2018年10月

2018年10月22日

豪首相、ひたすらにお詫びを繰り返す




今日のニュースでスコット・モリソン首相がひたすらにSorry,Sorry,と一つ一つの文節ごとに繰り返しお詫びをしていた。

http://blogos.com/article/333354/

 

これほどまでにお詫びを繰り返す白人はあまり観たことがない。ましてやそれが一国の首相なのだ。

 

ひたすらSorryを繰り返す態度に最初は「何だ?」と思ったが、自国の聖職者や教師による長年続く子供への性的虐待、それも明確な事実として今更どこにも逃げ場がない。

 

だったら徹底的に謝ってしまい自分も被害者側についてしまおうと言う戦略なのだろうが、このお詫びは心が籠もっていた。

 

それにしても欧州に端を発した聖職者による長期継続的な性的虐待はいよいよ世界中に広まっているが、頂点にいる法王はまだ先の見えない戦いを余儀なくされる。

 

ましてや自分の側近聖職者に性的虐待が見つかれば?

その時その宗派は、Sorry
では済まないよ。



tom_eastwind at 17:34|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月21日

ペンは剣よりも強し





ジャマルカショギ記者がイスタンブールのサウジ領事館内で殺されたのを早期に認めたのはサウジアラビアの判断と言うよりも米国からの強力な忠告があったからだろう。

 

そうでなければ独裁国家であるサウジが「ごめんちゃい」を言うわけがない。

 

しかしまあ馬鹿な話である。記者一人を殺して自分がやばい立場に置かれるよりも相手とよく議論をして相手の主張も認めた上で「しかし私はこちらの道を行く」と言えば良いだけのことだ。

 

最初から計画的犯行だったのは分かっている。殺害後に被害者と同様の服を着せて如何にも無事に出ていったように見せかけ、あくまで知らぬ存ぜぬが通用すると思ったのだろう。

 

さて次の段階はMBS皇太子が殺害指示を出したどうかだが、これは違う視点から観れば分かる。今回送り込まれた連中は殺人のプロで10名以上実行部隊がいる。

 

彼ら実行部隊からすれば皇太子が「生きたまま連れ返せ」と言えば勿論そうするだろうし「殺せ」と言われればまぶたをぴくっとも動かさずに殺す。そんな連中が「指示」を聴き間違うことはない。

 

ただ現時点でMBS皇太子を「落とす」わけにはいかないので、誰かサウジ高官が贖罪羊になるのだろう。

 

今回の件はまさに「ペンは剣よりも強し」を如実に表わしている。そして現代社会の発達したネット監視網が見事に稼働していることも。

 



tom_eastwind at 17:31|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月20日

溺死19,000人




日本人は風呂好きであり熱いお湯に入っては毎年19,000人の溺死が発生しているとの事。

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/160120kouhyou_2.pdf

 

これが事実であれば去年の交通事故者数3,694件の5倍である。交通事故で死ぬより風呂で死ぬというのが日本人にとっては幸せと言うべきか。

 

数年前もこれに類する記事を読んでその時は「はあそうか」くらいの感覚であったが今もその状況が変わっていないのにはびっくりした。

 

消費者庁としても溺死しない入浴の手順を書いているが、これがどこまで人々の自宅に届いているのか?第一死亡率が高くなるのは65歳以上、彼らはインターネットを観ることはない。何か出来レースか?

 

野党もやるならこういう政府の対策を国会で聴くべきである。そして風呂で死ぬ老人の数がここ数年変化がないというのがどういう事なのかを政府によって説明してもらえば良い。まさか幸せな老人減らしが目的とは口が裂けても言わないだろうが。



tom_eastwind at 17:14|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月19日

ハリーとメーガン




出自は米国と悪いが本人は立派である。女王に対してもきちんとした姿勢で対応しており、今の時点ではよくやっていると言えるだろう。

 

丁度今日のテレビ特集でメーガンを取り上げていたがテレビでは全体的には「行けるんか、先は長いぞ」ってのと「大丈夫、お前は次男の嫁なんだからリラックスしていろ、いけるさ」って感じだ。

 

自分の旦那が王室のトップになることなど順番から言って当分先である。まずは高齢の女王が逝去されたら次に来るのは浮気男で、こいつが年齢的に20年はやるだろう。

 

でもってこの浮気男が死ねば次はハリーのお兄さんだから次男に王室の席が来ることは当分ないだろう。

 

その意味でカリフォルニアから来た小麦粉色の健康的な娘は、今は米国弁で英国王室の人々に丁寧に愛想を振りまけばよい。

 

そしてハリーも大衆にその姿を見せることで大衆が「おい、一体どっちが兄貴だったけ?」と思わせる力がある。二人合わせて新しい英国の未来を作ってもらいたいものだ。



tom_eastwind at 17:51|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月18日

沢田研二の意地






歌手の沢田研二が埼玉アリーナ公演をドタキャンした。当初は9000人と聴いていた入場者数が実際は7000名だったからとのこと。

 

「この結論を下したのは意地でしかない」との事。

 

沢田研二の最盛期を知っているだけに寂しい話である。ドタキャンしたら折角集まってくれた7000人はどうするのだ?黙って帰れってか?

 

世の中には随分たくさんの自称「歌手」がいるわけで、そんな中でも実際にライブハウスを埋める事が出来る実力派は少ない。

 

ましてや沢田研二のように70歳になって7000人集められる実力は凄まじい限りである。それでよし、歌手として十分な栄誉である。

そう思えないのだろうか?

