2005年08月13日

日本沈没をしのぐ傑作? ハイドウナン 藤崎慎吾 早川書房

2005年8月10日読了。

 

SFと言えば早川書房。そして小松左京の日本沈没をしのぐ傑作という事で、新宿の紀伊国屋で速攻買った。

 

結果、期待度が高すぎた分だけ、読み疲れた。

 

SF少年の僕としては、まるで科学小説を読んでいるようで、面白くない。SFとは、サイエンスフィクション又はスペキュレーションファンタジーであると考えている僕には、フィクションやファンタジーが科学に優先していないと、苦手。

 

小松左京を引き合いに出す案を誰が思いついたか知らないが、日本沈没の方がSF作品としてはずっと優秀だ。日本アパッチ族なんて、難しい理論なしで人間が鉄を食ってるし、食わせるだけの文章力がある。

 

竹に木を継ぐような、それくらいのSF根性が欲しかった。難点としては、アクションシーンの書き込みが描写力少ない。久米島を沈めるのなら、もっと書く事があるでしょうに。

 

そして全体のストーリーに蓋然性が見えない。木星がどう関連するかという点の、読者をして「う〜ん、なるほど、そう来たか!」というびっくりがない。

 

だからと言って作品自体が失格ではなく、十分読み応えはあるから、決して文句ではない事は、最後に言っておきたい。

 

あまり書くとネタばれになるので、後はtom文庫で、どうぞ。

 

勝手な評価は、6点満点の3。3点は標準です。B級で文章力が弱いけど、読書には耐えられる。

 



tom_eastwind at 12:19│Comments(0)TrackBack(0) 最近読んだ本  

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