2014年09月

2014年09月30日

君、可愛いね!

Aucklandから日本に出張する際は通常は自宅からまっすぐ空港に向かう。平日の午前10時過ぎだと自宅から空港まで約40分。考えてみれば近いな。

 

そう言えば香港に住んでた頃はカイタック空港だったので自宅から会社に行く途中にいつも空港の下のトンネルをくぐって通ってた。空港までバスで15分、夜は自宅から眼下に見える空港から飛び立つ夜間フライトを見つつウイスキーを楽しんだものだ。まさに城さんのMr Lonelyの世界である。これも20代の方、是非検索を(昨日に引き続き歴史教育か?笑)。

 

でもってその前のクイーンズタウン時代。空港までは車で約10分、街なかのバスターミナルでとなり町の空港に飛行機が降りるのを見てからバスを出してお客様の出迎えをしてた。

 

更に更にその前の福岡時代は空港までタクシーで15分。これは福岡空港が板付飛行場と呼ばれてた時代から発着に便利な場所にあり、シティがどんどん拡大していつの間にか空港を飲み込んだ感じである。

 

振り返ってみればいつも空港の近くで生活してたなー。飛行機に乗るってのが抵抗がないのもそれが理由か?てゆーか、元々うちの母方の先祖は村上水軍であり船が飛行機に変わっただけで世界中あちこち行くのに興味が有るのも母方の血筋のせいか(笑)。

 

普段日本出張する時はキャセイ航空でAuckland空港出発時間が13:20なので会社に寄らずに自宅から空港に直行するのだが、今日は急ぎの仕事があり朝一番で会議を1時間やってから空港に向かう。

 

丁度昨日からサマータイムが始まり(これもどうでも良いが”Summer time Blues” Janis Joplin “Summer time”どちらも名曲ですよ、20代の方、是非検索して下さい、あははしつこいか笑)出発時間が1時間遅くなり14:20なので会議の時間を作ることが出来た。

 

会議をきっちりと1時間で終わらせて11:00にオフィスを出ようとするとキャセイ航空からケータイにメッセージ、飛行機が40分出発遅延との事。了解、じゃ会社で30分余分に仕事して空港に向かう。

 

いつもの駐車場に車を駐めて「今日も晴れだな」と思いつつ(というのもAuckland空港の駐車場は露天なので雨が降ったらどうするのよ、けどここ10年以上雨に降られた経験がないのが不思議)キャセイ航空の搭乗カウンターで搭乗券もらって荷物預けていつもの如くアタッシュケースのグリップに機内着と本を入れたソフトバッグのグリップを引っ掛けてラウンジに向かう。

 

空港ではカンタス航空のラウンジが使えるようになって幸運だ。NZ航空のラウンジはいつも芋洗い状態でゆっくりと仕事も出来ない。

 

それにしてもぼくはニュージーランドに住んでながらどれだけNZ航空を嫌いなのかと思うが、やはりあの組合体質がどうしても嫌いだ。上から目線で偉そうな物言いは絶対に是認出来ない。

 

気づかない人には気にならない空気だけど彼らの「自分たちは何もせずに既得権益の上に乗っかって何かあれば労働組合をネタに“俺たち労働組合員は権利を保障されている、働く時間と内容を出来るだけ押さえて給料と休暇だけは少しでもたくさんよこせ、あ、それから機内サービスなど暇つぶしにやってるだけだ、余計なボタン押すなよ”」的な空気が嫌いなのである。

 

勿論これは自分自身が労働運動をした上で身に付いた感覚であり、これはMac使いが頭にピストルを突きつけられない限りWindowsを使わないのと同様の感覚だろう。

 

一仕事終えて搭乗口に向かい飛行機に乗り込み機内服に着替えてとりあえず真保裕一の最近の単行本を開き、離陸して平行飛行になってから早速PCを立ち上げる。

 

するとそばを通りかかった乗務員に「可愛いね!」と日本語で言われた。香港でも日本文化は流行っており仕事で日本に行く機会の多い仕事なので日本人が連発する「可愛いね!」をそのまま覚えたのだろう。

 

最近PCMacBookAirに変えてから、正確に言えば筐体に貼ってるシールの事であり僕のことではない(苦笑)が仕事中でもよくネタになりありがたい。

 

けどまあぶすっとした顔で無視されるよりは余程ましであるから文句をいう話ではない、どっかの落語のひねくれオヤジじゃないが褒めてくれた乗務員に対して「おれのせいかよ」なんて言うつもりもない(苦笑)。

 

日本人は個人的にも国民的にも世界で好まれる人種だと思う。日本人は外国で生活って言うと大変な事だと思うけど、日本にこれからも住むことの方が大変な人にとっては、外国生活をするさいに個人的に好まれる人種はそれだけで高得点を上げているのだ。

 

それはAucklandでも同様であり隣の白人が引っ越した当初はぶすってしてたのにこちらが日本人だと分かると急に態度を変えてニコニコして「おー日本人だったのか、早く言えよ!」ってなる(笑)。

 

さあ、北半球で仕事開始だ。



tom_eastwind at 10:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月29日

日曜はダメよ

Day Light Savingだ。さあ夏が始まった。けど今年は早いなー、キーウィめ、ますますのんびり生活に突入か(笑)?日本では馴染みのないサマータイムであるが残業のないキーウィ社会ではありがたい話である。これでまた平日から仕事帰りにヨットを楽しむビジネスマンの出現である。

 

何せ日が沈むのがAucklandだと8時とかであるから5時で仕事終わらせてシティの目の前のハーバーに係留してる自分のヨットに飛び乗って夕風を帆に当ててハーバーブリッジあたりを駆け巡る。

 

日本ではあり得ん風景だ。例えば東京の麹町で仕事して5時になったら浜離宮からヨットを繰り出して東京湾を駆け巡るようなものだ。それがサマータイムの間中しょっちゅうなんだから、一体遊ぶために生きてるのか働くために生きているのか分からん・・・?、あ、キーウィは人生を満喫して良く遊びよく働きだから、あ、こりゃ合ってるな(笑)。

 

SEの仕事の時によく使うネタだが、こっちでは会社のウェブサイトなどに不具合が生じても余程重要なトラブルでない限りシステム担当者は「あ、もう金曜日の夕方なんで今日は帰ります。でもって土日はお休みなので、この件は月曜日の朝イチでやりますね。あ、けど朝イチって言っても出勤したらまずコーヒー飲みつつ同僚と予定✔しつつ馬鹿話をするのでシステム復旧は月曜日の午後あたり、あ、もちろん上手くいけばですよ、世の中上手くいかないことも多いですからあまり期待しないで待っててくださいね、じゃあ良い週末を!」である(苦笑)。

 

あ!このくだりを書きつつ「やべ、また文章に落語が入ってる、そういや日曜日に古今亭立て続けに観たもんだから俺、染まってるぞ」と気づく。

 

何のことはない、日曜の午後に落語を楽しんでるおれが一番キーウィか(笑)。



tom_eastwind at 14:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月27日

土曜日に仕事

久しぶりに土曜日に仕事した。いや、仕事は24/7(これはNZ24時間七日働くって意味)でやってるのだけど、僕はAucklandにいるときは普段は週末にお客様と会う事はない。

 

ただ今回だけはぼくが月曜日から日本に行くのとお客様がその次の週から日本に一時帰国して次に会えるのが11月末という事でお互いに今日しか時間がないので昼前に予定を作ってお客様の自宅で打ち合わせ。

 

お客様の自宅を訪問してちょっと時間があったので広々とした庭を見せてもらったが、この客様とは2004年頃からのお付き合いであり庭の作りの一つ一つに思い出がある。

 

10年のお付き合いってのは日本では普通かもしれないがNZでは相当に長い。皆どんどんビジネスモデルを変化させて、昨日まで牧場で毛刈りしてた奴が今日からシステムエンジニアなんてのが当然の国では、個人として長い付き合いはあっても同じ仕事として10年となると少ない。

 

そんな長い付き合いのお客様でもお互いに週末は大事にしている。相手の時間、だって何のためにニュージーランドに来たんだ、週末まで仕事?って話だ。

 

もちろん個人的にバーベキューなどにお呼ばれすればこれは別の話、喜んで個人的に参加させていただくが、週末に仕事ってのは随分色気のない話であるから基本やらない。

 

しかし今回は色気がなくてもお互い時間もないのでやるしかない。約2時間、必要な打ち合わせを行いお互いにやること確認した上でそれから近くの日本食レストランに移動して昼食をいただく。

 

それにしても鉄板焼き。大黒系のお店増えたな−。料理の構成や味付けですぐ「あ、大黒だな」って分る。皆シェフとしては腕が良いので今のAucklandの発展には丁度良い展開の仕方である。けど他人の事は言ってられない、こっちも早いとこリトル福岡プロジェクト二号店進めなきゃと思いつつこの店の鉄板ステーキを食う。

 

誤解のないように言っておくと僕は日本アパッチ族(これ30代はまず知らない言葉、検索してみると面白いですよ)ではない。鉄板をステーキにしたものを食うのではなく、鉄板でステーキに焼いた牛肉を食っているのだ。

 

おお、良い肉ですね、細切りじゃなくてもサイコロでもいけるのに勿体ないと思いつつマヨネーズソースやすり下ろしソースで頂く。旨いな。あ、そうか、このソースなら細切りの方がソースが良く染み込みますね、そーすね。

 

食事をしながら来年の予定の話をしてみたりでこれも結局2時間近くランチミーティング(苦笑)。お酒もどうかと聴かれたが金曜日と同様で「帰りの運転があります」とお詫びして日本茶を楽しむ。何だ、お茶でも生きていけるじゃんかと思いつつも、けどあえて断酒なんてのも嫌だしなー、なんてしょうもない事を考える。

 

そう言えば金曜日のレストランではニーナ・シモンが流れてた。20代から聴いてる歌手で上品なブルースを歌わせたら世界のベスト10には入るだろう、シャンソンならイブモンタンとかと同様だ。下品なブルースであればRay Charles、大衆酒場のシャンソンならエディット・ピアフとかいるけど(笑)。ピアフはどっちだ?声は最高だけど品があるのか?美空ひばりか?などとしょうもない事を考える。

 

ただ日本食レストランに流れる音楽ってのは意味不明な場合が多い。ゴールドコーストの定食屋でサザンが流れるのは良いのか?どう見ても経営者の個人的趣味?ワニ肉を食わせるのでそれもありかと思いつつ白いプラスティックのお皿にかちかちと乗ったワニ肉を眺めつつ、ふーん、サザンとワニかって思ったりする。

 

土曜日の午後、新しくチームに加わったメンバーとお客様、無事に仕事も終了して爽やかに晴れた空の下、車を走らせる。

 

自宅に戻る車の中で思う。10年のお付き合い。皆さんはAucklandに移住してくるわけでありこちらはそのAucklandでオフィスを持って仕事をしているのだ。逃げることも誤魔化すことも出来ない。常に一つ一つの案件が真剣勝負であり直球でいくしかない。そうやって長い付き合いを続けてきた。そしてそれはこれからも続く。

 

英国でよく使われる言葉だが”My Word is my Bond” (私の言葉が私の保証)である。

 

テレビや冷蔵庫であれば販売員の愛想が悪くても説明が下手でも商品さえ良ければ売れる面がある。しかし僕の仕事は言葉にしたことがすべてであり相手の期待値を常に上回る結果を出せなければぼくの失敗であり失敗は許されない。なぜなら「私の言葉が私の保証」だからである。

 

今日も何とか一日、無事に仕事がうまくって良かった。そうやって作り上げた一日づつが積み重なって今まで約20年仕事を続けてきた。さ、次の20年に向けて前を向いて進んで行こう。 



tom_eastwind at 13:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月26日

金曜日はランチミーティング

僕は九州出身で夕方の最初の一杯はビールよりも焼酎が好きで、夏なら涼しい風の吹く屋台の横でビール台をテーブルにして焼酎を氷で冷やしたロックを飲み、玄海おろしの吹く冬は屋台の中のおでん鍋の近くに座りお湯割りを楽しんでた。

 

あの頃、1980年代ってまだ東京の人が焼酎が臭くて飲めないしとんこつラーメンなんて鼻が曲がるって言ってた時代だった(笑)。

 

なんだけど1988年、ニュージーランドのクイーンズタウンに来てからは焼酎もないしウイスキーが中心になり特に糖質制限を始めてからは一杯目からスコッチウイスキーである。1980年代はダニーデンで造ってるウィルソンズというスコッチウイスキーが好きでずっと飲んでた。ボトル一本が18ドルくらいだったか。

 

スコットランドがスコッチウイスキーの本場ってのは名前で何となく分かってたがダニーデンで、つまりスコットランドの本場以外で最もスコットランドらしい場所と呼ばれるダニーデンだから美味しいウイスキーが出来るのか?などと考えたりしてた。

 

ウイスキーの語源はここで何度か書いたけど「ウイスカ」となっている。古いスコットランドの言葉で命の水って意味だ。そうか、おれは毎日命の水を飲んでいるのか、何て幸せだ!なんて言い訳をしつつウイスカを飲むわけだが、この仕事をしているとまさに真夏のギラギラとした砂漠を裸足で「あち!あち!」とどこまでも続く茨の道を歩くか東欧のコソボの地雷原を闇夜に歩くようなもので、何時何が起こるか本当に分からない。そりゃ酒も欲しくなるぜよ(笑)。

 

けれど僕は昼間のランチミーティング等では一切お酒を飲まない。「ワインの一杯でもどうですか?」と言われることもあるが固辞することにしている。帰りは運転するかだし、もし運転しないにしてもやはり飲まない。というのが一度酒を飲み始めるとペー−パーワークをやる気を一気に失くすからだ(笑)。

 

でもって今日はAuckland業務最終日。週末はお客様のご自宅を訪問しての打ち合わせが入っており来週月曜日から日本出張なのでやることてんこ盛りなのだが何故か早い時期から今日の予定にある大手弁護士事務所とのランチミーティングが入ってる。

 

めんどくせーな、行きたくないんだけどってスタッフに言ったら怒られた「何いってんですか!tomさんが予定入れろって言ったんじゃないですか!」そうか、やはり俺が予定を入れたのか・・・スマヌ。

 

という事で1200から海辺のお洒落なレストランで当社4名弁護士事務所側3名の合計7人でランチ。伝票は相手持ち(笑)。席に座ると「ワイン飲む?」って聴かれたけど「今日は運転だから」と言って断った。そうそう、Aucklandのお洒落なレストランでは水にしても炭酸水か静かな水かを選べる、

 

ここは大手弁護士事務所で日本の大企業との取引も行っており、約2時間のビジネスランチは実に色々な話題で過ごす。初対面のメンバーもいたので最初は少し気を使ってたりしたが、飯を食いながら2人の男性と5人の妙齢の女性であるから話題はどんどん広がっていく。