あまりにファンを侮辱した話ではないか?

 

たしかに往時のジュリーは凄かった。その当時からのファンが今も聴きに来るのであるから歌い手としてはそれで十分ではなかろうか?



tom_eastwind at 14:04|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月17日

信濃の蕎麦




“”信州信濃の蕎麦よりも、、私しゃあなたのそばがいい“

 

ずいぶんと艶っぽい唄であるが、現在の30代以下でこの唄を知っている人は少ないだろう。

 

こういう唄は昭和後期までは落語の演芸場などあちこちの賑やかな場所で聴くことが出来たが最近はその存在さえ知らない人が多い情歌である。

 

“信濃の蕎麦が旨いと言っても、それより私はあなたのそばがいい”

こういう、何かそこにあるものを絡ませて恋を唄にするのは色気のある話だ。

 

何だかお座敷に上がって日本酒を呑み三味線を弾いてるうちに即興で作り上がる唄である。だから作者不明な唄が多いが誰か粋筋の作った唄だろうのはその仕上がりの上品さにある。

 

“恋に焦がれて鳴くセミよりも鳴かぬホタルが身を焦がす”

 

現代人は携帯電話やパソコンで忙しい毎日を送っているわけだが、たまにはこういう情歌を忙しい時間の合間の5分で良いから携帯電話やパソコンからアクセスして往時の人々の気持ちに触れるのをお勧めする。



tom_eastwind at 14:02|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月16日

いよいよ動くぞ。




***

月曜日の日経一面に「国税庁、海外の隠し資産調査 40万件の口座情報を入手」とあります。これは世界102か国/地域の税務当局が自国の金融機関の非居住者口座を開示させ、それを国家間で情報交換するものです。今回、この情報交換を通じて50か国の日本人非居住者口座40万件を入手したとあります。ちなみにこの情報交換システム、CRSCommon Reporting Standard=共通報告基準)にアメリカは加入していませんが、代わりにFATCAというシステムがあります。

http://blogos.com/article/331972/
***

 

CRSがいよいよ本格的に動き始めた。これは数年前から指摘されていた案件で、やっと日本も土俵に乗った感がある。ニュージーランドも去年から突然様々な規則をかけるようになり、日本人でNZ非居住者の場合はマイナンバーの提出が義務付けられた。

 

これは各銀行の事務処理体力の問題もあり順次問い合わせがあり、また銀行口座の資金移動をする際に「マイナンバーがないと受け付けられません」つまり口座凍結となるのだ。

 

一度こういう仕組みが構築されれば強化されこそすれ緩和されることはない。これからあらゆるものをマイナンバーに紐づけていくことになる。



tom_eastwind at 12:44|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月15日

沈みゆく関西空港



これは台風被害を受けたという意味ではなく本当に関空が1994年開港当初から地盤沈下している事実だ。

 

関西空港第1ターミナルのある一期島が開港から現在までに3.43メートル沈んでいる。だから開港当初から地下のオフィスでは「ドアが開かない」とか「傾いている。ゴルフボールを床に落とすと動く」と言われてた。これは業界の内輪話として有名である。

 

これは関空も政府も好ましい情報ではないので国民には出来るだけ最低限の情報を与えて最後には「大丈夫です、お上がやっている仕事ですから」となる。

 

B滑走路がある二期島がすでに4.14メートル沈下。オフィスビルのまるまる一階分が海に沈んだ計算になる。

 

昨年1年間では一期島が6センチ、二期島は30センチも沈んだ。

 

もちろん関空もこれに対応して油圧ジャッキアップや護岸の嵩上げをやっている。一期島5メートル、二期島3メートル。ところが元々地盤の弱い海の上に、つまり砂の上の空港だったわけで、そりゃ毎年沈むわ。

 

地盤沈下の件は当初から認識されていたが無視されていた。「まあゆっくり沈んでくれたまえ、問題がある頃僕は担当じゃないから」と誰かが言いそうだ。

 

そして今回の台風で高潮は5メートルの護岸を軽く乗り越えたと言うが、要するに5メートルの護岸を作っても3.43メートル沈めば残りは1.57メートル。そんなもん、高波が一発来ればOUTである。今回の高潮は潮位が3.29メートル。そりゃ沈むわな。

 

関西空港はLCCなどが利用することで利用率を伸ばして来たが、肝心の空港が海の中になると今後どうするのか?護岸工事をしては沈み、また護岸工事を行うのか。そのうち周りを海に囲まれた空っぽの金魚鉢になってそこに急降下で旅客機を着陸させるのか?

 

何でここに空港を作ったのかなどと野暮な事は言うまい、それは大阪と言う街の政治家、東京の官僚、地元利権団体などの人間関係だからだ。彼らからしたら建設費用など関係ない、今いくら自分のポケットにカネが入るかだけである。

 

だから彼らは地盤沈下しようがそのまま沈もうがどうでも良いことである。自分の利権さえ守れれば良いのだから。



tom_eastwind at 18:59|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月14日

公設カジノ



日本政府が新しくマカオやシンガポールのようなIRカジノを作るっていう構想は良いのだが反対派は「カジノ中毒になる!もっと慎重に!」と言う。しかしすでにパチンコ業界では多くの赤ちゃんが真夏日にパチンコ狂いになった若い母親に放置されて熱中症で殺されている。博打が生むデータは十分にある。

 

