どうなってるの!!」
日本でよく交わされる会話である。
自己責任を理解できない消費者が、よく自分の馬鹿さ加減を棚に上げて相手を怒鳴り上げる場面を見かける。マスコミなどもよく使う手段だが、毎日TVを見ている消費者も、マスコミの非道理な理屈を憶えて実に都合よく使っている。
昼時の東京の丸ビル、行列の出来ている混みあうレストランで、一番後ろに並んだ客が店員に聞く。
「後どれくらいかかるの?」
「そうですね〜、この行列ですから、後30分は待ってもらいませんと〜」
「あんた何いってんのよ、あたしは忙しいのよ!どうなってるのよ、この店は!」
まだ食ってもいない、金を払ってないのに、客でもないのに「店の姿勢がおかしい」と怒る。おいおい、君は商品を買ってないよね?それで客でもないのに、何を言ってるの?と思うが、本人は至って真面目。何故ならこの女性は、自分の都合しか考えてないのだ。
ストレス連鎖症候群の実例:
「ちょっとあんた、何やってんのよ!」若い女の子が、昼下がりのコンビニでレジの店員相手に怒鳴っている。
「あ。お客様、申し訳御座いません」どうやら商品の渡し間違い、女の子がマイルドセブンを注文したら、マイルドセブンスーパーライトを出したのだ。
「謝ればいいってもんじゃないでしょ!一体どうなってるの!!店長呼んでよ!」消費者一流の、相手のミスを一切認めない苛めである。
問題は、怒られた「店員」も、仕事を終わって自宅に帰る時は消費者になるという事だ。
夕暮れの中、疲れた体を引きずってJR駅に来ると、地震の為に安全装置が働き、電車が停止している。すると仕事中に理不尽に怒鳴られた事と疲れが合わさって、駅員に向かって怒鳴り上げる。
「何やってんだよ!電車を早く走らせろよ!」
文句を言ってる彼は、じゃあその電車を走らせて事故が起こったら責任を取るのか?あまりにも無責任な発言だ。
怒られた駅員は、その場で言い返すことも出来ず、職場を後にして繁華街に出る。憂さ晴らしの酒飲みだ。そして飲みに行った居酒屋で、そこで働いてる女の子がちょっとした手違いで間違ったお酒を持ってきた。ピーチハイを注文したのに、ウーロンハイが来たのだ。
「ふざけんな!俺はこんなもん注文してね〜ぞ!客を舐めてんのか、こら〜!」
「あ、お客様、申し訳御座いません」
「謝って済むもんじゃね〜ぞ、どうしてくれるんだ!」
どうって、普通に「これ、違うよ」といえばよいだけなのに。第一、それが大きな問題か?しかしこの駅員、今日の夕方、乗客から怒鳴られた怒りが抜けないままに、酒がそれを増長させている。
店長まで呼び出させて土下座させて、やっと気が治まった駅員は、最終電車で酒臭い息を吐きながら自宅へ帰る。
その後、この居酒屋で働いていた女の子が、店長に思いっきり怒鳴られる。
「何やってんだ、ばかやろ〜!お前のおかげで俺まで怒られたじゃね〜か!いいか、よおく憶えてろ、今度やったら首だぞ、クビ!」
お店を出た女の子はそのまま帰宅。でも翌日、たまたま買物に行ったコンビニで、レジの店員が間違って出したタバコを見た瞬間、昨日の自分に起こった事件を思いだして頭が突然真っ白になる。そして
「ちょっとあんた、何やってんのよ!」
「あ。お客様、申し訳御座いません」
「謝ればいいってもんじゃないでしょ!一体どうなってるの!!」
これこそ日本が抱える負の連鎖、連鎖ストレス症候群である。
誰もが他人のミスを認めず、実はミスでもない事をミスのように扱い、それに対して「業者」が正当防衛しようとすると、周囲でよってたかって「謝れ〜!」とやる。これこそ正常な判断能力を失った洗脳集団ではなかろうか?
少なくとも、人はミスをするものであるし、そのミスにしても相手の人格を傷つけるような怒り方をする程のことだろうか?それほど今の日本では、心に余裕をなくしている人が多い。生きるだけで一生懸命、だけではない、そこには負の連鎖がある。
実際に、責任を取らねばならないような問題もある。妊婦が病院で誤診され放置され、死んででしまった事件。苛めで自殺した子供に対する学校の無責任さ。
だが、そのような事件と、JRの電車が地震で自動停止した問題が、果たして同じ土俵で判断されて良いものであろうか?たまたま違った酒やタバコを出した、その程度の事で怒鳴る必要があるのだろうか?
ニュージーランドでは人的ミスが実に多い。バスが道を間違える、銀行の窓口で入金額を間違える、テレビは時間どおりに放映されない、弁護士が書類を書き間違える、とにかくミスは多い。
しかし人々は、それに対していちいち怒ることをせず、むしろ笑顔で「今日は暑いもんね、私もこの前この道間違ったのよね〜」と、友達同士で笑っている。
そのおおらかさは、学校教育や国民性にも通じる。人はミスをするものという理解と、人に笑顔で接する事で、その人は次の機会に、他の人に笑顔で接する事が出来、それが更に他の人の笑顔と、つまり、笑顔の連鎖症候群があるのだ。
NZが良いところであるのは、たくさんの理由がある。その中でも大きいのは、この、笑顔の連鎖ではないだろうか?
日本で生きている限り、ストレス連鎖症候群から抜け出す事は出来ないだろう。何故ならそれには国民的合意が必要であるが、それには「何故日本は皆ストレスがあるのか?」という事を、立ち止まって落ち着いて考える必要があるが、立ち止まる時間も、考える事も出来ない人々が、今の日本の大多数を占めているからだ。
2006年10月18日
大阪にて
大阪にて個人面談。お茶の飲み過ぎで、胃が痛くなるくらいだ。おまけに風邪の具合がさっぱりよくならない。
一番ひどいのは、近くの席から流れてくるタバコの煙。喉にいがらっぽい煙の粒子が引っ付く感じで、ごほごほしてしまう。
とにかく禁煙という思想が全く染み付いてない大阪は、悪い意味で「格好つけるなや」である。
そりゃあね、禁煙なんてただのブームで、「何を外国人の真似しとるんじゃ、日本人は日本人らしくせ〜や」と思うかもしれないけどね、日本では肺ガンで死ぬ人がとても多い事や、それがタバコが原因である事や、もっと酷いのは、他人の煙を吸わされてこっちが病気になったら、どうするねん!という事である。
吸いたかったらどうぞ、でも肺ガンになる事分ってやってるんだから、肺ガンになっても健康保険は使わないでねと言いたい。真面目に保険費用払っている人が損をするような真似は、不公平でしょう。
「素顔のままで」と言う事があるけど、悪い意味の素顔って、どうなのよ?そう思ってしまった大阪の街。しかし、タバコを吸いながら「私は人を大事にして生きてるし、自分を大事と思ってる」なんて立派な事は言わないで欲しいね。
古きよき習慣は守るべきだけど、改善すべき習慣は、改善すべきだと思うけどね。少なくともタバコを吸わない人の権利も守ってもらいたいものだ。
まあ、大阪という地域全体がそれで納得しているのだから、僕一人が文句を言っても仕方あるまい。次回からは、君子危うきに近寄らずという事ですな。
大阪風の軽い冗談でも言って見るか。
「子供を愛すると言うのは、タバコの煙を吐き掛けてニコチンまみれにする事だ。そうすれば子供の頃からタバコの味が分かって、タバコを吸う立派な大人になれる」
2006年10月17日
名物にうまいものなし
名古屋。金のしゃちほこが真正面に見えるウエスティンホテルに投宿。
立派なホテルなんだけど、とっても天井が高くて、いかにも、、う〜ん、なんて言うか、福岡で言えば西鉄ホテル、東京で言えばオークラホテルみたいな、あのですね、もう時代が変わってますよ、もしもし〜って感じ。
名古屋はやっぱり景気が良いね。偶然だけど、昨日の夜はホテルに黒塗りのリムジンが20台以上横付けで並んでた。
ホテルの人に聞くと、トヨタの社長連中のパーティとの事。あ、そうか、だからどの車もトヨタ製。セルシオ、センチュリー、クラウン、そりゃもう、見事ですな。
夜は山ちゃんにて手羽先。う〜ん、やっぱり、名物に美味しいものなし、ですな。仕方ないので口直しに錦3丁目で飲む。これが美味しい!安くて楽しいって言葉がぴったりですな。
次回の日本出張も、名古屋で泊る事に決定ですね。
2006年10月15日
個人面談開始
昨日から個人面談開始。それにしても最近は、30代の若い夫婦が増えた。移住の目的も、やはり子供の将来だ。北朝鮮の核開発が、ますます日本人の背中を押しているみたい。
本当はそれだけではなく、これからの日本国内の基本的な、構造上の問題がドンドン出てくるんだけど、まずは北朝鮮から始まり、ですな。
今日は東京説明会。現時点で57名の申込を頂いてるが、当日はもっと増えるかもという事で、さっきホテルに電話して、会議場をワンサイズ大きいものに変更した。空いててよかった、セブンイレブン?状態な会議室。国際フォーラムはいつも満室なのにね。
今日はちょいと風邪気味なので、明日からの個人面談に備えて、とっとと飯食って寝ます。
写真はクライストチャーチのエイボン川。綺麗ですね。この街に住む日本人は、約1千人。もっと増えそうだ。
2006年10月14日
食品の裏側
」
食品添加物の元トップセールスマンが明かす
食品製造の舞台裏
知れば怖くて食べられない!