 

この事務所は日本企業のNZ進出事情を扱っておりその背景に興味があるようで日本の現況を説明する。少子高齢化の中で国内消費増加が見込めず今までのような製造業で輸出というビジネスモデルから次第に海外企業を買収して株主としての配当収入を得るビジネスモデルに変化しているとか。

 

死刑論も話した。とくに数日前にノースコートで17歳のマオリがひったくりを行った際に止めようとして間に入ったキーウィ女性が押し倒されて頭部挫傷、まだ危篤状態が続いている。

 

もし死亡した場合殺人罪が適用されるがこの場合弁護士曰く今のNZだと45年だって。それって年齢だから?って聴くとそうでもない。一体どんな国じゃと、折角の機会だから日本の状況を説明する。

 

「それで委員会?日本ならこれでもし死んで殺人罪に認定されれば最低15年から終身刑、もし2人殺したら死刑だよ」

 

この国でも20年ほど前までは死刑制度があったが廃止されて、それ以降どんどん犯罪者に対して甘くなっている現実がある。

 

それから動物ネタ。SPCAで動物を扱い最後に殺すのは正当なのか?これは裁判で時々争うようだ。目の前のイケメン弁護士も何度かその訴訟を担当して「SPCAは民間団体であり引き取り手のない動物を殺す権利はない。すべて網を解放してのに放つべきだ」という主張をしているとの事。ただ現実問題として難しいのはイケメン君も分かってて、難しい裁判だって言ってた。

 

途中にジョーク(ブラックも含めて!)も入れながらたっぷりと濃い2時間のランチミーティングはお互いの見識や考え方を理解するのに実に役立った。

 

ランチミーティングも終わってレストランを出て彼らとクイーンストリートを途中まで一緒に上りそこで皆にこにこして「じゃね!」と別れる。

 

「なかなか良いミーティングだったよねー」と僕が気軽に言うとスタッフがじろっとこっちを見て「そうでしょ。誰が行かないなんて言ってたんですかねー?」(苦笑)。



tom_eastwind at 18:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月25日

東京国税調査官逮捕

税務調査の相手に追徴税額を減額するように装い、見返りに現金を受け取ったとして、千葉地検特別刑事部は25日、東京国税局茂原税務署の元上席国税調査官・吉崎勝司郎容疑者(49)=千葉市稲毛区、同日付で懲戒免職=を収賄容疑で逮捕し、発表した。地検は認否を明らかにしていない。国税局によると、逮捕前の調査に「取り返しのつかないことをした」と容疑を認めていたという。

 地検と国税局によると、吉崎容疑者は建材運搬業者の男性の所得税などの調査を担当。税務調査を終える直前に、追徴税額を減額するかのように説明した。その見返りとして今年6月と7月の2回、千葉県山武(さんむ)市の事務所など2カ所で現金計25万円を受け取った疑いがある。追徴税額は適正で減額されていなかった。地検は男性についても、贈賄容疑で調べている。

 吉崎容疑者は1985年採用で、昨年7月から茂原税務署に勤務していた。東京国税局の星屋和彦・総務部長は25日に記者会見を開き、「誠に申し訳なく、国民の皆様に深くおわびします」と謝罪した。

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そんなお詫びを言われてもねー。税務署が賄賂もらって何やってんの?って話だ。それに国民の治安を守るべき警察官が痴漢したとかもあるし、一体日本の役人の倫理はどうなってるの?である。もしかして役人社会になっているのを役人自身が実感して「おお、おれは役人なんだ、法律だって何だって俺が勝手に出来るんだ!」なんて思い込んでいるのではないだろうか。

だって自分の所属する税務署は鉄壁であり法的に間違っていても税務署が否認すればOUT!、四国の白バイが止まってるバスにぶつかって勝手に死んでもバスの運転手が逮捕入獄される時代であるから、やり放題といえばその通り。そこには何の理屈もなくとにかく役人だから偉い、お前ら下々は言うことだけ聞いておけ、俺ら役人に口答えするんじゃないって話だ。

そりゃ勿論NZだって100%クリーンとは言えないけど、少なくとも世界の政治クリーン度では毎年1位である。今年は選挙年でありさすがにスキャンダルでもめたがそれでも世界で起こっている政治スキャンダルに比較すればきれいなものである。 

元記事のタイトルは「元国税調査官」とあるが原文を読めば現役で逮捕された事がすぐ分る。何と姑息な話である。 

ただこれを単純に「担当者レベルの間違い」で捉えない方が良いと思う。

というのが僕がこの記事や最近起こる警察官の事件、そして民間で起こる子供同士の殺し合いとか子供を殺して死体をバラバラにするとか、どうも日本社会の「タガが外れた」ような感じを受けるからだ。伝統的な日本の倫理が少しづつ崩れ始めているのではないかって事だ。

伝統は何もなければ本来伝承されるものである。ところがおとなりの中国のように1949年から始まる過去の伝統をすべて否定する共産党革命が始まり遂には1970年代の文化大革命による焚書、知識人虐殺、下放などによる徹底的な知識否定で中国人は根本から変わってしまった。

それまでの中国が4千年の歴史をかけて作ってきた素晴らしい文化(それは日本人が学び伝統としてきたものも多い)をすべてぶち壊し、人間を食し排泄するだけの動物になり下げ果てた。その結果として現在の大陸中国人は世界の中で最も嫌われて最も汚い人種と成り下がった。

もちろん彼らも例えばAucklandで生活をして一個一個の家族単位で見れば良い人が多い。ところがこれが中国人ばかりで固まってしまうとすぐに大陸中国の悪い習慣が出てしまい、どうしてもお互いに憎みあいいがみ合い騙し合うのである。一旦壊れた文化や伝統を取り戻すには三世代くらいかかる。約100年だ。先の長い話である。

日本人の場合伝統的にお互い日本人同士って事で信用出来る素地があった。ところがバブル崩壊後の日本は米国的な雇用習慣を持ってきたり従来の終身雇用や年功序列を否定して功績主義を導入したのは良いが、天秤の反対側にある受け皿をきちんと用意せずにやったもんだから新しい仕組みに馴染めずに次々とドロップオフしてそれが現在の河原のブルーシートに住む浮浪者を生み出した。

1991年に始まるバブル崩壊は1997年の大銀行倒産や最大手証券会社廃業を経験しつつ小泉政権で一時持ち直したかと思いつつもその後の政治のまずさで最後には民主党が思いっきり馬鹿やって船頭だらけの泥船が遂にはヌカミにはまりにっちもさっちもいかなくなって精研を放り出した。

結局この「失った20年」で日本がそれまで持っていた「良い伝統」を次々と失っていき、人々は助け合いを忘れお互いを無条件に信じることを忘れただひたすら自分が生き残ることだけがすべてになっていった。

そういう大人の背中を観ていた子供が今のおとなになった。

ぼくはかろうじてバブル崩壊前の世代であり日本人の古い、とろくさいけどお互いを信用するビジネスを経験してきた。だから今の日本で30代のビジネスマンと話をしていると「こいつら、どこまで馬鹿?」と思ってしまう。

いくら一流大学を出て立派な会社で勤めていようが社会が全員参加の助け合いで成立しているって基本的な事実が理解出来ないのだ。そして彼らは子供の頃にリストラされた親の背中を見て育ってるから他人の事なんかどうでも良い、とにかく今日の飯をどうするか、それしか考えてない。

だから彼らと話をしていても彼らは自分たちの利益になることは一生懸命であるがそれ以外の話は一切聞かず耳も貸さずましてや少しでも彼らの利害に関わるネタになると異常なまでに抵抗する。長い付き合いなんて考えてない。三方一両得とか損して得取れって感覚が理解出来てない。つまり信用というのが全く理解出来てない証拠である。

ビジネスにおいても日常の地域生活においても役人の態度においても間違いなく日本は変化している、それも悪い方向に。日本を悪い方向に引っ張っているのは何も役人だけの問題ではなく日本人全体の問題である。

日本という国をバブル崩壊という未然の大惨事にぶち込んだのは大蔵省、現在の財務省でありその軌道修正が出来なかったのが政治家であるが彼らを生み出したのは間違いなく日本社会である。どっかの国から来たスパイではないのだ。 

今から10年以上前のコラムに「桜の花の咲く頃」だったか田舎の花見をテーマに書いたことがある。有る年の春、子供二人を連れて弘前市のお城の桜を見に行った。

それは素晴らしい桜並木でお城の入り口には屋台が並び美味しそうな肉や魚がジュージューと音を立てて焼かれており、公園ではたくさんの人々が楽しそうにシートを広げてくつろいで老若男女、足を投げ出して楽しそうにお喋りしていた。

家族からすればこんな日本を見るのは初めてであり、ましてや知らないグループ同士が隣り合ったのも袖の縁ではないが、いつの間にか20代の若者グループと70代くらいのグループがお喋りを始めている。

「ねえねえお父さん、あの人達って知り合いなの?」って子供に聴かれた。「ううん、全然知らない人たちだよ。けどね、日本には古くからの伝統があって、お花見の桜の下では誰も嘘を言わないし無条件に相手の言うことを信じるんだよ」 

勿論現実問題としてそこまで甘くはなかったが、やはり世界に出てみると日本人の根本にある「人を信じる」という気持ちは、良くも悪くも日本人が最も多く持っているものだと感じる。そしてそれこそが今、日本で崩れ始めているのではないかと感じる。



tom_eastwind at 07:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月24日

海外相続2011

来週から急ぎの出張が入りその準備でバタバタしている。本来は99日に終了した日本出張が終わったとこでスタッフの長期休暇などもあり9月の残りと10月いっぱいはAucklandにいる予定だったが、一件だけ「あ、これは今やらなくちゃ」という案件がありどこに時間があるかと見ると来週しかない。

 

だもんで急遽来週の予定を整理して月曜に出発して香港、名古屋、大阪、東京と回り日曜に戻ってくる57日の日程を組む。うむ、5泊で4都市なので効率良し。

 

必要な資料を準備していると古いファイルの中に僕が2011年に作った海外相続のプロトタイプ(原型)が出てきて、おー懐かしいな、あの頃の税法はこうだったもんなって思い出す。

 

日本の税法は毎年変わる。何がどう変わるかはある程度事前に予測出来るので常に先に手を打ってはいくのだが毎年毎年きつくなっていく税法は全く「誰がために鐘は鳴る」である。

 

税金ってのは国民同士の助け合いで払っている保険でありそのお金の再配分をするのが公僕である役人だ。

 

役人の給料が税金から出ているのは明確であるのだから本来は雇用主である民衆に「有難うございます」と言いつつ効率化を計るべき役所がいつの間にか偉そうに「お前これだけ払え!」とやってしまい、健康保険や老齢年金をどんどん自己責任の美名の下に削減しつつ自分たちだけは共済なんちゃらで「離れですき焼き」食っているんだから、一体どんな国家じゃって感じである。

 

国家に税金が必要なのは間違いなく、その再配分組織として政府が存在するのまでは間違いないが国民から拠出された資金が出来る限り効率的に資金を必要とする多くの人々に回るためには保険会社の運営コストは出来る限り安くする必要がある。

 

ところが現実は政府がお上って名の下に国民にお金の使い道を説明せず自分たちだけが支配層として儲かる仕組みを作ってあぐらをかいている。

 

江戸時代の五公五民よりも更にきつい税制に納得する人は良い。しかしそうでなければ、てか疑問を感じる人には何か選択肢が必要ではないか?そこで2011年の時点で未来の税制を考えて作ったのが海外相続である。

 

この海外相続って企画を作った時は担当者が目を丸くして「何ですかこりゃ!」とびっくりされたものだ。ところが今年になって相続税増税、所得税増税、基礎控除の削減と続くに連れ「あー、これだったんですね」と納得したようだ。

 

相続に限らずだが、今の政府が目指しているのはすべての国民の税引き後手取りが同額になり医者の息子も失業者の息子も平等にトヨタカローラに乗っている状況だ。つまり高額所得者には累進課税でがっつり取って収入のない者には社会保障を提供してバランスを取って「一億総中流よもう一度!」である。勿論支配層である東大法卒は別枠で離れでしっかりと稼ぐのだが(笑)。

 

世の中ってのが赤ん坊のおしりみたいにつるつると綺麗であれば誰も苦労しないが現実はそうではない。英国の領主がひどければロビンフッドが出てくるわけでそれがテロリストとか言われたら困ったものである(苦笑)。

 

ただ間違いないのは国家は国民のものでありこの権利は憲法でも明確に規定されている。問題は国家は国民のものであると理解出来ない国民が多くて結果的に国家をお上に奪われていることだ。

 

ならば少なくとも国民主権を理解している人は公平な税制を目指すべきではないか?しかし残念ながら悪い意味の民主主義が働いている日本では少数の覚醒派が意見を述べても通らない。

 

ならば残るは自己責任で自分を守るのみである。そしてそれが日本国内で完結しないなら海外にその道を見つけるしかない。

 

そうやって考えたのが海外相続であるが、それでさえも案の定であるがどんどん締め付けが厳しくなっている。特に去年のG20以降はどこの国も「税金は、取れるとこから取る!」が徹底している。

 

特に今年からはすんごい締め付けが始まっており、特に米国籍やグリーンカードを持っている人への締め付けがすごい。NZの銀行で口座開設するだけでもわざわざ別紙で「あなたは過去10年間に米国で生活したことありますか?」みたいな質問がある。

 

理由を聴くと米国では世界中どこに住んでいても米国籍またはグリーンカードがあれば米国で所得税を払う必要がある。だもんで外国で口座を開いても米国政府に情報が行くようにしているのだ。

 

更に凄いのが出国税だ。米国の高率の税金を嫌って海外に居住する場合、財産に対して税金を取る。米国で稼いだんだろ、稼いで米国出るなら出国税払えである。ここまでくれば暴力団の方が余程ましであるが、これには更に「落ち」が付いてて、米国籍を捨てても10年間は納税しろって話もある。

 

危機感を持つ人々は急増している。しかしその出口が分からない。そういう方の問い合わせが急増しているが、ほんとにこれは時間との競争である。運の良い方は見事に税法の変わる前年に次々と手続を終わらせて合法的に節税出来た。

 

幸せな生活。それは自分で悩み考え創りあげるしかないのだ。しかし何も考えずにいれば貴方のお金は政府が「ゴチ!」と言って全部持っていく。決めるのはあなただ。



tom_eastwind at 20:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月23日

移民局英語

今朝数えてみると朝から12時までの時点で僕の個人メールだけですでに50件以上のやりとりをしておりその数は午後になるとますます増えていくわけだが、それでも電話以上に効率が良く助かる。

 

電話ってのは一つの時間で一人しか相手に出来ないし話した内容は記録に残らないし後になって大体において言った言わんの話になる。第一相手とこっちが同じ時間帯にせーのドン!で電話を取らなければいけない。

 

その意味で電話は効率が悪くクルマで移動途中に電話がかかってきても取れないし内容が不明瞭なので僕にとってはメールの方が分かりやすい。

 

メールは自分の好きな時間に送れるし相手のメールでもまず読んでみて今この瞬間の優先順位を決めて処理する。とくにメールを同時に三つくらい開いてそれぞれ少しづつ書きながらなんて、まるで自分の座ってるソファの周囲に5冊くらい本を置いて順々に数十ページづつ読むようなもので処理速度が早くなったりする。

 

中には思い切りのめり込んで一切他のことをせず画面に意識を集中させて10分位で一気に3,000文字くらい打ち込むこともある。ほんと、高校時代に英文タイプやっててよかったと思う瞬間である。

 

でもってでもって、英語も同様で、やはり早口のキーウィ英語で言われても時々意味が不明になることがある。特にスラング飛び交う日常会話は苦手だ。トピックが明快であれば良いが日常会話、つまり馬鹿話はどこに飛ぶか分からないし共通のOSを持ってないからこちらのソフトでは解析出来ない話がある。

 

だもんでだもんで文章でもらう方がよほど明確で気持ちよい。と昨日までは思ってた。

 

そういう気持ちが過去のものになったのは今朝の弁護士との話である。まずは英語を読める方は下記の文章を読んでほしい。移民局のサイトにある起業家ビザの要件に関してである。

 

BB1 Objective

The objective of this category is to contribute to economic growth by enabling experienced business people to grow or establish a high growth and innovative business with export potential in New Zealand.