第一政府は「民間では制御できない」として公営設営した競馬、競輪、競艇を何十年もやって「中毒データ」は十分に取れている。むしろ個人的には麻雀を合法化しろって感じ。

 

最近は公営の競馬競輪競艇の客の入りが良くない。だから政府としては次の収入源を探して、そこで表面的には統合型リゾート施設と上品そうに言いながら実質的にはカジノ収入をパクりたい。勿論ホテルやレストランからも納税してもらいます。

 

統合型リゾートにすればパチンコ狂いや競馬通いが減るわけではない。低層はそのままパチンコ屋とか競馬に残って納税してくれれば良い。

 

大事なのは新しく作る賭場が上品って事だ。だからここで外国人の新しい顧客を得る。

 

戦略としては立派だがなぜ進まないのだろう?おそらくこの背景には日本が経験したことのない大きな利権が動いているのだろう。

 

政治家、やくざ的政治家、遊戯連、裏社会、それぞれのトップが頭を絞りどうやったら自分の利権を確保出来るか、裏舞台でボコボコ調整の真っ最中であろう。



tom_eastwind at 22:06|PermalinkComments(0)

2018年10月13日

民間には出来ない働き方改革





日経ビジネスの生産性向上をテーマにした特集があり、いかに日本人ビジネスパーソンが外国人ビジネスパーソンより多く残業し年休も半分くらいしかとらず、プレミアムフライデーに至っては

「プレミアム 増える仕事の 持ち帰り」

「噂では 早く帰れる 金曜日」

などと川柳にされるくらいである。

 

今回の日経ビジネス特集では生産性向上をテーマにしているが、そこに描かれているのはあくまでも日本社会の上澄みでありその根本を流れる大きな源流が書かれていないのは日経の控えめであろうか。

 

戦前の日本から続く生産性向上とは子供を学校に入れて心太式に政府の価値観を植え付ける。失敗を恐れろ、上意下達、自分で考えるな、そうやってすくすくと育った若者は兵隊としては優秀であるが何か新しいことを作り出すことは出来ない。だから自分で「改革」が出来ない。

 

また上が立てた計画は実行不可能と分かっていても何とか実行する、大きな犠牲の上で。それは戦争時も同様であった。ガダルカナルもニューギニアも兵隊を人間として観ていない。大本営からすれば捨て駒であるから彼らのために兵站線を作るとか兵隊の命を守りつつ戦うという発想は全く無かった。

 

つまり日本の上層部に生産性向上という発想はなく、一人送り込んで駄目なら二人送り込め、どうせ使い捨てなんだから飯の面倒など不要、兵隊に言え「お前は敵の食糧を奪って食べろ」である。

 

だから現場で語られる働き方改革も上層部からしたらどうでもよい、適当に対応しとけってで生まれたのがプレミアムフライデーである。だから当たらなくて当然、張本人にやる気がないのだから。

 

つまり働き方改革と言っても上層部が動かなければ何も変わらない。現場でぶくぶくと泡がでては弾けて消えるようなものだ。

 

しかし世界先進国から観れば労働者がきつい思いをしている日本だが、やってる本人からすると周りが同じだから気にならない、困ったものである。

 

大本営発表:国民はひたすら国家に敷かれた道の上で働き食料や住居は自分で賄え、そして無能力になれば去れ、この社会から。



tom_eastwind at 15:03|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月12日

大家は辛いよ



今から20年くらい前まではニュージーランドはのんびりした国でキーウィが一生懸命働いたら家を買ってワーホリや留学生、若いキーウィカップルに貸してその家賃で生活費の一部として一年に一回旅行に行くなどして生活を楽しんでいた。

 

ところが5年ほど前からだろうか、テナントの質が下がりすぐに追い出しても部屋はボロボロ、トイレは水つまり、修理費を請求しても捕まらない、たまに捕まってもカネを払わないで大迷惑である。

 

昔のテナントはもう少しマシだったと思うんだけど、テレビを観てボロボロの部屋に「なんじゃこりゃ!」である。麻薬やってパーティやって酔っ払って壁を蹴ったりしているんだろうな。

 

追い打ちをかけるように労働党政権が近いうちにテナント法を変更して、今までは90日以内に強制退去可能だったのが大家が正当な理由を説明出来ない限り強制退去することが出来なくなる。

 

大家もすでに予防策として新しくテナントとして入居を希望する人は本人の身元確認や収入確認を行っている。日本だと当然だろうが今までのNZではあまり一般的ではなかった。

 

第一いくら身元確認が出来てもジョブホッピングが普通な社会では求職中は家賃が払えないわけで取り漏れが発生する。友達が来てパーティして誰かがタバコを吸えば壁にやにの匂いが染み込む。

 

匂いと言えば最近のフラットメイト募集で「インド系の方の訪問はお互いに時間のムダになるので連絡しないで下さい」とはっきり書いてた。これなどはカレーの匂いが部屋中に染み付くだけでなく両隣にも強烈な匂いが拡がり、それを気にすることなく住み着くインド系は大家として到底やっていけないって事だ。

 

つまり昔のようにオーナーが全ての権利を持ちテナントと仲良く生活をしていくという絵図はオークランドではすでに崩壊中なのだ。

 

現在でさえオーナーは家賃回収と物件維持で一生懸命なのに労働党が新しい法律を導入するとこれからは誰が入るか分からないから怖くて貸せない。

 

