2018年07月

2018年07月31日

「スノーマン」ジョー・ネスボ

ジョー・ネスボの2013年作「スノーマン」を読了。ネスボは一気に読まないと筋道も話の流れも主な登場人物を把握するだけでも大変だ。なので毎週届く日経ビジネスを後回しにして上下2冊を週末に読む事にした。

 

それにしてもノルウェイってのはまだまだ社会主義的な感じを受ける。大手企業にしても突き詰めれば政府が何らかの関わりを持っているし、医療・教育は社会主義者に支配されている。

 

こりゃニュージーランドと良く似た構造であるが、2013年、つまりこの本が出版された年の総選挙でいくらか緩和されている。

 

高税率高福祉、最高税率は55%だけど福祉は充実しているよ、それが少しづつ税率を下げて政府に頼らず自分で考えてねという方向の曲がり角にあるようなフィンランドのオスロとベルゲンを舞台にしている。

 

今回は旦那も子供もいる普通の家庭の主婦が行方不明になるところから始まる。ただ行方不明と言っても8割は帰って来ており今回もなにかの理由があってちょっと外に出たのではと思われてた。

 

しかし近隣を探しても知り合いに電話しても全く消息が分からず警察に通報する。行方不明になった家の雪だるまは外ではなく中を観ていた。

 

ここからスノーマン(雪だるま)の長い物語が始まる。上下巻で約800ページ。

 



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2018年07月30日

ひとかけらのパン

出所は覚えてないが今でも記憶の中に残っている一つの作品がある。筋書きも細かい点は間違っているかもしれないが大筋では合っている。

 

戦争中の欧州である子供が家族とはぐれて食べるものもなくどっちに向かえば避難出来るか分からない。

 

そんな時、隣に座っていたお爺さんが、

「避難場所はあっちの学校だ。あそこまで行けば家族も見つかるだろうし大丈夫だ。」

「けどお腹が空いてるんだろう、ここに古くて乾燥しているがひとかけらのパンがある。これを持っていきなさい。」と言って紙包に入ったパンを渡してくれた。

「ただしこのパンは君の生き残るための希望だ。腹が空いたからと言って食べてしまえば君は希望を失う。だから避難所を見つけるまでは絶対に食べるな。」

 

きつく言われた子供はお爺さんにお礼を言いつつジャケットの内側にパンを入れて避難所に向かった。

 

途中、火事で全焼する住宅や行く宛もなくふらついてる人々を観たが、子供はパンをじっと抱きかかえて何とか街を横切り避難所を見つけた。

 

避難所で温かいスープと柔らかいパンをもらった。そこには他にも多くの子供がいたが、皆一様に苦しそうな顔をしていた。

 

「僕は良かったな、あのお爺さんに助けてもらって希望までもらって」

そう言ってジャケットの内側から出したものは、ひとかけらの木材だった。

 



tom_eastwind at 15:06|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月29日

Kiwi Build  10万戸の住宅を建設へ




http://blog.livedoor.jp/citadelnz/

 

労働党政権も派手に住宅問題に取り組み始めた。国民党政権時代にすでに開発にかかってた物件も含めてやるぞって感じだ。

 

良いことである。こういう点は日本の政治とかなり違う。日本では「お前が気に入らないからお前の言うことやることすべてはんた〜い!」であるが、NZは政権が交代しても政策は是々非々でやっていく。

 

なので1980年代から1990年代の政治揺籃期にあっても労働党が叩き壊した社会構造を国民党が更に変化させて成長した。

 

その後も政権は数年ごとに国民党と労働党が担い上手いバランス感覚で経済が上昇、現在に至る。

 

キーウィビルドもランドバンキングも基本構想は同じである。NZ政府が主導してオークランドのファーストホームバイヤーに低価格住宅を提供する。更に政府が様々な補助を付ける買う人に「下駄を履かせて」あげる。

 

但しこの両案件では政府が自分で建物を建てるのではなく、そこはあくまでも海外からの投資家やデベロッパーの自己責任でやってもらう。そして出来上がった建物をファーストホームバイヤーに売って資金回収して終了だ。

 

ただオークランドだけで約22,000人が行列を作って家が建つのを待っている状態なので売れ残る心配はない。

 

パパクラにしても「やっと」30軒の建設が始まったわけで今後の速度を注視したい。



tom_eastwind at 14:50|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月28日

集団責任と自己責任

全くもう、何の為にニュージーランドにやって来たのだ?

 

自分の人生は自分で責任取るから、こっちのやり方に干渉しないでくれってのが以前は主流だった。

 

しかしここ10年でやって来た人々や既に永住権取得している人々の中にも随分と集団責任が出てきた。

 

集団責任とは皆で責任を取ると言うことであり、逆に言えば誰も個人で責任を取らない。周囲と同じことを何も考えずにやってればいつの間にか集団が皆、顔を見合わせながらその場の空気で物事が決まってしまい結果的に大失敗になるがそれでも個人は責任を取らなくてよい。

 

小学校から連帯責任や集団責任で生きていた人々は自分で考えることをしない。周りの動くように動く。

 

第二次世界大戦でも個人責任を主張する者は追い出され、数の力で集団責任体制を作った。挙げ句に次々と現場に即していないニューギニア、ガダルカナル、果てはインパール作戦と、普通に考えれば子供でも分かることを「集団責任」ということで実行してしまい、後から聴くと「いや、あの場では言い出せなかった」と返ってくる。

 

つまり彼ら高級参謀がやってたのはKY競争であり現実的な戦略立案ではない。従って日本軍は負けるべくして負けた。これが集団責任の一番怖い点である。現実を見ず仲間内だけを見ていれば、ロジック武装した米国軍に勝つわけがない。

 

これと同じで現在のオークランドの30代日本人社会にも集団責任体制が作り上げられている感じがする。とにかく周りに聴く「これはどうなんすかね?」で次第に空気が出来上がって最後は無責任になってしまい、これでは何の為に移住してきたのか分からない人種が増えた。

 

移住の目的は様々だろうしオークランドに来ても飲み会などで社外の知り合いを増やすがそこにあるのが「日本と同様に仲間とつるみたい」「自分で考えたくない」であれば、それはそれで良いだろう。

 

しかし自己責任で生活して日本人とはつるまず自分の頭で考える人間を排除するのだけは止めてもらいたい。何故なら集団無責任体制とベタベタつるむのが嫌で日本を出てきた人々もいるのだから。



tom_eastwind at 10:36|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月27日

ノマド

もう日本では死語になっているかもしれない。元々は遊牧民という意味のNormadで、どこにいてもいろんなところで自分の仕事が出来る、であった。

 

日本でも一時期流行り「おれー、ノマドだもんね」とスターバックスでMac広げてたが、そんな流行だけで食えるほど世間は甘くない。

 

ノマドの単語をつかわずとも江戸時代からそういう人種はいた。風来坊とか素浪人である。

 

まるで3歳の子供が親に向かって「ねえ!ぼく、月を発見したよ!」である。

 

確かにパソコンとインターネットの発達でノマドワーカーの領域は広がった。しかしその世界で年収200万円以上稼げるか?それも30年安定的に。

 

安定を求めずに殺し合いの世界で生きていいなら風来坊とか素浪人でよいと思う。そうでなく安定した仕事と自分の生活の両立を図るならばノマドワーカーと自称しないほうがよい。



tom_eastwind at 10:04|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月26日

読書

ここ数日また寒いので自宅で仕事をしている。昼は14度、夜は13度位なので自宅でやるには丁度良いのだが、とにかくメールの量が半端でなくその幅も広い。

 