Effective 24/03/2014

 

普通に訳すると下記のようになる。

「このカテゴリーの目的は経験のあるビジネスパーソンによって経済成長に貢献するか、“または”、成長著しくイノベーティブな輸出ビジネスの可能性があること」

 

僕はこの文章を巡って一ヶ月くらい弁護士と移民局の間でこの文章の定義を示せとわーわー言ってきた。普通英語を話す場合、orってのがあれば、その前文と後ろ文のどっちかって事になる。

 

つまり、「このカテゴリーの目的は

A:経験のあるビジネスパーソンによって経済成長に貢献するか、

“または”、

B:成長著しくイノベーティブな輸出ビジネスの可能性があること」

となる。

 

しかし移民局の読み方は違う。

A:high growth or,

B:innovative business or,

C:export potential.

となるのだ。

 

どういうこっちゃ?これが何回読んでも難解、そりゃぼくは英語は上手ではないけどこの程度の間違いはないはずだ、電話で聴いたわけでもないし文章で明確になっているのに弁護士がABCって言うものだから昨日はさすがに頭に来て朝から弁護士事務所に押しかけて「おい、お前はAuckland小学校卒か!この文章のどこがABCなんじゃ!」って文句を言ったところ、とんでもない返事が返ってきた。

 

彼はいつものにこやかな顔で「これはね、僕も何度も聴いたけど間違いなくABCなんだよ」という。どうしてという顔の僕に彼は「仕方ないんだよ、移民局が法律の条文書くときに間違ったんだけど3月に発表した法律を半年で書きなおすのもみっともないし、第一関連法案全部を訂正するとなると非常に手間がかかる。

 

なのでとりあえず法律の条文はこのままにして法案解釈担当の移民局テクニカルアドバイザーに質問が来たら「ああ、あれね、あれ間違い。なおすの面倒だからさ、まあいいじゃん、こうやってぼくがきちんと“正しい回答”を出してるんだから」となる。

 

呆れた国だと思ってたら、やはりここまで呆れた国でした(苦笑)。

 

日本で生まれ育った人にはまず理解不能だろうが、何せ法律に書いている事が間違ってるってんだから何を信じれば良いのか?って話である。ただこちらで生まれ育ったキーウィってのはやはり英国系の法律である「習慣法(コモンロー)」に慣れてるから法文よりも実態を重んじるって考えがあるのでそれほど気にならないようだ。

 

けどまあこういう現実があるから、単純に英語読めるだけでは手続きが進まないし間違ってドツボ、闇夜の地雷原に入り込んでしまうって事があるから僕らの仕事にも価値が出てくるわけだが、日本の法案作成担当者が聴いたらひっくり返るような話だろろう。

 

この手のネタで租税協定もあるんだけど、これはまた別に書きます。



tom_eastwind at 17:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月22日

未来が見えるという意味

今朝も日本から下見に来られたご夫婦と2時間の個人面談。昨日は不動産を見て回り今日はオフィスで今後4年間の移住工程表を作成する。

 

ご主人は開業医であり移住と言っても医院を整理してからしか移住は出来ない。しかしここ最近感じる危機意識がご主人の背中を押したようだ。

 

殆どの日本人サラリーマンは源泉徴収という政府の罠で自分の税率がいくらかも分からないまま様々な税金を負担させられている。給料の全額から手取り、この差額すべてが税金なのだけど一個一個に名前つけてるもんだから何か税金を感じることがすくない。

 

けど実際はそんなもん、消費税の値上げどころではない、貰う給料に直接課税して数%なんていつでも調整出来る。なのに消費税にどーこーいって自分が毎月確実に取られている税金を意識しようとしない。

 

しかし開業医や会社経営者は毎年の確定申告で自分がいくら税金を払っているかよく知ってる。利益の出ている開業医であれば半分以上政府に持って行かれている。

 

それで終身社会保障が堅牢であれば良いが、医者をしているだけに診療報酬の削減や医療の質の低下を目の当たりにして、更に老齢年金もいったいいくら貰えるのか?要するに政府にこき使われるだけこき使われて65歳になったら「はいおつかれ、年金ないから自分の貯蓄で生活してね、あ、貯蓄ない?そりゃーうちには関係ない、あなたの自己責任ですよね」となる。

 

だから開業して一生懸命働いた医師はある程度の資産を作りニュージーランドに投資家ビザで移住できるようになれば移住の準備にかかるのだ。本当に最近はお医者さんの問い合わせが多い。日本でお医者さん向けの何かがあったのかな。

 

いつも言うことだけどビザは取れるときに取れである。今は投資家ビザ150万ドルがあるけど、これがまた枠がいっぱいになれば移民局は突然投資家ビザを廃止するかもしれない。条件を厳しくするかもしれない。

 

それに今年は不動産投資で投資が認められているが去年までは駄目だったのだ、ならば来年適格投資から外される可能性がある。そうなると利回りの悪い、毎年確実に3%の損失を出す国債を買うしかなくなる。

 

渡航は4年後でも投資は先行投資することは出来る。利回りの良い投資先があれば適格投資先かどうかを確認した上で先に投資を終了させて金利を受取りつつビザ申請を行い、事前ビザ(AIP)が取得出来たその時点で投資関連書類を移民局に提出して4年間の永住権を取得する方法もある。

 

自分に危機感がある人は上記のような人生計画を自分の頭で考える、僕らの仕事は彼らの選択肢がビザ面、投資面、生活面、それぞれから✔してルービックキューブのすべての面が同じ色になってるかどうかを確認することだ。

 

ただこのルービックキューブは実際にはブラックボックスに入っており普通の日本での生活を営んでる人にはNZの永住権取得なんて全く見当が付かない。どのボタンを押したら何が出てくるのかびっくり箱状態である。

 

だからまず何か判断する前にかならず僕らがチェックを入れて「投資から観た面はOKですがビザから観たらちょっと危険ですね、リスクを回避するためにこういうオプションはどうでしょうか?最近使った方法です」と助言することになる。

 

こうやっていくと、お客様は日本で彼らの業界がどうなるかはある程度視えてるし日本人として様々なニュースを集めていれば自然と日本政府の方向性が見えてくる。そこに移住に必要な道を付ければ未来が見えてくる。

 

日本人の中には村長みたいな人がよく海外に出る人に対して「愛国心はあるのか!」みたいな事を言うが、はっきり言おう、僕らが愛している日本はその郷土や海や山や育った街であり強制的に税金だけ取り立てて何の福利厚生も保障しない日本政府を愛してはいないのだ。

 

あなた達のように地元の権力者とつるんでみたり地元で美味しい利権があればそれは支配層にいるのだから何でもOKだろう。交通事故のもみ消し、強姦罪の不起訴、賄賂、何でもOKだろう。しかしまっとうに生きてきた普通の日本人はそのような利権も持たないし汚れたいとも思わない。

 

だから出国する気持ちと能力と危機感がある人は日本政府のくびきを逃れて自分の納得出来る政府のある国で日系人として生活をするのだ。

 

今の日本は実にきな臭い。あまりにたくさんの事が同時に発生して、国民が知らない間に様々な法改正が行われ、間もなくすれば雪崩を打ったように社会が一気に変化する。変化してしまった後に何をしても手遅れである。変化した社会の中で生きていくしかない。

 

自分の目で自分の未来を考えてみて欲しい。回りで起こっている事実を整理してみてほしい。そうすれば自分の進むべき道が見えてくる。 



tom_eastwind at 17:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月21日

反撃

日曜日はジョン・キーが再選されて朝から大騒ぎだ。単独で過半数を占め連立政権を組んで盤石な体制にした後に虐殺が始まるのだろう。

 

まずはキム・ドットコム。選挙戦の最後になって訳の分からん党と組んでジョン・キー批判をしたり、おいおいお前、誰が米国FBIから守ってやってんだ。こいつはもう米国追放だな。FBI訴追が出てるから入国と同時に逮捕だ。

 

それから選挙のタイミングで国民党のスキャンダルを本にした奴。これは国家秘密警察が監視の対象として何かちょっとでも変な事やったら速攻逮捕、マウント・イーデン刑務所送りだ。

 

実はジョン・キーには民間企業時代に相当きついリストラをやり「微笑みの殺し屋」というあだ名がある。そのあだ名が本領発揮だ。

 

今回の圧勝の原因の一つは、労働党やキム・ドットコムのような汚い選挙戦を嫌った一般キーウィの意識だと思う。キーウィはいつも大道を歩き小賢しい事を嫌う。特に今回のような自分の利益だけの為に他人のプライバシーを公開したりするのは宜しくない。だからいつもより多くの票が国民党に流れたのだろう。

 

それにしても今回の選挙は当社も振り回された。一体何じゃ!って感じで相当頭に来たが移民局が選挙終わるまで死んだふりしているのだからどうしようもない。

 

さて国民党が圧倒的勝利を得てこれから3年間は精研は安泰だ。国民党が政策提言していたビザに関して一気に緩んでくるだろう。ただし中国との取引が急増しているが国民の意見は「中国へ輸出するのは良いけどその代わりに中国からビザ取りには来るな」であるのは変わらないから、国民党としても3年後の選挙を考えればあまり中国人を増やすわけにはいかないだろう。

 

さあ、週明けにはどうなるか、今から興味津々だ。



tom_eastwind at 14:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月20日

今日は総選挙

国民党に一票入れた。選挙区のグレンフィールドでは公民館で若いインド系女性がボランティアが選挙民に対して丁寧に「あなたはあちら、あなたはこちらですね」と案内してた。

 

投票所では年寄りの中国人に中国語で選挙の方法を教える若い中国系女性がいた。説明し終わった彼女は隣のインド系若い女性に振り返り「ふー、大変」と笑ってた。

 

その笑いはお爺さんが英語を出来ないことでなく様々な人々が一箇所で生きていくことへの積極的な参加意志表明だった。

 

それから、鼻にピアスしたキーウィ若者カップルが手をとって選挙に来てた。この国、まだ大丈夫だな、そう思った瞬間である。

 

他人と比較しない。比べるから気になる。他人が何をするかではなく自分が何が出来るか。そうやってニュージーランドは成長してきた。

 

鼻にピアス。さあ、君の見てる未来って何だ?



tom_eastwind at 14:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月19日

人はパンのみにて生くるにあらず。

昨日は「黒田官兵衛」の8月前半放映分をDVDで観る(うちは会社の福利厚生で日本の番組をテレビ会社から直接買い付けてる=版権ありですよ“にこ”)。

 

戦国時代の乱世を思いつつ夜6時のTVONENHK6時のニュースみたいな位置づけ)でスコットランド独立国民投票前夜のニュースを観て夜7時からは国民党と労働党党首討論を見終わってその後また黒田官兵衛の8月後半放映分を観た。

 

気がついたら「何とおっしゃる、そうでござるか」と思わず武士言葉が口から飛び出してた(笑)。中世の騎士か(苦笑)?

 

いつの時代も人は変わらず。形や武器はどうあれ結局人は生きてる限り戦いである。戦いの中で命を落とすかお市の方のように自害するのか官兵衛の父親のように堂々と戦い最後はゴッドファーザーとして孫と遊びつつ最後は木に寄りかかってぽっくりいくのか、誰にも明日の運命は分からないが、それでも毎日が戦いである。

 

人生が戦いと理解して生きるのと、戦いと理解せずに生きるのでは野生の狼と家畜くらいに生き方が違う。

 

いつも思うのは「人は強くなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」である。自分が人間でありたい、その為に最低守る原則である。

 

そして官兵衛のセリフ「裏切られても信じる。それで初めて本当の付き合いが出来る」これがまさに戦国時代も今の時代も原則。実感だった。

 

殆どのビジネスマンにとっては毎月の給料を得ることがすべてであり保身と出世以外に自己存在を感じることはない、半沢の世界の銀行員のように。取引先企業が倒産しようが自分には関係ない、つまり半沢の世界のサラリーマンである。それは、上は東大法学部卒業のキャリア官僚であろうが下は地方大学卒で地元信用金庫に働いていようが何も変わらない。

 

ビジネスは信用がすべてだ。大手銀行、大手商社、大企業、そこには看板に信用があるから人々は取引をする、その個人を相手に取引をしているのではないのだ。そして一日の終りに彼らは気づく、大手銀行や大企業は立派だがそこで働くサラリーマンにはあまり信用がないって事を。

 

サラリーマンだって自分の保身と出世がすべてであり、彼らは取引先の事情など理解しようともしない、とにかく自分だけが儲かればよい、自分だけが出世の階段を外されなければよいと考えて目の前に出された餌に喰い付いているだけだってのが分かる。

 

だからまず個人同士で信頼を築くのはとても大変なことだ。更に言えばそれを外国人と構築するのは価値観が違うだけに更に大変である。

 

ところが官兵衛の言う「裏切られても信じる。それで初めて本当の付き合いが出来る」は更にその上をいく。これは本当に殺し合いの覚悟で戦いをしている人間だけが分かる感覚だ。

 

信じるとは相手がこちらを裏切ったからと言って変わるものではない。相手が裏切ったからと言って怒ったりこちらの気持ちが変わるってのは、それは取引だ。単なるビジネスでしかない。単なる取引の世界に「信じる」などという言葉を持ち込むほうがおこがましい。

 

信じるとは、相手が裏切っても、それでも笑顔で「どうしたんだい、何か困った事があったんだろ、何故おれに相談しなかったんだい、何時でもお前のためにドアを開けてたじゃないか」と言うことである。

 

総選挙前日の夜、スコットランド、イングランド、ニュージーランド、戦国時代の日本を観つつ思った。いつの時代でもどこの国でも人間という動物に共通するものは「信なくしては立たず」、そして人はパンのみにて生くるにあらずだ。この言葉がお飾りでなく心からそう思えるようになった時、人は初めて戦士となり自分の人生を歩むことが出来る。



tom_eastwind at 09:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月18日

党首討論

労働党と国民党が組むのか?昨晩夜7時のニュース特集で30分にわたり両党の党首がテレビ討論した。

 

面白かったのは司会者が質問する度にデビッド・カンリフ労働党党首がジョン・キー国民党党首の側に立って司会者に「お前違うよね!」と声を大きくしたりジョンを指さして「こいつはちゃんとやってる」と静かにしたりしながら主張した事だ。

 

あれ?もしかして危機を感じた国民党が労働党に何か提案して、選挙後に閣外協力って形で彼らに果実を渡す契約が出来たのか?