そこで現在は今まで賃貸していた物件を売ってしまいもっと利回りが良くて自分がバタバタしなくていいようにしたい、そういう方向に向かっている。

 

これから大家さんになろうとする人はその苦労をよく理解した方が良い、何せ既存大家が撤退する時代である。



tom_eastwind at 14:46|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月11日

佐々淳行氏死去



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初代内閣安全保障室長を務めた佐々淳行氏が20181010日に死去した。享年87歳。各メディアが報じた。

   1954年に警察庁(当時は国家地方警察本部)に入庁、72年のあさま山荘事件では指揮を執った。86年に初代内閣安全保障室長に就任、89年に昭和天皇の「大喪の礼」において警備を担当した。退官後は多くの著作を発表、2002年には「突入せよ! あさま山荘事件」として映画化され、本人役を役所広司さんが演じている。NPO法人総合危機マネジメント協会の会長・理事なども務めた。

***

 

 

そっか、佐々淳行氏が亡くなったか。彼の人生の教師である後藤田からすれば「おい、俺は90過ぎまで生きてて肺がん、お前は老衰って、体鍛えてないな」と笑われそうである。

 

実際この二人のコンビは日本警察の警備保障を根本から作り変えた。佐々淳行氏は警備の要を様々な観点から観ていたが、香港警察に研修に行った時に当時よく起こるデモの取締を観ているとふと気づいた事があった。

 

警察側はデモ隊よりも強い武器を持たない。基本的に彼らを解散させるための話し合いを行う。そして必要ならキーパーソンを逮捕する。

 

当時の日本ではデモ等の行動は反政府勢力であり徹底的に叩き潰せのような風潮があった。特高の名残りであろう。

 

しかしそんな事をしてもデモ隊との問題解決には繋がらない。

 

西洋式武装と思想を学び日本に戻り日本の警備とはどうあるべきかを構築していったその背景にはもちろん何時も後藤田長官がいた。

 

あさま山荘事件では警察に被害者を出しながらも大型住宅破壊車の大きなボールで山荘の横っ腹に穴を開けて救出部隊を送り込み人質を奪還した。これなど実に勇敢な判断である。

 

佐々淳行氏の本は5冊くらい持っているが、どれも地に足の着いた文体でありすべての本から学べるものがあり、逆に言えば警察の他の人間の伝統的常識である「ひらめ」からすればいちいちカチンと来る人物だったろう。

 

良い人物の死は寂しいものであるが誰にも寿命はある、冥福を祈る。



tom_eastwind at 13:26|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月10日

ビールに氷




日本ではまずやらないのがビールを飲む時ジョッキに氷を入れる習慣である。ビールはよく冷やしてストレートで飲むものと思っている多くの日本人からすれば海外でのビールの飲み方に違いが出るのは事実である。

 

例えば夜になっても30度前後の暑い香港で軒先屋台でビールとラーメンを注文すると氷入りビールが標準である。

 

もちろん同じ香港でもクーラーのガンガン効いた高級ホテルでは氷なしであるが、若い頃に軒先屋台で氷入りビールを飲んでいた人々は成功した今でも過去の味を好むようでウエイターに追加氷注文してたりする。

 

シンガポールでは屋台街に行き料理とビールを注文すると缶ビールと氷の入ったジョッキが渡されたものだ。

 

香港やシンガポールは飲み物を置いておくと一気にぬるくなる。そして暑い国で過ごす彼らからすればすっきりしたくて飲むビールがぬるくては全くすっきり出来ない。なのでビール本来の味どうこうよりも早飲みでいくからビールが冷えたまま本来の味を楽しめて軒先屋台で幸福になれるのだ。

 

インドでは30年ほど前に宮殿列車と呼ばれる豪華列車でもビールを注文するとぬるかった。ウエイターに「冷たいビールはないのか?」と聴くとちょっと待ってろという仕草と共に冷凍庫にビール入れてた。

 

これがニュージーランドに来ると全く違うビール文化がある。大手で作ったビールが一応全国標準であるが、地方に行くと地元で作ったビールのみを置いていたりする。しかし氷を入れる習慣はない。

 

基本的にNZは寒い国なのでビールそのものをゆっくりと楽しめる。

 

更に各地ではクラフトビールがあるが、オークランドシティのど真ん中にはベルギービールを飲ませる店がある。これが旨い。そしてムール貝の蒸し物をバケツ状のようなものに入れて出てくる料理は実にビールと合う。

 

そして欧州からの移住者が多かったNZでは欧州各地のビールがあり、大きく分ければビールもピルスナーとエールがあるが、とくにエール好きのドイツ系のバーでは言えば常温で出してくれて、エールそのものが持つ香りを楽しめる。

 

特に最近のオークランドではスポーツバーでもクラフトビールにこだわりを見せている。クラフトビールが発展し流通網が整備されて随分便利になった。

 

ビールに氷から常温ビールまで地域によって様々な飲み方があるわけでエールの常温飲みとか熱い風呂から上がってすぐに氷の入ったビールを一気飲みしたりとか、日頃のビール神話を少し見聞を広げてみるのはいかがだろうか。



tom_eastwind at 11:38|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月09日

旅行至上主義者





今日はちょっと新鮮なネタ。自分が旅行屋でありながらこういう角度で旅行を観るのは思いつかなかった。

 

例えば友達同士がカフェでお茶している時に

「今度の休暇はタイで珍しいお寺巡り、写真一杯撮って来るね」とか

「ねえ次の長期休暇は予定合わせてパリに行かない?」とか

旅行嫌いからするとうっざい話でしかない。

 