それも野球で言えば投手が投げるだけでなく一塁手も三塁手も時には捕手も投げつけてくる感じで、とにかく目の前に大きな宇宙が広がっている。

 

僕の仕事は在庫を持たないがその分思い切りパソコンに集中するので、仕事のやり過ぎで頭を冷やす時は読書をしている。自宅での仕事は移動時間もオフィスでの打ち合わせも不要であるから結構「放熱時間」として利用している。

 

今手元にあるのは北大路魯山人の「魯山人味道」である。これはどこから読んでも何度読み返しても楽しい。この本、実はずっと自宅の本棚に置いて毎回何か腹が立つたびにこの本を読んで心を落ち着けることにしている。

 

昭和の食卓事情がよく描かれており、特に魯山人の優れた感覚は食だけだはなく食を入れる器にもなり書をよくし画を描き、実に多芸多才の芸術家である。

 

「お茶漬けは最高のものが鱧と鯛」と言い切り、それも三州から瀬戸内海で穫られるものが良いと言い切り、そのお茶についても実に細かく文章にしている。

 

他にも本人は京都出身であるが何でも京都礼賛ではなく東京にも美味しいものはあるってことで東京に星岡茶寮(麹町区永田町二丁目後十七番地)を作り自身が監督として調理人を使った。

 

この本では「江戸前の車海老、穴子の食い方」だったり「京都のゴリの茶漬け」だったり、昭和10年代だから冷蔵庫も電子レンジもないなかで旬のものを如何に美食とする技術が遠慮なく披露されている。

 

但し旨くないものに関しては厳しい。

***

カロリーだビタミンだと言ってみても、人間成人して自由を知った者は、必ずしも心の喜びとしては受け取らない。まず自分の好きなもの、好む食物でなくては、如何に名高い食物であっても、十分の栄養にはならないだろう。

 

だから他人がいくら美味いと言っても自分が好まなければ意味はないのである。

***

 

こういうことを堂々と公表していたのだから敵も多かったろう、案の定昭和11年、彼は店を追われた。そして星岡茶寮は今までの上客を失っていった。

 

結局彼は鎌倉で陶芸に集中するのだがそのあまりに美意識の高さの為か、家族も含めて多くの友達を失ったようだ。

 

他にもいろんな章があり、どこから読んでも何回読んでも面白い。何度読み返しても「学べる」のである。

 

北大路魯山人、こういう素晴らしい芸術家を生んだ京都に感謝である。



tom_eastwind at 21:17|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月25日

後出しジャンケン

 

 

 

「投資家ビザでNZの永住権を取得しませんか?」

ニュージーランド移民局というのは何とも貞操観念のないものだし法的観念を全く無視している。

 

あのさ、普通誰かがビザを申請したらその時点での基準が適用される。申請してその時点での基準で審査されてそれでビザが発行されれば、ビザの延長であろうが条件変更であろうが「その時点」での基準が適用される。

 

あとになって新しい基準が出来たからと言ってそれを適用するのは「新しい基準が出来た時点より後」に新規でビザを申請する場合だけだ。

 

現在の移民局はまるで後出しジャンケンのようにどんどん基準を変えてくるが、それはどう観ても適法と言えない。

 

けど元々NZの法律が大陸法ではなく常識法なので、この点理解が難しいかもしれないが、少なくとも「落とすためだけの審査」で仕事を進めるのは如何なものか。

 

これには弁護士も相当に頭を痛めており、移民局に直接電話して担当者を呼ぶと「あ、その担当者、今は休暇中で戻ってくるのは2週間後よ」となり時間ばかり無駄に過ぎていく。

 

今後もNZのビザに関しては最終的に国籍取るまで安心出来ないぞ、くらいの気持ちでいたほうが良い。だって永住権は住む権利であり政府が剥奪しようと思えば何時でも出来るのだから。



tom_eastwind at 19:25|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月24日

憎悪

「人は自分に理解出来ないものを恐れるものよ、そして、自分たちが恐れているのを憎悪するんだわ」

 

ジョー・ネスポ「文庫本ザ・バット神話の殺人185ページ」に出てくる、何とも透明で分かりやすい言葉だ。

 

人は、貧すれば鈍すと言う。まさに情けない行動を取る。日本から原発避難して来て何とか当面のビザは取れたもののそこで働くのはプライドがあって嫌だ。だって周りに虐められて自分のプライドずたずたー。

 

そう、あなたに原発は理解出来ない。だからなんちゃら博士の記事を読んで自己判断で原発は危険と思い込み恐れて自己判断で日本から脱出した。

 

もう少し原発の仕組みを早い時期、つまり吹っ飛ぶ前に理解していれば、あれが水素爆発と分かるわけでどの程度の被害が出るか予測出来るわけだ。

 

でも今までは大店の店長みたく何の社会勉強もせず眼の前の仕事だけこなして「俺っていけてるだろ!がはは!」って家族に自慢するだけだった。

 

けどそういう彼らにはサリン事件もなかった早い時期からNZ生活をしている人間の感覚が分からない。早い時期から安全を得るために収入を犠牲にしても生きてる人々の感覚が。

 

「え?東京ではこれで通ってたぜ?」

 威張ってんじゃねー、通らねえって。

 

ここは東京じゃない。日本人社会も小さなものだ。恥をかかされても生き残るのが移民だ。その覚悟はあるのか?

 

なのに日本人社会にいない日本人に同じ日本人と思い憎悪する。

 

全然キレイじゃねえ。

 

あなた達は「西洋社会」と言う理解出来ないものを東京の視点から観て恐れてそこに住む日本人を憎悪している。もう止めて日本に帰った方がいいよ。日本に帰ったら昔の知り合いに行くのは辛いだろうけど、日本語通じるし異国に残るよりはましだ。



tom_eastwind at 19:09|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月23日

ザ・バット

シドニーを舞台にして描かれるジョー・ネスボの出世作。シドニーで発生したフィンランド人女性の殺人調査を協力するためにハリー・ホーレ刑事が送り込まれるところから事件は始まるが、通常僕らの知るシドニーとは全く世界を見せてくれた。

 

それはキングス・クロスの実態であり麻薬の蔓延であり法治国家と呼べるのかと言うまでのアボリジニ先住民に対する差別であった。

 

勿論ニュージーランドでも先住民であるマオリ族がいるが彼らの権利はそれなりに守られており公用語も英語とマオリ語である。

 

結果的にマオリ語を話せない若者が増えているとか刑務所の囚人のうち半分はマオリだとか繁華街でたかりをやったり大声で他人を脅すのがマオリだとしても現実に現在の首相代行はウィンストン・ピーターズというマオリであり国民党の現在の代表もマオリであるから、やはり問題は本人の素質とやる気であろう。

 

ところがジョー・ネスポが過ごしたシドニーではアボリジニ対する政策が厳しく「ロスト・チルドレン」と呼ばれる、アボリジニの子供を生まれた時点で生みの親から強制的に引き離し里親に渡すと言う制度があった。

 

アボリジニが白人のいるバーやレストランに行くときはスーツを着て行くんだ、でないと叩き出されるからね。

 

話は一人の女性の殺害に終わらず連続殺人事件となった。ここでハリーはオーストラリアの警察の仕事に惑わされながらも何とか自分なりの類推をする。そしてこれが読者にとって一気に困惑の中に叩き込まれてしまう。

 

数ページ前に読んだ短い文章、もしかして意味を取り違えていないか?少なくとも相当の読解力を要求されるのだが、それでも読了した時点での心地よい疲れは米国の軽い小説には存在しない。読書が好きで時間のある方には是非とも読んで頂きたいものである。



tom_eastwind at 19:10|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月22日

ゲームの後

 