と言う凄まじいまでの表表紙だが、内容は極めて理論的でまとも。
今の時代に食品に添加物ゼロで食べようと思ったら、その為の時間をかける必要がある。添加物を使えば10分で出来る料理を、ゼロから作ったら1時間かかる。
添加物ゼロの料理の為に1時間を使うか、それとも添加物を口にして、残りの50分をもっと有効に使うか?
面白いのは、表表紙では過激な事を書いているけど、実際には添加物は少しは必要だし、時間を添加物と交換するという事があってもよいと主張している作者。
でも大事なのは、食品における原材料の公開だと言う。そらそうだわな。
普段街で売られている安い日本酒は、工業用アルコールで3倍に薄めて作っているというのは有名な話、、と思ってたら、意外と多くの人が知らない。
コンビニの弁当なども添加物だらけで、デパチカで買ってきた中食も、殆どは添加物だらけ。
でも、本当に美味しい、添加物ナシのお味噌汁を作ろうと思ったら、昆布や煮干から出汁を取る必要がある。
食品の世界は、正直言って怖いな。ニュージーランドで料理をするようになってもうすぐ一年だけど、米や野菜、肉は自分で原材料から作ってるから大丈夫としても、お醤油や本だしなど、一度裏側を見て内容チェックしないとな。
でもでも、ちょいと待て。一番添加物が多いのがインスタントラーメンだって?!
こりゃやばい。10歳の時からラーメン食ってる僕としては、舌がいかれてる可能性大だな。
なんか、そんな気にさせる本でしたが、是非とも家庭で料理を担当する人に読んでもらいたい。
会社の本棚に置いておくので、皆さんどうぞ。
写真は河粉。中国の料理だけど、これも添加物たっぷりかな?
2006年10月13日
求人
最近の傾向として、30台の若いご夫婦がNZを目指してやってくるのが増えた。
彼らにとっての最大の悩みは、仕事があるかどうかだ。そこで当社情報センターの張り紙を数えて見ると、求人募集が50件あった。
この数は、いつも大体同じくらいで、レストラン、御土産や、旅行会社等の御三家に、特殊な仕事、例えばフルーツピッキングとか庭掃除などがある。
NZの最低賃金は、時給で10.25ドルだ。一年間の労働時間が2000時間なので、最低時給で一年働いたら年収が約2万ドル、そこから税金を引いても1万6千ドル程度残る。
夫婦で働けばこの2倍なので3万2千ドル、これなら確実に毎年5千ドル以上貯金出来る。
一番困るのは、今の社会的地位や給料を捨てたくない、でもNZに移住したいという人だ。
そりゃあ勿論、世の中樂して渡れれば一番だが、現実はそんなに甘くない。明治時代に米国に移住した日本人も、ゼロからすべてを作り上げて、今の日系人社会を築いたのだ。少なくとも職があるだけで良いとすべきではないかと思う。
説明会や個人面談では、またも同じ事を、繰り返して、強調して、大きな声で言わねばならない。
「今の社会的地位と給料を捨てる事が出来る人、そんな人しか移住出来ません」って。
でも、現地に行ってしまえば、実際には食えるだけの仕事もあるし、2年も経って現地に馴染めば、元の社会的地位など簡単に取り戻せるし、貯金も出来るようになる。
人生は、実は毎日が冒険の連続で、無事に一日生き延びるだけですんごい事なんだって分ってもらい、今までの日本での温熱蛙生活のほうがむしろ異常だったのだと、いつか分ってもらいたいな。
2006年10月12日
日本へ
このタイトル、今年になって何回書いた事やらと考えて見ると、今回が6回目の渡航だ。12月に2回日本に行くので、一年で結局8往復って事になる。
前回の渡航で、トンガの国王の葬式に参加した皇太子の乗った飛行機の写真を偶然撮ったのでUPしておこうっと。
今日は香港で一泊、明日の便で東京入り。香港での楽しみは、吉野家の牛丼(ここでは米国産の、頭のおかしくなる牛肉を出しています、あれ、中国の牛肉かな?)と朝食のお粥だ。コーズウェイベイの裏側の汚いお店に入ると、そこは食天国。食べるものには不自由しない国だもんね。
飛行機の中ではネルソンデミルの「大聖堂」の残りを読了して、他に2冊程度軽い奴を持ち込んで、ゆっくりとおさけを飲みながら、ケータイもメールも来ない状況を楽しむのみ。
しかしまあ、20年前にはドキドキしながら成田から飛行機に乗り、ニュージーランドに行ったらどうしよう、生きていけるのかな〜なんて本気で悩んでた時代があった。そう考えて見れば、今は実に贅沢な話だ。もっと神様に感謝しなくてはね。
2006年10月11日
I want this, I want that
I want this, I want that.
