2015年03月

2015年03月30日

新年度に向けて

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[東京 30日 ロイター] - 4月1日で消費税率8%への引き上げから1年が経過するが、政府部内では早くも10%への引き上げ時の景気落ち込み対策が水面下で議論されている。

8%増税で想定を超えた長期間の影響が出た点を踏まえ、一定規模の経済対策が欠かせないとの声が浮上。同時に財政目標の進ちょくを点検する中間評価を2018年にかけて実施し、目標達成が困難なら富裕層向け所得税や相続税の引き上げ検討を主張する声も政府部内で出てきた。

 

<想定超え長期化した8%増税の後遺症>

首相官邸や内閣府関係者などには、8%への消費税率引き上げ時に想定を超えたショックが日本経済に走ったと分析する見方がある。10%への引き上げ時には、この経験を踏まえ、慎重に政策対応すべきとの意見が広がりつつある。

複数の政府関係者によると、17年度に予定されている10%への消費税増税に合わせて経済対策を実施し、景気の落ち込みをできるだけ回避する政策対応が検討されている。

昨年の消費税引き上げにより「国民が消費税にものすごく敏感だということがわかった」(政策当局者)といい、政府内では物価の上昇がもたらす消費不振のマグニチュードが確認できたとしている。

次の消費税引き上げ幅2%は、昨年の3%よりも小幅とはいえ、先の複数の政府関係者は、経済対策が必要との認識が政府部内でほぼコンセンサスとなっていると述べる。

 

<消費税10%、安倍首相はそこから上げない覚悟>

問題は、その後の景気情勢と財政状況だ。政府関係者の1人は「消費税は安倍晋三首相の意向もあり、10%以上には上げない覚悟。しかし、最後に歳出と歳入を合わせなければならない。歳出カットか歳入を増やすか、選択しなければいけない」と指摘。安倍政権としての軸足の置き方を検討していると話す。

その関係者のシナリオは、10%への増税後にしばらく時間をかけて景気への影響を見極め、18年にかけて財政健全化目標の達成状況について中間評価を実施。困難な見通しとなれば、追加策を検討する──としている。

 

今年2月に経済財政諮問会議で公表されている財政健全化の基本フレームでは、中間評価について、目標達成が難しければ「歳出、歳入の追加措置を検討し、20年度の財政健全化目標を確実に達成すべき」としか記されていない。

別の政府関係者は「まだ文章に記されていないが、歳入増は他の税目の引き上げも選択肢になるのではないか、という議論になる」と語る。

政府関係者の間では、追加の増税対象として相続税や富裕層をターゲットにした所得増税などの案が水面下で検討され出した。

 

<赤字改善しなければ、大胆な医療費削減検討も>

歳出カットよりも成長による税収増に軸足を置きたい安倍政権としては、産業競争力会議で検討されている公共インフラの民営化(PFI)や、医療分野への民間参入に期待したいところだ。

だが、これらの成長戦略が思うように効果を発揮しない場合や、今後の景気動向によっては税収が期待ほど伸びず、財政健全化目標に全く到達できないというケースも出てきそうだ。

そのケースでは、歳出面で最もウエートの大きい医療費に大胆なメスを入れないと、歳出と歳入のギャップは開いたままになるとの厳しい意見も政府部内にはある。

 

(中川泉 編集:田巻一彦)

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「まだ文章に記されていないが、歳入増は他の税目の引き上げも選択肢になるのではないか、という議論になる」と語る。

政府関係者の間では、追加の増税対象として相続税や富裕層をターゲットにした所得増税などの案が水面下で検討され出した。

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素直にそのままに出て来ましたね。まずは相続税増税で消費者を納得させて返す刀で消費税増税、これで消費が冷え込むので次はまた富裕層たたき。そして2017年には再度消費増税。2020年に向けて国民を分離統治しつつ増税し、けど自分たちは離れですき焼き構造は何も変わらない。

 

支出内容のおかしな部分には一切触れず「国は90兆円必要だ。出せ、でなければ社会保障を削るのみである。けど歳出の中身や薬価や建設費用なんて聴かないでね」である(苦笑)、ほんとに素直だ。

 

来月から新年度が始まりいろんな省庁が駆け引きをやって権力争いをするのだろうが、日本政府の他国政府に比べて有利な点は、国民をどれだけ痛めつけても絶対に逆らわない「長いものには巻かれろ」精神が徹底していることだ。



tom_eastwind at 17:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月29日

リー・クワンユー逝く

僕の尊敬するアジアのリーダーの一人であるリー・クワンユー元首相が亡くなった。

 

ぼくはクイーンズタウンに住んでいた1980年代後半に一度だけ見かけた事がある。彼がニュージーランドを訪れた際についでにって感じで観光に来たのだ。(そう言えばクリントン大統領も現役時代にクイーンズタウンに遊びに来てた)

 

クイーンズタウンでの運転手が僕の仕事仲間だったためにいろんなこぼれ話を聴かせてくれたものだ。

 

その後1990年代に香港に住んでた時シンガポールに出張に行くと何だかすごい違和感があったのを覚えている。街中が賑やかで人も優しいのだが何か違う・・・。

 

ウインドサーフィンをしようと思ってレンタルを探して東海岸に行った時のことだ。道具を借りてさあ出ようとすると店員から「あ、ここから右には行かないでね」と言われた。何でだろう?サメでも出るのか?サメに境界線はないよね、遠くに浮かぶ輸送船まで行くわけじゃないしなー。

 

そこで「どうして?」って聴くと最初は「うん、決まってるから」何で決まってるの?と聴くと二回目は質問の意味が分からないような顔で「だって、決まってるんだよ?」と、まるで決まってることに疑問を持つ僕の方がおかしいって顔になった。

 

当時の香港は中国返還も決まっていたが何でも自由だった。誰が何をしてもよい。例えばネイザンロードを一本奥に入った路地の道端にちっちゃなパイプベッドを置いて3人が交代に寝ては仕事に行っても構わない。ダイアモンドヒルの貧民窟で近くの電柱から電気を引いてきてトタン屋根の下で地面がむき出しの家に住んでもよい。誰も何にも干渉しないしすべての行動にはその人なりの理由がある。

 

だから「決まってるから」で終わることなど何もない。最後の総督となったパッテン総督の可愛がっている犬が一時行方不明になった時など誰もが普通の顔で「食われたんじゃねーか、ウマそうな顔してるじゃねーか」だった(笑)。

 

両方の国を見比べてみて何が違うのか?その時に感じたのは「シンガポールって結局完璧な独裁国家なんだ」ってことだ。その後シンガポールが「明るい北朝鮮」と呼ばれるようになり21世紀に入り年に数回シンガポールを訪問することになったが、地元華人、それもリー・クワンユーに近ければ近いほど何もせずにカネだけ手に入れる仕組みを見た時も「おー、よく出来た収奪システムだー」と思ったものだ。

 

なんつか、いやらしさがない収奪なのだ。だからなんつかそれほど心理的抵抗がない。人々も頑張れば高い収入を得られる。けどそれはあくまでもリー・クワンユーの作った仕組みの上でしか認められない。根本的に自由がないのである。

 

けれど「自由が何だ?自由が飯をくれるのか?自由が女をくれるのか?自由が何をしてくれるんだ?自由なんて犬に食わせてろ、おれは自由なんて要らないい、政府の言うことを黙って聴いて飯を食って女を見つけるんだ」と開き直られたらどうしようもない。

 

リー・クワンユーは彼の出来る限りの能力を使ってシンガポール国民に食い物を与え結婚出来て子供が安心して生活出来る社会を作った。それ以上に何が欲しい?

 

僕は個人的にはシンガポールに住めない。自由は僕にとって食い物より大事なのだ、食い物は自己責任で見つける、だから政府は俺の生活に干渉するな、である。

 

けれど考え方の違いはあるがリー・クワンユー元首相の栄誉は讃えたい。彼は戦後アジアの最高の指導者の一人であった。

 



tom_eastwind at 15:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月28日

言語学

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【ウェリントン】ニュージーランド統計局が19日発表した201410-12月期の国内総生産(GDP)は前期比0.8%増と拡大基調を維持した。前年同期比では3.5%増加し、世界的な金融危機が発生する前の20077-9月期以来の伸びとなった。

 10-12月期のGDPは、ウォール・ストリート・ジャーナルが12人のエコノミストを対象に行った調査の中心予想(前期比0.8%増、前年同期比3.4%増)とほぼ一致した。

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本格的に景気回復、というよりもリーマン・ショックの影響が北半球ほど強烈ではなかったので何だかずっと景気が良くて2008年はちょっと速度が落ちたけど2010年頃から速度が上がり始めたって肌感覚である。

 

しかし北半球、とくに米国のような大国から見れば景気の良いニュージーランドだけどよくお笑いネタにされる。別に米国のようなリーマン・ショック起こした貞操観念のない国に笑われる事もないものだが(苦笑)。

 

また現在は自動車のサブプライムローンが大きな火種になり始めて、これは2年ほど前から指摘されてきたが返済能力のない人に車をローンで売り銀行はそのローンを束ねて投資会社に売り投資会社はそれを個人投資家に売りって、リーマンショックの時と全く同じ手法が再現されている。それはいいのかい?って感じであるが。

 

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これは、言語学者たちの手法でもある。彼らは、何が「正しい」用法かを記している規則本を持っているのではなく、ネイティブや流ちょうなノンネイティブの話し手が実際にその言語を使っている例を精査する。一般的に使用されている用法(あらゆる用法ではなく一般的な用法)は、それゆえ文法的に正しいのだ。

 

 知識をひけらかすペダンチックな人によって提起される文法的な規則は、決して実際の文法規則ではない。それらの規則はせいぜいのところスタイル的な慣習にすぎない。例を挙げるなら二重否定の使用だ(ローリング・ストーンズの「I can’t get no satisfaction」)。それは完全に文法にかなっている。意味を強調する用法だ。われわれが「標準英語」でこのような形式の二重否定を使わないのは、単に慣習にすぎない。

 

 その他のペダンチックな規則には、有害な民間伝承のたぐいもある。例えば、分離不定詞は誤りだとか、前置詞で文章を終わるのは誤りだといった信仰だ。われわれはそのような用法を完全に許していい。一部のえせ学者たちが心配するように、項目のリストを挙げ始める際、「firstly」と書くべきか、あるいは「first」と書くべきかについてなぜ思い悩むのか。どちらも正しいのだ。

 

 正統なバリエーションの範囲は、皆さんが想像する以上に広い。そう、皆さんは文全体を修飾する副詞として「hopefully(望むらくは)」を使っても良いし、「they(彼らは)」を単数総称代名詞として使っても良い。また「between you and I(あなたと私の間で)」と言ってもよい。えせ学者たちはこのような構文を禁止すべきだと主張するが、その主張は一般的な使用法という証拠によって支えられていないのだ。

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キーウィ英語ってのもよく笑いの種にされる。キーウィが米国のバスケットボールチームに参加しているのだが、先日のニュースでやってたのがキーウィが地元オクラホマなのかな、テレビ番組に出ていろんな話をしていたのだがすべて画面の下に字幕が出てた事だ(笑笑)。

 

キーウィ英語のアクセントは米国人の巻き舌アクセントからすればお笑いの対象にされるようだが、別にキーウィが日本語話しているわけじゃなし、せいぜいが東京弁が東北弁を笑うくらいだけど、それでも米国のお茶の間の皆様にはオオウケのようだ。

 

だったらむしろ日本のテレビ番組でカタカナ英語ばかり並べて文章作ってる連中の声をそのまま米国人に聴かせてみればいい、もっと笑えるから、てかびっくりするだろうな、発音と意味するもののあまりの乖離に(笑)。大柴って人の英語の名前、米国人の前で言わない方がよい(笑笑)。

 

オーストラリア人の英語もよくからかいの対象になる。よく使われるのが” I came here today” “I came here to die”である。「ぼくは今日来た」という最初の文章をオージーが発音すると後者になるのだ(笑)。

 

それとか米国のお笑い番組にキーウィが双方向テレビを使って出演した時の事だ。アナウンサーが「ほー、最近キーウィの出演者が多いね、君で二人目だ。で、ニュージーランドには後何人残っているんだい?」



tom_eastwind at 14:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月27日

少子高齢化は問題なし。

朝早くベッドの中で考え事をするのは効率的だ。体を一切動かさないのですべてを意識に集中出来る。

 

昨日書いた三世代移住の事も含めてこれからの日本を考えてみた。そしたら少子高齢化は問題なしって答が突然飛び出てきた。そのキーワードは「答えのある問題」だった。

 

日本の官僚の能力の高さは誰もが認めるところだが何故彼らが「時々派手な失敗」をするのか。そこを考えつつ現在の日本を考えた。

 

戦後の官僚の得意とするところは「答のある問題」を解くことだった。つまり予め答が分かっててそこに行く道をどう創るか?これが官僚の技術でありその点において実に素晴らしい結果を出した。

 

米国と大戦争やって東京を焼け野原にされて300万人が死んで挙句に占領されて憲法まで押し付けられて、それでも日本は米国のやってる事を見て繊維とかトランジスタラジオとかテレビとか真似して作りあっという間に米国に追いついた。ここポイントで要するに米国という正しい答がある中でどうすれば最適解が得られるかという点で官僚は頭良かった。

 

1960年代からうまいことやって世界中に日本のラジオを売り込んで当時の首相は欧州の大統領に「ラジオのセールスマン」と言われた。けど今の時代はその欧州でさえ国家単位で民間商品売ってるからあの当時の欧州の大統領、多分貴族出身だったのかな(笑)。

 

日本が失敗したのは答のない問題に突き当たった1980年代である。当時の日本は米国に追いつき追い越せであり実際に追いついた。あれ?追いついてみると「さてどうしよう?」となった。

 

こうなると官僚たちは弱い。何故なら答のない問題を解答する能力がないからだ。その後の失われた20年は皆さんご存知の通り。

 

ただ今の時代の現場官僚の運の良い点は長い不況を抜けて問題点と答が分かっていることだ。だから間違いなく正確確実に解を導き出す。日本は現在不況である。少子高齢化である。これを立て直して好況で労働者がいて納税してくれる政府をどう創るべきか?