 

 

 

日本ではゲーマーとかよく使っているが本来の英語のゲームの意味では「野獣狩り」を含む。野獣と言っても虎や象ばかりではなく鴨や鹿等も含まれる。

 

つまりほぼ絶対的有利に立った者が襲撃対象に対して殺しの攻撃を仕掛けるのだ。

 

これに対して日本ではゲームと言えばゲームである。誰も死なない、誰も殺さない。

 

日本人はどうしてもゲームを楽しみたくてゲームの延長を喜ぶが、別の世界ではゲーム・チェンジャーがいる。

 

誰が死んでもいい、俺だけが生き残ればいい、そうやって彼らはゲームのルールを変更して今までいた連中を皆殺しにする。

 

例えばルールの変更はOS,オペレーションシステムの変更だ。

 

最初の変更はレジスターの発明、タイプライターからコンピューターへのシフトだった。

 

これで一体現場でどれだけの仕事が奪われただろう。

 

お店のお金はレジスターが計算してくれる、訂正やコピーの大変なタイプライターがコンピューターにシフトすることで文章だけでなく表計算も出来るようになった。その影でどれだけの仕事が奪われただろう、シフト出来なかった人々。

 

そしてDTP。デスクトップパブリッシングが出来るようになりそれを印刷機に直接データとして流せば、写植工も活字拾いも不要な時代になった。彼らプロフェッショナルはまさに他のことが出来ず去っていくしかなかった。

 

そして今。世の中は金融とITの時代にシフトした。フィンテックはそれを更に組み合わせたものだ。しかし日本が時代に付いていってるのか?どうも疑問である。

 

まず金融であるが、日本の大手銀行のエライサンはふんぞり返って個室で偉そうに毎朝取り寄せた新聞読んでるが、それって最新情報か?偏向してないか。銀

内での席取りゲームには強くても世界のゲームのルールは既に変わっているのだ。

 

戦いの道具は常に変化している。江戸時代を終えた日本が観たものは新型ライフルだった。そんなもんに刀で切りかかっても勝つわけはない。

 

日清日露戦争では軍艦同士が戦った。一人ひとりの力ではなくチームワークが要求された。

 

その後もゲームの道具は変化して第二次世界大戦では初戦において日本のゼロ戦が活躍して爆撃隊がパールハーバーで米国軍艦を沈め1210日はマレー沖では一式陸攻等を爆撃に回し英国戦艦プリンス・オブ・ウェールズとレパルスという英国の2大軍艦を沈めた。これには当時の英国首相のチャーチルも驚愕を受けるしかなかった。

 

西洋におけるゲームとはそれだけ命がけである。今自分が使っている銃は古くないのか?腕前は?動物を里に下ろす方法は?

 

今のゲームのルールで戦って勝ち目はあるのか?常に最新の知識で武装していなければ生きていけないのは、実は昔も今も同じなのである。



tom_eastwind at 17:45|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月21日

読書のすすめ

教育と教養は別物である。教養は飯のタネにはならない。しかし教育以上に重要な人間としての要素である。

 

去年から今年にかけて国会でもりかけ問題や自衛隊日誌等などまさにオンパレードであったが財務省など優秀なキャリア官僚はほぼ東大卒の日本で一番の教育を受けているのである。

 

ところがこれだけ賢い連中が束になっているのに問題がどこにあるか掴めず野党の主張も国民の意見も全く理解せずバカなことをやってしまった。

 

つまりキャリア官僚は答のある問題には強いが問題がどこにあるか分からないと世間から外れた非常識な事をやってしまうわけだ。

 

そう、その原因は教養のなさである。毎日勉強で詰め込み暗記教育に全身全霊をかけるが、大学に入学するとそこで4年あるわけで世界や日本の歴史や哲学、文学等を真剣に学べばよかった、何故ならそこには問題がどこにあるか書いているからだ。

 

プラトンが国家論の中ではっきり言うように「哲学者が王になれ」「王が哲学を知らなければ学べ」である。

 

ところが教育には力を入れても教養の部分である「哲学」を学ばない。だから何が善なのか分からずに役所で皆で梟首会議をやってとんでもない結論を出すのである。

 

書類を隠してみたり改ざんしてみたり、後で追跡調査されればバレるような事はやばい、そんな事が東大卒の頭に浮かばなかったのだろうか?

 

但しそれは野党も同罪、毎日ヒステリックに騒ぐだけで国会の存在意義を全く無視している。エリート官僚も野党も全く教養のない変な国会の終わり方である。



tom_eastwind at 16:59|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月20日

IR法案

今国会はよくもまあ揉め事続きでしたな。超少数の野党が「俺の意見だけを通せ、通さないなら審議拒否!」と超多数の与党の意見を全く聞こうとしない。

 

あ、ちなみに「聞く」は耳が門の中にある、つまり門を塞いで耳を聞こえない状態とも言える。

 

つまり一番聞く耳持たないのは実は野党であるってのが国会審議の中で明確になり次の選挙、がんがれって話だ。労働組合の組織率も落ちてこれから増えていくフリーランスの団塊世代をどれだけ取り込めるかって話だ。

 

しかしネタはいろいろあるけどカジノ法案に賛成とか反対とかアンケート調査とか言ってるけど反対派は実際に海外でカジノに行った経験はあるのだろうか?

 

例えば僕が香港で仕事をしていた時日本からVIPが来ると「カジノ連れてけ」って依頼が舞い込んで来てマカオに連れていく。当時のカジノは数も少なくリスボアホテルに連れて行って通訳と遊び方の説明をした。

 

僕は「負けると分かってるゲームに参加する」のは興味はなく、なのでこういうカジノで博打をしたことはない。

 

だからお客様にご案内はするが自分ではゲームに参加せずビールを飲みながらその場の気の流れなどを観ていただけだ。

 

僕の博打はせいぜいが昭和の時代に飛び込み麻雀やってたくらいで、あれなら中國の「気」の勉強にもなるし夕食もビール飲みながら寿司からうな丼ラーメンまで座ったまま注文出来るし朝まで過ごせて便利であった。

 

当時のマカオは今のマカオからは考えられない程田舎であり繁華街も単なる石畳、道端では肩むき出しの白いTシャツを着てアイスクリームを売ってる子供がいた。

 

その頃の香港でもギャンブル中毒はいるわけでマカオのカジノの前には常に金貸しがいる。香港IDカードを質にして再度挑戦するがIDカードを取り返せるのは10人に2人くらい。

 

後の8人は金貸しの付け人(たいいーろん)が付いて一緒に香港の自宅アパートまで行き母親が泣くのも構わず子供の学校費用や食費を持っていく。その間ギャンブル中毒の父親は周囲に謝り続けるだけ。

 

要するにIR法案とか名前を立派にしても、どこの国でも何時の時代も博打は博打で胴元が負けることはなく常にゲームの参加者がカモにされ、さらに香港マフィアにカネを借りて事態を悪化させる。

 

IR法案とは最初にカモになるのが誰かを決める法律だ。どこに作るか、ホテルやレストランはどうするか、いろいろあるけど最後は博打をやりたいゲームの参加者をどう限定していくかだけである。

 

そのためにシンガポールでは地元民がカジノ狂いにならないように入場制限をするが、海外旅行でやって来た裕福なご夫婦はカジノで50万円くらいすってもディーラーは「さあさあ、カクテルもう一杯どうっすか?もう一試合!」とやる。

 

お互いの出来レースがカジノでありお互いが海外の一晩を楽しめれば良いのだ。

 