経済が一定程度まで上昇すれば高級商品が売れるという法則は、誰でも知っている事だ。
しかし、ペンギンにアイスクリームを売れないのと同じで、キーウィにルイヴィトンが売れるわけがないと言うのが、今までの常識だった。
いくらニュージーランドが好景気で、一般人の収入が上昇しても、彼らはやはり家やガーデニングにお金を使い、旅行に行く時は黒いビニール袋で十分という価値観であり、たかがカバンごときに十数万円のお金を使うなんてあり得ないという考えだろうと、昨日までは思っていた。
でも今日、日本行きの飛行機を待つ為に航空会社のラウンジに立ち寄ると、受付に座っている上品な中年の女性が突然僕のカバンを見て真面目な顔で指差して「I want this, I want that.」と言い出したのだ。
直訳すれば、「私は、これもあれも欲しいわ」という事になるのだろうが、と言う事は、この人は僕が使っているヴィトンのスーツケースとブリーフケースを知っているという事になる。
余談だが、僕は5年位前からこのスーツケースを愛用している。ブランド物というより、年間に30回以上飛行機に乗って、行く先々のホテルでお客様と面談する者としては、頑丈で見かけの良いカバンを必要としているからだ。
この、空港ラウンジで働く女性は、そのブランド価値を理解した上で、ブランド品を欲しいと言ってるのだ。ほ〜、ついにキーウィでもヴィトンに価値を感じる人が出てきたんだな〜。
そう言えば最近、シティを歩いてると白人でヴィトンを持っている人を見かけるようになった。米国人や欧州人には見えなかったので、オーストラリアあたりの人かなと思っていたが、あれもキーウィなのか。
でも、でもですよ、キーウィがブランドに興味を持つようになったって事は、それはペンギンがアイスクリームを食べるような、ピラニアが爪楊枝を使って歯をせせくるような、そんなすごい事ですよ。
真面目なクリスチャンとして1800年代に集団移民して、働く事が大好きで、おいしいものを食べる事が道徳的に良くないと考えるキーウィが、ここ数年でレストランにておいしい食事をするという習慣を身に付け始めたのは、高給レストランの平均客単価が5年前の30ドルから70ドルに上がっているので知っていたが・・・。
そうか、いよいよ、ニュージーランドもヴィトン時代に突入したんだなって、何となく感慨を受けた今日でした。
写真は、ヴィトンを持ってがらがらと偉そうに歩くオヤジの、普段の昼食ですた。
2006年10月10日
北朝鮮
たった今、オフィスでBGMとして置いてるラジオから「北朝鮮が核実験を行った」というニュースが流れて来た。
以前も書いたが、僕はアジアでの戦争は、起こるか起こらないかではなく、いつ起こるかだけの問題だと思っている。それも北朝鮮を主軸とした戦争だ。
でもその理由を書き始めたら、武器商人、国際政治、独裁者の狂気、歴史的問題など、きりがなくなるし、それよりも軍事専門家の本を読んでもらった方が分りやすいと思うのでいちいち書かない。
勿論戦争にも色んなオプションがあり、最終結果までのずばり予想など出来ないし、まだ決定している訳ではないが、オプションの中でも最悪のものが日中直接戦争だろうと思う。
但し実現性の問題から見ると、これは一番低いだろう。米国が日本の後押しをして中国と戦争をするという図式は、例えそうなるにしても、それは他の戦争が全部始まって、それでも終わらない時の最後の手段という感じがする。
すでに「きっこのブログ」でも日米が日中戦争の分析をしている事が公表された。他の識者も同じような見解を持っている。
しかし、今の実現可能性からすれば、一番高いのは、北朝鮮による韓国への侵攻だろう。日本のマスコミは書かないが、実は北朝鮮は、太平洋戦争前夜の日本のようなものなのだ。追い込まれている為にミサイルを乱射したり、核実験をやろうとしているのだ。
だが日本にミサイルを打ち込む事は出来ても、海軍力を持たない北朝鮮は最終的な陸軍の送り込みが出来ない。軍隊を送り込んで相手の首都を征服しなければ、戦争の目的を達成出来ないので、自己満足はするが無駄がねを使うだけになる。
北朝鮮に可能なのは、精々がゲリラを送り込んで日本を攪乱するだけなので、派手ではあるが全く効果がない。逆に、そんな自己満足やって金使った挙句、日本と米国に本気で攻撃されたら、国が崩壊する事は自明の理だ。
それでも、現在のように世界から経済制裁を受けて各国から門戸を閉ざされてしまっては、北朝鮮は座して死すしかない。そうならない為には、戦前の日本のように、「戦っても負け、戦わなくても負け、ならば体力のある内に戦争に持ち込め」という事になり、その矛先は、一番戦争効果の高い韓国という事になる。
何せ韓国とは陸続き、50年前には実際に侵攻して要領も分かっている。ソウルなど、北朝鮮国境から目と鼻の先だ。前回の朝鮮戦争のように一気に攻め込めば、5時間もあればソウルに侵攻出来る。
ソウルを占領してしまえば、米国が簡単に手出しできなくなる。戦略的価値が一番高いソウルという人質を取ってしまい、米国と交渉して、何とか経済制裁を解かせようとするだろう。
これに対して米国は、日本から送り込む緊急派遣部隊が平壌と仁川に突入して、ソウルに侵攻してきた部隊の補給線を分断させる事になる。分断に必要な時間は48時間だ。米軍は既に裏日本の港にイージス艦を送り込み、いつでも戦争出来る状態だ。
怖いのは、米国もそれを分っていながら、あえて在韓米軍を引き揚げさせているという事だ。要するに、北朝鮮が手を出したくなるような餌=韓国を裸にさせておいて、北朝鮮に先に仕掛けさせておいて、その後で日本と言う不沈空母から堂々と出港して北朝鮮を完膚なきまでに叩いてしまおうという意図が見える。
そして、その現実を一番分っているのが韓国の政治家だ。だから在韓米軍の指揮権移譲を2009年に早めると言ってる米軍に対して、「いやいや、最初の約束どおり、2012年までやってくれ」とお願いしている。
普通に考えれば、自国の軍隊の指揮権を略奪された状態は、早く解消したいはずだが、現実にはその反対の事を言ってる。ついこの間まで「米軍出て行け!」とやってた韓国人、自分の吐いた唾が、自分に降りかかってきたようなものだ。
さて日本。50年以上の平和が続いてきた日本からすると、戦争が隣の国で起こるなんて信じられないし、信じなくて良い理由を出来るだけたくさん探すだろうが、それと同じ数だけ、戦争が起こる理由が存在する、そういう事態である事を理解した方が良いと思う。
戦争は,武器を作る米国企業からすれば確実に必要だし、「戦争は、単なる消費で、生産的な設備投資を伴わないので、景気対策・デフレ対策にはもってこい」だという意見があるくらいだから、この戦争で武器を使って景気対策を行い、北朝鮮のような危険要素を取り除き、アジアを安定化させる事が最終的な米国の目的である。
ところが前回の朝鮮戦争でも中国が出てきて、米国と真正面から戦って停戦した経緯があるから、今回も中国が出てくるだろう。
そしてここからが問題だが、米国と中国が正面から向かい合ったら、日本の自衛隊が朝鮮戦争に参加するか?である。
戦争に参加させるのは、技術的には可能だ。北朝鮮からのミサイルが新潟や大阪、廣島あたりの地方都市に落ちて死傷者が出れば、マスコミが世論を操作して「何故国民を守る為の戦いをしないのか?!」と、政府を糾弾する。糾弾された政府は、国会で少しばかり形だけの議論をして自衛隊を送り込むしかなくなるという図式だ。
勿論、北朝鮮がミサイルを日本に撃ち込まなければ、その時は米国が仕掛けた別の罠が日本で爆発する。北朝鮮兵士によるゲリラ攻撃や都市テロなど、簡単に「事件」は作れる。