 

今まで反国民党だったキム・ドットコムをデビッドがばっさり切ってる。うわー、凄いな、これでキム・ドットコムは完全にハシゴを外された形だ。どうなるんだ?キムさん遂に米国送りでFBI逮捕か?

 

デビッドからすれば選挙戦当初は使えるネタだったがそろそろ選挙後の「落とし所」を考えればあまりスキャンダル攻撃して選挙後にジョンと仲悪くなるのも無駄だ、ならキムを切ってジョンと「共闘」を考える状況なんだろうか。

 

それにしても党首クラスの討論は面白い。物凄い早口で相手が喋ってるのをどんどん遮って具体的数字や名前を挙げてガンガン議論する。でもって司会者はニュージーランドで一番弁論術に長けた人間と二番目に弁論術に長けた二人を前にたじたじ、何でぼくこんなにサンドバッグ状態?(笑)

 

これは英語討論ではよくある方法で、とにかく誰かが見ている討論では喋りまくって相手に話す隙を与えない、良く言えば弾丸口撃、悪く言えば全く討論の意味を成さない猿芝居(笑)。

 

その代わりカメラが遠ざかり始めると突然皆ニコニコしてお喋りしている!全く猿芝居かよ(笑笑)。

 

デビッドの方は少し余裕があるようで選挙に負けても一定の影響力が取れる、それで3年後を狙った方がいいって計算かな。

 

ジョンからすれば今年勝っても3年後に敗けるなら、この3年以内に首相を辞めてしまえってのも頭をよぎってるのかもしれない(苦笑)。何となくこの討論ではジョンが押され気味で普段の元気の良さが見られない。

 

ジョンとデビッド、信じてる同士なのかそれとも猿芝居なのかビジネスなのか、なかなか読めない。ただ一般的にキーウィはあのクラスになるとMy Word is My Bond の世界がある。怒鳴り合ってもいがみ合っても、どこか最後でストンと落とし所が出てくる。単なる感情だけで走るバカはあそこまで登れない。

 

さあ、総選挙まであと2日。



tom_eastwind at 10:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月17日

押し込み

ビザ通った!

 

また一人、難関だった案件のビザが通った。この案件は丁度移民局のルール変更の時期に重なり去年の後半からバタバタやってた件だが、とにかく力技で押し込んだ。

 

ビザなんて紙切れの話なのに力技?って思うかもしれないが、いやいや、言葉に出来ないけど、本当に力技なのですよ。

 

この仕事はニッチな世界であり野球で言えばコアな内野プレイヤーが移民局、弁護士、会計士、政治家と限定されてて彼らがこっち向いて構えてて、それを取り巻く外野に様々な地元プレイヤー(不動産、各種民間企業)がいて、更に観客席には一般市民がいて皆が球が飛んでくる方向を見つつ自分のとこに飛んで来るのを待っている。

 

このニッチな世界でうちがやってるのはまさにバッターボックスに立つバッターの位置づけだ。次の球をどこに向かって打つか?言い方を変えればニュージーランドのどこに投資家の資金を流しこむか、水道の蛇口みたいな位置づけだ。国債なのか社債なのか不動産なのか株式なのか?

 

昨日も書いたがランドバンキングなどはまさにその好例で政府が人口増加に対して有効な住宅政策を打つために投資家ビザ取得の為の投資先に居住用不動産を組み入れたのだが、まずは投資家ビザで申請してくれなければ意味がない。

 

だから移民局も世界を回って投資移住セミナーをやるわけだが、ただ今年は選挙の年であり(移民局スキャンダルが続きあと3日となった投票日まで)死んだふりをするしかない移民局としてはなかなか表に出ることは出来ない。けれど実績は欲しい。だから自然と当社のような民間の「エージェント」に動いてもらうって話になる。

 

これ、移民局と弁護士のメールのやり取りの中でも「エージェント」って言葉が良く出てきて「お、俺ってそういう立ち位置?」って再実感する(苦笑)。

 

日本からすれば「役所が?」って思うかもしれないがNZ移民局は貿易促進庁の配下にあり日本の感覚で言えば経産省の配下である。簡単に言えば経産省と商社の付き合いのようなものだ。お互いにやることは分かっているが常に観客席に注意を払う必要があるお役所である経産省では動けない、出来ない部分を僕らが担当する。

 

移民局では4半期毎に売上データを作成して政府及び関係者に「今期は投資家ビザがx件取得でx百万ドルの売上!」と数字にして報告している。このあたりの感覚、日本の真面目な人には理解しづらいと思うが事実である。

 

けどもちろん移民と言っても筋の悪い人はダメよってことで中国人に対しては厳しく制限しているが日本人は筋が良いので、数は少なくても優遇しますよって話が現状である。

 

ただ冒頭に書いた今回ビザ取得した案件はまさに去年の中国人ビザの大波に巻き込まれて思いもよらない展開になった案件であり、移民局担当者からすればすべて東北アジアの同じ黄色人種、こういう時はまさに近接遭遇戦!

 

こっちが鉄砲を持って偵察中で建物の角を曲がった瞬間に敵が目の前にいたって感じの「なんじゃこりゃ!」であったが、とにかく手元の弾丸を撃ちまくり使える武器を全部引っ張りだして相手にぶつけて、抵抗する相手をとにかく押し倒して相手の面子を潰さないようにしておいて一言「おいこら移民局、おれたちは中国人じゃないんだぞ!」

 

(苦笑)これで何とか押し込んだ。・・・お後が宜しいようで(笑)。



tom_eastwind at 07:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月16日

月を売った男

月曜日の午後、弁護士事務所で第一回ランドバンキング役員会を開催する。今回は初回なので関連するすべてのメンバーに参加してもらう。役員は投資家代表のぼくとデベロッパー側代表のウェリントンから出張で来た投資会社の取締役、そして当社の代理人である弁護士の三人である。

 

まずはお互いの立ち位置を確認して三人の内二人がこちら側なので実質的に運営主体はこちらである事を参加者全員に理解してもらい役員会議を始める。

 

ランドバンキングの仕組みは簡単である。ハウジングニュージランドの衣替えだ。

 

ニュージーランド政府は元々小さい政府を目指しており民間でできる事は民間でという考え方が徹底している。日本の住宅供給公社にあたるのがNZでは「ハウジングニュージーランド」である。低所得者の為に住宅を提供するのだが、政府の予算は使わずに投資家の資金で不動産開発をしてもらいその不動産を政府が家賃保証するのだ。つまり元金は投資家の負担で、利息を政府が払うって事だ。

 

ところがハウジングニュージーランドの利率は政府保証だけど4%かそれ以下である。現在のAucklandの物価上昇率5%を考えると「確実に毎年1%以上損失の出る投資」になってしまっている。そんな土地に投資をする投資家はいない。

 

そこで新たに投資家に向けて去年から投資対象枠として解放されたのがランドバンキングである。

 

投資家ビザで永住権を申請する人向けに利回り最低保証が6%として物価上昇率を上回り更に運用次第では最高15%以上の利回りを叩き出せる。地震による被害は政府保証、建物に対する被害は民間保険による保証、民間保険会社は政府が100%保証、結果的に政府保証での運用となる。

 

人口が毎年増加するAucklandで政府が予算を投入しない居住用不動産部門に海外投資家の資金を投資してもらい利回り7%程度実質保証でNZの永住権を提供する、これが今回の企画だ。

 

簡単に言えば不動産を買ってもらい永住権を売ってるわけだ。

 

ハインラインの有名なSF小説で「月を売った男」ってのがある。今のNZ移民局がやってるのはまさに「土地を売った男」である。

 

ただし誰にでも売るようなタバコ屋ではなく(あ、日本では今は年齢確認もあるのか)、あくまでも移民局が選んだ人にのみ「お困りではないですか?ビザはいかがですか?土地買ったらもれなく付いてきますよ」と声をかける仕組みだ(笑)。

 

面白いのはキム・ドットコムという大金持ちに「あなたはVIPだ!」と土地と永住権を売った政府と移民局が普段は偉そうに建前並べて技能移民ルールがどうこう言ってる事だ。実態としては政府は外国人に土地を買ってもらってビザを売ってるってのに表面的には上品そうに「あなたの申請書類は〜」などとやって、完全に二重標準である。

 

昨日もテレビでは労働党が「ジョン・キーがキム・ドットコムにビザを売った」とキャンペーンやってたが、いや労働党さん、その通り、NZ政府はビザを売ってるんですよ(笑)、そうやって外貨を稼いでるんですよね(笑)。けどそれせずにこんな小国がどうやって成長するのですか?

 

政府の立ち位置は時代により変化する。その変化は時代の要請である。それを理解出来る人だけが新しい時代に合わせて変化出来て生き残れるが、古い脳みそで古い考えしか正しくないと思ってる人に21世紀の大航海時代は生き残れるのか?

 

これは先週の地元銀行幹部との「お茶会」で聴いた情報だが東南アジアを担当するNZ移民局の担当者は現在はマレーシアに駐在しているとの事。ここを拠点に優良な移民を取り込もうとしている。

 

担当者のテリトリーを聴くと東北アジア(日中韓)を除いた地域との事。今回11月に僕が企画しているシンガポールと香港の日本人投資家向けセミナーもこの範疇なのでこの幹部は「担当者、紹介するから予定が固まったら連絡くれ」。狭いAuckland社会の有難いところである。

 

でもって日本は大使館が優良移民募集の取り組みをやっているが、じゃあ中国は?って聴くと、今は担当者がいないとの事。どうやら相次ぐ不祥事に中国人移民の危険性を十分に肌で感じた移民局の判断なようだ。

 

この銀行は今まで日本市場をあまり気に留めてなかったのだが最近の日本人投資家の動き、中国人のトラブルを見て、お、やべ、日本人にシフトしなくちゃって気持ちになってるようだ。

 

うちにとっては良いことだ。実際に最優良市場なんだから何で今まで気づかなかったのかって感じである(苦笑)、ささ、ビザ売ってくれ(笑)。

 

さあ、Aucklandに戻ってぐたぐたと休んでるヒマはない、死んだらいくらでも休める、やることやるぞ。



tom_eastwind at 18:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月15日

総選挙が近づいてきた。

週末に総選挙の書類が郵送されてきた。中には投票所に入るためのカード(必須ではない)と選挙に関する案内があり、多国籍言語で書かれている。英語以外に主に南太平洋、日中韓、欧州などが目立つ。

 

ニュージーランドの選挙は日本と同様で小選挙区比例代表制だ。選挙に参加している政党は現在の与党である国民党、野党である労働党、少数政党、泡沫など合わせて15政党が120議席を争う。

 

920日の投票日に向けて最後の戦いである。ちなみにぼくは今回の総選挙を927日とずっと思い込んでた。間違ったご案内を差し上げた方、申し訳御座いません。なんでかなー??

 

永住権を取得して選挙権を得た人たちの手元にも選挙書類が配達される。この国の人間になったなー、そう感じる一瞬であろう。

 

この国の選挙の投票率は平均して75%くらいか。英国の伝統を引き継いでおり政治一流であるから日本より投票率は高い。

 

今回は年初の国民党圧勝予想から中盤に入っての国民党スキャンダル、後半には議員辞任などにつながりそうとうに打撃を受けているが、やはり経済で実績を残している国民党が有利である。

 

それでも移民政策となると国民党は推進派なのでなかなか言い出し辛いのが今回の選挙だ。なので経済政策の成功部分を思いっきり表に打ち出しつつ頑張ってる。

 

今日の夜のニュースでもキム・ドットコム自身が出演してるセミナーで「ジョン・キーが僕は大事な客人だから永住権を発給してくれるって、あー言ったコー言った」てな事で、あと5日のみになった選挙戦後半は大変だ。

 

キム・ドットコムがジュリアン・アサシンやエドワード・スノーデンに直接テレビ会話でGCSBスパイ事件を取り上げて問題にしたり、エミネムなんかが出てきて選挙ラップを歌ってみたり、完全に広告代理店のやり口である。国民もそれを感じているようで国民党の優勢は変わらない。

 

選挙期間はオリンピックみたいなものかな、勝つためにはルール変更さえ厭わないが、一旦勝敗が決まれば後くされがない。民主度が高いと競争も厳しいが選挙が終わればお互いに同じ国民って事でまた一致団結出来る。だってされど選挙だけどたかが選挙でもあるんだもん。

 

それなのに民主主義から遠くにいる国ほど選挙やった時の恨みがどこまでも残るってのはある。「主人をオトコにしてください!」選挙を見ているとお国柄の違いを肌で感じる。

 

NZでは選挙は義務であり国民に浸透している。参加するのが当然になっている。日本では選挙に参加して下さいと言いつつ手続(特に在外邦人)を面倒にして参加しにくくして更に論点や争点を下らんところに落とし込み選挙に行く気持ちを萎えさせるから雨が降ると投票率が下がる。Russiaではプーチンの言うことに逆らう政治家は殺されビジネスマンは殺されるか監獄に放り込まれる。中国では選挙さえ存在しない。

 

後約一週間、さあどうなるのか今回の選挙、国民党を応援する一選挙民として興味津々である。



tom_eastwind at 18:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月14日

永住権が取れた!