だからそこにギャンブル狂いになった一握りの人々への配慮でカジノを止めるなんて発想はない。もともとギャンブルで狂うほどに弱いのだから少人数である。

 

カジノを作ったらギャンブル狂いになるって言うなら日本ならむしろパチンコを問題にすべきだろう。僕はパチンコも全く興味がなく、あんな煙くて柄の悪いところでガラスを観ながらじっとしているってのは耐えられない。

 

だがむしろそれよりも「パチンコは民営博打である」と素直に認めない日本政府にも頭に来てた。母親が炎天下で車に赤ちゃんを残してパチンコ屋って子供を殺す事件など、本来はパチンコ行政を大幅に変更すべきだ。

 

博打は民間に任せると危険だからと自分たちが競艇競輪など公営博打をやり、その上がりは各省庁に入る。

 

そのくせ新宿あたりで客を丁寧に扱うバカラなどは目の敵にされて「逮捕!」となる。

 

要するにお上が甘い汁を吸える仕組みであれば名目は何でも良いのだ。

 

今回のIR法案は最終的にどこが仕切るのか?国交省かな?いずれにしてもどうせ作るなら上品な外国人家族が来てお父さんは昼間は学会、お母さんは子供と一緒にオプショナルツアー、夜はレストラン街とか屋台街で日本の美味しいものを食べてもらい、ほろ酔い気分のお父さんがカジノに行き快く負けて家族のいる部屋に戻る。そこにギャンブル中毒はいない。

 

いいではないか、よく出来た筋書きである。



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2018年07月19日

MS-13

***

(CNN) 米ニューヨーク市ブルックリン区で、15歳の少年が集団に襲撃されて殺害される事件があり、当局は18日、この少年を人違いで殺害したとして、男12人を起訴したと発表した。

当局によると、殺害されたのはレサンドロ・グスマンフェリスさん(15)。対立するギャング集団のメンバーと間違われて6月20日に襲撃された。この様子が防犯カメラに映っており、当局は事件に関連して12人を殺人や共謀などの容疑で逮捕した。

捜査当局によると、12人はグループのリーダーとされる男の家に集まって、同じギャング集団内で対立するグループへの暴行を企てていたとされる。

犯行当日の夜、車4台に分乗した集団は、知人に会うために自宅を出たグスマンフェリスさんに遭遇。車を降りた集団に追いかけられたグスマンフェリスさんは、4ブロック離れた商店に逃げ込んだが、集団に店から引きずり出されて路上で暴行された。

男たちのうち5人は、ナイフやなたでグスマンフェリスさんの首や身体をめった刺しにした。

グスマンフェリスさんは重傷を負いながらも自力で病院へ駆け込もうとしたが、入り口前で倒れ、間もなく死亡した。

犯行後、ギャング集団はリーダーの家に戻って凶器を隠し、手に切り傷を負ったメンバーの手当てをしていた。

グスマンフェリスさんは、警察官を志望する若者を対象としたニューヨーク市警の体験プログラムに参加していた。市警は事件の数日後、グスマンフェリスさんを追悼する奨学金制度の創設を発表した。

http://news.livedoor.com/article/detail/15033108/

***

 

このニュースを見る前に読んでた雑誌で、まさにこの系列の記事をやってた。ナタで相手を切り刻むと言えばMS-13だろう。

 

MS-131980年代に中米サルバドル出身者がロサンジェルスで創設し前進に入れ墨を行うことで一見しただけで凶暴と分かる。そして実際に凶暴で敵をナタやナイフで切り刻むのだ。

 

この組織は次第に拡大して現在はテキサス、ワシントン、ニューヨークに進出している。構成員は約1万人。

 

そしてこの組織の更にすごい点は逮捕されて刑務所に入ればそこで監獄内組織化して監獄の中からMS-13の現場構成員に指示を出すところだ。

 

米国では犯罪対策として取締強化や長期収監をするが塀の中にいようと関係なく外に指示を出す。米国の人口10万人あたりの収監者が730人で日本の55人と比べて大差がある。

 

第一今の日本の刑務所は老人が3食屋根付きアパートとして住む場所であり米国では入れ墨ばりばり入った現役マフィアが塀の中で他のマフィアと殺し合いをしながら外に指示を出している。

 

また無期懲役が100人のうち9人を占めており長期化すれば無期懲役はどんどん増えていく。

 

更にこの組織には上部団体があり、それがメキシカンマフィアである。FBIはメキシカンマフィアを「米国の非合法政府」と表現して塀の中で数百名の幹部がいて塀の外では全米で10万人を超すとも言われている。

 

そんなギャング団がニューヨークで今もナタをふるって人殺しをして逮捕して刑務所に入れても塀の中でまた仲間を作ってやばいことをするだけだ。

 

日本だと最近は暴対法が厳しくなり暴力団として食っていくのも大変で、かと言って「おれ、辞めます」なんて組長に言おうものなら何をされるか分からない。

 

それだったらコンビニ強盗して現金をすぐに家族に手渡しして自首して刑務所に入った方がよい。日本の刑務所なら米国の刑務所のようにやばくない。米国の刑務所は普通の人間が入る場所ではない。日本の刑務所はこれから普通の人が普通の生活をするために入る場所になるだろう。



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2018年07月18日

またも中國ネタ





今度は同じ中國ネタでも2016年に中國から輸入した鋼材1600トンが実は検査で不合格だったにも関わらずニュージーランド北島の高速道路の橋脚の鉄筋に使用されていると言う。

NZ 当局はこの事実を公には認めてないって、そりゃそうだろう。どんなコネで中國から鋼材買ったのかしらんが中國では鉄鋼が大あまりでありおそらく大幅な安値だったんだろうけど、不合格じゃ話にならんでしょ。


どうせ契約作成の際に「返品不能」とかをこそって入れてたりするのは中國のお手の物、NZのようなビジネスレベルからするとまともに戦って勝てる相手ではない。

あとはその橋がどこにあるか分からないけどウェリントン近くであって活断層の上にあってちいちゃな地震が来たらすぐに通行止めにして作り直すしかないな。 

tom_eastwind at 14:55|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月17日

ニュージーランドから中國に情報漏えい




NZはアングロサクソン系国家として「エシュロン」という通信傍受システムを保有している。米国、英国、カナダ、豪州、そしてNZの五カ国だ。


ところが最近になって開かれた米国議会の公聴会ではCIAの担当者がNZが情報漏えいの「最も弱い部分になっている」と証言した。


米国からすればNZがNZ情報をいくら中國に流そうが関係ない、けど五カ国で情報共有をするのにNZ以外の情報を中國に流せば黙ってはいられない。この事はカナダの諜報当局も確認していて「中國がNZの政財界上層部に浸透している」と公表している。

やるだろうな、NZの政治家の中には自分が誰に対して何を喋っているか全く理解出来てない連中がおり、「すごいだろ、おれ、何でも知ってるもんね」と自慢の種にしている。

今後はNZを外すかな、そんな話になりそうだが、「高度な情報共有」がNZにとって必要かどうか、また知って他人に迷惑をかけるくらいなら知らない方がよい。


英語で Need to know basisがある。知る必要がある人だけ知る、だ。南太平洋の平和な小島には知らない方が良いことも多々ある。

 

tom_eastwind at 14:47|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月16日

またもニュージーランド国籍取得

今日たまたま古いお客様から電話があり、最近NZ国籍を取得したとのこと。

 

日本国籍を保持することの意味は人によって違うだろうが、税金や国家の将来性を考えた場合は色んな判断基準があると思う。

 

NZ国籍を取得した場合、NZでは重国籍を認めているが日本が認めていないので日本国籍を離脱する必要がある。つまり法的にキーウィであり日本人ではないと言うことだ。

 

この場合の問題点とは?