ここらまでが日本の政治家が関与出来る事で、自国民が殺されても、米国に対してあくまでも「戦争はしないよ」と言うのか、それとも戦いを始めるのか。これこそその時の首相の判断になる。そして今は、安倍さんだ。
日米同盟対中国北朝鮮の戦いが始まっても、これはにらみ合いのみで、本格的な戦争にはならない筈だ。何故ならお互い本気になったら最後までいくしかないと知ってるからだ。
中国は広い。米国が攻め込んでも、日中戦争の時のように、首都を移転させながら最後まで中国は戦い続けるし、それを追い詰めるほどの陸軍力は、さすがに米国と言えど持っていない。
そして今回、中国は最後の一兵まで戦うだろう。攻め込まれて負けを認めるような国民ではない。これはは国民性の問題であり、経済理論ではない。中国人は計算高いが、それ以上に、異常なまでに誇り高いのだ。
また、米国としても地球を半周して兵隊を送り込める程の体力はない。
だから、最終的に米国と中国が交渉をして、中国が北朝鮮を解体、合併する事でアジアの安定化を構築するという筋書きが、一番現実的だ。
問題は、その時までに、日本にどれだけのミサイルが撃ち込まれて、どれだけの民間人が死傷するかだ。
これは戦争のシナリオだが、この直接対決シナリオを回避する手段はたった一つ、中国が北朝鮮に侵攻、金体制を崩壊させて実質的に中国領にする事だ。この場合は最小の被害、つまり金一族の殺害及びその軍隊の解体だけで終了する。
中国も米国の意図はとうの昔に読んでいるから、戦争に持ち込まないで「アジアの安定」を保つ方法としての北朝鮮合併は、中国の領土拡張政策とも合致するので良さそうだし、今回の核実験で、さすがの中国も我慢の緒が切れたのではないかと思う。
他にもオプションはあるが、一番可能性が高い北朝鮮の図式を考えて見た。
2006年10月09日
クライストチャーチ
「お帰りなさい、今日は太陽を連れて来たの?」
ホテルのチェックイン時に聞かれた。クライストチャーチではいつも利用するワーナーズホテルの受付Sueも、やっと僕の顔を覚えてくれたようだ。
欧州式のホテルは、部屋数が少ない分(100室程度)お客の顔を覚えてくれてて、それが安心に繋がるから好きだな。部屋数だけ多いような米国系のホテルでは、誰が客か訪問者か分らないもんね。
すかさず「そうだよ、僕の行くところはいつも晴れだよ」と返して(こんなジョークは、日本語では言えないし、面白くない)、昔の風呂屋の下駄箱の鍵みたいな、カウリの木で出来たルームキーをもらう。
このホテルは、向かいに建つミレニアムホテルに比べてしまえば低級になるのだろうが、僕の目的は何せ気持の問題が全てなので、いつもここに泊る。今回の出張は、当社で一番長く働いてもらってるスタッフ同行だが、彼女曰く「何ですか、このホテル?古いだけですよ」だってさ。
一通り仕事を済ませると、後は大好きなお風呂に入り半身浴。半身浴なんて言葉がなかった時代から、いつもお風呂で本を読んでた。
今読んでるのは、ネルソンデミルの「ニューヨーク大聖堂」だ。1980年代のニューヨークがよく分る。今のようなテロ横行ではない、古きよき時代の戦争だ。
この本を読み終わったら、IRA=アイルランド人に関する自分の意見をまとめておかないと、彼らに殺されそうだ。
2006年10月08日
クイーンズタウン
また一組、ニュージーランドに移住してきました。
二人のお子様を持つ30代前半のご家族で、2年ほど前から移住を計画し、奥さんが先乗りでオークランドに一年滞在、その後一旦帰国して、家族全員でクイーンズタウンへ渡航である。
今回のクイーンズタウン訪問は、そのご家族への挨拶と今後の方向性についての打ち合わせだ。
空が抜けるほど青で染められて、南島特有の、真っ黒に尖った山脈の天辺にかろうじて名残雪が積もっていて、飛行機の中から見るクイーンズタウンは、もう夏色をしていた。
空港に到着してタラップを降りると、半年前に利用したターミナルが工事中になり、もう新しい場所に移っていた。毎年増加する観光客が、田舎の空港をどんどん押し広げて、人口1万5千人の街に毎年100万人の観光客を受け入れる準備が出来るようになった。
ぶらぶらとだべってる運転手に声をかけ、空港からホテルへタクシーで移動。街まで大体15分程度だ。3年前は10ドルだったタクシー代が、今は30ドルちょっとだから、観光客価格がこの街に定着したのが分る。てゆ〜か、僕が住んでいた時代、この町にはタクシーが3台しかなかった。今は30台以上あるだろう。
知らない顔も増えたが、僕と一緒にレストランのバーでシェーカーを振ってた連中も、今じゃ皆レストランのオーナーだ。偉くなったもんだな、全く。
蒸気船の桟橋前にあるクラウンプラザホテルに荷物を置き、部屋からちょっとリマーカブル山脈の景色を眺めてから、さあ仕事だ、お客様の家に移動する。
移住して今後の生活の糧である仕事はどうするか、子供の教育を考えて、どの学校を選ぶか、将来的にどの街に住むのか、等など、どれも重要な問題なので、最初の方向性を確認する意味でも、直接お会いして話をしてきた。
今回のクイーンズタウン訪問は1泊のみだったが、いや〜、この街も変わったものだ。
僕が最初にこの街に来たのが1980年頃、日本航空がオークランドに直行便を飛ばし始めた初期だった。その頃この街で唯一まともな宿がTHCクイーンズタウン。Tourism Hotel Corporation と言う政府直轄のホテルだった。
ホテルはその後民営化されて、名称もPark Royal Hotel になる。そして今年からCrown Plaza Hotel と再度名前を変えて営業している。
最初の訪問から8年後、1988年に再度訪れた時は、このホテルの隣にある(今もある!)古い一軒家に住んでいた。写真の一軒家は中で仕切りがあり、僕は右側半分を一人で借りていた。家賃が当時で週150ドル、かなりの高額だったが、他人と一緒のフラット生活もどうかなと思い、町のど真ん中なのでここを選んだ。
当時のこの街の人口は4千人。住んでいた日本人は10人程度で、まさに村だった時代だ。
運転免許試験と言えば、自分の車で警察に行って、警察官と一緒に車に乗り、信号機のない町で前進20m、バック10m、縦列駐車を1回やったら、翌日「殆ど死ぬまで有効」な写真ナシの運転免許がもらえた。
ワークビザは、クイーンズタウンに到着して一週間後に仕事を始めて、その3日後に取得した。永住権はその翌月、旅券に300ドルの小切手を付けて移民局に送ったら、もらえた。無犯罪証明、健康診断、英語テスト、学歴証明、すべて不要の時代。サルでも永住権が取れた時代だ。
当社は2003年にクイーンズタウンオフィスを設立、そして去年から現在の場所、つまり大昔THC、現在はクラウンプラザと名称変更をしたホテルの斜め前に移り、今回もこのホテルに泊った。
考えて見れば、このホテルと、その隣の一軒家は、僕のニュージーランド生活の始まりであるとも言える。何の変哲もないクリーム色のおんぼろ一軒家。何度も名前を変えて現在の場所にあるホテル。
変わったものもあれば、変わらないものもある。生き残る為に変化は必要だし、でも変えてはいけないものがあるんだろうね。一軒家は、いずれ取り壊されるだろう。でも、その時の記憶は消えないな。
夕食後、20年来の付き合いの友達がやってるレストランへ。しこたま飲んでホテルに帰還、速攻でベッドに突撃した。空を飾る星が綺麗だな。そう言えば、銀河ってのをまともに見たのは、クイーンズタウンにすみ始めてからだ。
2006年10月07日
民敗れて国家あり
長距離トラック事故が目立つ。特に、飲酒運転の長距離トラックが起こす交通事故が増加している。
何故だろう?運転手はプロの商売であり、酒を飲む事の危険性を理解している筈なのに。
単なる酒飲みなのか?