今日はお客様が集まってくれたパーティだ。手打ちうどんをテーマにして3歳の子供から70歳の方まで集まって頂き約30人で楽しく一日を過ごす。

 

永住権ってのは不思議なもので、取れるまでは疑問だらけだが一旦取ると実に心地よいものである。

 

うちを最後まで信じてくれて永住権を取れなかった方はいなかった。全員が永住権を取った。今回は特に過去の会員の方にも来てもらい付き合いの幅を広げてみた。

 

永住権を申請中の方には多くの不安があるけど、それは誰もがくぐる道である、僕らに代わって実際に永住権を取得した方がご説明してくれるのだから説得力がある。

 

だって皆さん、最後まで当社を信じて3年とかお付き合い頂いたのだ、長い方のお付き合いは14年である。彼らはすでに永住権が取れてそれが無制限永住権になっている。

 

うどんと、本当は素晴らしいシェフの料理を伝えたいのだけど、今日はとりあえず「永住権が取れた!」方へ乾杯!です。



tom_eastwind at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月12日

香港時代1992

MacAirに切り替えてから仕事の調子が良い。英数とカナの切り替えがWindowsよりも円滑なだけで一文字の訂正にかける時間が1秒節約出来て毎日平均で8千文字くらい書いてる僕からすれば30分程度の時間的節約と心の余裕が出てくる。

 

しかしそうは言っても約18日間の日本出張でAucklandに戻った翌日の水曜日から金曜日まで一気に駆け抜けたわけで合計すれば21日、つまり三週間全く休みなしで地球を約半周して5都市、Aucklandを入れれば6都市で仕事をして金曜日の夜は居酒屋富士の金太郎でリトル福岡プロジェクト責任者と夕飯を食いつつ更に福岡を絡めたもっと規模の大きいビジネスの話を聴いてプランを練ってたものだから流石に土曜は昼頃まで寝てた。脳みそが眠いのです(苦笑)。

 

やっと自宅のベッドで体を伸ばして眠ることが出来たからだろう、ぐっすりと眠れたのだが、まだ眠れるぞって気持ちを押し込んでベッドから出て今日やるべきことを✔する。

 

MacAirは画面を開いたその瞬間からすぐに使えるのでここでWindowsから20秒くらい勝ってる。一日5回くらい開く機会があるので一日100秒、一年で36500秒勝ってる事になる。

 

水曜日から金曜日までは出張の後整理とお礼メールと宿題対応と、なんじゃこりゃ、息するのも大変な香港時代の忙しさだなって感じた。だからこそMac1秒の大事さは実感するほど喜びが広がる。

 

香港時代、僕が日通旅行香港支店の営業マネージャーとして採用された頃日通は香港の日系旅行会社で一番下、つまり10社中10位であった。

 

だから自分で航空端末(キャセイのアバカス)を目の前に置いて朝一番からお客様やお客様の秘書からの予約で鳴りっぱなしの電話を取り次々と予約しつつそれでもコールバックの電話が溜まり10秒でも時間があればすぐにコールバックして(当時は取引先の電話番号は200番号くらいまで暗記していた)朝から夕方まで本当に電話機が耳にひっついるんじゃないかって思うくらいだった。

 

これは冗談であるが、ある時香港人スタッフが僕に真面目な顔で「何か手伝うことはありませんか、今朝から全然席から動けないじゃないですか」と言われて、僕は彼女に「そうか、じゃあ代わりにトイレに行ってくれ」と言った(笑)。

 

運が良かったのは当時の香港では日本人ビジネスマンは秘書に出張手配を任せて結局予約が取れず大損という案件が多く「信じられる旅行会社が欲しい」と言う需要があった。だからビジネスマン同士の間で「日通に頼めば取れるよ」って評判が出て、僕が直接担当して席を取り宿を取り日銀香港支店長の仕事を全部請け負うようになり仕事が激増した。

 

そういうのを1年位続けながら次第に順位を伸ばして2年目には当時1位だった郵船航空を抜き(勿論日本の大手のJKNは半年くらいで抜き去った)それ以降1996年に僕がAucklandに移住するまでの6年間はトップの座を維持した。

 

当時のお客様に付いてた香港人秘書は僕のことを日本人と知らずに出張に関して問題を抱えた彼女に対してボスが「tomに電話しろ、そしたらこの問題は片付く」と英語で言われて、不思議顔ながら僕に広東語で電話して来て「ねえ、ボスが明日の成田行きの朝イチ欲しいってんだけど、取れるの?」

 

ぼくは「OK,取れるよじゃなくて、取るよ、その代わり絶対キャンセルするなよ、こっちの面子がなくなるからな」と脅してJALに電話して席をもぎ取る。

 

当時のJALは半官半民で、僕のようなガラの悪い旅行エージェントの押しには弱い。

 

こういう緊急時に備えて平時に十分連絡を密にしており(これを飲ませ食わせとも言う、苦笑?)、何かあれば電話を直接入れて「おい、今誰か議員来てるのか?いない?なら議員席出せや」とやる。「議員は来てないけどいつも1A座る総会屋が来てるよ」

 

「ならいいや、1Aが欲しいわけじゃないからその近くの席取ってくれよ、その代わり君の友だちが欲しがってた来週の広州行き直行列車(旧正月の混みあいは基地外である)、2枚取ったからね。あ、どこから買ったかは君が知る必要はないよ、知らない方がいいよ、はは、大丈夫、定価で売るよ」ってやる。・・・こうやってビジネスは回る。

 

5分後に秘書に電話を返して「君のボスの席は取れた」と言うと秘書がびっくりしたように「ど、どこも取れないのに、何でお宅取れるの?」と聴いてくる。「大丈夫、紙飛行機じゃない、ちゃんとした座席付きだ」と笑わせてこっちはすぐにチケット発行、そのままメッセンジャーに持たせてセントラルのお客様のオフィスに届けさせる。

 

こういうプレミアチケットってのは結局助け合いだ。金ではない、人間関係なのだ。ぼくは同時にいつも九龍駅に行き広東語でダフ屋を捕まえて広州行きの指定席券を依頼してきちんと金を払いダフ屋と良い人間関係を作る。すると次に行くと彼は僕の顔を覚えてて「今度は何日のチケットだ?」と聴いてくる。

 

こっちは日時を指定して「じゃ、アスクルから用意してくれ」って依頼して現金を渡すこともある。これは博打だが同時に相手を信用したって意味であり、かなり強い。今までこれで裏切られた事は一度もない。中国人が個人的に付き合いを作ったら信用を裏切らないって意味はここにあると思う。

 

翌日、相手はきちんと指定席券を持ってくる。これで取引終了。お互いに相手の顔は知っているが名前も所属している組織(相手はヤクザ)も知らない。九龍駅で現金が動くだけだ。

 

ダフ屋ともJALとも良い人間関係が作れる、これが結局ぼくの一番の強みか(苦笑)。

 

そういうチケットが日本から旧正月の香港に急遽やって来た上場企業の役員の為に使われたりJALの予約担当の友達の為に使われたりする。彼らからすれば僕がどうやってそんなチケット手配するのか意味不明だけど、とりあえずtomに頼めばどうにかなるって事が分かる。

 

だから時にtomから「ねえ、明日の成田便空いてない?」って聴かれると議員席を出してくれる。これが助け合い(笑)。Yさん、Nさん(上役)、ありがとー御座いました!。

 

当時香港に駐在している日本人は多くいた。しかし殆どの人は英語を得意とせず広東語に至っては全く話せなかった。だから日本語を話せる秘書は人気があり、秘書は香港人感覚で対応する僕を香港人と思って取引した。

 

現在のAucklandで、同じような空気を感じるのは最近である。銀行、移民局、弁護士事務所、彼らがいつの間にかぼくを「チーム」として認識し始めてる感じがする。目先の金ではなく長い付き合い、こいつと付き合っておけば日本人のビジネスは取れる、その感覚だ。

 

こっちも同様だ、お前らと付き合ってりゃうちのお客を大事に出来る。

 

時代が変わっても、世の中って助け合いだな、そうと思った今日でした。



tom_eastwind at 23:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月11日

言葉は言の葉だ。

人は一般的に頭が痛いとぶすっとした顔で「今日は頭が痛いんだよね、何か面白くないな」と言う、まるで頭が痛い事が問題であるかのように。そして自分の頭が痛い事が何か更に悪いことを予期させるような気持ちになるような言葉「全く今日は良くないよ」と言葉で言ったりする。

 

実はそれが原因で「単なる頭痛」があなたの人生の大事な今日の一日の幸せを壊している事に気づいてないのではないか?

 

人間である限り誰でも肉体を持っているわけで、だからその肉体が金属と衝突すれば怪我をするし毒物が体内に入れば病気にもなる。それが世間一般で言われている交通事故とか食中毒だ。

 

けれどそれは科学的化学的反応でありそれ以上のものではない。反応を更に問題にするのは実はネガティブ、否定的感情、マイナスイメージである。

 

僕はよく「人の望みは望めば叶う、強く望めば強く叶うし一生懸命望んで頑張れば絶対に叶う」と言ってる。

 

けどこれは逆に言えば自分に対して否定的な感情を持てば確実にその人は不幸になるという事だ。

 

人間には実在意識と潜在意識と、それを統一する神経系統の生活機能がある。実在意識とは毎日の生活で自分を実感することだ。風邪を引いたり交通事故に遭ったり。潜在意識は心のなかに潜む気持ちで何かの機会に表面に出てきて自分を楽しくさせたり暗くさせたりする。

 

実在意識と潜在意識の間を繋ぐのが神経系統である。人間の体にはたくさんの神経が通っており脳の指令を送ったり体の端っこ、例えば指の先が何か熱いものに触れた際に痛みを脳に送り脳が反射的に「指を引っ込めろ!」と指示を出す。

 

この、実在意識と潜在意識と神経系統に大きな影響を与えるのが実は言葉である。自分が口から出した言葉は発したその瞬間にそのまま現実になる。これが実在である。

 

そして実在はそのまま潜在意識に影響を与えて潜在意識の中にあるものを実在、つまり肉体や精神や環境に神経系統を経由してそのまま反映させてしまう。

 

例えばちょっとした風邪をひいた時に自分で自分をマイナスにするような発言、冒頭に書いたような「何か面白くない」とか「今日は良くない」なんて言葉にするとそれがそのまま肉体と精神に影響を与え、あなたの今日の一日を暗くさせて仕事もうまく行かず気持ちも落ち込み風邪以外の病気まで引き込んでしまいますますあなたを暗くさせるのだ。

 

これを中村天風の言葉なのかどうか分からないが「暗示の無条件同化」と言う。

 

それで幸せになれるわけがない。自分で自分を不幸に追い込んでいるのだからしょうもない。

 

だから雨の日にはその雨を慈雨と言おう。ああよかった、これで苗は育ちダムに水は溜まり庭の花も元気が出ると。

 

風邪を引いた時は気にせずに「よっしゃ、今日は休めって事だ。早く家に帰って昨日できなかった事をやろう」とか「おお、面白いではないか、風邪と俺とどっちが強いか戦ってみようじゃないか」とかもありだ。

 

交通事故に遭って怪我したら「おれって幸運!これだけの怪我で済んだ!」と喜ぼう。え?交通事故で死んだら?お、神様が呼んでるな「はいお疲れ様、君の人生試験は終わったよ」。よっしゃ、あの世で次の戦いだ。

 

実在で起こるどのような事象でも常に前向きに考えろ。最初は少しむずかしいかもしれないけど、そのうち自然に何にでも前向きに捉えることが出来るようになる。

 

え?そんなの大変だよ、面倒くさいよ?だったら君は不幸なままで良いのか?

 

本来の自分を不幸な自分から解放しろ!

 



tom_eastwind at 23:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月10日

空のシルクロードが始まる。

昨日Aucklandに到着して18日間空港の駐車場にいれてた車に18日分の荷物を詰め込み「大丈夫かな?エンジンかかるかな?」なんて思いつつ無事に動いたので駐車場から引っ張りだして自宅に向かう。

 

古内東子の新しいCDを聴きつつ青い空を見ていると「ちえこ」の事を思い出す。東京にはほんとうの空がないって言うのは本当によく分かる。Aucklandのこの青空を観た後に東京や香港の空気の汚さを思い出すと思わず「ふー、やっと戻ってきたな」。と思う

 

実際に東京で庭に洗濯物を干してても一度雨が降れば再度洗うしかない。けれどAucklandでは雨が降っても洗濯物を引っ込める必要がない。だって空気が綺麗だから降る雨も蒸留水みたいなもので天然リンスみたいなものだ。

 

自宅に戻る前に本当は長い間待ってくれた車を洗いたいのだけど自宅でやることの方が優先度が高いため車に「ごめんな、週末はきちんと手洗いするから」とお詫びして沢山の荷物を下ろしてそれをすべて元の場所、つまり僕にとっての武器庫に戻す。

 

スーツを入れてたガーメントバッグはもう15年の付き合いのボロボロである。あちこち破れてるが戦友。折りたたむためのクリップも壊れてて金具を別途取り付けてる。キャリーバッグも13年かな、これもジッパーの部分が破れてて荷物が飛び出さないように注意が必要なくらいボロだ。これらはクローゼットという名前の武器庫に戻す。

 

バッグの中にある戦闘服(しわくちゃスーツ)がクリーニング必要かどうか見て、こいつは生地が元に戻るやつなのでハンガーにかけておくことにする。シャツや下着はすべて洗濯箱に放り込む。

 

洗面具、書類、未使用の下着は所定の場所に戻して会社に持っていく電源コードや書類や読み終わった本をDFSのショッピングバッグに入れて、よっしゃこれで片付け終了、そのまま風呂に飛び込み18日間で体に付いたものを汗と共に流して身を清める。

 

僕にとって日本や香港出張ってのはある意味北半球に派遣される兵隊の気持ちである。何が起こるか分からないぶっつけ本番の戦い。武器はスーツと書類だけ、後は首の上に乗っかってる頭って奴だけしかない。ここだけは壊れないようにしないとね(笑)。

 

出発前には今回の派遣の最終目的を十分に考え、派遣先で何を話すか戦術を考え近接偶発戦闘の際にはどこまで戦うか、どこで引くかを考えたりしながら派遣先に向かう。

 

今回は最初が香港、次が東京、そして大阪、また東京に戻り、最後は香港で2日間にわたる会議、全く休みなしで戦ってきたので久しぶりに記憶がぼやけている。「あれ?いつ何やったのかな?この人だれ?」なんてことが起こる。

 

つい4日前にお会いしたお客様の顔も話も思い出せず、だが議事録を読みつつ次第に思い出してAucklandで取るべき対応を考えようとする。

 

今朝は6時に目が覚めたけど少し頭がぼやっとしててミーティングでも何か浦島太郎状態(苦笑)。

 

それでもミーティング後に久しぶりに自分の机で18日分の資料を整理し始めて不在の間に机に乗ってた書類を片付け始めると次第に頭が冴えてきて昼前にはボルテージが上がりそのまま昼飯抜きで午後3時までツッパしる。

 

18日ぶりではあるが脳みそフル回転で今やるべき事が優先順位付きで分かった。よっしゃ、これは一昨日の香港で感じた「方向性」と繋がったぞ。日本から東南アジア、そしてニュージーランドへと繋げる空のシルクロードだ。



tom_eastwind at 19:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月09日

海外相続

*****

なぜ、そんなに儲けられるのか?  青色LEDの発明・開発者の代理人を務め勝訴に導いたことでも
著名な升永英俊弁護士の事だ。

 勝てば高額の報酬が得られる特許権訴訟に精通していること、また大企業や 富裕層の代理人を多く務める(逆にいえばニーズがある)ことなども要因の一 つであるようだ。 

 その典型例ともいえるのが、消費者金融大手だった「武富士」の武井保雄創 業者兼元会長(故人)の長男で元専務の武井俊樹氏が、保雄夫婦から贈与され たオランダの投資会社の株式を巡って申告漏れを指摘された件で、国税局を相 手取り、課税処分の取り消しを求めて提訴した件の代理人を務めた件。 

 何しろ、その申告漏れ額は実に約1600億円だった(課税額は1330億 円)。 

 海外移住、生前贈与による「課税逃れ」と見られる。現在ならアウトだろう が、当時はまだ規制が緩く、11年2月、最高裁で国側が逆転敗訴。最高裁の補 足意見では「著しい不公平感を免れない」と指摘されたものの、国側は訴訟間 の利子約400億円も上乗せした約2000億円を返した(個人への課税処分 取り消しでは過去最高額)。

   ****

   アクセスジャーナルより抜粋:

 

僕の仕事の一つに海外相続がある。日本国内ではどうしても相続税が高く、とくに東京都内で不動産を保有しているけど相続税を払うための現金がないという場合が多い。

 

こういう場合は結局先祖代々の不動産を売却して納税、今まで住み慣れた自宅を手放して賃貸住宅に移るしかないのだが、これって法の精神=存在理由から考えて正しいのか?