 

そうなると答は簡単だ。まず労働者を創る。一昔前までは60歳定年だったのを65歳にする。そして更に5年くらいしたら次の定年を70歳にする。こうすることで現役労働者は退職せず引き続き働くことになる。もちろん賃金は低め、ここポイント(笑)。

 

次に社会の半分を占める女性を労働力として呼び戻す。ここ、今までは戦前の古い石頭連中が「女は子作りじゃー!」と言ってたのを戦後世代が「殿、ご乱心召されるな、世の中は変わっております」で大きな政策変更が行われた。女性の雇用問題についてはスマートシティやフレックス勤務で解決できる。厚労省と総務省が双方の利益となれば喜んでやってくれる。

 

これだけで労働人口は倍増する。つまり少子高齢化は日本にとっては老年世代の定年取り消しと女性の雇用促進でカバー出来るとなる。社会全体はシニア世代が余裕のある仕事をして他人のお孫さんの面倒を見て最後はピンピンコロリの生き方を実践出来て、何かそんなのが見えた。

これ、面白いので続く。 



tom_eastwind at 14:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月26日

三世代移住

富士の金太郎で三世代移住を中のご家族と昼食会。70代のご夫婦と娘家族に孫二人。最高年齢差70!それでも子供はおじいちゃんが大好きなようで前回お会いした時は子供がおじいちゃんの背中に這い上がってた(笑)。


居酒屋と言っても元々は日本航空の機内食を作るレストランが運営していたので雰囲気は高級で格は手頃な居酒屋価格なのでシティのビジネスマンがよく利用している。最近は中国人ビジネスカップルも何故か多い。その中で三世代が集まって約10名で食事をしている雰囲気は周囲と違ってるが、もしかしてこれが定着してくるかもなどと思う。

 

現在60代から70代のビジネスマンは日本の高度成長を経験してモノを作れば何でも売れる時代を経てバブルに突入、その頃に不動産で成功、または不動産に手を出さずに本業だけで一生懸命頑張ってた人はバブル崩壊後も生き残りその後の長いデフレ不況では手元にある現金資産が実質的に増えていったので結果的に子供たちに財産を残すことが出来た。

 

ところが21世紀になり日本政府がその本性である全体社会主義に向けて動き出しここ数年で次々と法制化された。

 

まずは出国税の導入である。これは財産を外国に逃がさせない囲い込み政策である。次に今年末のマイナンバー制度で個人の財産を全部洗い出す。まず社会保障から始まるが次に銀行口座の名寄せを行う。そして住民票と戸籍謄本まで紐付ける事で個人情報が全て把握出来る。

 

ここまでが2018年頃までに終わるだろう。その後に導入されるのが財産税である。一定の財産(例えば2億円とか)以上を持っている場合、超過する部分に対して高額の課税をする。

 

同時に一般市民向けにはを銀行税を導入する。銀行に一定以上のお金を入れていると毎年5%程度課税をするというものだ。お金を消費に向かわせる意味がある。そして消費税の増税がお次に来れば2020年ころには政府のプライマリーバランスは黒字化する。

 

注意すべきはむしろ資産を持っている家庭ではなく資産を持っていない家庭である。給料は上がらず物価が上がり消費税が上がり銀行税が課税され健康保険や介護保険は値上がり受給額は減少して可処分所得は減少、まさに「鵜飼いの鵜」状態になる。

 

これを唯一解決出来るのは賃上げであるが毎年増える負担をカバーするほど賃金が上がるだろうか?

 

こう考えれば実は政府の一番の狙いは日本国民の95%を占める一般国民なのである。つまり国民の個人財産を保護するという憲法はあくまで米国に押し付けられた憲法であり本来の日本国とは全体社会主義であり個人が財産を持つ必要はない、すべては国家がコントロールして再配分するのだ、だから黙って働けである。

 

日本の苦しかった戦後を生き残り政府がどれだけ悪いことをするかよく知っていて高度成長を経験しバブルを経験した人々は政府の怖さをよく知っている。自分たちは大丈夫、戦っていける。けどこの子供たちは日本政府と戦うことなど難しい、資産管理も大変だし孫になればまさに子供であり彼らの将来を考えたら今のうちになにか手を打っておく必要がある。

 

そういう危機意識を持ったシニア世代が動き始めている。

 

今日は三世代で食事をしつつ子どもの教育や住宅環境について説明をする。おじいさんはすでに永住権を取得しており現地の事情はよく分かっているが子供たちはまだ良くわかってない。なので僕らが具体例を挙げつつ話を進めていく。

 

ニュージーランドの学校で芝生のない学校はない、それもラグビー場くらい広い芝生が極普通であると説明すると7歳くらいの子供が「ぼくの学校、校舎の天井で遊んでるよ」だって(笑)。

 

父親からすると子供たちはこれからの日本で強く生き残っていけるのか?今のうちにこちらに来てもらい一緒に住んでくれれば生活保障は出来る、日本で生活をするには無理があってもニュージーランドなら何とか楽しく生きていける、そう考えているのだろう。


この店でぼくは和牛ハンバグランチを注文。ニュージーランドで和牛を食える時代になり、ニュージーランドで生活をする日本人が増えたなーと思いつつ柔らかで美味しい和牛ハンバーグを楽しむ。



tom_eastwind at 09:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月25日

リテラシー

 

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「楽天市場」で11万件やらせ投稿 表示順位を操作? 請負業者を提訴

http://www.sankei.com/west/news/150321/wst1503210019-n1.html

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ネットの口コミが出て来た頃からつきまとっていた問題でいまさらと思うが、これは小学校から高校くらいの間に学ぶ日本語教育と親が教える日本語のリテラシーの低さが根幹にあると思う。

 

ちょっと話の穂先を変えるが「振り込め詐欺被害」が多いのが東京で、少ないのが大阪と鹿児島というデータがある。島根の事はよくわからないので割愛するが。

http://www2k.biglobe.ne.jp/yano/man7.htm

 

大阪は商人気質であり「そんな簡単な詐欺には引っかからん」というお金に関するリテラシーが高いのだろう。子供の頃からお金の教育がきちんとなされているという証拠であると推測出来る。これ実は香港人も同様の気質がある。普段はびた一文も使わず酒も飲まず、けど結婚式では平気で最高のブランデーを振る舞う。お金の使い方にメリハリがある。

 

続いて鹿児島であるが、薩摩藩の国民性は一般的な日本人とは見事に違う。同じ九州人として僕が目の前でいろんな薩摩人を見てきたがそこに共通するものは沈着冷静でありながら一度燃えると死ぬまで戦い死を恐れない文化、そして相手が例え身内でも間違っていると思えば「お前、死ね」と言える心構えである。これは生き方としてのリテラシーの高さがあると思う。

 

何も振込詐欺ですべてが決まるわけではないが、リテラシーの一つとして日本語理解能力がある。常に文字を読み意味を理解しようとして語彙を増やしていくうち次第に「あれ?なんかこの日本語おかしいぞ」って気づくようになる。

 

例えば匿名で悪口の書き込みで推測を基礎にして誰かを批判するなんてあり得ないわけで「Aは痴漢のようである。痴漢は悪い事である。だからAは悪い」という理屈がおかしいのは普通に日本語を理解できればわかることだがネットの書き込みではこういうのが普通にまかり通る。まさに便所の落書きだ(笑)。

 

またはキチガイみたいに感情的な文章ばかりで「あいつ馬鹿だ、あいつキチガイだ」と連呼するがその根拠が全く示されてない場合も同様だ。

 

逆に楽天のある特定のお店に良い評価が入った場合でも「この商品、素敵そうですね。こんな良いものってないですよね、すごいです、ほんとに気に入っちゃいました!」要するに自分が使ってないのに良い評価を書くこと自体の矛盾がそこにある。

 

日本語の書き方は決まりがあり、その決まりを曖昧にしたまま話をしているといつの間にか「絶対にダメだと思います」となるが、これって「絶対にダメです」なのか「ダメだと思います」なのか曖昧になる。

 

勿論日常会話としては絶対の意味を薄めるために「思います」と付けることはあるが本来「絶対」と「思う」が同居することが絶対おかしい(苦笑)。言葉は時に連れて変化するものだから時代によっては「絶対良い」もあるだろう。但し単語の利用方法と文法は別である。

 

実際に無記名の書き込み等を読むと明らかにリテラシーのない、最初から「これ、おっかしくない?」というのが普通に転がっている。

 

文体の問題ではなく内容が意味不明か矛盾を抱えるかものすげー単なるキチガイの怒りだったりする。ところがリテラシーが低い方々はこのあたりを読み込んで「はい、これゴミ」と区別することが出来ない。だもんで書いたものをそのまま信用することになって自分がバカを見る。

 

「だってー、楽天の評価が高かったんだもんー」と信じて損をするのは自分である。ネット時代になったのだ、少なくともリテラシーを持たないと自己防衛出来ない。



tom_eastwind at 16:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月24日

クリケット世界大会開催中

月曜日は外部の会議が2件続きどちらも重い内容なのでない知恵を絞りながら発言していく。

 

最初の会議は日本語ベースで今手がけている小型M&Aのデューデリジェンス(資産調査活動)だ。買収した日から発生した売上、費用をB4Afterで仕分けしていくことで資産と負債がどちらの所属かが分かる。

 

会議に参加しているメンバーはそれぞれ違う会社を代表して来ており仲間内会議ではないので使う言葉も選ぶ必要がある(笑)。「おまえ真性のバカかー!」とか、「何言っとるんじゃあふぉー!」とかは禁句であり「この数字はこのように解釈すべきではないでしょうか」とか「それは少し認識が違うのではないでしょうか?」とかに言い換える必要があるのだ(苦笑)。

 

玉ねぎの皮を剥くような仕事を関係者全員のバランスを考えつつ終わった頃は結構脳みそが疲れる。

 

日本人同士の会議ではやはりお互いに言葉が通じるだけに「言い間違い」は失態である。けれど英語の会議であれば僕はネイティブではないので間違っても相手は文句を言えない。

 

これは僕がクイーンズタウン時代に英語で苦労した際に覚えたことだが分からないふりをして言いたいことを言うという技術もある(笑)。Are you ugly?,  (Are you agree?),  とか彼女の名前はクエアー(クレアー)だとか(笑笑)。ちなみにクレアーとは女性の綺麗な名前、クエアーとはこちらの言葉で変態を指す(苦笑)。

 

その後13:00からの会議は英語ベースでランドバンキングの定例ボードミーティング(経営会議)。半年ほど前に始めたばかりだが全部で15軒のうち最初の3軒が3月末から4月上旬には売却予定で投資して半年後に資金の戻りだから滑り出しは上々だ。

 

このビジネスモデルは通常のBuy&Hold(買って保有)とは違う。ムダのある土地を見つけてこれを1つの土地として買い取り広い土地に3軒しか家がなかったのを10軒くらい建ててすぐに売却するモデルである。

 

例えば3軒の家を合計3億円くらいで買って市役所から土地の利用許可を取り3ヶ月以内に10軒程度の家を建てて7億円で手放す。そこで入ったキャッシュで更に土地を見つけて買い取りってリボルビングビジネスである。お金が短期間で何度も回るのでBuy&Holdよりもビジネスモデルとして効率が良い。

 

投資家からしても不動産という現物があるから万が一何かあっても自分の土地がある。株などと違い資産がゼロになることはない。このビジネスでは土地価格が大体60%程度であり建物が40%、つまり最悪の場合自分で建物を壊して新しく住宅を建てて売却してもよいのだ。

 

但し言うは安し行うは難しで現実には様々な問題が出てくる。何よりも難しいのはBoard Directorとして司令塔になり投資家から現場の大工まで関係者全員がうまく利益を得て仕事を回していける環境作りである。

 

そしてこのビジネスモデルは「現在のオークランド=地価上昇、人口増加」だから成立するモデルであり衰退する街(地価減少、少子化)ではあり得ない。つまり今しかない。10年後に存在するかどうかは誰もわからないのだ。

 

この会議が終わったらすでに14:30であり街に出るとあいも変わらず賑やかである。

 

とくに街では先週から続くクリケット世界大会で大賑わいである。会議参加者のキーウィがエレベーターの中で「先週はクリケットがすごかったよねー!」と話しかけて来て「あ、ごめん、昨日は天気良くて奥さんとドライブしててさー」と正直に言うと彼、黙りこんでしまった(苦笑)。スポーツって難しいですね(笑笑)。

 

実際にキーウィのスポーツ好きはほんとに大したものだ。こんな小さな国なのに少年少女が子供の頃から慣れ親しんでいる。特にラグビー、ヨットは世界トップクラスでありボートやゴルフ(リディア・コー)は世界でも強く、テニス、サッカー、野球もこれから伸びてくる。

 

ところがこの国に移住して来た多くのアジア人の親は子供に「あんたを学校に通わせてるのはあたしが出来なかった子を叶えるためよ、スポーツなんてその中にはいってないわ!」とばかり、ひたすら音楽や数学や、要するにインドアの「お洒落な」趣味を押し付ける。子供は泣き泣きバイオリン弾き(笑)?