だから生返事していると

「あれ、疲れてるの?ちょっと旅行して気分転換すれば?」とか

とにかく旅行が嫌いなのに旅行至上主義者は自分たちのやっていることが

如何にもリア充であり正義であり旅行に行かない人間は心に傷があると考える。

 

そして旅行に行かない人に対して「だったら車とか電車で近場の温泉もゆっくり出来ていいよ」と言い、これが益々旅行嫌いの怒りに火を注ぐことになる。

 

だから旅行嫌いは旅行の要素(お金がかかる、移動、ガイド付き観光、お土産、決まった夕食、部屋も選べない)すべてが嫌いなのだから何を言っても仕方ない。

 

てか旅行至上主義者は自分の正義や生き方が全てで何の悪気もなく平気で話題にするが、もしそこに座ってる相手が旅行嫌いで喧嘩至上主義者で旅行の話をする人間を「おいこら、表に出ろ!喧嘩して勝負を付けようぜ」とでもなったらちょっとしたお笑い、至上主義者同士の喧嘩になる。

 

どっちも自分が正しいと信じているから本人が知らないままにxx至上主義者同士の戦いになってそれを相手に押し付けることになる。

 

例えば食事至上主義者がいてお店に連れていってくれるまでは良いのだが「ここは美味しいよ、まずはビールで乾杯しよう」となり前菜が出てくるが料理の下に生の刻んだ玉ねぎ、上にはたっぷり乗ったネギ。どうやらこの人、自分の「出てきた料理は何でも食べる」食事方法だけが正義であり、世の中にはネギや玉ねぎなど食材の好き嫌い、偏食、アレルギーがあるとは考えもしない。

 

とにかく自分のやりかたをどんどん押し付けるから参加した初心者は何も食えずビール飲んでメニュー見て枝豆注文することになる。宴会時の大皿の唐揚げにレモンが乗ってて必ず誰かが「皆さん、レモン行きましたー!」とやるのも、要するに自分の食べ方至上主義者であり他人のことなど全く考えない。

 

北大路魯山人は自分が呼んだ客(仲間)の好き嫌いを理解把握しており、彼らが好きそうな食材を入手するとすぐに客を呼び夕食会を開催する。いつも数名である。大人数では夕食の制御が出来ない。

 

魯山人は人を呼ぶ時は5名まで、ほんとは少ない方が良くて一番良いのは料理を作る人の前に客が一人だけ座って順々に料理を食べてもらうことだと言ってる。

 

至上主義者は要するに「自分だけ正しい」と思い込んで他の考えがあることを全く理解出来ない。

 

旅行に行く自分を「リア充!」と感動して写真をUPして帰国後友達に見せて自慢してみたり、美味しいレストランで自分の食べ方を相手に強制して「ほら、美味しいだろ、このメニュー、俺が組み立てたんだ」と言われても何故その前に呼んだ相手の食材の好き嫌いとかを聴くだけの配慮が出来ないのか?

 

世の中には至上主義者がたくさんいる。それも本人が無意識のうちにやっているから悪気もなくて、まるで話に乗らないこちらの方が「可哀想ね」とか悪者にされる。

 

もうちょっと他人に気配りしようよ。世の中何かと生き辛くなったものだ。



tom_eastwind at 22:26|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月08日

中国人のお酒遍歴




オークランドで中国人の横暴さや南島でレンタカー事故を起こして地元の子供を殺してしまうとか、何かとお騒がせな中国人。

 

そう言えば10年ほど前かな、「魚釣島(尖閣諸島)は中国の固有領土である」とニューマーケットの屋外広告が出されたりした。(後日撤去された、効果ないと思ったのか広告費用払うスポンサーがいなくなったのか不明)

 

ところが地元キーウィの抗議が中国人に向くとすかさず「私たちアジア人は〜」と言い出す。おいおい地元キーウィが抗議しているのは「中国人」に対してでありアジア人全体ではない。

 

なのに中国人は自分が守勢になると身の回りにあるもの何でも使う。それが「私達アジア人は〜」である。尖閣諸島では日本を抗議しフィリピンとも領土問題抱えているわけで「私達アジア人は一枚岩ではない。各国ごとに国民の行動原理も危機対応も違う。だから一緒にしないでくれ」と言いたい。

 

その中国であるが、今は赤ワインを飲む人口が激増している。もうちょっと良いお店に行けば赤ワインを薀蓄を垂れながら飲むのが美味しいようだ。

 

時代は変わったなと思う。

 

僕が香港で生活していた1990年代、赤ワインどころか白ワインさえ飲まれず周りの中国人からはきっぱりと「中国には美味しいお酒がたくさんあって自由に組み合わせて飲める。何故外国の酒をしゃちほこばって飲む必要があるのか?」

 

だから当時の香港にあるイタリアレストランはどこも苦戦してて、出店してはすぐに業態変換などやっていた。

 

僕はその頃から美味しいピザやパスタや肉料理を食わせてくれる「ちむとん」のレストランに通いワインに合わせて楽しんでいたものだ。何より中国人がいないから静かで良い。

 

ところがその中国が何時の間にかワイン消費大国になっている。外国でも中国人がワイナリーを買収してせっせと中国に能書き付けて送っている。

 

そう言えば昨晩のニュースで去年中国人が買収したNZ水製造販売会社が中国向けのラベルに「この水は地下200メートルから取水した純粋な水である」と書いているのだけど、事実は約35メートル程度の場所から取水しているだけだ。