 

Q:日本に行けるのか?
行けます。普通に外国人として入管に並び英語の入国書類を記入すれば到着時に90日間の「上陸許可」が発行されます。何で上陸?明治時代の名残でしょうね。こういう点を訂正しないのも日本らしい。

 

Q:日本で働けるのか?

働けません。あくまで短期滞在許可ですので労働許可ではないです。勿論自分が所有する不動産の売買などは可能ですしビジネスとしては自由に出来ますが、いわゆるサラリーパーソンとして給与を受け取ることは出来ないという意味です。

 

Q:日本に住めるのか?

住めません。90日以内に日本から出る必要があります。そして一年の滞在が半年以上になる場合は何らかの滞在ビザが必要になります。

 

例えば日本の知人が会社経営をしていてあなたが大学卒業学歴や専門的な能力を持っている場合は日本の労働許可証が取得出来ます。一年滞在可能で延長も可能です。

 

A:しかし。

あなたが日本で居住を開始すれば市民税、年金及び健康保険を支払う必要があります。例えいずれ日本を離れるにしても年金は払わねばなりません。

 

受け取りもしないのに何で年金か?と多くの外国人が疑問を持っていますが「税金の一部です」と日本人社員に説明されて渋々支払っているのが現状です。

 

それから当然ですが所得税です。そして贈与税や相続税。例えば今外国居住で日本のマイナンバーを持ってなくても日本で居住を開始すれば自動的にマイナンバーが付与されて、その後どこの国に行こうとこの番号の提出が必要になります。

 

日本の法律では贈与や相続は被相続人の居住場所、相続人の居住場所によって規則は異なりますが、財産が日本にある場合は確実に相続税の対象になります。

 

ふざけんな、既に所得税を払っているのに更に相続税って、それは二重課税じゃないか!と怒っても仕方ない、日本政府が決めた規則だから。お上は世界の原則よりも強いのです。

 

A:けれど

 

親子ともに日本国籍から離脱するとどうなるのか?日本にある財産は課税対象だが財産をNZに移して子供に贈与すれば無税である。または家族信託を作って直系子孫に残す方法もある。

 

要するに生活の拠点を日本に置かないといけない人々には選択肢はないがNZに生活の拠点を置くのであればNZ国籍取得が有利な場合もあるということだ。

 

武富士事件で税務署が大負けしてから国としては規則を変えることで対応して来た。それは国としては正解である。

 

しかし、上に政策あれば下に対策ありだ。じゃあいいよ、日本国籍いらねーよって話である。

 

国籍がなくても日本人なのは間違いない。日本政府に忠誠を誓って自分の財産全部政府に把握されて二重課税されて納得しろと言われても、はいそうですかとは言えない。

 

これから出てくるだろうな、日本国籍離脱者。だって人によっては日本国籍を持つことの意味が薄れているから。と言うより日本国籍を持つことで将来的にマイナスになるような人にとっては。

 

自称愛国主義者は「日本で稼いだお金を外国に持ってくとは何事だ!」と言うだろうが、稼いだ時点で納税してる。そのカネをどこに持っていこうが自分の判断である。

 

自称愛国主義者は「日本から逃げるのか!」と言うが、それは違う。日本という国土は好きだが現在の日本政府や税制や官僚を嫌いだというだけだ。



tom_eastwind at 14:29|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月15日

久大本線




去年の大雨で鉄橋が流された久大本線では不定期運行が続いていたが本日再開とのこと。

 

ただなー、久大本線ってのは今は由布院をベースにして格好良い路線だけど僕が高校生の頃にはぶん殴り本線だった。

 

毎朝由布院を出る時は優秀な高校生が乗るのだが途中から不良が続々と乗り込み、コイツラが客車ではなく貨車で毎朝喧嘩ばかりしている。大分駅に到着する時でその日の決着を付ける。

 

とにかく完璧に隔離された貨車であり鉄道員もいちいち相手にしていないから不良の帝国である。ただ彼らの帝国は自由出勤なので喧嘩したくなかったら客車に乗れば良いだけだ。

 

高校生の頃にある授業でセンセイが「おい、日本で一番儲かってる鉄道路線を知っているか?」と生徒に聴いた。答は当然「新幹線!」と返ると思ったら生徒の一人が大声で「久大本線!」

 

大笑いであるがすごく受けた。そこ、思い切り赤字路線だし。

 

そう、大分から由布院と言えば「え?毎日そんな田舎まで帰るんだ〜」と感じてた。けど由布院は一つの街でありクリーニング屋とか食堂とか職場を移しようがないビジネスを経営していれば子供だって毎日由布院に帰るしかない。

 

大分の進学校で勉強して良い高校、そして東京や九州の良い大学に通う為には必要な教育を受けること。そのためには1時間の通学は問題ではない。

 

実際に由布院から来てた学生は頭良かったな。なんつか、明るくて利発だ。そして自分で考えることが出来た。

 

そうやって由布院から来た学生は良く勉強して途中で乗り込む不良共は喧嘩三昧である。

 

当時の大分は新日鉄が進出して大きな団地がいくつも出来て大都市。別府も観光客で賑わった。杉の井温泉、白菊、当時の別府では大きな旅館の鍵を持っていればキャッシュ不要である。今で言うエフトポスのようなものだ。部屋の鍵で全ての付けが効くのだ。

 

ところが今では大分の都町も別府温泉も落ち込み、由布院が全盛である。全く時代は都市を動かす。

 

久大本線、懐かしいな。また乗りたいな。けど今は海を越えた外国に住んでるので余程時期を合わせないと乗れないな。

 

それにしても昭和の当時の大分は魚に名前があった時代、喧嘩に節度があった時代、のんびりした時代だったな。



tom_eastwind at 08:12|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月14日

散髪に行く

今どきあまり使わない日本語だろうが、僕はどうしても「散髪」と言ってしまう。

 

日系の散髪屋(これも使わん)に電話して「散髪の予約をお願いします」と日本語で言うと、受付の女性がくすっと笑った感じで元気よく「はい、分かりました!何時が宜しいですか?」としっかりフォローしてくれる。

 

この言葉に勇気づけられて、まだ俺みたいな未開発原人でも相手にしてくれるのだと思い、土曜日に車を走らせて髪を切りに行く。

 

当日お店に行くと5割程度の椅子が埋まっているが日本人は僕だけ。主な顧客は中國人や韓国人である。

 

働いているスタッフは全員が日本人で会話も英語しか出来ないのだが、中には日本語通訳を付けて来店する猛者もいる。

 

一人が髪を切ってる横で通訳が日本語で「あ、そこはこうして」とやってる。

 

そう言えば他の店でもこういう話はきいた事がある。

 

ある時店のオーナーが増える中国人顧客に対して中国人デザイナーを雇うかと思いよくカネを落としてくれる常連の中国人中年女性に聴いた。

 

すると彼女は即座に「ここで中国人を雇うなら私はもう来ないわね。」

 

オークランドでは日本人経営の美容室と言うのは、やはり一定の評価を得ていると感じた瞬間である。



tom_eastwind at 17:24|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月13日

弁護士一件

今日もまた朝から弁護士と頭を突き合わせて1時間の面談だ。お互いに忙しいので一件の面談は1時間以内で済ませるようにしているが、ほんとに移住顧客のための戦略作りが目的なので方向性さえ固めれば後は早い。

 

お互いに付き合いは長いし、人種は違えど同じNZの移民法の上で議論をしているので顧客の希望さえ明確であれば話は進む。

 