 

このあたりの各家庭の事情は分からないが、とにかくひとつの現実として僕の息子の通ってた学校ではスポーツをやるのは白人学生、インドアはアジア人学生と見事に分かれてたって事だ。

 

キーウィからすれば週末にクリケット世界大会が開催されているのに見に行かないってのは、まるで親の結婚式にでない子供のようにみえるのかもしれない(順番逆か普通、苦笑)。

 

クリケットは週末から今日にかけても昼から会社を休んでシティの公園の巨大スクリーンにカウチを用意して楽しんでるキーウィがたくさんいた。仕事よりクリケットが優先出来る国・・・。

 

そう言えば思い出した。1980年代の博多では山笠の時期になると立派なスーツを着たビジネスマンが午後からハッピにふんどしに着替えて山笠を担いでいたなー、あれと同じか?今の山笠はどうなんだろうな。



tom_eastwind at 18:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月23日

ゼロ・トーレンス「又はトレランス」(zero-tolerance)

日曜のオークランドはまたも爽やかな天気で、ほんとに空が青い。こんなに気持が良い日は奥さんの車でドライブがてらニューマーケットのジャパンマートへ買い物に行く事にした。

 

最近のニュージーランド警察は速度違反に対して「一切の容赦なし(ゼロトーレンス)」政策を取っており例え1kmでも速度超過したら即時OUT。青空の下随分たくさんのパトカーが出回っているねーと二人で笑ってた(笑)。

 

そしたら自宅を出てノースコートあたりの広い道に出たとこでいきなりパトカーが2台止まっててアジア系の若者が(スピード違反かな)切符を切られておりもう一人の警官はスピードガンで高速道路から降りてきた車列にレーダー飛ばしてた。

 

これを観てた奥さん、ニコニコしながら「警察って儲かるね」。ぼくは「日曜出勤だから手当が付くんじゃない?」なんて二人で馬鹿話(笑)

 

高速道路に入ってシティを通り過ぎる時には何とシティから高速道路への入口で6台の車が非常路側帯にきちんと並んで皆さん綺麗にシールを貼られてた(笑)。思わず二人で顔を見合わせて「大儲け!」

 

この入口、まさにシティから南に下るための一番使いやすい入口でありなにより一旦入ってしまうと前方に警察の検問を見つけてもUターン出来ないって現実がある(笑笑)。

 

車列を通り過ぎてる時に一台の車が停まってそこからお母さんらしき人が車から降りてきた。昨日の夜の酔っぱらいはお子さんですかご主人ですか(笑)。

 

すごいすごい、青空も素晴らしいけどこういうに人間ドラマも楽しいですね(笑)。この6台を運転してた人たちの昨日の夜と今日の朝はどうだったんでしょうね?思わず想像してしまう。

 

二人で笑いながらニューマーケットで高速を降りてジャパンマートの横の立体駐車場に入れるとここ、今は最低料金6ドルで1時間しか駐められない。たっかーいな、次はここ駐めるのやめよーかなって思う駐車料金だ。

 

ジャパンマートでは特にこれって買い物があるわけではないのだけど最近のジャパンマートは3ドルショップもやっているので「ちょっと見て回る」のにも楽しい。

 

まずはふとん用消臭剤。「Nのために」を週末に見てその宣伝にファブリーズが出てたので買いたかったがなかったので仕方ない他の商品を選ぶ。奥さんが「あれ?これでいいの?違う商品でしょ」というから僕の場合はフルトーレンス、つまり寛容と妥協の固まり(苦笑)。

 

日本だとかけ布団って天気の良い時に外で干したりするがこちらではそういう習慣がなくシーツをきちんと洗ってはいるがやはり時々匂いがするのでシュシュってやって見る予定。

 

「こういうのって日本の大学の医学部や化学部の教授とか学者さんが調べて効果のある製品になってる、日本製だからどれも効果あるんだよ」って奥さんに言うと簡単に言い返された。

 

「へー、日本の大学の医学部の教授って偉いんだー、すごいなー、でもそんな人が効果のない薬を効果があるって言って厚労省がまたそれを認めて製薬会社が大儲けして医療費って名目で国民の税金が使われてそれでまた税金が上がるわけでしょ。その教授が製薬会社からお金もらって、それでもやはり偉いんですかー?笑」ノバルティスファーマの事言ってるんだな、けどありゃ言い返せないな(苦笑)。

 

ニューマーケットでの買い物の帰りに高速道路に入ると早速警察バイクがピーポーやってまた一台捕まってた。更に高速降りてまさに今朝と同じ場所でまたパトカーが2台停まって検問やってて、ほんとに仕事熱心ですねキーウィポリス。

 

ゼロトーレンス。日本人はやっぱり思いっきり寛容だな、大学教授が賄賂もらってそれでも偉いって言われるんだから(苦笑)。



tom_eastwind at 06:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月22日

お問い合わせ

内閣府のアンケート調査によると約3割の人が日本の政府財政及び物価について景気が悪くなっているとのこと。その後に「リーマンショックの時よりまし」などと書かれているがアベノミクスがトリクルダウン効果で一般市民にまで到達していないのか、それとも元々偽薬だったのが次第に国民にも分かり始めたのか。

日本がやるべきことは構造改革であるが利権構造の複雑さになかなか切り込めず政府春闘でお茶を濁している。結局政治家は票が必要であり政治団体に弱い。こういう点だけは中国のような独裁国家の方が羨ましく思えてくるから皮肉なものである(苦笑)。けどまあ「こういう点」以外は日本の方が圧倒的に良いのが救いか(笑笑)。

ところで昨日書いたブログは三段重ねにしておいてまくら二つ並べてオチは三の膳のつもりだったが何故かまくらの一の膳に皆さん興味を持ったようだ。昨晩あちこちから問い合わせを頂いた。

 

そう言えばすでに先週から当社の既存顧客ではない方からの問い合わせが急に増えている。その内容がどうも「ニュージーランドに口座を開いて今までは普通に放置してたけど、最近規則がどんどん変わってるからどこに聞けば良いのだろう?」という感じの「腰の引けた」問い合わせである。

 

例えば共同名義口座。複数人、主に夫婦が一つの口座に連名で入ってる。この場合NZでは財産はそれぞれが50%と看做されるのか?という質問だが、多分本当に聴きたいのはもう少し違うのだろう。日本で国外財産調書を作成するにあたりこの口座のお金は夫婦で半分づつ持ってることにすればそれぞれ5千万円にはならないから申告不要だよね、って為の背景作り、かな(笑)。

 

この答はNZではひとつの財産と看做される、である。但し注意する点は日本側でありその資産形成の経緯によっては生前贈与と看做される可能性がある。最高55%の贈与税と加算税の可能性が高い。

 

面白いのは口座開設をしたのは良いけどキーウィの英語があまりよく聞き取れず適当に答えてたら自分の金利に対する税金が33%になってた、非居住者はもっと安い筈では?である。

 

おそらく銀行は間違ってない、これはあなたが口座開設する際に書類上で非居住者と答える必要があるのだ。おそらくあなたが開設の際にその手続をせずにいたから居住者向けの高い税率になっているのだ。

 

しかしこの案件の注意点は日本での納税義務、つまりちゃんと今まで確定申告時に利子を申告提出しているかである。利息は租税協定によって相殺されるが日本側では源泉分離課税が適用されないのでご本人の年間所得次第で最高55%の所得税が適用される。

 

特に「じゃあこれから申告しよう」ってのは良いが、「では過去7年間の納税はしてましたか?」と日本側で聴かれる。今まできちんと申告していたら良いがおそらく33%の課税を今まで知らなかったのだから申告はしていないだろう。

 

要するに今まであまり何も考えずにとりあえず海外に口座を作っていくらかお金を置いてたらこの一年の税制改正であっという間にその資金が日本の税法上あなたの大きな問題になったということだ。

 

実はあまり知られてないが去年は「海外口座閉鎖ツアー」が多かった。銀行の担当者が「何なんだろう?」と僕に聴いてきたほどだ。原因は分かっている。顧問税理士はすでに今年から始まる「5000万円を超える海外資産の把握」を知っていたから自分の顧問企業の社長に注意を促したのだ。

 

昔海外旅行に行ったついでに口座開設をしておこうとか、数年前まで人気だった口座開設ツアーでやって来てあまり何も考えずに口座を開設した。

 

それは良いものの、去年それぞれの担当税理士に「社長、もしかして海外に口座持ってませんか?」と聴かれて「あ、あるけど」と答えると「すぐに閉鎖しなさい、でないと来年の法改正で大変な事になりますよ!」と注意されて、忙しい時間を割いてNZまでやって来て口座閉鎖をした。

 

勿論こんな事は他人に言えないので「ちょっと休暇で海外旅行・・」と言って出かけるので普通には目立たない。てか目立てない動きがあった。今年はまさにそれが現実化したという事だろう。




tom_eastwind at 11:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月21日

一つの硬い壺

去年11月のG20からこっち、ニュージーランドでも銀行口座に関する規制が急激に厳しくなっている。1年前のNZの緩いルールで銀行口座の事を考えても意味は無い。何故ならそのような緩いやり方は去年末で殆ど全て禁止されたからだ。

 

去年から米国による口座照会から始まりスイスの銀行はもう白旗挙げて米国人の口座資料を提出している。これは欧州全体の銀行にも広まっている。そしてG20以降の積極的な情報交換は更に範囲を広げている。

 

いよいよ欧州の銀行側から日本の税務当局に「自発的に」個人情報を提供するようになった(顧客に「口座開示します」と連絡あり)。そして更に先週お会いしたお客様は「私が持ってる随分昔に作ったオーストラリアの大手銀行のデータが日本の税務署に渡りお尋ねが来た。大した金額ではなかったので良かったが」とのこと。

 

欧州もダメ、米国もダメ、HSBCはすでに去年の時点で「今後口座維持したいなら、あなたの個人資料が日本政府に行くことも認めてね」という通知が送られている。

 

じゃあNZはどうなるんだと思って大手銀行の海外営業やってる責任者と話をしたら「日本から個人を特定した照会が来たらAML法(犯罪収益)の問題があるからその個人の範囲内で回答せざるを得ない。けど現時点で顧客情報を全部出してしまえば信用問題(利益相反=銀行が告訴される)になるからすぐは出来ない」との事。

 

NZは田舎であるから一番最後だろうが、いずれ近いうちに「照会」が来る可能性はある。もちろんすべての銀行の全ての口座に網をかけることは現実的に不可能だし日本に支店がない銀行が日本の税務当局の問い合わせに対応するとは思えない。何故なら自分たちの不利益だからだ。上に書いたようにNZにおいては利益相反という考えが現場まで徹底している。ただ日本に支店があり一定の条件を付けて、例えば住所が日本であるとか一定金額以上とかで絞り込まれる可能性はあるだろう。

 

勿論今のうちに手当をしておけば大丈夫だが現実的にどう手当すれば良いの?って話である。かと言って銀行送金で日本に戻してしまえば海外送金になり確実に「お尋ね」が来る。

 

それにしても世界はいよいよ古くの中国、1980年代の香港みたいに不安定になったな。つまり資産の分散管理が必要となり始めたのだ。

 

一つのツボにすべての資産を入れてしまえば、万が一そのツボが割れれば終わりだ。だからたくさんのツボ、例えば中国人で言えば現金と宝石と不動産、みたいな三分割にする必要がある。

 

現金は更に香港ドルが基本だけど3分の1にしておく。残りは米ドルと日本円を半分づつみたいな感じだろう。

 

けれどニュージーランドにおいては割れない硬いツボがある。それが法律で定められた家族信託であり現物の壺を持つ必要がない。実際にNZに住む日本人も家族信託を設立している。NZ国籍を取得する必要はない。日本の資産を一旦全部名義上NZに移しておいてNZの家族信託が資産管理会社となり日本の資産を運用することも出来る。

 

家族の財産は一つの壺=家族信託にまとめて入れておいてその後信託口座の中でポートフォリオを作って三分割運用などが出来る。自分が詳しくない場合は助言会社の助言を受けることも出来る。一般的には家族の住む住居、共同名義口座、投資用不動産など「硬い資産」を入れる。

 

家族信託の財産は父親が入れた資産を受取人である子供が無税で譲渡される仕組みなので代々にわたって真面目に働いていれば財産は増える。但し運用で得た利益には33%の家族信託法人税が課税される(一定の経費計上は出来る)

 

ただこの壺を作るにはたくさんの条件があり、日本在住の日本人には簡単には作れない。出来ない事はないけど相当に大変な作業で約半年くらいかかる。さらに壺の中身のポートフォリオをどう組み立てるかの問題がある。

 

これは法律の問題ではなく運用の問題だ。いかにリスク回避のために細かくポートフォリオを組むか。利率は良いけどリスクは高い、その反対もあり。それでもNZの「個人資産を守る硬い法律」で守られているから安心度は高い。日本は政府が「法律を変えて」国家財産取得を目指しているのとは正反対である。

 

皆さんも時間のある時にNZの家族信託について勉強してみると良いですよ。



tom_eastwind at 12:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月20日

水の中のナイフ

水の中に飛び込む。暫く潜って陸上で経験出来ない浮遊感とか珍しい魚観るとかした後に水の中から海の上に顔を出すと地上はすでに変化している。まるで全く違った世の中に見える。

 

けど最初から陸上、つまり土の上に住んでて一度も水の中に飛び込んだ経験のない人からすれば陸上は何も変わってないように感じる。毎日見ていると変化を感じないのと同じだ。だから久しぶりに戻って来た僕からすれば「あれ?どうしたの?何かあったの?」である。皆年を取っている。これってもしかして浦島太郎か(苦笑)?