 

つまり条項だけを見れば相続税は存在するし払わねばならないがその法的存在は社会的に公平なのか?個人財産を保護すべき国家が個人財産を合法的に奪うのは正しいのか?既に一度納税した資産に再度課税をすることは税法上の問題ではないのか?人を幸せにするって法の精神から見れば違法ではないかという事だ。

 

とは言っても法律の条文を作るのは相手、こっちは相続税法で戦っても勝ち目はない。そこで本来の法律の目的である「政府の行動に制限をかける」民法を使って戦う。以前も書いたが適用通則準拠法や居住地の判断などである。それが冒頭に紹介した武富士事件である。

 

多くの日本人は法律って国民を縛るものだと思っているが、法律の本来の趣旨は政府が無茶なことをやらないために手足を縛るように作られている。

 

そこで国民が無理難題を押し付けようとする政府に対抗するために民法が出てくる。

 

一番簡単なのは親子共に海外に転出して海外の国籍を取得することなのだが、現実問題としてそうはいかない。言葉の問題、生活習慣の問題、様々な壁が存在する。

 

ではどうしても最高税率55%の相続税を払わねばならないのか?

 

決してそういう事はない。戦い方は十分にある。海外に移住しなくても海外相続は可能である。日本国内に居住しつつ先祖代々の不動産を守りつつ出来るだけ税金を安くする方法はある。

 

では何故多くの人が国内法で対応して高い税金を払い苦しんでいるのか?それは多くの日本の税理士が国際(税)法に詳しくないからだ。

 

まず何よりも知っておくべき大事な点は税理士が適用するルールは国税局が一方的に「通達」したルールであり法律ではない。何で法律で決まった事でもないのに強制的に押し付けられるのか?そこに疑問を持つ必要がある。

 

武富士事件が最近の海外相続では一番話題になったが、何故武富士側が勝ったか?それは民法を味方に付けてたからだ。

 

国税局は実に賢く武富士事件で負けてからすぐに相続税法を改正したがそれでも民法の契約自由の原則を変える事はできずにいる。つまり民法が改悪になる前に手続をしてしまえば、つまり契約を締結して実行してしまえば当局は法の不遡及、遡って課税することは出来ない。(税法の場合最高7年遡って課税出来る)

 

香港で仕事を終わらせて定宿で荷物を片付けて「ふー、すんげー長旅だったな、休みなしで約3週間で毎日誰かに会って何か話してて」なんて思いつつふと記憶に出てきたのが東京で面談した海外相続のお客様の事だった。

 

武富士事件では結局法律を知る者が強くいられることを示した。一般の人々にとっては遠い存在である弁護士であるが、弁護士を使いつつ自分の権利を主張していくことがこれからの時代、普通になっていくだろうな、特に相続案件が激増するぞ。

 

しかし激増すると国税局も次々と法律を変えてくる。彼らの法改正の前にできる事をやっておく必要があるのが現実だ。縁起悪いとか言い出し難いなら黙って納税すれば良いだけのこと。

 

僕の仕事は常に当局の一歩前を走り続ける事だ。これをどう思うか、それは皆さんが判断すれば良い事だ。ただ僕は人々が本来主張出来るはずの権利を主張したければいつでもお手伝い出来る。だってそれが本来の人間があるべき姿、自分の家族を守るってことだもん。 



tom_eastwind at 17:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月08日

浦島太郎

ホテルの部屋はカーテンしていて真っ暗なんだけど何故かピタッと6時に目が覚める。これは日本も同じで6時にぴたっと目が覚める、時差があるのに。まさにめざまし不要の体なのか(笑)。

 

これがオークランドだと午前3時と午前6時の2回がよくあるのだがオークランドの冬になると何故か午前7時に目が覚めるとなる。たぶんこれは僕の体が太陽に連動しているのだろう(笑笑)。

 

カーテンを開けて「スコールの合間のような黒雲の天気だな」と思いつつ朝食レストランに行くと綺麗な作りのレストランなのに今朝もあまり品の宜しくない大陸中国人団体。

 

僕はスタッフに案内された端っこの向かい合い二人がけ片側ソファ席に案内されて料理を取って席に戻ると、何と隣に座ってた厚かましそうなおばさんが自分の仲間に僕の席に座らせようとしている。

 

「エクスキューズミー!」とやるとおばさんちらっとこっち見て何も言わずおっさんを反対側に座らせてたが、大陸中国人のこのあたりの精神構造は何十年たっても変わらないな。

 

これが香港人ならこんな方法はせず、僕が席に戻りかけたら笑顔で話しかけて来て「ねえ悪いけど僕は友達と一緒に朝ごはん食べたいのにどうやらスタッフがその事忘れてあなたをそこの席に案内したようなんだ、大変申し訳ないのだけどあなたは一人で食事のようだし良ければ一つとなりが空いてることだし動いてもらっても良いだろうか?」と平気で嘘をつく(笑)。

 

大陸中国人は予約とか指定とかそういう観念が全くないのもあるし理解出来ないのか分かろうとしないのもある、そう言えば1990年代前半の話である。

 

僕が香港に住んでた頃、ある日系企業の社員30名ほどを連れて北京に行くことになった。これはドラゴン航空である。往路のフライトは普通に予約されて普通にグループに指定された席に座った。

 

ところが帰路の北京空港でチェックインしようとすると最初から印刷された搭乗券がある。名前が印刷された席を見るとバラバラ。おいおい俺たちグループだって予約見れば分かるよねって抗議しても全く聞く耳を持たない。ほんとに耳も傾けず無視するのだ。

 

頭に来たけど当時の中国だから仕方ない、搭乗券の座席だけ突合させてお客様ごとに適当にうまくばらして(何せ当時は名前と旅券を照合する事などなかった)搭乗口に行った。

 

さあ飛行機がいつもの如く遅れつつもやってきた。来ただけましかと思いつつ搭乗口にお客様と一緒に並び自分の座席に行くと、、、すでに他の中国人が座ってる。「あのさ、ここ俺の席なんだよね」というと「お前があっちに座ればいいだろ」である。

 

勿論ドンパチやったけど、機内整備員(スチュワーデスと呼べるレベルではない)も何故僕が怒り僕が何を根拠に主張しているのか全く分からない様子。この席は僕が買ったのだ、私人の権利なのでお前が座ることは出来んのだ!そう怒鳴ると彼らも血相を変えたが、ここが常に駆け引きで本気で機内整備員を怒らせると最悪退場、北京残留の可能性がある(苦笑)。

 

これ以上は怒らず座ってる社会主義者の端くれに指を突きつけて座席に置いてあった荷物を放り投げて追い出した。整備員にとっては問題が「整備」されれば良いのだから何もなかった顔でどっか行った。

 

勿論中国のような大国では常に競争でありちょっとでも隙間を空けると割り込まれ座席指定なんてあっても結局権力の強いものがすべて好き勝手にやってしまうのだから、取れる時に取るって国内の発想は分かる。

 

しかしこちらも権利がありそれは主張されねばならないってのはイエ〜リングが「権利の為の闘争」でもはっきりと主張している。権利は、持っているだけでは駄目なのだ、常に主張して守るのだ、日本国内なら「そんな事しなくても」って話だけど中国では通用しないのだ。

 

ちなみに同乗していた日本人のお客様には「よく言ったよね!」と褒め言葉なのか(苦笑)とにかく後日その会社からうちへの仕事の発注量が増えたのは事実だ(笑)

 

朝ご飯は美味しく頂き部屋に戻って夏用のジャケットにビジネスジーンズ(そんなのあるんか*笑)で弁護士事務所のあるセントラルに向かう。おお、このビルまさに香港の中で最も香港らしくてどまんなかのど真ん中にあり、古いけど重厚で懐かしいビルだ。

 

時間通りに到着してどうも受付の机の下で靴を脱いで半分立膝みたいにふんぞり返った女性に来意を英語で説明すると、いかにも香港人女性受付って顔で香港人女性らしい英語であごを上げて「待ってろ」。

 

この人、昭和の時代からこの受付に座ってるんじゃないのか(笑)などと思いつつ受付のソファに座ってると、この事務所は白人弁護士と香港人弁護士がしょっちゅう出入りしてて、中には若い白人弁護士がドアから出てきて僕に向かってHI!だけど、ぼくはあなたの客じゃないよって顔をしたら慌てて隣の会議室に飛び込んで大きな声でHI!と言ってた、はは、忙しい人ですな。

 

受付の女王は相当に地位が高いようで椅子から一切動かずに数名の女性秘書に次々と命令して水を持ってこさせたり会議室に案内させたりしている。そのうち一人の女性秘書が僕の前に来て広東語で「あの、待ち合わせに後数分あるしお水飲みます?」と質問したら受付の女王がそれを聴いてびしっと一言「英語!」。

 

彼女は突然雷に打たれたようびくっとして英語に切り替えたのだけど僕が「どっちでもいいですよ」と広東語で答えるとほっとしたような顔でまた広東語で「もう一人お見えですよね、お二人揃ってご案内します」。

 

今の時代になってもやはり広東語を話す日本人と言うのは不可解な存在なのだろう「俺たちの言葉を俺たちの言い回しで話せる日本人?」てな感じだ。

 

待ち合わせをした今回の企画パートナーと合流すると弁護士も出てきて11月に香港とシンガポールで移住セミナーを開催する事で話をまとめる。後はそれぞれが自分の作業に入ることになる。

 

昼時だったので隣にあるホテル(そう言えば全面改装してから一度も来てない事に気づく)で飲茶しようって事になりレストランのある25階に上がるとかるーく{満席}。あらま、けど隣のバーでランチ飲茶があるってのでセット飲茶を鉄観音茶で頂きつつ現在の日本や東南アジアについていろいろと話す。

 

日本の二極化は東南アジアに飛び出してまさに冒険を繰り返す少数の気合の入った連中と、地元に生れて地元に育ち地元に就職して都会を望まないマイルドヤンキーとに分かれている。これは本当に感じるなー。

 

とか話しつつぼくはふと外を見ると香港セントラルの一番有名な低い建物の上部が竹で囲われて工事中なのが見えた。その瞬間何故か「あ、あの建物、小さく見える」って感じた。子供の頃に観た大きな建物が何十年も経ってもう一回見ると、あれ?小さくてって、あの感じだ。

 

今は香港から広州に新幹線が走ってるって聴いてびっくりした。僕が住んでた1990年代初頭、香港のビジネスマンが深センや広州に入り込んでビジネスを仕掛けた。ところが今は大陸中国人が香港に乗り込んで来てるのだから、30年という単位で物事の変化を感じている。まさに浦島太郎だ(苦笑)。

 

世の中はまさに「諸行無常の響きあり」である。昨日の敗者が今日の勝者になり、それは日本も同様だ。彼と話しながら感じた、戦える、勝てるぞ。直観だ。

 

これで17日間にわたった出張仕事は終わり、今晩の飛行機でオークランドに戻る。9月はオークランドに腰を据えて溜まってる仕事を片付ける予定。あくまでも、予定。もしかしたらまたすぐ日本に飛ぶかも。

 

それにしても今回の出張は実り多かったなー、疲れたけど、一気に市場が広がったぞ。日本と東南アジアとニュージーランドを結びつけるラインが見えてきた(にこ!)。



tom_eastwind at 19:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月07日

Your seat is upgraded !

羽田空港から香港に向かう。朝1035分の飛行機はホテルで朝食を取って空港に向かうには少し早すぎるのでホテルを早めに出発して空港で朝カレーを食べる。ビーフカレーコメ無し(苦笑)。

 

搭乗の準備が整いゲートを通る時にビーって音がして留められた。おれまた何かやったか?と健全かついつもの疑問を感じつつ横で待たされると30秒もせずに僕の搭乗券が破り捨てられた。出国拒否か?とかしょーもない事を考えてるとすぐに新しい搭乗券が印刷されてグランドスタッフがにこっと笑って”Your seat is upgraded ! “

 

あはは、それはうれしいのだけど、日本語で通じるんですけど、、けど旅券がNZ国籍なので彼らからすれば当然のことであろう。特にこの路線は羽田から香港なのでアジア顔でも香港人がたくさん乗ってて彼らはいろんな旅券を持っているのだから無難に英語でやるほうがよい。

 

けどもしこれでぼくが相手の話した英語を分からないとしたら次はどうなるんだろう?まあいいや、とにかく飛行機に乗り込んで椅子に座り右翼系雑誌SAPIOを読む。

 

右翼と言われても発行している本人は自分が正しくて真ん中と思ってるから強気の記事が連なってる。左翼が無責任で言いっぱなしで何の具体的政策もないとすれば右翼は責任感と危機感強すぎで韓国のミサイルが日本を狙う!とか、SF好きの僕からすれば想像力を掻き立てられて楽しいので読んでみる。

 

羽田から香港までの飛行時間は3時間30分くらいか。雨の降る中、台風の近づく香港に向かう。

 

香港に到着してホテルに向かいチェックインしてシャワーする時間もないまま手だけ洗って16:00から香港の弁護士とお客様を入れてミーティング。荒っぽい中国ビジネスで得た大金でNZの投資家ビザが取得出来るか?