その実態を暴く為に、NHKや日経ビジネス等のメディアで半年ほど前に特集を組んでいた。(最近はすっかり下火になったが、おそらく上司に「それはやるな」と言われたのだろう)
過剰労働の原因は、トヨタの看板方式ではないが、とにかく最近は大企業が合理化や経費削減の号令の元に、有無を言わさず下請けに無理難題を押し付け、下請けは更にその下請けである物流会社に無理を言い値段を下げ、結局物流会社はそのしわ寄せを運転手に押し付けて、その結果の過重労働が慢性疲労を生み、それを紛らわす為に酒を飲んで運転し、その結果一般の市民を巻き込んだ交通事故に繋がる図式なのだ。
あまりにざっくりと書きすぎてしまい申し訳ないが、これは少なくとも、風がふけば桶屋が儲かる以上の確率で正解だと思う。
一ヶ月で25日以上も働く彼らは、その労働時間の殆ど揺れ動く車中で過ごす。ある運転手に日経の記者が同乗した。長崎から東京へ荷物を運び、東京で荷物を積むとそのまま長崎に戻る、往復で2日の旅。
長崎の運転手は40代、これ程の過重労働では精神的にも参るし肉体もぼろぼろだが、この仕事を辞めたら、次の仕事がない。失業手当も半年しか出ないし子供は学校に通っている。そうなると、辞めると言う事がそのまま家庭崩壊になるのだから、石に噛り付いてでも働きつづけるしかない。
タクシーも同じだ。仙台の運転手など、月収が12万円しかないと言う。初乗り料金区間の客を取る為に1時間、駅前で並ぶ。
何かしなければ、そう思っても彼らが今更仕事を変える事は、能力的にも体力的にも資金的にも出来ない話だ。それを甘えと言えば言える。何故今まで機会があったのに、やらなかったのか?危機感がないではないか!・・・しかし、今目の前で死にかかっている人に「お前の自己責任だよ」と言えるほど、人は信念を持っていないと思うし、その信念を本気で貫いたら、心が痛むと思う。
長時間残業、サービス残業、とにかく「住みやすい社会作り」というお題目の中で、次々と国民が倒れていく。
今年1月29日付けのブログで渋谷の浮浪者の話を書いたが、昭和30年代、東京に乞食はいなかった。勿論東京オリンピックを迎えた東京都が、無理やりに彼らを追い出したという事もあるが、実際それ以降乞食を見る事はなくなり、皆どうにか定職についたものだ。乞食という言葉さえ、最近は死語かな。
多分このブログを読む30代前半の人は知らないと思うが、昭和の時代は片足がない戦傷者軍人が白衣をまとい、神社の市でアコーディオンを弾きながら乞食をしていた。でも、彼ら元軍人の苦労を知る人々は、戦傷者に対してお金を包んで渡していた。そして国家は彼らに対して死ぬまで「軍人恩給」を払いつづけた。つまり、社会に連帯感、政府にセーフティネットがあったのだ。戦争で苦労をしても政府が面倒見るよ、怪我をしたら軍人用の年金があるよ。
しかし平成の今、国家によって擂り潰された人々を救う仕組や連帯感は、一体何処にあるのだろう。
日経ビジネスやNHKではそういう問題を取り上げたが、結局この問題は解決されないまま、報道は終了した。何故か?それは、この問題を突き詰めてしまえば、日本という国家の根幹を揺るがす問題になるからだ。
この問題を本気で解決しようと思ったら、まず商品の価格破壊(下請けに値引きを押し付けるだけの値下げ)や過剰サービス(必要でないものを買わせる)を停止する必要があるし、次に給与体系の見直しをする必要がある。
ところが今、日本の企業が軒並み好景気で納税が10兆円増えたって言うその10兆円の原資は、実は国民に不要な物を買わせ、下請けに値引きを押し付け、結果的に発生する労働者の賃金の低下とサービス残業によって支えられているからなのだ。
もし今賃上げを認めてしまえば、企業は軒並み赤字になり、日本の納税が減少し、国家の赤字が拡大する。だから今はとにかく労働者に泣いてもらうしかないのだ。請負労働で雇用形態を誤魔化していた大手メーカーも、これからカイゼンすると言うものの、本当にそうなるか?
「国が税金欲しければ、労働者を少々絞る事くらい、目をつぶってくださいや、日の丸親方〜」
「ふふふ、越後や(あ、田中は失脚したので、この場合は山口やが正解か)、お前も悪じゃの〜」
そうささやく声が聞こえるような気がする。
「今は国家の非常事態である、国民は痛みを分かち合って欲しい。そうする事で国家が生き残り、最終的には国民に配分がいくのだから」
それは強い人にとっては本当だろう。でもこれから日本が、てゆ〜か安倍さんが導入する「再挑戦が出来る社会」では、強い者が先に稼ぐけど、君も頑張ったら強くなれるよという仕組だから、勉強する時間のない弱い者は、結局いつまで経っても弱いまま、搾り取られて捨てられるだけなのだ。決して全国民に「結果の平等」として行き渡るような再配分はしないと言ってるのだ。
では、誰が挑戦出来るのか?それは、親の苦労を見て「お父さんのようになっちゃ駄目だ、一生懸命勉強して一流大学に入って一流企業に就職しなくっちゃ」と考える子供だ。
そしてその受験勉強とは、他人を蹴落とし、人間として間違っていても試験で正しければマルをつけねばならない、その過程で個人の自由や尊重を奪い、人としての感覚を麻痺させていく
結果的にチャップリンのモダンタイムスみたく、国家の歯車になるしかない国民を作る為の仕組が出来上がる。
歯車社会の再構築の為には、長距離運転手が交通事故を起こしても、あまり問題にしてはいけない。丁度昭和中期に水俣病で多くの人が病気になっても「チッソ」の責任を認めようとしなかった通産省と同じだ。何故なら当時は「今は国家の一大事」だから、企業や国家の責任を認めてしまえば、折角伸びてきた日本の企業の芽を摘む事になるからだ。
国家の一大事を誰が作ったか(政府だろ)は問題ではない、問題は今の国家の一大事をどうするか(国民に付回し)だ。
結局数十年経って水俣病は政府によって政府の責任と認定されたが、今から10年後、長距離運転手の事故が国家の責任と認定される日は来るのだろうか?