 

今朝の夢がまた変わってて、僕が水の中からじっと水面を見つめ、逆に水面の上からじっと水面を見ている人たちがいた。その時ぼくの頭の中にピカって最初に思い浮かんだのはロマン・ポランスキーだった。高校生の頃に観たあの映像にはほんとにびっくりさせられたものだ。

 

けど僕が水面に出て陸に上がると今度出て来たのはアンジェイ・ワイダである。たくましく現実の道を歩く彼の映画はどこまでも現実的で悲惨ではあるが少なくとも逃げてない。内省的ではない。

 

考えてみればどちらもポーランド人であるが全く作風が違う。東欧の文化って内省的な音楽、書籍、映画が多い中でアンジェイ・ワイダは違ったな、そんな事を思いつつ頭を空っぽにしてたらいろんな人の顔が見えてきた。なんじゃこりゃ(苦笑)。

 

そんなこんなで朝5時頃に夢と共に一度目が醒めたのだが面白いのでもう一度寝て頭を空っぽにしてみた。すると次に頭に浮かんだのが志賀直哉と島崎藤村だ。毎年2月には木曽福島に行くのでその度に藤村を思い出す。

 

両者とも戦前の日本を代表する作家ではあるが僕は志賀直哉を好きになれない。何だかこれも内省的ってのか逃げってのか、戦う姿勢がみられない。

 

それに対して自分は生まれの良い身分でいたかもしれないが江戸から明治を生きた藤村が自ら記した「現実的な世の中」は僕にとってよほど身近であった。

 

あの時代「私は穢多である」と言えた人は少なかった。その後水平社運動が始まり住井すゑの「橋のない川」がやっと世間の人々にエタの問題がどれほど悲惨であり士農工商にとって恥ずべき事かが少しは伝わるようになったが、それでも現代にもまだ残っている。

 

丑松は「私は穢多である」と子供たちに説明して米国に移住した。穢多であることを否定せずしかし穢多でも平民と平等に生きていける社会へ「栄光の脱出」を行う。

 

水の中から水面に顔を出したのは時計のベルが7時15分でブーンブーンって言い出したからだ。「早く起きな、今日も仕事だよ」奥さんのケータイが起こしてくれる。

 

間違いなく今朝は「水の中」から水面を見つめていた。多分これって僕らニュージーランドに来た日本人はこれから浦島太郎になるって予告なのか(笑)?龍宮城に行きそこで一時期を過ごし戻ってみると日本は変わっていたが、少なくとも自分は変わらずにいられた、そういう昔話のアイロニーなのか。

 

それにしても面白い夢でした(苦笑)?



tom_eastwind at 10:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月19日

携帯電話4S

今日はちょっとしたひまネタです、耳が痛い人がいるかもしれないです(苦笑)。

 

先週金曜日に長年愛用していたIphoneSがぶっ壊れた。正確に何が起こったのか良く分からないがIphone側から「何かをアップデートしろ」って言われてその通りにMacBookAir経由でダウンロードしようとしたらいきなり凍結して「電源コードがケータイに繋がってない」ような画像表示が出て全く動かなくなった。

 

先週は他の4S利用のお客様にも似たような現象が起こったようで担当者は大忙しである。多分電話会社の問題なのだろうがとにかく週末に電話が使えなくなり少しだけ困った。実はぼくは殆ど電話を使わないのでたくさんは困らない(笑)。

 

けどインターネットに繋がらないのは不自由なのでSIMカードを抜いて奥さんがたまたま持ってた今は使ってないお古の4Sを借りて週末を対応した。日曜のパーティなどで住所や連絡先の確認が必要なので役に立ったのだけど月曜日にぼくのケータイを担当者に診てもらうと「こりゃ無理っすよ」と軽く断られた(苦笑)。

 

けどまあ奥さんのお古があるわけで、別に今持ってる電話のフェチでもないので夕方自宅に戻ると奥さんに「この電話使うから僕の壊れた電話から電話帳とメールアドレスをそっちの電話に移してもらえない?」と単純に何も考えずにお願いした。

 

彼女からすれば慣れたもので(僕は電気系統が弱い・・・)彼女のお古の電話に入ってる電話帳に僕の連絡先を付け加えるだけなので僕のPCに彼女のケータイ差し込んでガチャガチャやってたら10分程度で片付いた。

 

そして彼女は動作確認を始めて、一つ一つの電話番号を調べ始めた(笑)!

 

「あんた、これ誰?」

「この女とどんな関係?」

突っ込みはひたすら続き、お互いにカラカラと笑いながら目だけ真剣だった〜なんってのはうちの場合なくて(笑)、このあたり結構オープンにしているのでついでにお客様の話をする。

 

「あんた、このCってのは誰よ?」

シンガポールに在住の取引先企業の秘書です。

何?秘書?いやらしいわね、日本人(笑)。

「この人、どんな人?」

70歳になる大事なお客様です(笑)。

 

こういう会話って結構大事だよね、抜き打ちって訳じゃないけどいつでも奥さんに自分のケータイを渡せる。おい、あんまり聴くなよ、笑いながら二人でケータイの「動作確認」を行なった。結果、シロでした(笑)。



tom_eastwind at 10:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月18日

GST(Goods and Service Tax) = 消費税

昨日のTVONEでやってたがニュージーランド政府は今後NZ居住者がインターネットで外国の通販会社から商品を買ってNZに送った際にはNZ政府にGSTを支払うようにする予定との事。

 

すべての品物に消費税がかかるわけではなく、多分一回あたりの買い物が100ドルを超したら消費税って事になりそうだけどこれはまだ案の状態。

 

例えば日本のAmazonで日本の本を注文した場合、僕は基本的にニュージーランドの消費税は払わなくてよい。サービスがどこで提供されているかが税の分かれ目であるからだ。サービスは日本のAmazonが提供しており日本の消費税8%は本の代金に含まれている。

 

けどもしAmazonから本を買って僕がNZの消費税を負担することになるとそれを実質負担するのは僕であり今までより15%高いものを買うことになる。

 

つまり日本の消費税8%とNZの消費税15%、合計23%の二重課税になるのか?日本の消費税は内国税だからNZとの租税協定があっても通算は適用されないのかな?

 

けどさ、何もNZにあるものを買おうってんじゃない、日本でしか売ってないから日本で買うのにNZで消費税負担しろってか。第一Amazonの場合は宅配なので僕はいつ政府に納税するのだ?それとも配達通知が来てネットで政府に納税したら荷物がリリースされて自宅に送ってくる?今だよく分からない状態である。

 

ふと思い出した。今ニュージーランドに住んでる日本人が日本の親から小包送ってもらう場合どうなるんだろ?今までも小包の中身が立派過ぎて課税される場合も時々あったが、今後は荷物全部税関で開けて「おー、コメせんべい!DVD ! 洋服!」などいちいち課税してくるのかなー。

 

等など色々考えさせるニュースでした(笑)。



tom_eastwind at 17:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月17日

未来予想図

「未来を予測することなんか簡単だ。未来を創ってしまえばいいのさ」 ジョブズ

 

面白い言葉、さすがジョブズである。

 

2020年にむけて世の中が大きく変わる。今回の変化はでかいぞ。世界が同時進行で変化するのだから昨日と同じ今日が来ると思ってる人に昨日と同じ明日は来ない。

 

日本の雇用の流動化が始まれば「雇用の流動化」の名の下に生き残れないサラリーマンが次々と出て来て彼らは人材センターで再就職のための研修を受けるがすでにサラリーマンになった時点で他の業種に移動出来る気概も能力も捨ててしまってるから、再就職先と言ってもネットやアウトソーシングが出来ない業種であるサービス業にシフトすることになる。

 

一流企業に就職出来ても30代なかばで解雇されて再教育を受けて派遣された先が介護業界や流通業界、建設業界や飲食業界ってのはごく普通になるだろう。介護業界はこれからの成長産業であるが政府がどれだけ介護費用を負担するかで現場の労働者の賃金は決定する。再就職先の賃金の比較対象となるのは日本で同様の業務に携わる外国人労働者になるだろう。同一労働同一賃金である。

 

そしてこれは現場の仕事だけでなく知識産業であるシステム開発にしても世界中で同一労働同一賃金が起こり、ベトナムのシステム会社で働く若者の給与が限りなく日本のSEの給与に近づく。これはすでに中国で起こっている。SEでも生半可な仕事しかしてなければ外国の若者に職を奪われるのだ。

 

現在の日本の雇用の流動化を妨げているのが裁判所であり安倍首相は裁判所の判例をひっくり返そうとしている。これはおそらく今年中に成功するのではないか?何故なら大企業だって無駄な人材を抱えているのに切れないのは裁判所の判例があるからだ。

 

今回の春闘で企業側は本当に久しぶりにベア上昇させた。そのお返しは雇用の流動化である。こうやって政財(労)界は鉄のトライアングルとして日本の再生に向けて強く動き出す。

 

この「再生」に上手く乗れない人々は次々と再生列車から振り落とされていく。そして振り落とされずに何とかしがみついた人たちも「国境の長いトンネルの先にあるのは別の国だった」という話だ。まさに「君たちに明日はない」である(苦笑)。

 

今回の変化の特徴は世界同時変化であるという事だ。原因のうちの一つはやはりインターネットとパソコンとジェット機である。この3つの要素が世界中の国境の壁を下げてしまい、世界中の政府はそれに対して政府の威信をかけて下がった壁を元のように高くしようとしている。

 

これから5年、この政府対個人の戦いが一つの大きなテーマになるだろうが最終的な勝者は個人である事は僕は確信している。何故なら政府といえど世の中の支配者ではないからだ。あくまで国民の代表が選ばれるという民主主義においては多くの国民の意見に逆らうことは難しい。それよりはどこかの時点で政府側が折り合いを付けて手打ちをするだろう。そうしないと社会が進歩しないからだ。

 

問題はこの5年間で自分の持つ財産や家族を守りきれるかという事だ。

 

そして同時に、昨日のお金持ちが明日には無一文になる時代でもある。今まで持っていた「資産」と思ってたものが実は単なる紙切れに過ぎない事に気づく日が来る。何も考えず何も行動せずひたすらテレビと新聞をこたつでぬくぬくと楽しんでた人はある日突然みのもんたのように今までの世界から「消滅」する。

 

また世界同時変化において気をつけるべきは、何も日本だけが発火点ではないという事だ。だから世界の動きにも注意する必要がある。

 

世界には様々な不安定要素がある。中国の崩壊の可能性は高く、もし習近平が虎狩りに失敗すれば最終的に中国は軍区ごとに独立した国家になる可能性がある。習近平は身の回りに山ほどの護衛を連れているが山ほどの護衛そのものが暗殺者になることを恐れてしょっちゅうシフトを組み直している。

 

中東はイスラムによって東西に長い、東はパキスタンから西は中東を経由してアフリカ大陸まで繋がるだろう。勿論内部ではあいも変わらず宗派争いを続けるだろうが。

 

イスラエルはどうするのだ?中東が団結すればイスラエルは和解交渉に乗るしかないが右派は絶対に認めようとしない。核爆弾で相互殺戮で本望と考えるかもしれない。これも宗教か。

 

ロシアでは圧倒的にプーチンの力が強いが彼は本気になれば戦争をする準備があり東欧の不安定はこれからも続くが、問題はプーチンの後である。彼は中国以上に手が早く気に入らない奴はすぐ暗殺する。そのプーチンが狙われたら?中ロ共に独裁主義が上手く回っている間は良いがいざ歯車が逆転しはじめれば?