 

ニュースでも「いやさ、NZの輸出を伸ばしてくれるのはいいけど嘘はやめようよ」と記者が聴くと責任者は「ラベルを貼っているのは事実だけどまだ輸出も販売もしていない」と開き直る。

 

じゃあラベルを貼り替えるのかと聴くと「それも視野に入れているがなにせまだ輸出してない段階でどうこう言うのは早すぎる、もう忙しいからさよなら」と半ギレ。

 

こうなるといくらワイン大国で作ったワインでも中国人がビジネスに参加していればこういう権謀術数は常に「あり」で、よほど注意して仕入れる必要がある。ただしそれは飲む方に知識がなかった場合だ。なにせワインは一旦腹に入ったら証明のしようがない。

 

輸入商はメーカーワインの瑕疵を徹底的に調べて少しでも値段を買い叩く。同時に中国で売る際は相手に応じた「適切な」説明をすることで輸入商の利益を最大化する。

 

中国のワインビジネスはこれからも安定して伸びていくだろう。

 

1990年代までは欧州人の飲む気取ったワインを馬鹿みたいに高い値段で買うなんてありえなかったが中国経済のここ10年の発展とともに中国人が上海にある天井の高い薄暗いイタリアンレストランで仲間とワインを飲みながら、ふと思い出すことがあった。

 

「あれ?これって俺たちの祖先が1900年代初頭に上海租界でやってなかったか?」

 

そう、先祖戻りである。



tom_eastwind at 10:28|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月07日

道徳自警団




先日の記事とちょっとかぶるが、ある漫画家が世田谷区のイベントに呼ばれた時の対応の杜撰さに「これ、おかしくね?」とネット発信したら漫画家に忖度する道徳自警団がうじゃうじゃと出てきて、それでも世田谷区担当者の上司がすかさずお詫びをして何とかその場は収まったようだ。

https://news.careerconnection.jp/?p=60510

 

しかし自警団は日頃自分がいろんな事で差別受けたりむしゃくしゃしているから積極忖度で「上司じゃねーよ、担当者誰だ?」とこの時点ですでに暴力的。

 

結局自警団は「叩いても文句言われない奴見つけると徹底的に叩く」のである。その背後にあるのは社会に対する怒りであり自分に対する不満である。けど自分の姿は決して表に出さない。あくまでネットの中だけである。

 

これはレストランへの「叩き」も同様である。相手は客商売、どこで誰が観ているか分からないから店側としては平身低頭するしかない。食べログの批判の多くは「叩いても相手が逆らわない」事を前提にしているから書きたいことが書ける。

 

冒頭の漫画家がネット世界で文句を言うのも今の時代らしいし世田谷区も上司にお詫びをさせて公式サイトでも「謝罪文」を掲載したとのこと。役所にしては随分手際良いなと思ってたら区長が保坂展人氏。

 

あ、なるほどなと思わせる展開でした。

 

それにしても道徳自警団はこれ以上やると日本では「名誉毀損」や「プライバシー侵害」というれっきとした犯罪になるよ。

 

だから「叩いても文句言われない奴」が日本の法律を背中にして本気で反撃してきたら、やられるのは自警団の方だから。だって警察はその気になれば誰がネットで発信しているか突き止めることが出来る時代だから。



tom_eastwind at 21:17|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月06日

バックハンド





ニュージーランドのビジネスは握手から始まる。名刺交換は会議の終了後に「あ、そうだ、連絡先頂戴」ってくらいで名刺交換するくらいだ。

 

でもって一般的にビジネスマンの握手は右手である。だから僕のように右手が使い物にならない場合は、左手をさっと出して上下反対、つまりバックハンドにして握手する。

 

これで相手も「こいつ右手壊れてるな」と分かってくれるしこちらとしてもキーウィビジネスマンの握手という文化を十分に尊重していると理解してもらえるのでその後の話が早い。

 

ビジネスの本題に入る前にバックハンド説明を軽くやって相手の笑いを取ってから話を始めると、丁度良いくらいにほぐれて話が進む。

 

それにしても世界中どこでも仕事が出来るとは言えどそれはキーボードを叩く限りであり、肝心のキーボードを叩く指が痛いのでなかなか治癒してくれない。

 

ただ足に来るよりは良い。シティでも立派なビジネスマンが時折痛そうに交差点で足を引きずっているが、ありゃ同病だな。

 

僕の場合足ではないので歩行可能である。キーボードも休み休み打つ分には何とかいける。また左手一本打ちも兼用するので何とか仕事は出来る。

 

医者に薬はもらっているので後は大人しくして、お箸は左手で持ちスプーンも左手にして出来るだけ右手の負担を減らしている。

 

さあ日本に出張出来る体力を早いとこ取り返さないとである。



tom_eastwind at 20:21|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月05日

正義依存症




世の中には色んな書き込みがあり相当過激になりつい先日はHagexという普通のサラリーマンが福岡で刺殺された。会ったことも話した事もない引きこもり人物にである。

 

http://blogos.com/article/330128/

 

僕のブログでも普通にボロクソなコメントがある。どう観ても本文読んでないでしょ、もしかして今何かやってる?と感じるほどだ。例えばこんな。

 

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Posted by あなし

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お前はアホか 小学生の文章、中学生の発想、曲がりくねった老人の根性、それで自分が日本人であると思い上がっている。もうどうしようもない。