もし来たとしても、死んだ人は戻らない。まさに、民敗れて国家ありだ。
写真は自宅から見るランギトト島。山に掛かった雲と黒い海が、まるでターミネーター1のラストシーンみたいです。
「嵐が来るわね」
2006年10月06日
地球の暮らし方 ニュージーランド
「地球の暮らし方」2007年〜2008年版が完成。現物が請求書と共に届く。
「地球の歩き方」が短期旅行者向けに作られているのに対して、これは現地で生活をする為の手引きだ。
元々世界中の、日本人が住む街では日本語フリーペーパーがあるが、それの総集編、日本発行版である。
しかし、今回は随分内容が濃いな。
この本は2年に1回作られており、いつもは「ほんわか」雰囲気で作られているのだが、内容が具体的である。以前のような漠然とした「新婚さん、いらっしゃ〜い」ではなく、「結婚って大変なのよ〜」と、移住、留学、ビジネス起業などの具体的データが、かなり硬めな麺(失礼。福岡なもので)、面も含めて、豊富に盛り込まれている。
個別のビザの取り方や起業の方法、留学から移住に繋げるまで等を、実際に体験した方の例を出しつつ解説しているので、生々しいというか、これくらい書いてくれて有難うって感じだ。
でも、勿論悪い事ばかりを書いているわけじゃない、むしろ、実際に生活してみて悪い所もあるけど、合計すれば普通にのんびりしたい日本人には、NZという土地柄が合ってるよと思わせる内容。そう、そのとおりなのだ。NZは天国ではないが、地獄でもないのだ。今の日本より、ちょいと住みやすい国、将来的に安心な国というだけだ。
そしてパチンコや麻雀等の受身娯楽は出来ないけど、バーベキューを楽しんだり釣りに(僕は行かないが)行ったりアウトドアスポーツを楽しんだりする攻めの娯楽には、最高の国だ。
ちなみに当社も半ページの広告を入れています。興味のある方、是非とも一冊購入して下さい。
勿論「地球の落とし穴」とか「地球の騙し方」等と言われた「地球の歩き方」を発行しているダイヤモンド社ですから、ここに書いてある事すべてをそのんまま信じて良いとは言えない部分もあります。特に当社の案内の欄の電話番号、一箇所違ってます。ワーホリ向けの記事で現地情報センターの電話番号は、09−377−9601です。
それと、今回はインタビューも多く、それはそれで良いのだが、このような雑誌に紹介された人の2年後を見て見ると、国際結婚したかなりの方が離婚、子供を抱えて日本へ帰国や、折角起業したけど利益が出せず、結局会社を畳んでサラリーパーソンに戻ったなどがあるので、個人がインタビューに答えて「こう感じている、考えている、やってます」というのは、そのまま素直に聞いてしまうと、貴方が後悔する事になります。
また、インタビューにはありませんが、日本人向けのB&Bを経営していますと言いながら、実は全く経営経験のない人が運営している為、二度目に立ち寄る客がいないB&Bなど、本に書かれている事が100%の真実でない事は、賢い皆さんならお分かりのはず。ご注意を。
でも本当に、ニュージーランド生活入門編としては、これで十分ですね。しっかり読み込んでデータ収集してください。
尚、一昨日のブログでNZ就職セミナーを11月15日と書きましたが、すみません、11月25日の間違いです。ブログは訂正しておきましたが、ここで再度ご案内、です。
2006年10月05日
牛丼
緊急のご連絡:私のメールアドレスが昨日の昼から使用不能になってます。原因は、4年使っているPCのOutlookExpressが破壊された事にあるようです。修復に数日かかりますので、もしメールを送って頂いて24時間以内に私からの返答がない場合は、メールが受信できてない状態です。大変申し訳御座いませんが、お急ぎの方は下記アドレスまでご連絡をお願いします。
さて、だんだんテーマがつまらなくなってるなとお思いの方、すみません、今回は更に下らんかもしれないのですが、牛丼弁当です。でも、夜は殆ど食わない僕にとって、お昼食生活は大事なのです。
オークランドのオフィスで仕事をしていると、忙しくて昼食はカップ麺で済ませる事が多いのですが、最近日本式お弁当配達サービスがシティで始まり、早速利用してます。
写真のお弁当は牛丼。でもこれ、牛丼って言うかすき焼弁当なんですね。ご飯と牛肉が別皿で、牛肉の下には豆腐も2切れ隠れていました。左上はフェットチーネですね。
これでお値段は7ドル60セント。下手なカップ麺が7ドルもする事を考えると、栄養やボリューム+オフィスまで配達もしてくれるので、これはなかなかお得です。
日本だとオフィス街にバンで乗り付けて昼食弁当なんて当たり前にやってますが、オークランドでは今までは弁当配達という商売がなかったのです。
これなんて、流石に日本人だな、目の付け所が良いね〜と思います。
この弁当食べながら思ったのですが、NZに仕事がないから来れないと言う人、まあまあそういわず、自分で開業してみればどうです。
他にも日本に普通にあってNZにないビジネスはたくさんあります。大もうけせずとも、家族で生活出来れば良いって程度なら、まだまだビジネスの機会がたくさんあるオークランドでした。
2006年10月04日
日本人が落とす金
今年3月までの1年間にニュージーランドを訪れた人の数は240万人で、昨年よりも0.4%微減したものの、滞在中の支出学派昨年よりも5億ドル(8%)増えて、過去最高の65億ドルに達したと観光省は発表した。
訪問者の目的別で金額が伸びたのは「友人や親族訪問」の12億ドル(9.8%増)と「観光」の35億ドル(8.3%増)で、24%も減少した「教育部門」の4億7千万ドルを埋め合わせた。
中国からの訪問者数は10%以上も増えたが、留学生の減少で支出額は40%も減少した。また、日本人の訪問者数は11%減少し、支出額も13%減少した。
(月刊NZ10月号より抜粋)
中国人が留学生として落とすお金は大きいけど、観光客として落とすお金は少ないってのが数字から読み取れる。
それでも日本線から撤退したNZ航空は、その機体を上海や北京に振り向ける事で観光客の増加を見事に取り入れている。やはり中国線でも高い料金設定なのか、気になるところだ。
日本人の年間渡航者数が16万人から14万人に減少している。ところがその内訳を見ると、もう少し違った姿が見える。
ある旅行会社の友人曰く、去年から今年にかけて観光客が30%以上激減!しているが実際に飛行機から降りてくる乗客に、少人数の日本人グループをよく見かけると言うのだ。数名のグループだが、格好からビジネスでもないし、それにしては空港でガイドの出迎えがない。ところがその後を良く見て見ると、大体個人がそのグループを待ち受けて、空港で握手したり懐かしそうに手を振っているのだ。
このグループは既存の旅行や出張の枠に入らない、NZ生活者関連の渡航だ。自分で商売している人が日本に出張に行く事もあるし、NZに移住した人の家に遊びに来た人もいる。
移住して住宅を購入した人たちも、「また来週も日本からのお客さんですよ〜」と、半分迷惑そうにぶつぶつ言いながら受入準備をしている。日本のシガラミを逃れて来た積りでも、「おお、あの人今NZにおるとかいな、それやったらちょっと行ってみようか〜」という、懐かしい親戚や友人の襲撃訪問で、日本のしがらみから簡単には逃げられない。
月刊NZの記事からは読み取れないが、NZには約1万2千人の日本人が定住しており、その内の6千人以上は移住組、彼らは一年に一回くらいは飛行機に乗るだろうから、それだけで年間6千席、彼らの友達や親戚が訪ねてくる回数はもっと多い訳なので、一家族が年間で二家族受け入れたとして年間3万人くらいは既存移住者関連の渡航がある。
そして年間1千人の新移住者は、既存の移住層と違い、普通の社会人である。
(既存の移住者をまともではないと言ってるのではない。怒る人もいるだろうが、日本が平和だった昭和の時代に移住するってのは、やはり普通の日本人とは言えないだろう。かなり自由人であり、普通の日本社会では息苦しくて生きていけなかった筈だ。そう言う人は、やはり普通とは言えない)
でも、新移住者は、おかしくなった日本から出てきた人なので、まともな友達が多い。まともな人は、自分の将来を考えて、NZに移住した知合いを訪ねてやってくるだろう。この層関連の渡航数増加は年間5千人に上るのではないかな。つまり観光客関連ではない入国者が、近いうちにNZの日本人層の三分の一程度を占めているのではないかと思うのだ。
またこのような層は、一回NZに行ったから次は別の国という事にはならないので、渡航者数は増加こそすれ減少する事はない。
最近の月刊NZの広告を見ると、不動産コンサルタントの急増が目立つ。今では常に10件近く広告が出ているが、1年ほど前までは2〜3件程度だった。
日本人が落とす金が13%落ちたと言うが、観光客が毎年投資用に購入する住宅価格を加えれば、その割合は大きく変化する事は、間違いない。
11月25日はオークランドで日本人を対象とした就職フェアが開催される。興味がある方は日本からでも参加可能なので、移住情報集めに利用してみればいかがだろう。
写真は、ますます増えるシティのアパートメント建設現場。フードタウンと言う大型ショッピングセンターの前という好立地なので人気が出るだろうな。
工事やさん、忙しいからと言っても、手抜き工事だけはするなよ。アパート買った人に罪はないし、不良物件と判明しても、政府も不動産業者も鑑定士もデベロッパーも、誰も責任取らない国なんだから。
2006年10月03日
日曜の昼下がり、ミッションベイにて
雲の晴れ間に小雨が降る涼しい天気の中、久し振りにミッションベイへ出かける。
前世紀にウインドサーフィンをしてた頃はよく来てたが、今世紀に入り時間もなくなってしまい、すっかりご無沙汰。
今回はミッションベイにある美味しいアイスクリームを食べると言うテーマで、車で出掛けた。
ところが同乗者、ミッションベイのどこにおいしいアイスクリームがあるのか知らない、周囲の噂で聞いたという程度なので、こりゃあ仕方ない、無茶苦茶込み合うミッションベイの道路沿いに何とか駐車スペースを見つけ(そうは言っても終日無料なので気楽)、大通りを歩く。
すると最初に見えた不動産屋の入口に「家売ります」の広告があったので、最近のミッションベイの相場はと見て見ると・・おお、何と何と、100万ドル以上の物件が、ごく普通にリストされている。さすがミッションベイですな。
レンタル=賃貸物件でも、一軒家で3ベッドルーム500ドル/一週間なんて当たり前、条件の良い家だと1200ドル/一週間なんてのもある。やっぱりこの地区はお金持ちが多いな〜とか思いながら交差点まで行く。
すると、NZではとても珍しく、角の店に行列が出来てる。あ、ここはモーベンピックのアイスクリームだったねと記憶を辿って・・・ええ!NZで行列の出来る美味しいアイスクリームって、ここの事?!