 

欧州ではEUの維持が可能なのか?南欧と北欧の間の意識の違いは大きく、最終的には落とし所があるだろうが長い道のりである。ここ、最終的に通貨と外交と軍事だけを一つにして欧州国として各国の自治は自分で決めるような組織になりそうだ。

 

世界の不安定要素の一つが揺らぐだけで世界全体に波及する時代になった。日本国内だけを観ていてはダメだ。

 

その日本国内では安倍首相の下アベノミクスが株価を上げて首相自ら賃上げ要求をしている面白い展開であるが、問題はこの株価、政府によって作られたモノであるという事だ

 

日銀とGPIF(皆さんの年金運用をしている独立行政法人)が組んで債券を守り株価を上げて円の価値を下げて輸出系の大手企業が利益を出してそれが賃上げに繋がる。ここまではよく出来てる。しかし問題は、それだけ皆が頑張っても肝心の物価は上昇していないってことだ。

 

作られた好景気は一部の人には潤いだろうが多くの庶民にとっては上がらない給料、輸入商品の価格上昇でますます生活は苦しくなる。そうなった時に一般国民の怒りが向くのは最初は政府であるがその次は必ず「お金持ち」である。世の中で圧倒的少人数であり叩かれやすい人々は国民の怒りを背景の政府決定(資産税)に逆らうことは出来ない。

 

2020年は東京オリンピックである。日本の社会構造変化はそれまでに行われ2020年以降の日本は2015年の現在では思いもつかない変化を遂げている、よくも悪くも。

 

そこで最初のジョブズの言葉に戻る。「未来を予測することなんか簡単だ。未来を創ってしまえばいいのさ」

 

そう、自分の未来は人に頼らず自分の知恵と努力で創りだすのだ。どこでどうやって生きてくのか?それを決めるのは自分だ。それが出来なければ「国境の長いトンネル」行きの列車からは振り落とされるだろうし、何とかしがみついても国境の長いトンネルの先は寒い雪国だったってことになる。



tom_eastwind at 17:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月16日

M&A

今日は普段より30分ほど早く自宅を出る。朝9時からM&A関係者が集まる初回外部ミーティングがあるのだ。

 

この案件は小型ではあるが関係する組織や個人が6つくらいあり実に複雑に組み合わさっている。どこかを押したらどこかが引込み、まるで遺伝子の螺旋を見ているのかルービックキューブをガチャガチャやってる感じである。

 

最後の最後まで気が抜けない案件であるが、これが実現すると同じような組み合わせでビジネスが広がる。つまり日本にいるビジネスマンがNZにある似たような企業を買収して経営を合体させて必要であればマネージャーとしてビザも取得出来るし二つの国を利用した様々な株式持ち合いも出来る。どう使うかはまさに本人次第である。

 

このビジネスモデルはまたも弁護士経由で中国人エージェントに漏れて、2年位すると真似する人が増えてくるんだろうな(苦笑)。しかし特許の取れるビジネスではないし彼らがやって来る頃にはうちは違うビジネスをやっているからいいや。

 

問題はこの2年でどれだけこのビジネスモデルを展開出来るかの速度勝負である。

 

そんな事を考えつつ9時からの会議に参加する。うちはあくまでも仲人であり全員の利害関係を同じ方向に向けるのが仕事でありそこから先は彼らがお互いを信じてチーム一丸となって仕事を進めてもらうのみだ。

 

参加者はお互い「初めまして」が多いのでまずは挨拶からである。けど皆プロでありすぐに「あ、なるほどね」と自分の落とし所が見えてきてそれぞれにやることを始めた。

 

さあ、また新しい一週間の始まりだ。



tom_eastwind at 20:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月15日

正義感を語る、又は正義漢ぶるあなたへ

世の中で何がウザイかって、自分が正義と思って何でも断定してしまう連中だ。世の中には100人いれば100個の正義があるわけで、他人がどう思おうとも自分が信じる自分の正義を貫くのは良い。けれどそれを他人に押し付けるとなると話は全く別である。そんなもん現在のイスラム過激派の行動を見ればよく分かるわけで彼らは自分たちが正しいと信じて他人を殺しているのだ。

 

こう書くと普通の人は「そりゃそうでしょ」と納得するかもしれない。けど上記の文章に納得するその多くの人が実際の生活では自分の正義を他人に押し付けて生きているのが現実だ。

 

要するに一般論と個別論の区別がつかないのだ。一般論の表面的な部分だけ見て偉そうに「そーだそーだ」と言ってるが現実生活では自分が他人に自分だけの正義を押し付けてる事に気がつかない、何故なら自分は正しいと思ってるからだ。

 

オークランドで生活をしてもう20年近くになるがいつになってもこういううざい人間が減らないから困ったものである。わざわざ日本を離れてニュージーランドまでやって来たんだから他人の生活に干渉するのは止めようよと言いたい。

 

1990年代にNZにやって来た日本人の多くは日本社会が合わずドロップアウトした連中である。もっと分かりやすく言えば親にカネがあって本人が日本で通用せず親が手本に置いておくのが嫌でカネだけ渡して海外に追いやったパターンである。

 

こういう人々は自分が他人に認められる能力もなくただ単純に「生きてる」だけなのだが、こういう人々に限って何か他人に認められたいと思ってる。だから関係ない他人の生活に関わりを持ちたく話しかけてくる。

 

だったらキーウィに話しかけろって感じだが英語が出来ないだけでなく会話の内容が無意味だから誰にも相手にされない。そこで日本人に焦点を絞って話しかけてくる。

 

でもって相手が面倒くさいから無視していると今度は無視された事そのものにノミのプライドが傷つき怒りを感じて正義感みたいなものを振り回して他の日本人にありもしない下らない話を振りまく。そう、自分の言うことだけが正しくて話を聞かない奴は悪いやつで、だから叩いてよいと思い込む。

 

勿論バラ撒く相手はあくまでも日本人同士でありキーウィなどには英語で理論的な話が出来ないのだ。

 

日曜日にあるお客様のパーティに招かれた。この方はオークランド在住が長くパーティに集まった40名程度のうち半分以上がキーウィだった。彼の英語は決して上手な英語ではないが彼は表現力があり何よりも言葉に実質が詰まっている。だからキーウィと対等に会話が出来るし理論的に理解出来るから会話が成立する。

 

なまじ英語だけが上手な日本人もいるが会話の中身は空っぽで結局意味のある会話が成立しない。今回集まったキーウィはちっちゃな子供からおじいちゃんまで幅広かったが共通していたのはその知性の高さである。

 

勿論皆が皆同じ方向を向いてるわけではない。政治的に右も左もいるだろう。けれどパーティで話をする内容はお互いの立場を理解しつつ楽しい会話とそこから何か役に立つ情報を見出す姿勢だ。自分と他人の位置がきっちりと区別出来ている。

 

そして何よりも面白かったのがこれだけたくさんのレベルの高いキーウィを日曜日の午後に集める彼の「集客力」である。参加者がワインやシャンパンを持ってきて三々五々グループを作って話を楽しむ。その真中にいるのが日本人なんだからますますうれしくなる。

 

1980年代のデビッド・ロンギ元首相が行った経済改革について語ってたキーウィのグループに入って内側から見た改革の話を聴かせてもらい参考になった。

 

この彼も日本人と付き合うのを得意としないタイプである。随分昔の話だが彼が来た頃にある日本人グループと知り合う機会があった。次の週に電話がかかってきて「あなたさ、xxのメンバーなんでしょ、ゴルフに行きましょうよ、私達メンバーじゃないんで」と全く見知らぬ日本人から電話がかかってきた。それ以来そのグループとは付き合ってない。

 

その後も彼は地元キーウィとは近所付き合いをしつつ日本とNZを往復しつつビジネスを行っているが今ではまともに付き合いをする多くの人が結果的にキーウィになっている。パーティ会場でも彼と「人種じゃないよね」って話になった(笑)。

 

日本人の中でも「キーウィはバカだ、働かない」などという人がいるが、それはその人の付き合ってる連中がその程度だってことで、もっと言葉を変えて言えばそういうキーウィとしか知り合いにならない貴方自身の問題と言える。

 

これからやって来る日本人の皆さん、あえて苦言を呈するとすればあまり日本人とはつるまない方が良い。特に正義心とか日本人らしさとかを大声で話す人々は敬して遠ざける事をお勧めする。何故ってその人の正義はその人が他人に押し付けたいものだからだ。



tom_eastwind at 17:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月14日

人種差別

ニュージーランドの人種差別について聴かれる事がある。人種差別の場合個人体験差が大きいので難しい。例えばこれが治安ならまだ分かりやすい。地域別犯罪率などデータがあるし皆さんの肌感覚もあまり変わらないからだ。

 

しかし人種差別は、僕自身はそれほど感じた事がないが同じ街に同じ時期に暮らしてても住んでる地域、本人の態度、付き合う友達で大きな差が出る。

 

人によっては「これマジ?」と思うような体験をした人もいる。

http://forgettingjapanese.blog118.fc2.com/blog-entry-20.html

勿論ご本人も「個人的体験」と書いているがこれだけ体験出来たのもある意味すごい。そして指摘している事実は確かに当たってる。

 

例えば2008年当時のクライストチャーチは人種差別があった。だから当時クライストチャーチに滞在していれば当然人種差別を感じただろう。とくに当時の市長あたりが平然と「この街では当分の間差別はなくらないだろう」と言いのけてたくらいだから。

 

けどそれには理由がある。その背景を知らずにこの記事だけを読むと誤解してしまう。例えば2008年頃のクライストチャーチは(現在も同様だが)労働組合が強く、人々はとにかく如何に働かずにカネだけ得るかって事に執心していた。

 

そんな地域で工場をやってても結局労動コストが高く付いてろくな製品が出来上がらない。だから工場はクライストチャーチから撤退して豪州や中国で生産をするようになる。この結果クライストチャーチの雇用が減少して真面目に働くB級の人々はオークランドや豪州に移住する事になった。

 

残ったのは労働意欲もなく能力もないC級の若者であり失業手当をもらい昼間から酒を飲みやることもなく街をぶらつきアジア人相手にからかったりバカにしたりして自分のバカさ加減を晒していた。だからこの時期にクライストチャーチに行けばそりゃ自然と「人種差別」を感じるだろう。

 

元々差別なんてのはバカの思いつく最後の裏返しな自分への慰めであり、馬鹿であればあるほど差別を煽って地元で喜んでる。知能は、ほぼ猿と同様である。

 

ちなみにA級のキーウィ、例えばジョン・キー首相はクライストチャーチの学校を卒業してオークランド、そして北半球の投資会社に転職してメリルリンチの副社長にまでなった。

 

けれど南島でもクイーンズタウンに行くとまず人種差別を感じることはない。何故なら町の人々は毎日が忙しく世界から来る観光客を相手にビジネスをしているから自分の目の前に立ってる人の肌の色を気にしてる暇はない。だからワーキングホリデイをクイーンズタウンで過ごした人は素晴らしい一年だったと思うだろう。(勿論これも個人的体験、ではあるが)

 

今のオークランドはどうだろうか?人種差別?うーん、あるっちゃ、あるんだろうな。僕自身は差別を感じる事はない。てかそれほど暇ではない。

 

当然の話だが、悪い時に悪い場所にいると被害を受ける。そういう当然の事を理解する必要はある。

 

つまりオークランドに住んでてもバカと付き合って治安の悪い場所で生活をすれば人種差別を受けるだろう、確実に。同様にオークランドに住んでてもまともな人々とまともな仕事をして治安の良い場所(比較的高収入=知性が高い)に住んでれば「え、人種差別?あたし、そんな事したかしら?」となる。

 

また差別はお化けと同じで感じる人は感じるが、そうでなければ何も感じない場合もある。だからどこかのブログにこう書いてるからってそのまま真に受ける必要もないしブロガーとあなたの感覚には必ず違いがあると思った方が良い。

 

しかし間違いない事を言えば人間は生きている限り様々な差別を受けるものだ。日本人は「臭いものに蓋」みたいに「差別なんてあっちゃいけない」だから「差別はない」と思い込みたいのだろうが、人間が完璧でない限り差別はどんな形にせよあり続けるのだ。

 

だからこの世界から差別を完全になくす事も出来ない、ただその差別を少なくすることは本人の努力で可能であるのも事実である。



tom_eastwind at 17:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月13日

お疲れてないし

僕があまり使わない言葉に「お疲れ様です」がある。だって実際に疲れてないのに他人に勝手に「疲れた」事にさせられるのも変な話である。

 

この言葉って日本的な言い回しだから英語でピタっと来る表現がない。あえて言えば”You looks tired”だけど、日常業務を普通にこなしている人にそんな事言ったら変な顔されるの間違いなしである。

 

考えてみたら「お疲れ様」の語源って「俺たち仲間だよね」という仲間内の空気確認の意思表現ではないだろうか。俺だって疲れてるんだ、君だって当然疲れてるはずだよね、同じくらい仲間内で一生懸命仕事したよね、だから俺たち皆同じくらい頑張って疲れてるんだよね、おー仲間、あー仲間!(苦笑)

 

実際にはたいして疲れてもいないのに(何故なら自分はあまり真面目に働いてない)お疲れ様を言わないと自分が働いてなかったのがバレるとか(笑)本気で考えてるから常に誰かれ構わず仲間内では「お疲れ様でーす!」と言い合う。

 

だから「営業に行きまーす!」「お疲れ様でーす!」と声を掛け合った二人がパチンコ屋でばったり遭っても「お疲れ様でーす!」とはならないわけだ。

 

そりゃまあ何もない時は仲間意識の確認が出来て良いわけだがこれが自堕落的に続くようになるといつの間にか仕事本来の重要性よりも如何にたくさん疲れてもない相手に向かって「お疲れ様でーす!」ということの方が重要になりそして創造性や変化を止めてしまいその会社は内部から腐っていく。

 

挨拶が重要というのは日本企業ではよく言われる事だし挨拶は礼儀の基本だから大事なのは当然である。しかしそれが挨拶のための挨拶、仲間意識確認だけの為の挨拶、他のグループ(他人)を拒否する挨拶になってしまえば本来の礼儀とは違う使われ方になってしまう。

 