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返信のしようもない文章であり実際にこのコメントに電子的に返信は出来ない仕組みになっている。メールアドレスが書かれてないので直接送信も出来ない。

 

上記の橘玲の上梓した本にも中身を読まず表題だけで「あたしを侮辱している」と多くの怒りコメントが付き出版社と協力して電子版で期間限定で無料で提供したらそれまでのコメントがころりとひっくり返った。

 

何だかな、ネット世界では相手と向き合ってないし殴り合いになることもないから書きっぱなしでその時点で「逃げ」なのだが本人は自分を正義と信じているから困ったものだ。

 

おまけに引きこもりだから周りに注意する人がいないので自分だけが正義と信じた正義依存症患者がブログの中身をろくに読みもせずに便所の書き込み以下の書き込みをして、それに対して反発されたら狂ったように続けて書き込みをする。君、普通に働いてないよね、それが分かる返信の速さだ。

 

それにしても自分が、自分だけが正義と信じ込み決して相手の顔を見ずに罵詈雑言、挙句の果てに刺殺だもんな。

 

もしかしてある種のネットは引きこもりの吹き溜まりで正義がいよいよ弾けると秋葉原事件とかネット殺人に直結する時代になっているのか?もう問答無用、ですね。



tom_eastwind at 19:57|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月04日




世間では慎重に行動することを「橋を叩いて渡る」と称する。

 

そして更に慎重な、殆ど行動を起こさない人を「橋を叩いて壊す」と称する。

 

これに対して僕の仕事は移住したいご家族の現状を聴きどのような方法が可能かご家族に合ったプランを提案実行する。

 

つまり「橋を作って渡らせる」のが仕事である。

 

橋を叩くと言うのは前提として長い間変化しない物事を指すが僕のやっている仕事は日本の法律、NZ経済、政治動向、移民動向などまさに「刻々と変化する事象の組み合わせ」なので常に変化している。だから今そこにある橋は使い物にならない。

 

例えばスカイダイビングと同様で「今ならダイビング出来る、飛べる!」というタイミングがある。これは飛び立つ時は晴れだったが次第に風が出てきて状況が変化する時だ。

 

それでも僕らは今までの経験で「これなら飛べる!」という感覚が働くし、あまりに天候が急変した場合は一旦飛行場に戻って仕切り直しが出来る。

 

この「飛べる!」という感覚と「飛行場に戻る」判断はまさに紙一重であり、のろのろはしていられない。ここで判断を間違ってしまえば最悪即刻退場となる。

 

実際にここで判断を間違って飛行機から一人で飛び出す人もいる。これなどは僕が作った橋を信用せずどこかの「本当に信用出来る人に出会った」為にその人の助言を聴いて飛び出すが、そりゃ紐なしバンジーパラシュートなしのスカイダイビングである。

 

橋を渡るとはそれほどタイミングが要求されるし最初は石橋を叩いて良くてでも途中からは新しい橋が出来てスピード感が要求されて一定の場所に来たら「飛びますよ!」となるのだ。

 

日本はこれから確実に老齢年金の支給時期上昇と減額、死ぬまで現役で働け、医療は自己負担を増やしていき政府としてはピンピンコロリの生き方、要するに医療費使うなって方針になる。

 

社会保障費32兆円をどう削減するか?使えないようにすれば良い。そのための政策は東大出身のキャリアがじっくり考えて実行する。

 

更に預金税の導入があり得る。銀行に貯金しているお金のうち毎年5%程度を税金として支払ってもらう。消費税は増税する。

 

とにかく支払いを減らして増税によってお金を増やすという当たり前の財政再建をやるのだ。

 

そんな時代の日本でこれから数十年生きていくのか?石橋を叩くのは大事だが自分で石橋を壊していては意味がない。

 

日本が居心地良いと感じる人はそれで良い。ただそうではない0.01%の人々が行動を起こすのなら出来る限り早いほうが良い。

 

橋は渡れるうちに渡る。

ビザは取れる時に取る。

 

これは自分が現場で仕事をしていて何時も感じることだ。



tom_eastwind at 18:44|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月03日

安倍内閣





発表された人事を観るとよく出来た人事で面白いやら笑えるやらである。

 

例えば麻生副首相留任で自民党内部からも「もりかけ問題で自殺者も出して引責辞任は当然だろう」と言うが現場の最先端で起こった事故も麻生さんの責任か?

 

そうなれば財務省で痴漢が出れば麻生首、不倫が出れば麻生首、未成年交際が出れば麻生首と、とにかくきりがなくなる。一体どれだけ大臣の準備をするのか。

 

内部発言の本音は「現場は俺たちが仕切り万が一のときはお前が責任を取る」であろう。要するに権限あって責任なしの代表例である。

 

しかし今回の人事でもりかけを持ち出して麻生退任にするのは時差がきつくないか。すでに多くの国民の中でもりかけは終わっている。それなのに今更のように麻生退任の話を持ち出してくる人物は国益よりも私益を狙っているとしか思えない。麻生さんはまだまだ日本の国益のために働ける人である。

 

甘利明氏はやっとよいところに落ち着いた。TPPやってる最中に不正献金、早めに責任を認めて辞任、暫くは蟄居だったが今年からあべちゃんと再度タッグを組んで色んな仕掛けをして、その意味では実に賢い人である。この人は副大臣までいくだろう。

 

