2005年08月15日

1997年 レンタル携帯電話開始!

ツアーガイドの仕事が順調に始まり、次のビジネスがないかと探した。

 

町を歩くと、当時ワーホリや留学生の間では、通信連絡と言えば公衆電話かホームステイの電話しかなく、異動の多い彼らは連絡を取るのに不自由している事に気付いた。

 

時代をもっと遡れば、日本の携帯電話も1980年代はNTTからのレンタルとなっていたのが、買取式になって爆発的に増え、写メールとフォーマの開発で国民のほぼ全員が持つようになった。

 

NZも同時期に買い取り式が発達したものの、ワーホリや留学生など、1年以内の滞在で仕事がない人は、後払い式の携帯を買う事が出来ない。また、買っても、帰国する歳には売らないといけないという事情の中で、携帯電話レンタルのビジネスを思いついた。

 

しかし、調べて見ると、既にクライストチャーチで日本人がこのビジネスを提供している。その人の場合は旅行会社ツアーへの有料レンタルが中心で、学生向けにも貸し出しをしていた。

 

そこで、彼が器材を準備して、オークランドでの貸し出しや回収は当社が行い、当社は配達、回収などの固定費で利益を出し、彼らは通話料金から利益を出すというビジネスモデルを構築した。

 

このモデルの良い点は「みんなが利益を得る」という事だ。テレコムからすれば利用客が増えるし、顧客からすれば個人で持てない最新携帯電話が使えるし通話料金も個人で契約するのと同じ金額、日本の親からすればいつでも子供に直接連絡出来る、そして当社も利益が出るという事だ。

 

このビジネスは、当初有料レンタルだった為、お金に余裕のあるツアー会社からが中心で、学生市場にはなかなか広がらなかった。

 

しかし、ビジネス開始から約2年後、クライストチャーチの会社がレンタルビジネスを停止する事になり、当社に無償で譲るという話が出てきた。そこでレンタル器材の仕入れから貸し出し、クライストチャーチオフィスを設立して、南島でもレンタルビジネスに対応出来る仕組を作った。

 

同時にその時点から、レンタル無料というビジネスモデルを構築した。それまで貸し出し費用が利益の中心であったものが、台数を大幅に増やす事でテレコムから通話料金の大幅割引をもらい、お客様が支払う通話料は個人が使用する金額と同じでありながら、無料で短期間からレンタルが出来るという事で、爆発的に利用が広がった。

 

同じ通話料金で、短期間から無料で最新機種レンタルが出来る!このキャッチで、当社独占だった市場を、更に拡大する事に成功した。

 

しかしどんなビジネスにも寿命はあり、最近は携帯電話も、滞在期間の短期化による日本からの電話持込や、現地でプリペイドを購入する状況に変化しており、またNZドル高によりワーホリ数も減少傾向で、今後はレンタルビジネスも大きく利益を生み出すとは考えにくい状況だ。

 

またまた次のビジネス商材を探さねば。経営者は、今の仕事よりも2年先の仕事を見つけるほうが重要だという事を認識させられる時だ。



tom_eastwind at 14:20│Comments(0)TrackBack(0) 1996年 僕の起業日誌 

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