なので僕は少しいらいらしている時に「お疲れ様でーす!」と言われるとついつい皮肉で「疲れてないし」と返す時がある。しょうもない仲間意識よりも売上、利益、商品、外部に向かってしっかり目を向けて顧客視点で仕事をすることを考えようよって思った。

 

ちなみに何でも「お」を付けてれば丁寧って考えてる人、失礼に「お」を付けてみろ、どれくらい間抜けに聞こえるかよく分かるから。



tom_eastwind at 17:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月12日

美術館の展覧会

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美術館の展覧会

 

盛装のご婦人を学芸員がうやうやしく案内する。

「奥様、これはセザンヌで御座います」

すると奥様、「あ〜ら、素敵だこと!」

次に「奥様、こちらがゴッホで御座います」

すると奥様、「あ〜ら、素晴らしいわ〜」

奥様がふと立ち止まり「あら、これはピカソね!」

学芸員いわく「奥様、それは鏡でございます」

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最近読んだ月刊誌に書いてた。元ネタは文珍の噺のまくらとの事(笑)。

 

落語は楽しいな、言葉の遊びの底辺には世間の生活の現場をしっかりと理解した(だから落語家は無茶苦茶な生活をしている)語彙と知識があり、それを決して「どうよ!」と見せびらかせずに行間にちらっとだけ埋めておくのがお洒落。

 

受験勉強だけをしてた人には行しか見えないから多分彼らは白黒テレビで観てるんだろうな、こっちは4Kハイビジョンなので思いっきり笑える(笑)。それが落語においては「間合い」になる場合もあるが、とにかくお互いに「通じた瞬間」が最高に楽しい。白黒では通じないのだ(苦笑)。

 

これって行灯やろうそくや蛍の光(笑)で読んでた時代の人も同様だ。「徒然草」ってのがあってこの本書いた人が「“まだ見ぬ世の”」と自分が生まれる前の古い本を読んで過去の作者と心を通わせている喜びを描いている。

 

これは別に怪奇談ではなく例えば中国古代の小説である水滸伝や三国志なども「語る」事が出来る。それは原作と言われている羅漢中と語ることも出来るし北方謙三と語ることも出来る。

 

今の日本人はあまりに目先の事に囚われていて、「俺かお前か」という殺し合いビジネスが盛んである。けど世の中、白か黒かじゃないことがほとんだなんだよね。お互い相手に通じて繋がってれば、白黒だけじゃなく極彩色もあるってのが見えてくる。

 

まず自分の国の歴史をきちんと勉強する。そして旅をして世界を知り世界の歴史を理解する。そして自分の生まれた場所と世界の違いを理解して自分の理解力を広げる。そうすることで初めて三方一両得とかWinWinってのが分る。

 

こういう、本を読む楽しみとか落語を楽しむ知識を持って欲しいと思う、そうすれば笑いが生まれて人生を楽しむ事がもっと出来る。

 

そんな事をふと思った木曜日の夜でした(笑)。



tom_eastwind at 13:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月11日

ルーズヴェルトゲーム

日本には何故会社の中に野球部が存在するのか。奥さんが不思議に思ってる。二人で池井戸潤原作の「ルーズヴェルト・ゲーム」を観てた時の話だ。

 

野球部とは会社が一丸となるための具体的な「モノ」としての組織だ。広告宣伝のようなものだと説明しても、やはり分からない。

 

「だって会社は利益を出すために存在する、なのにこれって経費を使うだけ、広告宣伝なら何で野球部の人たちって普段は会社の仕事しているの?どっかのプロ野球チームを買って冠付ければいいでしょ」となる。

 

もっと言えば、社員に中途半端に仕事させつつ野球も中途半端ってどうなんだ?どうせ広告宣伝であれば朝から晩まで野球させればいいじゃんか。

 

このあたりになると説明が難しい。日本独特の野球に対する思い入れ、会社の一体感、広告塔としての効果、いろんなものが混在して現在の社会人野球があるのだろう。けどそれって西洋式に数字で表せるのか?効率的なのか?もしかしたら単なる民族自己満足なのか(笑)。

 

自分のやってることを違う文化背景を持つ人に説明するときの共通言語、難しいなー、これが国際結婚のきつい所であり同時に自分の常識だけが常識じゃないって分る瞬間である。

 

相手に説明出来ない?少なくともお互いに相手の国の言語をある程度話せるし英語で会話も出来る、つまり媒体手段としては3ヶ国語が存在するが文化の違いをどう説明するかとなると今でも四苦八苦。ましてや僕が全く興味のない野球だったのでうまく説明出来ずだった。

 

皆さん、日本の企業って何で野球チームを持ってるのでしょうか(笑)?誰か英国圏の人々にぴったりと説明する方法があれば教えて下さい。



tom_eastwind at 17:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月10日

美濃加茂市を焼け野原に

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3月5日の名古屋地裁判決で無罪判決を勝ち取った藤井美濃加茂市長は、昨年8月26日に保釈されて以降、記者会見やインタビュー、公判での被告人質問などで、警察の取調べの不当性、悪辣さを象徴する言葉として、逮捕直前の任意取調べで、「美濃加茂市を焼け野原にする」と言われたことを、繰り返し述べてきた。

 

警察の取り調べでは下記のようである。

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支援者のA、B、C、D(いずれも美濃加茂市内の会社経営者)・・知ってるよね。経営者には警察に聞かれて嫌なことはいくつかあるはずだ。早くお前が話さないと、どんどん関係者や市民のところに警察の捜査が及ぶことになる。美濃加茂市中が焼け野原になっちゃうぞ。塾の子どもたちのところにも警察が行かなければいけない。そんなことになってもいいのか? 

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http://blogos.com/article/107428/

 

警察ってのは怖いものだ、これはもう権力を持った暴力団である。本人が罪を否定しても家族や仲間を虐めまくるぞって事で、大人がこんな事やってんのに子供のいじめをどうのこうのって、まず自分から反省しようよって話である。

 

そして一番の問題は、こういう問題が出て来てはいつの間にか立ち消えになり「取り締まりの可視化」が議論されてもなかなか実行されず結局警察はあいもかわらず自分の書いた筋書きに拘り無理やり自白させて犯罪者を作り上げる事だ。

 

たぶん普通の人が実際に経験する事はないだろう。1千人に1人か、けれど警察は常に本気だ。警察からすれば美濃加茂市など、どうでも良い話なのだろう。

「焼け野原にしてやる!」そんな事を言われてまともにビジネスを出来るだろうか。
 



tom_eastwind at 18:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月09日

出国税 その2

出国税に関して少しおかしなことを言ってる人がいる。「投資家ビザを取得して今年6月末までに出れば大丈夫」!と。けど現実、無理でっせ。

 

まず、ビザはこんな短期間では取れない。それは毎日現場で弁護士と肩を並べて仕事をしているのだから分る。それとも審査官の机に積み重なったファイルの一番上に日本人のファイルを置くという「人種差別」をしてくれるのか(笑)?

 

そして今この時点で移住を決定したとしても一定の資産がある方が日本の非居住者になる必要があるけど、日本における税務署や裁判所の判断の非居住者認定を理解しているのか?

 

非居住認定とは単純にNZに行きさえすればというような甘いものではない。住居の判定、収入の中心となる場所、生計を一つにする者の居住地、その他様々な項目があり、それを理解していれば八百屋のたたき売りみたいな簡単なものではないと分るはずだ。

 

誰もが長い間日本社会で築き上げた信用があるわけでそんな簡単に「ばいばー!」なんて出来ない。会社を整理するだけで一年以上かかる。親戚家族にどう話すのか?やることは多いのだ、

 

NZ政府としても目先の投資家が欲しいのは分かるが無理筋はやめとけって話だ。出国税にはもっと冷静に対応すべきだ。まず日本政府の法案の細部が分かってない。つまり相手側の政策が決まってないのにこっちが対策を作ることはできない。細部が出るまで待つしかない。

 

出国税をうまく対応出来たとしても今度は非居住者認定である。例えニュージーランドで永住権を取得して生活を開始したとしても日本側がそれを否認すれば生前贈与、相続税の網にかかって最高55%の課税である。つまり出国税という熱いフライパンから飛び出たと思ったら生前贈与という深鍋に飛び込んで煮込まれるって話だ(笑)。

 

簡単に考えれば分る。出国税とは日本での居住を止めて出国するから発生する税金だ。では出国税が発生しないとは出国してないと看做される。その「出国してない」状態でニュージーランドで親子が相続すれば日本で生前贈与である。

 

移住は息の長い仕事である。移住希望者が望んでいることが本当にNZで実現出来るんか?実現するためにはどんな手段が必要なのか?その手段を全体図として描き上げて一つ一つの法律を部品として全体図に当て嵌めて作り上げる必要がある。

 

何よりも大事なのはお客様自身がどんな人生を生きたいかである。そしてそれを初志貫徹する気持ちがあるかである。



tom_eastwind at 21:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月08日

Summer time

オークランドの夏の日曜の午後はレイド・バックに過ごすのが良い。セミの鳴き声ってブルースに合わんな。キャロル・キングのFar Away、ジャニス・ジョプリンのサマータイムもセミと合わんな(笑)。

 

レイ・チャールズ、オーティス・レディング、ケニス・ロギンズ、ザ・バンド、ジョー・コッカー、シャルル・アズナブール(異色だけど良い)、そして勿論エリック・クラプトン。この明るく空を抜けたような天気ならこのメンバーでしょって感じで、今日はセミよりもレイドバックを選ぶ(笑)。古いものが好きなのではない、良いものが好きなだけだ。新しければ何でも良いのか?(笑笑)。

 

今日は朝11時までベッドの中で考え事してた、半分夢見ながら。やっと頭のなかでここ半年までのビジネスが整理出来てこれからの5年が見えたって感じだ。

 

ふー。ほんとにこの半年は近接遭遇戦、けど何とか終わらせてそれぞれがルービックキューブのように音を立てて自分のあるべき位置についた。よっしゃ、これでいけるぞ。

 

昨日は昼過ぎに日本の新聞社から出国税についての約1時間の電話取材を受けた。海外に出る日本人が何を考えているのかを知りたいという事。

 

移住する彼らの立ち位置は節税対策の一つとしてNZを考えている人もいるが、実際に移住してくる人の80%以上は子供の教育や環境である。節税ではないのだ。

 

そのあたりを説明した上でこれからは必要があればいつでもメールで対応しますと案内さし上げた。日本に居住する人たちからすれば全く見えないニッチな世界なのだろう、それはよく分る。

 

けど現場でやってる僕からすれば移住の実態は「みえてる」のでいつでもお話をすることは可能だ。

 

話は変わって、現在の株価上昇は多くの投資家を潤わせておりそれはそれで良い事である。ただこれは日本の現実の景気を反映していない。需要が増加して給与が増加しての景気回復ではない。あくまでも政府が日銀、年金財団などの組織を動かして大量の資金を流し込んだ結果である。

 

その結果として日本国民全体からすれば圧倒的に少人数の人々が儲ける。ウブロあたりの時計を買う。けど実需はまだ発生していない。ぼくが日本の街を歩く「定点調査」で見れば、まだ景気は戻っていない。

 

なのに株価だけを上げる。それは良いと思うが、一つ間違ったら株価バブルになり一般市民がスタグフレーションの中で更にひどい事になるぞ。実需を創生出来るのか?もちろん僕が政府ならこの方向に行くだろうがもう少し実需や聖域を考えるな、安倍首相にとっては引くも引かぬも茨の道である。

 

あくまで鉄火場としてプロ同士が株式市場でやり取りするのは良いが今の株式市場、素人は手を出さない方が良い。もし今やってるなら、これから株価は2万円を超すだろうがその時点で売り抜けることだ。オリンピックに向けて3万円もありだろうが危険だ。

 

とにかく利益を、ちっちゃくても良いから確定させておくことだ。そして自分の住む国の通貨で持ち、為替リスクを避けること。もしもっと大きな資産を持っているなら逆に為替リスクを避けるために3カ国くらいの通貨で持ち分ける。

 

これは僕が香港時代に学んだ知恵であるが、資産の三分割が基本。現金、土地、宝石。とにかく手に持って逃げられる財産を持つことが大事だ。いよいよ来たぞって感じの日本であり、ガラガラポンが来るぞって感じ。今回の日本政府、本気だよ。



tom_eastwind at 14:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月07日

生きる。

東京に住む30歳の方から問い合わせを頂いた。

 

「今の職場が事業縮小で数カ月後には仕事がなくなる、だったらNZ移住も視野に入れて今から手に職を付けようと思う。大工や寿司職人が良いと言うけど配管工はどうだろうか?またマンションのリフォームの需要はどうなのか?」

 

うらやましい話だ。生きる道がたくさんある。配管工にもなれる、大工にもなれる、マンションのリフォームも学べる、それって贅沢でしょ(苦笑)。

 

僕は中学校の頃になりたかった仕事に弁護士があった。けどよく聴くと弁護士法に縛られて仕事が自由に出来ないってのに気付いてやめた。

 

そう言えば小学校の2年くらいの頃に真剣になりたかったのは、てか夢があったのは宇宙船に乗って火星に行って火星人を唆して地球に戦争を仕掛けさせて最後に火星人が負けるように仕組むという夢だ。

 

何でそんな事考えてたのかって言うと当時はちょうどベトナム戦争の真っ最中で米国とソ連が北ベトナムと南ベトナムを使って代理戦争をやっており、何で同じ人類なのに殺しあわなくちゃいけないんだって疑問を持ったからだ。

 

要するにみな地球人である。だったら宇宙人が攻めてきたら国籍に関係なく皆が一つになるだろう、それこそ地球市民の誕生である、本気でそう思ってた。

 

南ベトナムと北ベトナムは敵であると言ってるが皆人類じゃないか、仲間だろ、何か笹川節が入ってしまったが(笑)、お前ら北と南で顔の区別つくのか?額に「北」とか書いてるのか?もしほんとに書いてたら、相当馬鹿っぽいぞ(笑)。

 

話はそれたが配管工、英語で言えばPlumberNZでは標準的な職業である。一人親方で大型バンにいろんな管やネジや道具を乗せて毎日あちこちの現場を走り回っている。十分に需要のある仕事だ。

 

それなりに腕に自信があればオークランドなら仕事は見つかる。僕が相当昔にやった案件で、車の外装修理(板金)=を専門に13年位自営で働いてる「もとやん君」みたいなのがいた。彼と彼女は全く英語が出来ない、それでも何とか一度は外国に住んでみたい、そんな希望があった。

 

そこで僕は彼に「自分の仕事をCDで記録して自動車修理工場のオーナーを回って下さい、そしたら仕事は見つかります」というと彼は素直に回り出来ない英語でCDを見せて2件目の面接で仕事を見つけてワークビザを取得した。

 

大事なのは素直さと行動力だ。ダマされるんじゃないか?なんて考えるほどの知恵があるならダマした僕に何の利益があるのかって考えれば良い事だ。

 

他にも僕との面談で若いご夫婦がそれまでの営業職を止めて調理師になりオークランドにやって来てワークビザを取得、奥さんはオープンワークパーミット、二人で真面目に働き3年後に永住権を取得して今はバリバリに活躍している。

 

これだって僕が得た利益は45分で1万円の個人面談費用だけで後は何もない。彼らが得た利益は?