たかがと言っては失礼だが、モーベンピックに行列かよ〜、なんか、今までお金持ちの街を歩いてると思ってた気持ちが、急に文明の最果てに流された気がしてきたな。
ミッションベイには高給レストランが多く、道路沿いのカフェやイタリアンはとってもお洒落で美味しいのだが、テイクアウェイのデザートに関してはまだまだ。チェーン店で行列ってのは、やっぱり寂しいな〜。もっと頑張れ、地元のアイスクリーム!
僕は文明の果てを感じさせる行列に並ぶ気もせず、その隣のお洒落な、19世紀を思わせるたたずまいのベルギーバーに飛び込んで、ジントニックを注文した。午後3時、周囲もチェリービール等楽しんでる。ところで流石にベルギーバー、ジンのベースにタンカレーを標準装備。こういうのは、とっても嬉しくなるね!
NZの普通のバーでジンと言えばイギリス人らしくビーフイーターが出てくる。ちょいとお洒落なところでゴードンだし、ジンを全く理解出来ない人種に至ってはボンベイサファイアジンなどを出してくるが、やっぱり透明感ときりっとした引き締まる味は、緑の寸胴ボトルに入ったタンカレーが最高。これだけは、目隠しされても味の違いが分かるくらい、明確に違う。
ジントニックか飛び出しそうになる2本のストローを左手で押さえながら、海が真正面に見える日当りの良い道路沿いのテーブルに座り、道行く人々を何気なく見る。それにしても、この道路沿いに停まっている車、どいつも凄いな。
写真に撮ったのはBMWのMだけど、その後ろの車もやっぱりBMZの7シリーズ、道路の反対側にはマセラッティがで〜んと止まってるし、こっち側ですんごいエンジン音吹かしているのは、何とドーカティ(欧州のオートバイ)3台!
表通りを走る車も、1950年代のクラシックカーからベンツのコンプレッサー、もう何でもありのミッションベイ。
こういうのを見ると、やっぱりこの国、今は経済成長の真っ只中だなと、肌で感じた。家賃は高いしレストランも高級化、外車?を乗り回して100万ドルの家に住むキーウィが大幅に増えたって感じ。
元々NZの移民政策も、移民が持ち込んだお金で地元民が潤うような仕組を作っている。だからちょっと目端の利くキーウィなら、使ってない自分の土地を宅地に改造して、そこに自分で家を建ててしまい、移民にまとめて売り飛ばせば、大儲けだ。何せ家を売っても税金はゼロだから、売った金額すべてが丸取り(不動産業者を通した場合は4%の手数料)だから、そりゃまあベンツもBMWも買えるわな。
でも、国策として移民受入を行い、その結果として真っ先に地元民が儲かる仕組作りをしている政府って、本当に賢いね。
そんな事を考えながらジントニックを飲む。
気付いたらその時にはすでに3杯目が終わってたので、あんまり気持ちの良い天気だったので、言い訳にもならないがもう一杯頼もうと思ってたら、行列に並んでアイスクリームを買って、海岸沿いの広々とした公園でぺろぺろとアイスクリームを楽しんでた同乗者、やっと帰って来て、テーブルの上にある空いたグラスを見て呆れたように一言。
「行くよ、この酔払い!」
ほ〜い。
2006年10月02日
New Zealand = Safe land
ニューヨークにウェストチェスターという街がある。
「別名JJタウンと呼ばれ、Japanese & Jewishが多いと言われているエリア。住民税が高いのですが、その分学校のレベルは全米で1位、80%IBリーグというとてもハイレベルの方が住んでおられます」との事。最近はブログ検索が便利になったもんだ。
http://broadcast.jugem.jp/?day=20050521
日本人とユダヤ人は、治安を大事にするので、だから少々家賃が高くても治安の良い街に自然とJ&Jが集まるのだろう。でもその歴史的背景が正反対なのは、誠に興味深い。
ユダヤ人は2000年前から自分の土地を失い世界中を彷徨い、「国=自分」を守る土地を持てずに迫害に会い、生き残る為に強くなり、そして自分の生存権を守る為に、他人を押しのけて自分達の国家を造った。
日本人は2000年前から海に守られた安全な島国に住み、色んな人種が入ってきたものの、元寇でも侵略を免れ、大東亜戦争でも最悪の敗戦の中で最善の相手=米国と組む事で、自主独立と安全を守った。
迫害の苦労を知る人々と、迫害の苦労を知らない人々だが、求めるものは同じ、安全である。片方は、今まで苦労したから、もう苦労したくないという事で、もう片方は、今までも苦労していないから、これからも苦労したくないという事かな。
最近NZに移住する人々の中に、米国からの移住が増えたそうだ。彼らがユダヤ人かどうかは知らないが、世界で一番多くのユダヤ人が住んでいる米国だから、NZへの移住者の中にもいるかもしれない。
勿論NZにも多くのユダヤ人が住んでいる。苗字の最後を見て、何とかマイヤーとか何とかマンになっていれば、ほぼユダヤ人であろう。だが1800年代からNZにやってきたユダヤ人は、それほどユダヤ色が強くない。当然だろう、彼らの祖先が求めてやまなかった「無料の水と治安」が入手出来たのだから、今更とんがって生きる必要もない。
そう言えば昔住んでいたクイーンズタウンで、リムジン会社の社長さんがジマーマンというユダヤ人だったな。美人奥さんの尻に敷かれていたけど、すんごい働き者で、クイーンズタウンヒルの上の方に豪邸を建てた成功者だ。
ニューヨークの中でどのエリアが治安が良いかってのは、世界レベルで見ると、世界の中でどこの国が安全かという事になる。
「安全」という事を更に細分化すると、それは法治主義がある、民主主義がある、政治的安定がある、地政学的安定がある、食料がある、人種差別が少ない、犯罪が少ない、労働条件が整備されている等、様々な要素だろう。
9.11テロ以来、米国は常にテロの脅威にさらされており、日本も国内問題を抱えて、もう安全神話は崩壊している。米国人がその資産をNZに投資し始めたのは、丁度テロの後からだった。それまで見向きもされなかったNZで、ハリウッドが大作を作り始めたのも、同様の時期である。ラストサムライ、ロードオブザリングス、キングコング等など。
今度はいよいよ、お金と時間のある人たちからニュージーランドに移住して安全を確保しようと言う事だろうね。
田中宇のメルマガが好きでよく読んでる。で、彼は21世紀の米国の姿を独自の視点で描いてた。