方向性を決めてお互いが何をするか決めて面談終了、丁度1時間だ。これで来週までこの弁護士の顔を観なくて済むとなるとほっとする。

 

と言うのも、一番困るのは顧客自身が「私は大丈夫ですよね、自分で移民局サイトをチェックしましたから」である。

 

実は移民局には移民局英語があって表面を読んでも分からない部分が沢山隠されている。

 

例えば資産証明。日本人が普通に考えて「お、おれは自分で財産作ったから大丈夫」と言ってもその証明を求められる。過去の源泉徴収をさかのぼって提出しろと言われて5年程度ならあるけど、じゃあ5年前以前はどうやって資産を作ったのか証明しろと言われても、そんなもの記録にない。

 

資産証明では75歳の会社社長が20歳の頃から働いて自分で会社を設立して利益を出して給与や配当として受け取り55年で作った資産であるが、じゃあ20歳の頃の納税記録を出せと言われてもあるわけがない。

 

しかし真面目な日本人は自分が中國やインドあたりの移民と比較されて同じような条件で評価されることに慣れていない。

 

だからここをどう説明するかは結構大変であるが、ここはもうそのまま具体例を出しつつ説明するしかない。一番時間のかかる分野である。まず顧客にNZルールに慣れて貰う必要があるからだ。

 

色んな代案はある。引き出しは沢山ある。今回の件でどの引き出しを使うかが弁護士との話し合いである。法的な問題、現在のNZ政治情勢、こういう条文に書かれていない部分を弁護士と「最新情報」を確認して方向性を決める。

 

よっしゃ、こっちで行こう、そう決めて弁護士事務所を出る頃には頭がクラクラするが昼飯にとんかつ定食と味噌汁を飲むとほっと落ち着く。

 

今日は弁護士も残業だな、そう思ってたら18時過ぎにメールが返ってきた。オークランド・シティの変化は激しい。今までなら残業なかった職種でも少しづつ残業が出るようになっている。

 

何だか東京が1950年代から30年かけて変化して来た歴史をシティは10年でやろうとしているみたいだ。

 

街が小さいから出来るって話でもあるが、この変化の速さは付いていくだけで一苦労である。



tom_eastwind at 16:03|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月12日

ニュージーランド国籍取得

今日はNZの永住権を家族で取得して既に5年以上経過した元会員ご家族から連絡があり面談を行う。

 

内容としては子供がオークランドで小学生から生活と学校を開始して子供二人共地元大学に入っており、彼らの判断で日本に戻るという選択肢は積極的に「ない」ので、それだったらNZの国籍を取得した方が良いのか?永住権だけのままの方が良いのか。

 

それぞれに利点や不利点があるのでまさにその家族ごとの[個人診断]を行うのだが、これをやる時に注意すべき点はその家族の最優先項目が何かという点である。

 

今回の面談でもここをしっかり聴き込みプランを考える。けどあまりに多岐に渡る要素があるため数日かけてプランを作り込む必要がある。そのためには周辺情報を聴き込む必要がある。

 

ただ最終的な目標が観えているので、そっちに向けて周辺情報を揃えていけばよいので、要素ごとに分散化してこちらの都合の良い回答が出るようにその道の専門家に聴き込み全体像を構築する作業に入る。

 

2020年に向けてNZ国籍取得を本気で考えるご家族が増えている。彼らは原発の前に移住して来た人々であり既にNZに家族で根付いている。

 

日本の国籍を保持したままNZに住み日本の税務対象となるのが良いか、それともNZ国籍を取得して日本国籍を離脱した方が良いか。これはまさに「その人と家族構成と最終目的による」である。

 

今までは「永住権で十分です」という人が殆どだったが、ここ1年で急激に流れが変わったのを感じる。

 



tom_eastwind at 15:24|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月11日

和製英語



僕が30年前にクイーンズタウンの町中のバスデポでマウントクックのガイドとして働いてた時のことだ。

当時のクイーンズタウンであるから運転手は皆農家上がりでトラクターやダンプ代わりに観光バスを運転していたから元気は良いけど荒い。

今では信じられないだろうけど北から飛んできた小型機が空港に着陸するのを観て、それからおもむろにバスを出していたものだ。

僕はそういう荒くれ社員に対して時々「ねえ、次の到着便は日本人グループで、皆クライストチャーチで買ったキャンディー持ってるよ」とやると、ビールと甘いものに目がないキーウィ運転手はいきなり立ち上がって「よっしゃー!」と飛行機がまだ空を飛んでる間にバスデポを出てくれた。

当時はデポからフランクトン空港まで15分程度。これなら飛行機が着陸して荷物を取る頃にはバスが待っているとなる。

まあ何だかのんびりした街でひとりだけ走り回ってた気がするが、ある時運転手待合室に行くとそこにはコーヒーや紅茶が無料で飲めるのだが、壁に張り紙をしている。 “Ok, you don’t smoke, I won’t fart” 「よし、君はタバコを吸わない、僕はおならをしない」

当時から禁煙活動が盛んだったのは良くわかったが、まさに「こうきたか!」である。

 しかし西洋諸国ではもっとお笑いな例がある。北欧のある国ではFartは速度を意味して高速道路を走っているとFart Controlとサインが出ている。英語圏からレンタカーでやって来たご家族はお子様に対して何と説明するのやら。

上品な日本ではこのような事はあまりないけど英語の元々の語彙を少し勘違いして使っている場合がある。

例えばチャンス。これは日本では好機と捉えた使い方をすることが多い。「さあチャンスです!行きましょう!」 けどチャンスChanceの元々の意味は決して好機だけではなくあまり良くない様子を表す時に使う。

チャレンジはもっと明快で、日本では挑戦という何となく格好良い文脈で使われるけど、英語では自分に向かってくるものと戦うとか相手に決闘を挑むとか、比較的一か八かの挑戦というイメージが強い。裁判で相手に訴える時に使うのもこのチャレンジである。

ここまでは言葉のお笑いであるが、僕がどうしても馴染めないのが和製英語である。

特に「コスパ」が流行し始めた時は「普通に費用対効果と言えば?」と思っていた。和製英語を並べることが格好良いとでも本気で信じているなら相当なバカだし和製英語を作り出すことを「ブンカ!」とでも思っているなら絶筆しろ、である。

さらにアラサー、アラフォー等の和製英語が日本で流行り始めて、それがあっという間に下々の権威信者に盲信されていった時は本当にびっくりしたものだ。宗教はこうやって信者を増やしていくのだと思った。

この2つはまず日本語として響きが悪い。「アラ」は掛け声でもあるし「サー」もエッサッサーの掛け声にしか聞こえない。つまり意味がどうこう以前に発音として下品なのだ。 それがどうして分からないのか?