 

ニュージーランドでの新しい人生である。

 

それって彼らにとって費用対効果、無茶苦茶良くないか(笑)? おれ、今度から新宿の占い師でもやるか(笑笑)。

 

なんつかな、生きるってことはすんごい主体的であり自分の人生を自分の手で握ってそれを自分が持てる力を使って自分の思うように操縦していく、そういう事じゃないかなって思う。その時に助言を受ける。それを健全な疑問を持って検索して自分で判断する。

 

自分が素直に自分の人生に向き合い今の自分に何が出来るかを考えれば良い。但し大事なのは決して悲観的にならないこと。出来ないことを数えるんじゃなく出来る事を数えようよ。

 

例えば今考えているあなた。あなたはおそらく手足が全部あるのだろう。それだけで贅沢だ。おそらくあなたは考える力があるのだろう。それだけで贅沢だ。おそらくあなたは移動の自由が保障された日本国旅券を持っているのだ。それだけで贅沢だ。おそらくあなたは日雇いでも食べるものがある。それだけで贅沢だ。

 

ほら、持っているものの多さを考えればどれだけあなたに選択肢があるか。これを贅沢と言う。

 

これからは20世紀のようなホワイトカラーの生き方は止めて人間に必要なものを直接提供するブルーカラーを選ぶべきではないか?大工、日本料理、ワイン、服装、何でも良い、とにかく人間の生活に密着したビジネスに自分を置いてみればどうだろう。

 

なんつかな、生きるってのはモノを作り自分の所属する社会に提供してそれで自分の配分を受けることではないかって思う。モノを作らずにモノの移動の時点で金儲けをするってのはどうなんだ??

 

世の中がどうなっても人が生きていくのに必要なものは存在する。それを作り出す人間の方が、それをこねくり回す人間よりも上位にいると思う。これはニュージーランドで生活を始めてから次第に感じ始めた事だ。士農工商の武士は不要としてそれ以外の順番は、江戸幕府の順序もその通りじゃんか。

 

今日も自宅には日本人工務店の方が来てくれて庭に付ける扉の打合せ。一緒に来たのは中国系のドア専門のおじちゃん。元気そうでニコニコしてる。夕方には電気工事のおじさんが来るが彼は韓国系。

 

日本人工務店が仕切って日本レベルの仕事をしてもらえば有難い。中国と韓国のおじさんたちも頑張っている。こうやって少しづつではあるがニュージーランドでも品質の高い仕事を提供していければ、近いうちに”Japan Quality”が根付くのではないかと思ってる・・・てか、それが僕の仕事だ(笑)。



tom_eastwind at 16:07|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月06日

健康保険とマッチポンプ

今日は日本から届いた日経ビジネスの特集「健保」爆弾から。

 

普通人間やってたら体ってのが一緒に付いてくるもので体のない人間なんて幽霊か魂でしかない。だったらその体ってのが健康な方が良いわけで、そうなると体にちょっと何かあれば心配で病院に行く。病院に行ったら大学出た偉い先生が「おお、これはなんちゃら病でござるよ」とやる。

 

ここで楽しいマッチポンプビジネスを誰かが思いついた。

 

まずは食事。13食しっかり食わせて育食を子供の頃から徹底させて健康な人に毎日バクバクと飯を食わせて病気になるほど太らせる。フォアグラと同じですな。

 

案の定糖尿病あたりの病気になったところで病院に行き薬をもらうわけだが勿論病院も薬も無料ではない、本人が13割程度を支払うわけだ。では残りの差額は誰が払っているのか?それは国の保険だったり会社の保険だったりする。

 

ではその国の保険の原資は?あなたが払っている保険料だ。では会社の保険の原資は?それはまさにサラリーマンの給料から天引されている。最近は保険料が健保組合で10%〜14%?程度になっているようだけど、日本で働いているサラリーパーソンの平均年収x労働人口=保険収入でもってしても全然医療費を賄えない。

 

だから健保組合などは赤字幅がどんどん広がって積立金を食いつぶしている現状がある。更にこれから団塊世代がどんどん病気世代に入っていき医療費は増加する。当然現役労働者の負担はどんどん増加する。

 

楽しいね、死ぬほど働いてサービス残業してもらった給料は団塊世代の医療費負担で保険料天引き率が増えるし自分が病気になったら自己負担もあるわけで結局貯金も出来ないままお金の不安を抱えつつ一生過ごすのか。これから確実に個人が負担する保険料は増加する。それは簡単に言えばあなたの給料が減るって事だ。

 

これじゃほんとに肝臓食わせる為に口に食い物押し込まれている鴨と同じではないか。死ぬまで食い物にされる動物と同じ状態ですな(苦笑)。

 

さあ、ではこのビジネスモデルで誰が得をしているか?「医者!」と普通に考えればそう思うだろうが、お医者さんではなく根源的には製薬業界と政治家+厚労省である。

 

よく考えてみよう、最終消費者である患者と生産者である製薬業界の中間にいるのがお医者さんであり彼らは厚労省から様々な規制をかけられレセプトの点は削られる対象であり、つまり僕らの側にいるのだ。ここ、次のテストに出るよ(笑)。

 

昔と違ってお医者さんってのはそんなに儲かる仕事ではなくなっている。よく考えてみれば分かるが子供の頃から一生懸命勉強して難関の大学医学部を卒業して見習いを終えてやっと開業医になれても患者さんが来るなんて保証はない。

 

おまけに開業したらしたで地域のお医者さんとの付き合いやら大学病院との付き合いを大事にしないといけないし、何よりも理解すべきはお医者さんは毎年税金を55%取られ高い医療機器を買わされローンを組む「普通の人」であるって事だ。勿論普通のサラリーパーソンより給料は良いがそのために子供の頃から行ってきた努力を考えれば費用対効果どうなのよ?な話である。

 

その、僕らの反対側にいるのが製薬業界と政府+厚労省である。

 

例えば武田薬品の時価総額は約5兆円。毎年の売上は2014年度で約1500億円。調子良かった2006年は5000億円近くあったが、要するに薬を売っているのだ。そしてその薬って本当に必要なのか?そして大事なのは本当に効果あるのか?である。

 

ノベルティスファーマという外資製薬会社が高血圧治療薬だけで2013年は943億円売り上げてるが効果のない薬売って営業停止食らったけどこのカネも払ってるのは「こっち側」にいるサラリーパーソンである。それで委員会?である。

 

医療業界は口では「健康にご注意を」と言いつつ中年には定期健康診断で生活習慣病を「発見」させる、60代には後期高齢者医療と位置づけて常に病院にかかるようにする。

 

日頃から健康を維持し自分が健康であると思ってる人に対しては様々な雑誌や新聞やテレビで健康を取り上げて「あんたの知らん生活習慣病!」とかの特集をやって常に国民の不安を煽る。

 

つまり不安を煽り病院に行かせて病気を「創出」して最終的に病気漬けにしてしまい製薬会社が儲かる仕組みを作っている。カネを払うのはフォアグラになったあなたである。



tom_eastwind at 15:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月05日

会議室警備員

さっき飛び込んで来たニュース、韓国のソウルで駐韓国米国大使が暴漢に襲われナイフで顔を切られて病院に運び込まれたとのこと。命に別状はないってニュースで言ってるけど、

凶器刃渡25センチの果物ナイフ

顔の切り傷長さ11センチ深さ3センチ

腕の傷刃物が貫通

むしろ大使が公開の場所で民間人大人数と朝食ミーティングをするような場所で韓国警察は警備員出してなかったのかってのが疑問である。これからまた韓国政府内で責任の押し付け合いが起こるのだろう。

 

ただこの事件で犯人は以前の駐韓日本大使にも石をぶつけたとのニュースもありそうなると常習犯か?ちゃんと見張っとけよって話である(笑)。そして今回犯人は「おれはテロを実行した!」とか吠えてるが、テロ?!あーあ、今このイスラム国問題でもめてる時にテロなんて言葉を使ってしまって、世界がどう思うか考えたのだろうか?

 

どうするんだ後始末。他人ごとながら気になります(笑)。ついでに言えばもうひとつ気になるのがこのニュース、今日のTVONEの夕方6時のニュースでやってない事。まだ電波が届いてないのかな(笑笑)?

 

さて僕は今日は朝からずっと会議室警備員でした。

 

09:3010:00 朝ミーティング。日本からの移住問い合わせ対応。

10:0011:00 経理ミーティング。3月決算です。

11:0012:00 今やってる小型M&Aの最終的な詰め。

12:0013:00 子会社経営方針会議。

13:0014:30 海外相続顧客向けの提案について会議。

 

5時間ぶっ続けで昼飯抜きは当然、スターバックスのマグカップに水をたっぷり入れてこれを飲みつつしゃべり続けた、ふー、疲れた。

 

僕は基本的に会議は好きではない。何故なら多くの日本人サラリーマンは会議をすることで仕事をした気分になり実際の売上に繋がらないからだ。そんな暇があったら外にでて仕事取ってこい!である。

 

会議なんてのは自分一人じゃ決断出来ない弱虫共の言い訳で会議でも結局何も決まらないか決まっても後で「空気読んで」決まった事を実行しない。そしてAgain,働いた気持ちだけにはなって給料もらって毎日を生産性無く過ごしている。

 

なので普段は朝ミーティングを終えたらすぐに自分の業務に戻るのだけど、今日だけはそういうわけにはいかない。どの会議も今この場でやっておかないと次のステップである売上に繋がる仕事に続かないからだ。嫌でもやるしかない。

 

それにしても最近会議が増えたなーってふと考えてみると、そりゃそうだ新規の案件がどんどん増えてきており新規の案件って大体において僕が取ってくるのでまずは僕が企画にまとめてビジネスモデルを成立させてスタッフに渡す必要がある。

 

そこから先はスタッフが全部やってくれるのだが今やってるのはまさに「渡す為の会議」であるから仕方ない。

 

今やってる小型M&A案件は関連する人物団体(笑)?がとても多く、すべての利害関係を考えながら一つ一つ糸を結んでいく仕事だ。Aという会社をBが買収してCが経営してそこにDEが加わりその結果Fが切り離されてFAの管理になるという、点と線の仕事である。

 

この仕事は更に移民局も関連しており去年から開始して一年以上かかったが、やっと先月契約書の署名と払込が終わりほぼ一件落着。今日は最後の細かい引き継ぎの確認だ。

 

海外相続顧客向け提案。これは今後発生するであろう相続なんだけどご本人はまだ明確に理解していないよねという状況の方への助言作成である。誰だって自分が死んだ時の話をされても楽しくない。けれどその話を出来るだけ早く冷静なうちに簡潔かつ正確に処理をしておかないと、残された人々はもっと楽しくない状況に陥る。中にはそれが原因で「争族」が発生する。

 

と言うことで今日は会議室警備員の一日でした(笑)。それにしても冒頭の米国大使襲撃事件、オタクも警備員置いてた方がいいよって時代になりましたね(笑)。



tom_eastwind at 13:53|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月04日

サブ ディバイドSubdivied(小分け)

以前書いたランドバンキング記事で「サブディバイド」についてご質問を頂いたので簡単に例を書いておく。

 

オークランドは丘陵地帯で山あり谷ありの町並みである。シティでさえ坂が多くシティの南端にあたるKロードが山とすればそこから北に向かって結構急激に下っていく。

 