 

最初はホテルのカフェで話してたけど広げる書類があまりに多いのとあまりに周囲に晒されてるので途中から僕の部屋に来てもらい静かな環境で話をしてたら1時間の会議の筈が2時間に伸びた。

 

何とかいけそうな案件。50:50と弁護士は言う。僕は8:21年以内に勝てると読む。もっと時間をかければ9割の勝率と予測する。打ち合わせが終わったのが17:55分、彼らをエレベーターに送り振り返るとすでに次の方がソファに座って待ってる。

 

こっちがお客を送ったのを見てたのだろう、あはは、お疲れ様って顔で早速次のミーティングに入る。これは11月に予定している企画の打ち合わせで19:15まで時間がある。

 

必要な事をささって話してお互いの立場を明確にしてそれから隣のホテルの中華レストランに移動。先に来ていたニューヨーク在住のご夫婦と合流して4人で楽しい夕食を過ごす。

 

ニューヨークとオークランドとシンガポールと全然違う街に住んでる日本人が香港で中華料理を食べながら様々な話をする。これは楽しい。お互いに知識の交換をしつつ学び笑い楽しみ、気づいたらもう夜の10時過ぎだ(笑)。

 

今朝恵比寿を出て羽田空港から香港へ、ホテルで2時間の会議やってその後1時間15分の会議やってそのまま隣のホテルに移動して素晴らしい香港の夜景と軽妙洒脱な話題と美味しい食事。

 

ふー、これで自分のホテルに戻りメールチェックして明朝11:00の弁護士事務所での会議の準備だ。よっしゃ、後一日!



tom_eastwind at 23:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月06日

準拠法

   **

2節 法律行為

(当事者による準拠法の選択)

7  法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による。

 

(当事者による準拠法の選択がない場合)

8  前条の規定による選択がないときは、法律行為の成立及び効力は、当該法律行為の当時において当該法律行為に最も密接な関係がある地の法による。

2  前項の場合において、法律行為において特徴的な給付を当事者の一方のみが行うものであるときは、その給付を行う当事者の常居所地法(その当事者が当該法律行為に関係する事業所を有する場合にあっては当該事業所の所在地の法、その当事者が当該法律行為に関係する2以上の事業所で法を異にする地に所在するものを有する場合にあってはその主たる事業所の所在地の法)を当該法律行為に最も密接な関係がある地の法と推定する。

3  第1項の場合において、不動産を目的物とする法律行為については、前項の規定にかかわらず、その不動産の所在地法を当該法律行為に最も密接な関係がある地の法と推定する。

 

(当事者による準拠法の変更)

9  当事者は、法律行為の成立及び効力について適用すべき法を変更することができる。ただし、第三者の権利を害することとなるときは、その変更をその第三者に対抗することができない。

 

(法律行為の方式)

10  法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法(当該法律行為の後に前条の規定による変更がされた場合にあっては、その変更前の法)による。

2  前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。

3  法を異にする地に在る者に対してされた意思表示については、前項の規定の適用に当たっては、その通知を発した地を行為地とみなす。

4  法を異にする地に在る者の間で締結された契約の方式については、前2項の規定は、適用しない。この場合においては、第1項の規定にかかわらず、申込みの通知を発した地の法又は承諾の通知を発した地の法のいずれかに適合する契約の方式は、有効とする。

5  前3項の規定は、動産又は不動産に関する物権及びその他の登記をすべき権利を設定し又は処分する法律行為の方式については、適用しない。

   ****

 

彼が選んだ第三の選択肢については個人的に「いいとこついてるな、さすが最高学府にいる人間だ。地頭いいな」ってすぐ思った。

 

民法においては二カ国間で行われる法律行為は準拠法が問題になる。つまりどっちの法律が適用されるのかって事だ。

 

人を拘束する法律にはいくつか決まりがあり、日本では一番上が憲法、次が外国と締結した条約、それから国内法である。そしてニュージーランドと日本は租税協定を締結しているからこれは条約であり日本の国内法よりも上位にある。

 

さあ、じゃあ今回の案件でこれがどう影響するのか?

 

ここで準拠法の問題が出てくる。一体どっちの法律使うの?議論が始まる。相手は若いといえ法律の条文を読むことが出来る。だから丁寧に「準拠法」を説明しつつ次にこの解釈を適用する危険性を説明しつつ話を続ける。

 

それから大事なのが租税協定である。日本とNZは租税協定を締結しておりこれもA4サイズで80枚位の分厚い書類であるが国内法がどうであれこの条約を優先する必要がある。

 

土地ではなく土地の所有者である会社の株を移転させる。租税協定上は?株式売買による利益分の納税を行えば日本での問題は解決。NZでは?株を買っただけでありその後の契約がローンになってても問題ない。でもって最後はNZの法律を準拠法として債権放棄条項を加えれば出来上がりだ。

 

あまり具体的な事は書けないが日本とNZの法律を理解している人なら僕の作ったスキームは理解して頂けると思う。

 

これが僕が毎日やってる仕事です、はは、全くモノづくりではないけど一応世の中を潤滑に回すための仕事です(苦笑)。



tom_eastwind at 22:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月05日

適用法令

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*適用法令:所得税法第三条、所得税法施行令通則第十五条

所得税法(昭和四十年三月三十一日法律第三十三号) 「第三条第一項」

(居住者及び非居住者の区分)

第三条  国家公務員又は地方公務員(これらのうち日本の国籍を有しない者その他政令で定める者を除く。)は、国内に住所を有しない期間についても国内に住所を有するものとみなして、この法律(第十条(障害者等の少額預金の利子所得等の非課税)、第十五条(納税地)及び第十六条(納税地の特例)を除く。)の規定を適用する。

 前項に定めるもののほか、居住者及び非居住者の区分に関し、個人が国内に住所を有するかどうかの判定について必要な事項は、政令で定める。

*****

所得税法施行令 通則

第十三条  法第三条第一項 (居住者及び非居住者の区分)に規定する政令で定める者は、日本の国籍を有する者で、現に国外に居住し、かつ、その地に永住すると認められるものとする。

(国内に住所を有する者と推定する場合)

第十四条  国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定する。

 その者が国内において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

 その者が日本の国籍を有し、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有することその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が国内において継続して一年以上居住するものと推測するに足りる事実があること。

 前項の規定により国内に住所を有する者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国内に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有する者と推定する。

(国内に住所を有しない者と推定する場合)

第十五条  国外に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有しない者と推定する。

 その者が国外において、継続して一年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。

 その者が外国の国籍を有し又は外国の法令によりその外国に永住する許可を受けており、かつ、その者が国内において生計を一にする配偶者その他の親族を有しないことその他国内におけるその者の職業及び資産の有無等の状況に照らし、その者が再び国内に帰り、主として国内に居住するものと推測するに足りる事実がないこと。

 前項の規定により国内に住所を有しない者と推定される個人と生計を一にする配偶者その他その者の扶養する親族が国外に居住する場合には、これらの者も国内に住所を有しない者と推定する。

**************

 

これが僕が普段やっている仕事の、あまり皆さんにご案内しない内側である。ぼくは日頃普通の人々に分かりやすく噛み砕いてお話するのだけど、その裏側にはこのような難解な法律用語が英語と日本語で常に付いて回ってる。

 

(居住者及び非居住者の区分)という定義を法律上どのように決めているのか、そしてその法令の法的根拠は何か?それを学ぶのが僕の仕事の第一歩である。

 

人間ってこんな事が出来るはずだ、だって人間は誰しも幸せを目指しているのだから、そういう推測を前提に日本とニュージーランドの法律を調べる。出て来るのは上記のような法律、法令、施行令、通達、実にまあ複雑になっておりまともに読んでも何を書いてるから分からない、まるで「外にいる奴には何も教えん」霞ヶ関文学である。

 

そこでこちらは玉ねぎの皮を一枚づつ剥くようにして法文の解釈を行う。そしてこちらの推測を基盤にした解釈を行い、それを関連各所にぶつける。ぶつける相手が日本とNZの弁護士、会計士、税理士、司法書士、税務署、国税庁、金融庁、外務省条約局、まさに多岐に至る。

 

その結果としてこちらの解釈を微調整しつつ各所から「見解」や「意見」をもらって法的に鎧を作り上げて最終的に自分の期待する答を作り出す。もちろんこちらの解釈が「否認」されることも時にはある。但しその時点ではまだお客様に伝えてないし公表もしてないので、次の登山ルートを探す。

 

そうか、南側が駄目なら北から登ってみるか、目指す頂上をずっと見つめつつ、絶対に答はあるはずだ、そう思いつつ技術的に何が可能かを、ない知恵を搾って考える。

 

毎日がそんな作業である。

 

けどお客様は法律のプロではないし一生に一回の移住であるから当然このような背景を知ることはないし知る必要もない。

 

例えて言えばあなたが今晩食べている牛肉のすき焼きの肉が生前は牧場でのんびりと草を食んでいたのにある日突然牛車に載せられドナドナ運転手に連れられて屠殺工場に送られて電気または鉄棒で頭を打ち抜かれて殺されてた牛であるって事は、あなたにはあまり直接関係はない。

 

今日は昨日個人面談をした方から急に連絡があり今日再度会いたいとの事で話をお伺いすることになった。今回はご家族を連れてこられてこの方が非常に賢い方で昨日の僕の話の法的背景を知りたいとのこと。

 

ほー、珍しい人もいるな、そこまで踏み込んで知りたいってのはあまりないぞ、例えて言えば今自分が食ってる牛肉が具体的に「ドナドナされるまで生きてた牛をどう殺してまだ暖かい体温の残る肉や内蔵をどう切り裂いてどうやって小分けして、解体された血の滴る肉体がどのように箱詰めされて卸売会社に届けられるか」を知りたいようなものだ。

ほんとにそこまで踏み込んで知りたいのか?

けど経歴を聴けばなるほど納得出来る。そこで日本の民法における居住者と非居住者の認定の法律の条文をそのまま印刷してお渡しした。

 

そして法令の条文ごとにその解釈を具体的にどういう事なのか説明すると非常に賢い、一発で問題点を見つけ第三の選択肢を見つけ出して僕に質問してきた「こういう方法がいけますか?」

この話、続きます。 



tom_eastwind at 18:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月04日

シニアトラブル

今日何気なしにIcloudのカレンダー見てたら先月の24日から12日間ずっと働き詰めなのが分かった。オークランドから香港経由で東京の移動距離が往復で約1万5千キロ。東京から福岡までの往復距離が約2千キロなのでたった一日で東京から福岡を7往復するようなものだ。

 

でもって香港で1日仕事をして東京に移動して5日、大阪で2日、更に東京に戻って3日目、これから更に3日東京にいてそれから香港で2日仕事してオークランドに戻るのは99日だから17日全く休みなしが続く。今回は東京と大阪はキーウィ弁護士同行で英語だし香港では広東語で仕事なのでその度に頭も切り替えが必要だ。

 

それでも疲れがないどころかむしろ更にやる気が出てるのは、やはり自分が好きで納得出来る仕事をしているからだろう。糖質制限を始めて体調が良くなったのもあるが(笑)元気が出ている。そして実績として5万人の移住に向けて一人づつ居住者が増えていくのはうれしいものだ。

 

時にはトラブルもあるけどそれでも誠意を持って誠実に最後まで対応していく。狭いオークランド、長い付き合いである、絶対に逃げない。そして最後にはお互いに納得出来て以前のような良い関係に戻る。

 

さあよっしゃ、今日も3組続けての個人面談である、気合をいれていこう。

 

そんな気持ちで朝、鏡の前でYシャツ着てネクタイしてスーツ着て再確認。

✔ネクタイ曲がってないな、よし。

✔スーツが皺になってないな、よーし。

Yシャツに口紅ついてないな、よーし!(冗談ですよ、笑)。

 

さて今回日本に来てホテルから外出することが多く道行く人々や外出先の銀行の支店窓口やあちこちで老人を見かける事が東京でさえも多かったのだけど、何となく彼らの顔が、ぼくの感覚だけど「不貞腐れている」人が目立つようになった。

 

交差点の信号で待ってる60代のふちなしメガネをかけてポロシャツをきちんと着こなしてる男性が隣でタバコ吸ってるおっさんに「何やってんだ!ここは禁煙地域だぞ!」と文句言ってる。開襟シャツのおじさんが自転車に乗って車道を突っ走ってバスが思わず急ブレーキ踏んだりしてる。銀行の窓口で若い女性を怒鳴りつけるきちんとしたジャケット姿の60代がいたり。

 

なんかなー、これ。

 

もしかしてこれ、今回日本に来て感じたのが、いよいよ「シニアトラブル」が本格化してきたって事なのか。

 

団塊世代は安保闘争で負けて長い髪を切って日本社会のサラリーマン戦士として厳しい競争をチームを組んで闘いぬいてきた。彼らは常に周囲と同期して車を買うのも家を買うのも会社の運動会も慰安旅行も常に一緒でその会社社会の中で自分の位置づけをしっかりと「言わなくても分かる」状態で生きてきた。

 

ところが世の中は変わった。年功序列もなくなり仕事は成果主義に変更されて、現在の40代からすればゲームのルールを途中で変えられたようなもので「ふざけんな」であろう。

 

それでも団塊の世代は大丈夫、退職金もしっかり貰った逃げ切り年金世代であるから今一瞬は恵まれた世代に見える。

 

ところが今回感じたのは、もしかして彼らの心の中に何かぽっかりとした穴が広がってきてるのではないかって気持ちだ。つまり金ではなく、今まで若い頃から何の疑問も持たずに組織で生きてきた人々がある日突然その組織から卒業した。

 

卒業する前はたくさんの夢、やりたい事があったのに、それがゴルフや旅行だけでは限界がある。60歳で退職しても残りの人生は平均的に25年あるのだ。

 

何すればいーの?