日本で基礎教育を受けたなら分かりそうなものだが、どうも基礎教育を受けた様子がない。 さらにその意味は30代、40代であり、元々の日本語として十分に使える言葉である。それを何故英語をしないといけないのか?素敵な30代、魅惑的な40代、それで十分に通る。

もちろん良い和製英語があるのは否定しない。日本語では形容出来ない表現もある。しかしそれが粗製乱造の理由として使われるのは納得出来ない。

つまり「あらさー」とかって、発音としても響きが悪く意味としても無意味であり結局昔からの日本語を殺しているだけだ。

「よし、僕は和製英語を使わない、君は和製英語を作らない」

そういう気持ちを持とうよ、せっかく日本に住んでいるのだから。


tom_eastwind at 06:51|PermalinkComments(0)

2018年07月10日

西日本が土砂降りだ 2




今回の土砂降りでは山肌が崩れる現象と川の水位が住民居住地域より高い場所で起こった堤防決壊だ。

記事を見てた東京出身のスタッフが「岡山とか広島って、弱いんですね」と言った。



スタッフは現物の岡山も広島も知らないから、瀬戸内海沿いに新幹線を走らせて高速道路を整備して治水対策が出来ている地域と、山の中にある八つ墓村の舞台になったような津山を一つの県としてくくっている。


知らなければ当然だろう、それは僕が新横浜駅から大きな荷物を持って横浜駅へ歩いて行けると信じ込んでいたのと同じだ。


けどなー、実際は岡山も広島も瀬戸内海沿いと山奥では全く環境が違う。今度こそ少なくとも西日本だけでも災害対策を考えて地方都市集中生活をすべきだ。

川の景色にダムを建てるのではなく、ダムはないけど人はそこに住まない。仕事がある時に畑や田圃に通う、そういう頭の切り替えが出来ないものか。







 

tom_eastwind at 19:42|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月09日

弁護士3件




月曜日は朝一番から弁護士と打ち合わせ一人目。この弁護士は屈託のない感じでちょっと世の中を悲観したような顔で話すので、喋っているとこの案件がどうなると予想しているのかよく分からない。けれどその後送ってきた書類を読むとこちらの意見は十分に織り込まれておりかなり強そうだ。

 

二人目はメールでのやり取りだ。移民局の最近の判断は、本当に落とすための審査である。何故ならこちらは移民局が当時作ったルールに従って申請してなおかつビジネスモデルも明確で利益も出ているのに、とにかく何だかんだとイチャモンである。とにかく戦わねば。

 

最後の一人はどちらかと言うとこちらの言い分、つまり論点整理して弁護士に伝えて「あのさ、最初はこうだったろ?でもって今はこうだよね?最初のビジネスモデル構築の時と何も変わってないと主張しようよ」と伝える。

 

けどこんな事やってると、ほんとに国民党から労働党に政権交代したんだなって実感する。僕も過去に何度か経験した。ヘレン・クラークの時はきつかった。

 

労働党になると確実に経済は落ちる。現に英語学校の廃業が出てきているのは留学生の減少が原因だ。同じことを僕も経験した。何で労働党ってあーも気軽に「じゃあお札刷りましょう」という発想になれるのか?

 

第一ニュージーランドは独り立ち出来るほどに内需は育ってない。だから常に一定の外国からの投資が必要だ。この投資を個別案件ごとにクリアーにしようぜって言うのなら分かるが「とにかく全部落とす」が前提なだけにどうしようもない。

 

移民局も政権交代で文句は言えないのだろうが、これが二大政党制のやり方なのかな。

 

それにしてもこうやって弁護士とやり取りすることで最新の情報が入手出来るわけで、それはそれで悪くない。



tom_eastwind at 17:39|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月08日

西日本が土砂降りだ。




去年から何回続けて九州や西日本を襲う豪雨なのか。しかしこれは天候の問題であり人間が解決出来る問題ではない。

ただ人的被害を出さないためには、今までも主張してきたことだが田舎の自宅を引っ越してある程度の街に固めて住んで、医療、教育、災害、治安、そんな事に対応出来る地方都市作りをすることだ。

これを「いや〜、あのひとは引っ越したくないから」と言うなら、そこで政府としてはきっちりと支援打ち切りも伝えるべきであろう。


何故なら現状では公共サービスは納税によって賄われており 支払いが出来るのは一部労働者だけである。その税金に頼って救急車派遣はどうなのか?

これだったら同じ救助費用なら未来のある洞窟の子どもたちに回した方が良いと感じる。 

tom_eastwind at 17:20|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月07日

外国には出たけれど




雑誌の特集やネットで検索すればすぐ出てくる。候補地としては、やはりカナダ、豪州、ニュージーランドが上位に来るが、どこも生活費が高い。現地できっちりとした働けるビザを保持して確実に働ける場所を得ることが第一である。

 

そして問題は、自分は大学院卒業で博士号があって、だから研究職とか統計学とか就職先はあるよと思っても、田舎の社会構造ではそういう仕事は真っ先に地元エリートの子どもたちが得ることになる。つまり学歴が良くてもよそ者が入り込むスペースはあまりないのだ。

 

そりゃ20年前なら生活費はカナダもNZも日本と比べてそれなりに安かったしビザも取りやすい状況だった。日本人というだけでガイドやレストランや旅行会社の仕事もあった。あの頃に移住して足元を固めた人はそれなりに住居も確保しているだろう。

 

しかし今の時代に上記どの国に行くにせよビザと資金は大きく影響してくる。もう古い雑誌の昔話を読んで「夢が叶いそう!」なんて思わない方が良い。

 

自分たちが持っている能力を考えてみよう。英語力。資金。ビザが取れる学歴と職歴。これだけ揃ってやっとスタートラインである。実際に仕事を得るのはますます大変になっている。

 

何故なら上記3カ国はすでにもっと能力の高い人々が行きたがっている国でありあなたはまだ観ぬ諸外国の人々と競争して勝てるか?一般的には難しいと言わざるを得ない。

 

そしてこの状況が緩和されることはこれから数年はないだろう。何故ならこの3カ国は移住者の減少は起こり得る可能性は低く、地震や津波などが起こってしまえばそれこそ「じゃあやめた」である。

 

海外生活を夢みる人がいるけど、実際に可能かどうかは一人ひとりの条件によって違う。「あの子が永住権取れたから私も取れる」ではないのだ。

 

現地に来て弁護士に騙されて恥ずかしくてその事実は認めず結局ビザを取れずに「帰国報告会」というパターンもしょっちゅうである。

 

また永住権は取れたけど家賃や生活費に見合う給料を貰える仕事がない。そして家賃は毎年上がる。こうなると果たしてNZに住む意味はあるのか?という話である。

 

夢を持つことは良い。ただそれは実現可能性がどの程度あるのか、もう一度よく考えた方が良い。



tom_eastwind at 17:12|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月06日

寒いけど締め付けるな





ここ数日の冷え込みはきつい。朝方が3度で日の出が700過ぎ。昼間の会社でもまるで冰室にいるようで、お湯を沸かして飲むのだけど、それでも気温は8度くらい。

 

このビルはセントラルヒーティングなのでこの部屋だけ温めることが出来ない。だもんで女性スタッフは小型温風機を机の下に置いて足元を温めている。

 

小型温風機のない僕はなんだか両手両足がロボット君になったみたいで、こんなの初めてだ。だから一週間程前から面談のない日はジーンズに厚手の上着、内側にはインナーを上下着込むようにした。

 

ところが上下インナーは夜も着用して暖房も少し付けて寝るのだけど、下着インナーは本格的登山用のヤツで締め付けが無茶苦茶きつい。エベレストに登るような体力ある人には良いのだろうが、流石に毎日自宅と会社を往復するだけの筋肉ではきつい。

 

なので昨日から下着インナーを外してしまったら、何と足のロボット君がなくなった。

 

どうやらこれ、足の締め付けがキツすぎて血流不足になっていたようだ。そう言えば僕が日本にいた頃細いジーンズが若い女性に流行した時期があり、そういう女性が母親付き添いで病院に来るのだが、足が動かなくなると言う。

 

お医者さんは若い女性が履いているジーンズをぱっと観て「それ脱いでゆったりしたパンツやスカートにすればすぐ治るよ。」

 

実は上半身もかなり良くなってきた。とにかく朝から冷たいものを飲まないこと、温かい食事を摂ること、これだけでかなり復活して来た。

 

人間の体は正直なものである。正しく養生していれば良くなるし自然の摂理に反するような事をしていればOUT!