法務大臣の山下貴司、このひとを入閣させたのは、若くても能力あれば大臣になれるよってサインであり同時に総裁選で敵に回った連中にも串カツの一串ぐらいはあげようって、如何にも日本的な人事である。

 

他にも大臣経験者の小渕ゆうこさんを出すかとか小泉の息子を出すかとか舞台裏では様々な駆け引きがあったと推測されるが、基盤は留任メンバーで固めており次の選挙に向けて体制を引き締める状況であろう。

 

誰が考えたのか分からないが実に上手くまとまったと思う。あとは週刊誌にシモネタを取られない事である。

 

それにしても「末は博士か大臣か」という言葉があるが、現代では大臣の方が退任後の手当を含めて恵まれているようである。

 



tom_eastwind at 13:22|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月02日

お茶漬け




ジャパンマートでよく買うのが永谷園のお茶漬け海苔だ。手軽でお湯とご飯さえあればすぐ作れるので何時も自宅の食料棚に入れてある。

 

それにしてもご飯の上に振りかけてお湯を注いで下さいというが、お茶漬けと言うのにお茶はどこなのだという単純な疑問が湧くが食べ終わる頃にはすっかり忘れてて「ああ、美味しかった〜!」という記憶しか残らない。

 

ある時この疑問がパソコンを立ち上げている時にふと湧いてきて検索してみた。すると何と緑の粉がお茶だとのこと。だから乾燥した緑の粉にお湯をかけてお茶漬けとなる。ええー!知らんかった、あの緑は単純に塩味を効かせた調味料と思ってた。

 

そこで永谷園のお茶漬け海苔の裏側にある成分を観ると確かに「抹茶、昆布粉」とある。

 

何?抹茶を乾燥させたのか?抹茶は最初から液体として存在すると思い込んでる僕からすれば乾燥なんて全く思いつかずましてや成分表示をいちいち観るなんて作業もしてないので「お湯をかけるのにお茶漬けとはこれ如何に」と思っていたが、なんてことはない自分の勝手な思い込みであった。

 

世の中このように「思い込み」が入るとどうしても目の前にある現象が理解出来なくなる時がある。永谷園さんはちゃんと「緑の粉がお茶だ」と説明して成分表示にも「抹茶」と記載されているのだけど、「乾燥した抹茶」という概念が理解出来ていないからもうOUT!である。

 

ただまあこれはインスタント食品としてのお茶漬けであり本格的なお茶漬けとなると全く違う世界がある。

 

例えば天ぷら茶漬け。天ぷら屋に行くとコース料理の最後に出てくるが、これは紛れもなく美味い。今でも味を思い出せるほどだ。

 

天茶にはかき揚げを使うのだがここのかき揚げは桜えびと小柱だけである。どこかのかき揚げのように玉ねぎや人参の集合体ではない。

 

桜えびと小柱だけだから味が明確で新鮮で野菜のごちゃごちゃしたのがないから良い。天ぷらという調理方法がかき揚げの旨さを最高に引き出している。

 

揚げたてのかき揚げを温かいご飯に乗せるのだけど、お茶の代わりに出汁を注ぐ。だから旨味が益々増す。これなどは至高の料理であろう。

 

他にも鯛茶漬けがある。これも鯛さえ良ければ実に美味い。ご飯の上に刺し身にした鯛を並べてそこに出汁をかけてしばらく蓋をする。

 

しばらくして蓋を開けた時に鯛の香りと出汁の香りが同時に上がってきて何も言うことはない、ただひたすらに有り難いと感謝するだけだ。

 

そう、お茶漬けと言うのは永谷園のお茶漬けから始まり専門店の高級料理までいろいろある理由で、お茶漬けにお湯?などと疑問を持っていた僕などはまさに頭の切り替え時である。



tom_eastwind at 14:56|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

2018年10月01日

田舎の武士伝説




江戸時代が終了した後も田舎では自分を主君に尽くす武士と思いこみ廃藩置県や維新後の主君が新政府に対して何か問題がある度それを聴いた高級官僚は「ははー!」と言って額を畳を擦りつけてすぐに下僚を使って細かい指示する、そんな右筆たちがいた。

 

おいおい時代は明治で場所は日本列島内である。時代は変わったのだ、刀を捨てよとなる。そういう法律できたんだから。

 

すると彼ら元武士はどこまでも「お上の声」を最優先して政府から来る交渉団とはにこにこするが全く違う腹を持っている。交渉と分かっているからだ。刀は捨てずに笑顔で人々と交渉するが維新政府の話はまともに聞かない。

 

だってそうだろう、彼らの主人は殿一人であり明治になって江戸に出来た新政府の言うことなど知るか、ということになる。

 

だから本人は真面目である。殿様からの手紙を見せて下級武士を鼓舞した。

 

結局新政府の仕組みに合わせて教育や軍備も刷新したが、本音は武士であると思い込んでる。だからその血が今も残っている。

 

そこである地方では藩勤めをするのが武士だと考えて「武士」と呼ばれたがるものは現代ではどこに勤めるか?県庁である。県庁が職業貴賤の中で最も高位なのだ。

 

県知事はボスと言いながらパラシュートで他所から来たり自分よりずっと年下で県政の実務を知らない。なのでそういう「当代藩主」は座敷に座らせて部下の言うことをそのまましゃべるだけの広報担当となる。

 

田舎の、しょむない職業貴賤の話である。



tom_eastwind at 10:12|PermalinkComments(0) 諸行無常のビジネス日誌