 

今までは組織の中で誰かが常に指示をしてくれたし一緒に働く仲間もいた。共有する意識もあった。酒を飲んでお互いの背中を守り合う友達もいた。ところが退職して組織から外れてみると、自分をどうしていいのか分からなくなる。

 

「そんなはずはない、おれは濡れ落ち葉になるわけない」そう思ってた優秀な人々でさえ、実はそれは単なる自分だけの思い込みだった事に次第に気付かされる。

 

何かやってみよう、退職したらやってみよう、そう思ってた事を退職後全部やってみたら半年でやることなくなった。

 

会社にいた頃はそれなりに部下もいて取引先は頭を下げてくれた。けど今はラーメン屋の若い兄ちゃんにでさえ「単なるじじい」と思われてるんじゃないか、何となくあの店員の態度が俺に敬意を払ってない、気にっ食わないとなる。

 

銀行に行くと娘のような年の銀行員に年寄り扱いな対応をされて「おいこらふざけんな、お前の銀行はうちの会社にいつも取引して下さいって営業に来てただろうが!」と思うが、もう「うちの会社」ではない・・・。

 

何となく、そういうストレスが彼らの中に溜まり始めているのではないだろうか。結局、自分ってのを持つ訓練をしないまま準備不足で卒業してしまった人の苦悩なのかな。

 

日本社会のメジャーがオコリンボになってしまえば、これから日本はすんごいクレーム社会になるだろう。そしてどこかの線でぷっつんが起こり「ざけんなじじい!」運動が起こる。

 

そうなれば数的には強い団塊世代であるが、先に死ぬのは奴らだ!って言う若者の反乱が起こる可能性は十分にある。団塊世代、シニアトラブルはこれから注意をするべき現象だ。

 

これって僕の仕事とは直接関係ないけど、日本では社会問題になるんじゃないだろうか、ふと思った今日でした。



tom_eastwind at 21:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月03日

Black Rain 大阪その3 さえずり

弁護士の彼は好奇心があり東京でもNZの銀行から来たメンバーと英語しか話せないのに六本木に繰り出すようなタイプだ。大阪で個人面談終了後、どっか連れてけーって楽しんでる(笑)。もちろんです!Deep大阪まではいけないがJR大阪駅の三番街の昭和の居酒屋群に引っ張っていく。

 

彼は夕方の人通りの多さにびっくりしてるので「途中で迷ったらすぐホテルに戻れ、そこで再合流だ」と伝えて何とか昭和の三番街までたどり着くと彼はびっくり、Wow!である(笑)。

 

あそこの飲食店はどこもDeepでありつつそれほど柄が悪く無いから外国人でもガイドさえいれば楽しめるレベルだ、飛田や新世界とは違う、安全なDeepである。

 

彼と二人でぶらぶらしつつ、よしここにしようと決めたのが江戸時代から続く「関東炊き」のお店である。カウンター16席、小上がり8席のちっちゃなお店だがフロアで5人位、キッチンで5人くらいのスタッフがいて彼からすれば「何てスタッフが多いんだー」とびっくりしてた。

 

オークランドでは普通このサイズの店ではあり得ない人員配置ではあるが彼らが知ってるのは所詮キーウィワールドであり様々な日本社会の事情など理解出来ない。だからぐちゃぐちゃ言う彼に「うるせー黙れ」と最初に口に押し込んだのがクジラのさえずりだ。ははは、参ったか!

 

関東炊きとはおでんの事で、この店は江戸時代からやってるだけあって旨い!さえずりでさえ徹底的に脂を落としてことこと煮込み更にとろけるほど軟らかくて串に刺して食わせてくれる。

 

彼が「これ何だ?」と聴くとぼくは満面の笑みで「くじら!」ははは!

 

ところが流石に中国人、けろっとした顔で「旨いよね」とか言いながら写真撮ってる。「おい、間違ってもFaceBookUPすんなよ!」「わかってるよ、けど記録に撮って置かなくちゃね」。

 

エキナカの昭和のお店であり列車が上を通過する度にごとんごとんって音がしつつもこの店、時代についていこうとしているようで、何とメニューの英単語帳を作っている。おまけにキッチンスタッフも日本語ながら僕らに「兄ちゃんたちどっから来たん?」と明るく話しかけてくれる。

 

「ぼくらニュージーランドから来ました、ここ美味しいですねー」と話すと喜んでくれて大阪人の人の良さを感じる(嬉)。

 

次に馬刺しを注文する。はは、これまた彼が口に入れるまでネタが何なのか言わない。けどこの馬刺しのレベルが高い!よく冷やして臭みを感じさせないように生姜を使って美味しく食べさせる技である。まさに馬(笑)!

 

彼が「これ旨いね、牛刺し?」って言うから、またもにこーっと笑って「HORSE!」って言うと笑い出して「tomさ、今日君はぼくをからかってる?」と聴く。ううん、全然、すべて本当だよ、君が食ったのはクジラと馬だって言うと彼はもう笑うしかないって顔で「んっまあいいや、ぼく、食べるの大好きだもん」。

 

さすが中国人を祖先に持つ人種である、飯食ってて楽しい。それからも珍しいネタを注文して彼が「いやー、すごいね日本!」と言わせるのはなかなか快感である(笑)。

 

関東炊きのお店を満喫した後、少し大阪駅のあたりをぶらぶらしつつ観光だ。

 

1980年代に制作されたBlackRainというマイケル・ダグラス主演の映画の舞台はまさにバブルどまんなかの大阪であり、まだガイジンがあまり普通でなかった時代、ニューヨークで起こった殺人事件を追って大阪にやって来たマイケル扮する刑事が日本の刑事(高倉健)と手を組み事件を解決する筋書きだ。

 

マイケルの同僚刑事であるアンディ・ガルシアが演じてた場所とかを少し案内しつつ、大阪と東京の違いを説明する。けど僕だって九州の田舎人、両方を客観的に説明することは出来ない。あくまでも「何となく」でしか出来ないが、少なくとも外国人に英語で簡単に説明する程度なら多分問題ない。

 

日曜日だったので北新地の店は殆ど閉まっておりてくてく歩きつついろんな話をする。1980年って昭和なんだよね、でもって僕の知ってる日本は景気の良い昭和で止まっている。だからバブル崩壊後の日本とか少子高齢化ってのも僕の知らない世界だ。

 

あはは、なんだからとりとめのない大阪初日の夜、まさにさえずりでした。 



tom_eastwind at 09:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月02日

Black Rain 大阪その2 ランドバンキング

今日は純粋に仕事の話なので興味のない方は飛ばして下さい(にこ)。

午後3時に大阪に到着した。その後ホテルで早速2件の個人面談を行なう。今回は特に投資移住の方向けに1年かけて最近やっと完成した政府認定の投資先「ランドバンキング」をご案内する。これ、ほんとにチームワークでやっと出来たー。すんごい苦労したけど、チーム作って良かったなって実感する瞬間である。

 

投資家ビザを取得するためには何かに投資をする必要がありそれは政府移民局からの認定が必要である。何でも良いってわけではない。

 

駄目なのは例えば銀行預金、自分用居住用不動産、すでに建設された居住用不動産など。誰も投資で損はしたくない訳でそうなると一番固いのが国債である。しかし新発債はこの時点では買うことが出来ない。既発債の利回りは2%程度だ。

 

ところがオークランドの物価上昇率は3%、肌感覚では確実に毎年5%程度の物価上昇をしているので国債を買うという事は確実に毎年13%の損をするようなものである。「一番固い」ってのは確実に損をするって意味で固いのだ(苦笑)。

 

そこで物価上昇率をカバーしつつ損をせずに固いものは何かとなれば現在のオークランドではまさに昭和40年代の東京のように、土地である。まさに固い(笑)。自分が土地を買いそこに名前を刻む。そして財産を保全する。

 

オークランドの土地価格は物価上昇率と連動している。物価上昇率と土地価格が連動してるのは統計値を見れば簡単に分かる。だから毎年確実に値上がりする土地を買いそこに住宅を建てて4年ほど家賃収入を得て(キャッシュ・フロー約4%税引前)4年後に売却して得る利益(キャピタルゲイン約35%無税)を合わせると最低でも年で7%以上で回る。

 

実際にぼくが現在扱っているランドバンキングの場合、実績ベースですべてのSPV(特別目的会社)が15%以上で回っている。

 

勿論これでニュージーランドに来る移民が減少すれば利回りは下がるだろう、北半球に突然平和が訪れてイラクのイスラム教徒ISISとオバマが握手しつつ二人でタップダンスでも踊ってくれれば良いだろう、しかし現実には北半球はますますきな臭くなって来ており世界中の人々は家族のために安全な避難場所を探しているのだ。

 

そしてそれが現在では原発はなく人種差別は少なく自然が豊かで法治国家で永住権が取得しやすいニュージーランドとなっており更にそこそこの利便性を求めてオークランドに集中しているのだ。

 

10年後の事は誰も分からない。しかし少なくともこれから5年だけであればランドバンキングが一番確実な投資である。何故なら自分の投資したお金はそのまま土地に名前を書き込むことになるからだ。あなたの名前が土地区分所有として存在するわけで何かあっても確実に元本と土地値上がり分利益だけは確保出来る。

 

途中で何があっても土地はある。地震で土地が崩れても政府が全額補償してくれて建物は保険会社が全額補償してくれる。つまり土地建物が政府及び保険会社によって100%保証されているのだから、これほど固いものはない。

 

しかし難しいのはここからで7%確約でベンチマークを叩き出すためにはそれなりの仕組み作りが必要で、これが一番むずかしいところで商品完成までに時間がかかったのだ。

 

オークランドは田舎町であり本当に多くの事がコネクションで決まる。だからこの街で生き残る術はノウハウ(Know How)ではなくノウフー(Know Who)だ。

 

腕の良い地元弁護士と組み腕の良いデベロッパーを選び地元のコネクションで安いうちに土地を仕入れて(地上げ)地元のコネクションで腕の良い建築設計事務所と組み腕の良い大工を集めて地元のコネクションで役所申請もさっさと進めて短期で一気に利益を叩き出す。

 

こういう最適の解であるチームを作るのが最も難しく、だから今回は1年という時間がかかった。

 

時間はかかったがやっとチームが出来上がった。よっしゃ!って感じだ。これで投資家ビザのお客様への対応が出来る。34年間の投資期間で損失を出さず物価上昇率以上で運用出来て無制限永住権に繋げることが出来る。

 

投資家ビザで永住権を取得しつつなおかつ損をしない投資は丁度1980年代までの日本なら東京や大阪の不動産投資であり現在のオークランドでは「ランドバンキング」だ。

 

今時の日本では土地や建物は買った瞬間に値段が下がるのが常識だがオークランドでは買った瞬間に値段が上がるのだ。勿論10年後は分からない。しかし今現在から5年後までを見渡せばこれは確実にいける。

 

今回のチームは移民局や大手銀行、弁護士や会計士事務所も巻き込んでの大きな動きであり参加した皆が平等に、いつ抜けることも出来る状態でありながら彼らを仲間から外れないように調整しつつ全員の利益を配慮しつつ組み立てをしてきた。

 

相当にハードで本当にいろんなトラブルが続いたけど何とか最終的に形を整えてお客様に出せる状態になって、かなりほっとしている。参加している皆さん、有難うございます。

 

またも長くなってしまった。何でタイトルがブラック・レインなのか、明日のブログで書きます、はは、たいした話ではありませんが)苦笑(。



tom_eastwind at 10:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2014年09月01日

Black Rain  大阪その1 クリスチャン

昨日はキーウィ弁護士と一緒に東京から新幹線に乗って大阪に移動する。とは言っても彼は中国系フィリピン人でどちらかと言えば中国人の文化を重視している。

 

昔の日本人のように家族を大事にしているので大人になってもまだ両親と住んでるがもうそろそろ結婚しろと圧力を受けているようだ。「早く結婚しろ」結婚すれば「いつ子供が出来るんだ?」子供が出来れば「いつ二人目が出来るんだ?」とにかく個性はあまり尊重されない(苦笑)。

 

更に家族は最終的には血縁大家族主義であるから枝葉に分かれた家族の上に宗家、本家、みたいなのがあるから集簇?宗簇?みたいになっていく。

 

そして次に地縁があり村の長が出てきてムラ共同体に繋がる。こういう仕組みでその上に更に大きな村同士の寄り合いがあってって感じで各段階で上に向かった忠誠心が要求され個人の権利(わがまま?)は認められず、最終的に個人の集まりである民主主義否定に繋がるのか(笑)?中国に民主主義が根付かないのもそれが理由か(苦笑)。

 

2時間半の移動の新幹線で雑談の中でたまたま宗教の話が出てきた。彼はあまり敬虔ではないがクリスチャン、日曜日は教会に行くとのこと。そこで僕に「ところで君は宗教があるのか?」と聴かれた。よくある話だ。

 

僕は相手によって言い方を少しづつ変えて相手に理解しやすく説明することを心掛けているが相手が彼のようなクリスチャンの場合は「僕にも神がいるよ、けど君らのように教会という媒体は必要とせず、僕のすぐ後ろにいる神と直接対話しているんだ」と話す。

 

そして「ところで君の信じる神って3人いるのかい?それとも一人、ヤファエだけ?」「僕の記憶では古いキリスト教や兄にあたるユダヤ教や弟にあたるイスラム教では偶像否定、教会否定をしている。なのに何故君は神との対話にわざわざ教会という媒体が必要なの?」と聴く。

 

案の定「ほう、それは面白い考えだな」って返事が返ってきてそこから明るい雰囲気でキリスト教の話をする。

 

彼らからすれば所詮は日本人、クリスチャンの事なんてクリスマスくらいで後は大した事は知らないのだろうくらいだが教会を媒体と指摘してユダヤ教やイスラム教のような明確な一神教に比べて実はキリスト教は長い歴史の中で信仰の対象が3つあるって指摘をすれば当然彼らも興味を持って個人的に話してくれる。

 

ただしこのような話はトラブルになりやすい。初対面の人と絶対に話してはいけないのは旅行業界では政治と宗教と野球!で添乗中に出てきたら絶対に避けるのが基本だ。どれも感情的になりやすいネタであり相手の政治思考と信仰と応援してるチームを知るまでは話題にしないのが鉄則。

 

ちょっと話はそれるが野球の話を書こう。昔、まだ20世紀だった頃オークランドの旅行業界でよく飲み会の集まりがあった。その時日本から駐在で来てたある会社の支店長が名古屋出身だった。豪快で楽しい人で酒が入ると更に賑やかになる。

 

僕は野球に全く興味がなくセリーグとパ・リーグの違いも分からにほどだがその年は福岡のチームと名古屋のチームが日本一を争うことになった。その時ぼくは東京出身の他の支店長に何気なく「今年は地方同士の試合ですね」と何気なく言ったら名古屋出身のその支店長、急にこっちを振り向いて「ふざけんな!名古屋が日本の真ん中だー!中日てのは日本の真ん中って意味だー!何と思ってるんだ!」と怒りだした(笑)。やはり鉄則は守りましょう(苦笑)。

 

宗教の話に戻るとこういう話はビジネスとは全く違うプライベートな話であり彼からすれば僕が持つ全然違う部屋に入り込んだ感じだろう。

 

相手の話を否定せず同時に自分の個人的な考えを伝え、お互いに相手の気持ちを忖度して仲良く過ごす。和して同ぜずだ。これからも良い関係を保つ為にも伝えるべきことは伝える。

 

同時に、既に相手の個人的な気持ちは分かったので今後の付き合いでも気をつけるポイントが分かる。結局こういう話をしつつお互いに相手の見えなかった部分が見えてきて少しづつ個人的信頼関係が構築出来てそれが仕事をする上での潤滑剤にもなる。

 

これが香港であれば広東語を使って香港人を笑わせて次第に近い関係を構築していく。ぼくはいつも移住先の落下傘降下でこうやって少しづつ仲間を増やして生き残ってきた。それが今では香港もクイーンズタウンもオークランドも日本にもそれなりにチームが出来上がって有機的に活動している。それが今回の大阪出張にも役立つことになった。

 

長くなったので大阪その2は明日にします。



tom_eastwind at 20:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