 

さあ、週末は自宅で溜まってる雑誌や小説を、暖かくして読もう。



tom_eastwind at 15:04|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月05日

ライター




火を付けるヤツではない、Writer、日本語で言えば「物書き」とでもするか。

 

とにかくインターネットや低俗雑誌では「自称」ライターが激増である。自分のことをそれでしか語れない。

 

例えば東京から福岡までの長距離バスの話を書くのは良いが根本的に良く読書をして有名な作者が旅紀行をどんな視点からどんな風に書いているかを読み込んで、それから自分の文体を作って欲しい。

 

いや、文体以前に明らかな旅先への知識不足が目立つ。博多には福岡市はあるが博多市は存在しない。バスのトランクも「何時ものと違う」のはあなたの生活範囲があまりに狭すぎるからだ。つまりあなたの観ている「何時もの」は世間では視野狭窄で認識不足とか常識不足というのだ。

 

それでいて「ライター」と自称するのは、それしかないからだ。大体において「アタクシ」が[オサレ]と書いた時点で子供の頃の日本語教育の酷さを感じさせる。

 

それは例えて言えばロンドン在住フリージャーナリストとかニューヨーク在住フリーカメラマンが「アタクシの外国生活」を「オサレ」に過ごしているというようなものだ。

 

一体誰がいくらで仕事を発注しているのか知らんが、ライターはまさに他に自分を表現する方法がない能力不足の目立ちたがり屋が他人に認めてもらいたいために付ける最後の肩書である。



tom_eastwind at 14:27|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月04日

せんざい




あるブログで離島の田舎のレストラン、てか定食屋さんを紹介した際にキッチン側上部に短冊式メニューがありその写真を撮ってた。


地元で出してる珍しいラーメンやうどんを中心に、続いてカツカレー、カレー、白ごはん、せんざい、、、?せんざい300円って、ここは自分で食った皿を洗って洗剤も買えってことか?

 

なんじゃこりゃ?と思いもう一度メニューを写した写真をよく観ると、料理名の上の部分が切れてたりする。そこで考え直してみると、あ〜あれは「ぜんざい」だったことが分かる。

 

そう、日本語もひらがなを上に伸ばしたりクセ字があるからこのメニューを書いた人はぜんざいの「ぜ」の濁点をかなり上に付けていた、だからカメラで斜め撮りした写真だと全体が写り込まないのだ。

 

これから出てくるAI技術では器械に何度も同じものを観せて深く学習することで人間と同じような判断力を持てるようになる。

 

しかしそこに直感はなく「あれ?何かおかしいぞ?」と思うだけの「心の遊び」がないから、レストランに洗剤は付き物、だから洗剤は300円となるのだ。

 

人間は生まれ持った直感と本能がある。だから赤ちゃんは生まれてすぐに生き残る本能を発揮する。しかし器械には直感も本能もないので最終的におかしな判断をすることになる。

 

手塚治虫の「火の鳥」でロビタというロボットが出てくる。彼は旧式ロボットとも言われたが人間の感情をよく理解して、時にはオーナーに対して諫言さえした。

 

本来ロボットはアシモフのロボット三原則により人間に逆らうことが出来ない。

また人間を殺すことも出来ない。ところがこのロビタはある時人間を間接的に殺してしまうのだ。

 

そして言う「私は人間だ!」

 

これからロボットが増えて便利になることもあれば面倒臭いこともあるだろう。ただこれからAIやロボットと離れて生きていくことは現実的に難しい。

 

ならば今のうちにアイザック・アシモフのSF小説を読み(特にお勧めは「われはロボット」「ファウンデーション・シリーズ」)当時のSF作家がロボットをどう観ていたか、そして手塚治虫の火の鳥を読むことで神と不死と人間とロボットの何が違っててロボットに「何をやらせて何をやらせないか」を考える時の試金石にすればよいと思う。



tom_eastwind at 10:56|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月03日

潜在意識

ここ数日「仕事の基本」のような話ばかりだが、潜在意識についても語っておきたい。

 

これは多くの経営者が言ってることだが、悩んで悩んで悩み詰めてどうしても答がでない、そんな時にその悩みをふっと忘れて暫くすると、いきなり新しい答が出てくることがある。

 

特に真夜中まで悩み抜きつつそのまま寝た翌朝に歯を磨いていると急に頭の中にぽっかりと答が出てくるなんて事がある。

 

これは僕も何十回も経験した事であるから明確に言えるが、脳みその多くの部分は眠ったままであるから、これを潜在機能として有効活用すべきなのだ。

 

ただし人生を生きる上で考えつくすとか悩み尽くすとかには限度がある。だって現在の脳みそをフル活用していないし本気で考え悩むという思考回路に到達していない場合が多いからだ。

 

ではどうやれば脳みそのフル活用が出来るか?それが潜在意識を使うことだ。そのためには悩み尽くすこと。そのためには悩み尽くすための要素となる歴史と教養を身につけることだ。

 

またも歴史と教養になるが、歴史は「今自分が生きている時代と場所は世界の歴史の中のどこと同調するか?」である。

 

歴史には必ず後日の答がある。その答を理解すれば自ずと行動は観えてくる。

 

教養、これは全く飯のタネにもならなければ学歴にもならない、役立たずだ。ただし唯一、歴史の中になかった事が起こった場合には役立つ。中國4千年の歴史の中で書かれた史書には実に意味不明だが滋味な言葉がある。

 

こういう歴史と教養を学べば悩みが具体化して潜在意識に働きかけてくれる。

 

もしゴミ箱を蹴ってる君がこれを読んだら「努力すべし、学ぶべし」である。だって努力と学びに損はないのだから。



tom_eastwind at 14:10|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年07月02日

プロの矜持

ビジネスの場面で他社に仕事を取られたビジネスマンが悔しそうにゴミ箱を蹴るとか部下に「何やってたんだ!」とか怒る場面がある。

 

ただ僕は、どうも仕事の上で起こった事は一切腹が立たない、つまり怒らない。

 

何故だかわからないがこれは子供の頃からの癖のようで、仕事とは理屈と期待する論理と幸運が交錯する交差点で起こることであるから、どんな突拍子のない不確定要素が入ってもそれは仕方ない、他人に怒る理由にならないのである。

 

仕事を自分なりに吟味して組み立てて世間の実情に時間的に合ってるか確認して、後は実行するのみであり全ては自己責任。

 

その上で担当者を決めたら仕事は任せる。それで上手く行かなかったら自分の責任であると思う。

 

「給料払ってるんだから言うこと聴け!」とか「お前は何の努力をしてるのか!」などと言うのも、なんか野暮である。

 

だって自分が企画して自分が採用して任せた仕事なんだから責任は自分にあるよね?それがどうしてゴミ箱を蹴ることになるのか?

 

ビジネスにおいて怒りとは自分が期待することを相手が実行しなかった場合であり、それは自分が期待することを相手にきちんと伝えられなかった自分に問題がある、そう考えられないだろうか。

 

仕事は信用が全てである。

 

客は買ってくれない。

仕入先は売ってくれない。



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2018年07月01日

北大路魯山人

中央公論社が昭和1020年後半に発行した「魯山人味道」は実に面白い。田螺に始まり猪や猿やその他野生動物まで食べる様子を実に美味しく語る。

 

魯山人は京都に生まれ自分を「東京人」と明確に区別しながら東京で生活をして料理談義を語る。そして時々東京人の舌の不味さを批判するが、その語りが真に面白い。

 

 

日本料理は京都で生まれ大阪で育ち東京出店で世界に知られるようになったがその真髄は京都にある。

 

これは食を語る日本人であれば読むべき一冊である。



tom_eastwind at 15:00|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