ノースショアの丘陵地帯は平坦に出来る場所に住宅を作ったがこの時の都市計画は一般的に一軒の家は1,000sm(約330坪)の土地に100坪程度の住宅を建てていた。

 

ところが土地が広くても坂道部分が多く住宅には利用出来ないのでどこの家でも雑木林として放置していた。ここに目をつけたデベロッパーが隣同士で売りに出てる住宅2軒を安く購入、一つの土地にして2,000smにした後に雑木林を整地して現在の都市計画法に則ってぎりぎりのサイズで住宅を8軒建てる。こうやると元々あった2軒を改築して新築8軒で合計10軒の住宅が出来る。

 

土地取得原価、改築及び新築費用を合計して一軒あたり大体60万ドル程度で売りに出せば現在のオークランドでは3ヶ月もかからずに売れる。なので土地取得から始まって売却、資金回収までが約6ヶ月という非常に短期間で回す投資になる。

 

利回りが10%を超えるしデベロッパーが交通事故で死んでも土地が担保であるから元本の回収が出来る。だから今オークランドのノースショアではあちこちでこのビジネスが盛んに行われている。

 

勿論これは地元に強いデベロッパーだからこそ出来る「芸当」であるからよそ者である中国人が手を出そうとしても出来ない。今はまさにキーウィの独壇場である。



tom_eastwind at 18:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月03日

Director ニュージーランド会社法

再度質問があったので再度お答えしておく。今年5月から改正されるNZの会社法で「会社の取締役には必ずNZ居住者を入れること」という決まりが出来た。「既存の企業で居住者がいない場合は一定期間内に居住者を取締役を選出すること」

 

この文章をそのまま読んだら出てくる答は「ニュージーランド居住者」であれば良いとなっている。この答をそのまま解釈すれば、じゃあ学生でも子供でも良いのか?って話になる。しかし現場の本当の答は違う。

 

***

Companies Office電話して伺いましたところ、条件としてはあくまでNZ居住者をDirectorに立てることですが、DirectorになれるVisa StatusしてはImmigrationって下さいということです。

なので新会社法ではNZ居住者がDirectorとして存在しない会社にしては、下の条件のDirectorを立てなければならないということになります。

NZに居住しているResident VisaまたはNZ Citizen保持者
AUSに居住して、なおかつAUSの会社のDirectorをしている者

***

 

つまり会社法の管理はカンパニーオフィスであり滞在資格を管理する移民局の部分はカンパニーオフィスの関知するところではない、だからカンパニーオフィスでは「居住者であればよい」ということである。

 

しかし現実は滞在資格が正当でなければ居住者ではいられない、なので通算すれば結局観光ビザで居住しててもDirectorにはなれないよって事になる。

 

ニュージーランドは会社法も一般的に北半球に比較すれば「緩い国」としても知られているがそれは一面を見ただけの話である。いつも使うたとえだがルービックキューブの一面だけが色が揃っても反対側が揃ってなければ現実的には使い物にならないのだ。

 

違う例えで言えばここに完璧に透明な何かがある。しかし「ここ」がどこかが分からない。その時にまず「何か」がありそうな場所を予測して、それが何であるかを調べるために何もないような場所にカラースプレーを様々な角度から吹き付けてみる。そして初めて「何か」が何であるかが見えてくるのだ。

 

この作業は現場の経験がないと分からないし様々な業種を知っている必要があるし専門家と呼ばれる人たちでも他の業種を知らないからトータルアドバイスや総合的理解と問題解決が出来ないまま、自分の業界の話だけする。その結果バカを見るのは顧客という事になる。



tom_eastwind at 18:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月02日

2019ラグビーワールドカップ

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ラグビーの2019年ワールドカップ(W杯)日本大会の開催都市が2日に発表される。国際統括団体ワールドラグビーから大会運営を委託されているW杯リミテッドが、同日にダブリンで開く理事会で10〜12と見込まれる開催都市を決める。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市など立候補している15自治体のうち、どこが選ばれるか注目が集まる。

 大会組織委員会はスタジアムの規模、ラグビーの普及度、地域バランスなどさまざまな観点で候補地を評価付けした開催案を既にW杯リミテッドに提出。開幕戦と決勝の開催が決まっている東京のほかは、花園ラグビー場のある大阪府東大阪市、札幌市、福岡市などの評価が高い。

 かつて日本選手権で7連覇を達成した新日鉄釜石の地元でもある釜石市については、日本協会の森喜朗会長が「特別に、という思いはある」と話すように、被災地の仙台市と共に強く推している。

 W杯リミテッドはコスト圧縮のため、できるだけ開催都市数を絞り、収容人数の多いスタジアムを優先したい意向だ。理事会に出席する組織委の嶋津昭事務総長は「われわれの評価と調整して決まるが、12都市は目指したい」としている。(2015/03/01-17:54

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今日は社内の朝ミーティングが終わるとすぐその足でランバンキングのボードミーティングだ。現在手がけているデベロップ案件15軒のうち2軒は3月には完成して売却予定。

 

去年9月に手掛けて土地使用許可を申請して建設許可を得て建設にかかり早い物件は約半年で一つのサイクルが終了するから回転が良い。初期投資が約半年で元本と確定利益が戻ってくる計算だ。一旦サイクルが終了すればまた次の物件を見つけてサイクルを回す事で収益率が格段に上昇する。

 

但し物件によっては土地使用許可、特にサブディバイドと呼ばれる土地分割申請で付近の住民が苦情を市役所に持ち込むと「限定公聴会」が開かれて時間が取られるケースも出てくる。

 

2時間にわたってバンカー、弁護士、僕、途中からデベロッパーにも入ってもらい現場の写真を見ながら聴き取りをする。この間約2時間ノンストップで話し合うのだが、とにかく話の内容をしっかり把握して常に自分の立ち位置と今目の前で起こっている全体像を理解しておかないと会話が出来ない。

 

初期投資額がいくらで現在保有する土地資産がいくらでどれくらいの広さか、去年から開始して現時点での見込み資産増加率等など。

 

英米型会議なのでまず数字ありきで次に具体的対応策を考えていくので個人の意志が入ることは一番最後。つまり、ないわけではないが議論の入り口は必ず数字から、である。

 

おかげで2時間経過後には結構疲れるが今日はもうひとつ案件がある。去年から企画を始めた日本人向けリタイアメントビレッジ計画だ。日本風に言えば介護付き老人ホームである。日本側からは運営ノウハウを提供してもらいAuckland側ではどのような概要でどのように持続出来るビジネスモデルにするかを検討、構築している最中だ。

 

弁護士に現在のAuckland側での進行状況を聴き取りつつ今月視察に行くリタイアメントハウスの資料とビジネスモデルの内容をチェックする。これが日本からリタイアメントビザでやって来た人たちにとって住みやすい施設か仕組みか、等などだ。

 

そんな事をやりつつも2019年のラグビーワールドカップの都市選定にも目を通す。先日僕がある自治体訪問をした目的の一つがラグビーワールドカップだ。この自治体が開催都市に入るのか世界チームのキャンプとしてつかわれる可能性はあるのか、それによって僕の動きも決まる。

 

オフィスに戻ると自分の行ってる事業ごとにA4紙で前線図を作り丸や四角で囲みつつ全体像を把握する。今日はどこが膨らんでどこが小さくなったか。これをやっておかないと事業バランスが分からなくなる。

 

こんな事をやっているうちに今日もまた一日が終了、のんびりゆっくりした青い空の下でせっせと走り回ってる日系一世物語でした(苦笑)。



tom_eastwind at 17:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2015年03月01日

ニッポン無責任野郎

日本に支店を持つ外国の銀行が自行内にある日本人名義の海外口座を日本の税務署に適宜?報告しているようだ。これはたまたま先週お客様との面談の中で出て来た話だがそのお客様ご自身の口座の話である。

 

去年末に自宅に「お尋ね」が来て「このような口座をお持ちのようですがどのような経緯で開設したのでしょうかお知らせ下さい」との事。何で知ってるの?って話だが聴けば顧客リストが彼らの手元にあるようで順々に「お話をお伺い」しているとの事。

 

銀行からすれば日本での営業免許を取り上げられたら困るから当局に言われるままにデータ提出をしているのだろう。これが嫌で日本から撤退したのがHSBCやクレディ・スイスである。HSBCなら香港に拠点を置いて日本人を雇い日本に営業出来る、そう判断したのだろう。

 

但しこれも僕から見ればまだ甘い。日本での営業行為自体が金融証券取引法や銀行法で禁止されておりそのあたりの法律を理解していない日本人が香港あたりに拠点を置いてHSBCやクレディ・スイスの看板で日本で営業しているが、あれは確実にOUTだ。

 

お客様はまだ海外口座のルールがうるさくなかった1990年代に海外に旅行した際に作っておいてその後も海外旅行をする際にこの口座から出金しており金額も大きくないので問題なかったのだが、すごいねこれ、絨毯爆撃だ。どんな所も見逃さず全てに網をかけて爆弾を落とす。

 

これは当局からすれば一罰百戒だぞー、今なら見逃すけどもう変な事すんなよーってことなんだと思う。逆に言えば本気で逃げるなら今しかないってことだ。

 

去年から国外財産調書を個人に作成させて今年は出国税を法律化して外国に出られないようにして来年からはマイナンバー制度だっけ、個人資産を完全に捕捉することで最終的にすべての個人財産に徹底的に課税する。

 

本人がリスクを取って稼いだ分は所得税55%、本人が死んだら残った財産に55%、海外に持ち出すなら出国税、とにかく日本で作った資産はすべて日本政府の所有であり個人所有ではない。

 

「この国で生まれたのだ、この国を含む世界で稼いだぶんはすべて政府に差し出しなさい、あなたのお金は政府がうまく再利用して再配分して幸せな日本社会を作りますよ、あなたは社会とか何に対しても責任を取らず真面目に働いて余計な事を考えなければ良いんですよ」という国家社会主義政策である。

 

これは日本人全員をサラリーマンにして「無責任でいろ、政府がやるから」って意味でありまさに1960年代植木等主演の「ニッポン無責任野郎」が当時の政府の気持ちをよく表している。

 

ちなみに僕は東大法学部卒業の連中が長い間信奉する国家社会主義はそれなりに終始徹底しており現実的政策でもあり日本に根づく政策だと思う。

 

ただ僕のようなほんの一部の人種、「長いものに巻かれる」のがどうしても嫌で「無責任で学ばない個人」であるよりも「自己責任を取り自分で学ぶ自由な個人」でありたい人間には生きづらい政策であることも事実だ。

 

僕マイナス自由=無意味である。ちなみにこの自由とは自由本来の意味である「全ての行動をを“自らに由る”意志で行いその結果に責任を取る」と言う意味だ。

 

しかしまあ、2014年から2015年にかけてはすべての動きが見事に連動しており財務省からすればとにかく安倍政権が安定している時に今までやれなかった事を一気にやってしまおうって感じだ。こんな速度感は久々である。

 

考えてみれば1980年代のバブルとその後の1990年代の金融ビッグバンで日本の金融は完全にB4Afterになってしまった。そして大蔵省はノーパンしゃぶしゃぶで完全に死んでしまいその後のホリエモンや村上ファンドらの若者起業家にやりたいようにやられた。

 

2000年代に入り小泉政権の下で何とか力を取り戻したが小泉退陣後の自民党は小粒が続き(安倍、麻生、福田、皆さん筋は良いのですが)挙句の果てに民主党に政権を取られて、これでまた財政再建の機会を失った。

 

そんな時に第二次安倍政権が立ち上がった。今回安倍さんは強そうだぞ、そう判断した財務省は政権内部と様々な駆け引きをしつつ財務省は財政再建、政府は景気対策を行っている。財務省は消費税増税を迫る、政府は法人税減税を要求する、けど両方の狙いで完全に一致しているのは現在約1400兆円ある個人資産を政府に差し出させることだ。

 

財務省は個人に対して「お金があれば資産課税するぞ、例えば銀行預金があれば預金に対して毎年5%課税するぞ。」って姿勢を見せつつ同時に政府は「1400兆円の個人資産を株投資に向ければ非課税ですよ」ってやる。

 

財務省が国民の背中に火をつけて前に押し出し政府が国民の手を引っ張って逃げ場所をご案内する、そこが株式市場である。株価が上がれば安倍政権の評価も上がる株価政権である。ほんと、最近の政府官僚の動きは見事に平仄を合わせてる(笑)。

 

最近の東京証券取引所なども「貯蓄から投資へ!」と活発に活動している。NISAなどがその良い例だ。とにかく個人の資産を投資に向けて株価を活発化させて経済を活性化させるのだ。

 

これはこれで非常に賢い政策だと思う、さすがに官僚たちは大したものである。

 

株価が上昇すれば会社も資産が増加して企業活動は活発化して納税額も増えるし個人も株価が上昇すれば資産が増えるから課税額も増える。2020年までにプライマリーバランスを黒字化させたい財務省からすれば景気対策にもなる国民個人資産運用の大きな変更は歓迎である、肝心の博打場に自分の資金を送り込む個人以外には良いことだらけだ。

 

最近では国民が預けている年金を運用する団体も国民の年金の運用先を株式に一気に増加させたわけで日本株はますますの上昇を続けている、いくぞ3万円、バブルよもう一度!

けど、そうならなかったら誰が責任取るんだ?植木等か(笑)?



tom_eastwind at 15:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