***
米国はあえて世界に嫌われる国になって(イラク戦争等)、世界の警察の地位を下りよう、これからは世界を3極に分けて、アジアは日本と中国を中心とした独自の安全保障を構築し、欧州ではEUが、そして米国は南北アメリカ大陸を守るという図だ。
但しアジアにおいてはこれからも発言権を確保したいから、無駄金のかかる韓国駐留は止めて(つまり北朝鮮が韓国に攻めてきても当面放置、日本を基地として戦えば良いという戦略)、日本とがっちり組んでおいて、その力で中国とバランスを取っていこうとする政策だ。その為の米軍再編が現在行われている。
だが、その絵を描いたのが実はユダヤ人グループであるという事は、一般の新聞には出てこない。現在ネオコンと呼ばれている米国政策集団はユダヤ人強硬派の一部が中心であるが、イラク戦争や対テロ戦争、イスラエル擁護政策を仕切っているのが強硬派だ。
ところが穏健派は、あえてそれを放置して突っ走らせる事で米国を自壊に追い込み、結果的に3極世界を作り上げる。だから今のうちに米ドルを捨てて、欧州とアジアオセアニア等の外国に資産を移し、来るドルの暴落に備えている。
****
いずれにしても米国は、更にきな臭い事になるんだろう。だから今のうちに安全な地域へ避難、という事になるのは当然だ。
実際に彼の分析の視点から見ると、政治の世界でそのような動きがある。
特に日本に対する米国の発言として面白いのが、2006年3月にオーストラリアを訪れたライス国務長官の発言で「米国は日本と中国が今の関係を改善する事を望むが、日中両国の紛争や衝突の際には、誰もが忘れてならないことがある。それは米国にとって日本はあくまで民主主義の同盟パートナーということだ」
ほぼ同じ時期に米国は韓国に対して、在韓米軍の戦争指揮権を韓国に前倒しで移譲する(韓国は自分で武器を持って北朝鮮と戦ってくれ、俺はもう知らないよ)と発表、これに対して韓国は「まだ早過ぎる」(逃げないでよ、守ってよ)と抵抗している。韓国政府及び国民の去年までの世論との違い、あまりの日和見主義と貞操観念のなさに米国政府としても嫌気がさしているのだろう。
この規模になると、日本のつなぎの首相が誰でも構わないくらい、大きな話だ。
ユダヤ人は常に安全な国家を求めているという点が、今NZに米国からの移民が来ている原因と繋がっているとしたら・・・そりゃすごいな、世界の中で最も安全な国がNZってことじゃないか。
いずれにしてもニュージーランド、そのうち日本人とユダヤ人が増えたら、ニュージーランドが安全な国として、Safe landって呼ばれるようになるのではないかと思った今日この頃。
そしたらニュージーランドに最初から住んでる白人やマオリにとっては素晴らしいニュースになるだろうね。だって、世界のトップクラスの国がNZにやってきて、NZを活性化させるんだから。但し日本人やユダヤ人の悪い癖である、金儲け主義は持ち込まないでね。
写真は個人的に大好きなポールニューマン主演の「Exodus・栄光への脱出」 です。彼の出演している映画は、殆ど全部見ました。特に「俺たちに明日はない」とか「ハスラー」、daisukiです。
2006年10月01日
狼花
「狼花」大沢在昌
新宿鮫シリーズの最新作。このシリーズ、初回からはまって読んでいるし、他の大沢作品も好きだ。恵比寿の本屋の新刊書コーナーで見つけ、速攻で購入。帰りの機内で読了。
新宿と言えば外国人が欠かせないが、今回はナイジェリア人や中国人を巻き込んで、日本の治安と国際化を、どう折り合いをつけながら日本人が生きていくかがテーマ。
そんな風に書くと堅苦しい印象があるけど、基本的に警察ハードボイルド小説なので、気楽に読んでもらっても構わない。
でも、自分が外国に住んでいる身としては、やはり移民や外国人労働者のテーマは身近である。
日本という国は戦前から、社会を統治する為の暴力手段として、ヤクザと警察がお互いの領域を超えないように、得意分野をカバーしてきた。
法律の範囲内であれば警察が、法律が通用しない場合はヤクザが表に出て社会的問題を処理してきた。例えば戦後の闇市時代に新橋あたりで暴れていた第三国人には日本の法律が届かない為に、やくざが警察や市民を守って戦った。
それがバブル崩壊と共にヤクザの質的変化が起こり、彼らがビジネスの世界に進出してきた。銀行や大手商社のバブル時代の悪事をネタにゆすり始めたのだ。
その為警察は、それまで住み分けが出来ていたヤクザを、組織暴力団対策法の施行で犯罪者として取り締まるようになり、苦しくなった暴力団が何時の間にか暴力装置を持つビジネスマン集団と化して、そこに外国人犯罪者が協力するようになって、日本の治安が一気に悪化したのだ。
中国人によるピッキングや、地方の富裕層を狙った強盗事件など、つい20年前まではあり得ないような犯罪が発生しているが、これも地元の情報を持つ暴力団が外国人犯罪者に情報を提供し、外国人犯罪者が実行犯、終了後はすぐに母国へ戻るという仕組が出来上がっている。
そんな時代を背景に、新宿で増え続ける外人と、その犯罪を追う鮫島刑事。治安回復を目指す為には再度ヤクザと手を組むしかないと考える警察幹部と、そんな事をすれば社会の倫理が破壊されてしまうと反発する鮫島刑事。その、お互いの論理のぶつかり合いが実に現実的で、思わずぐいぐいと話に引き込まれていく。
そうそう、皆さんは、警察が法律を守らせる組織だと思っているかもしれないけど、実はそれは、法律と秩序が一致した時だけです。基本的に警察は、法律よりも秩序を優先します。
要するに、やくざがいる方が表面的にでも犯罪が減少して治安が安定しているなら、やくざを温存させるのが警察のやり方。その為にちょっとくらい市民が小突かれたり脅迫されても「そりゃ〜民事だわな」とか「犯罪って程じゃないよ、あんたも悪いんでしょ」となる。
でも、その結果として市民が「何だ、ケーサツとやくざって組んでるじゃん」という事に気付いてしまい、じゃあ悪い事しても捕まらなければ良いのだねとなって、一般市民が法律の穴を狙って悪事を働くようになったら、それこそ国家崩壊である。
もし国民全員が泥棒をしてみろ、彼ら相手に警察が銃を向けられるか?取り締まれるか?それこそが倫理の崩壊の怖さである。
ちなみに金でも銅でも良い事だが、この本、今週の新書販売ベスト1だったそうだ。