2005年08月31日
僕らは旅のコンサルタントだ。
意外と知られてないが「旅行代理店」という言葉は、実は業界内部では誰も使わない。旅行業側の言い分は「僕らは代理店ではない。旅を創っているのだ」となるからだ。しかし、実際にはそうだろうか?
今の旅行業は、航空会社の代わりに座席を売り、ホテルの代わりに部屋を売っている、単なる代理店ではないか?お客様の立場で正しい情報とプロのアドバイスをすれば旅行業と呼んでも良いだろうが、現状は代理店としか言いようがないのでは?
言われたものを売るだけ。その商品自体の価値や、それがお客様に合うのかどうかなどそっちのけ。買ってくれれば何でも売る。断る勇気さえ忘れている。「まあお客様、お似合いですね〜」下手な服屋の店員以下だ。
今の旅行業は、とにかく売れれば何でもOKと、価値の無いモノに無理やり付加価値をつけたり、ジャンボ機をチャーターして安売り香港旅行を組んで、結局高いお土産とオプションのからくりに気付いたお客様に逃げられている。
行き着くところは野菜の叩き売りと同じになり、コンサルタントでお金がもらえない状況を、自分から作り出してしまった。今時、日程表と見積もりを作成するのにお金が取れる旅行会社が存在するだろうか?
そんな状況をあざ笑うように旅の窓口が成長してきた。正確な情報をお客様に提供して、判断はお客様に任せる。だから旅窓ではホテル自体の宣伝は受け付けない。
ところがその会社が楽天に買われ、楽天ではホテルからの手数料を従来の5%から7%程度に上げようとしている。そしてホテルの宣伝をし始めた。おそらく楽天に旅行ノウハウを持つ社員がおらず、旅行業界から引抜をしたのだろうが、それが実は大きな間違いだったと思う。
旅行業界自体が沈没しかけている時に、沈没の原因を作った業界の社員を受け入れれば、彼らはまた同じような事をするだろうとは、楽天にとっては想定の範囲外だったのか?
そんな事を考えていたら、ベストリザーブの記事があった。旅窓の創始者でありながら親会社から憎まれて追い出された人が作ったホテル予約会社だ。現在は何とあのライブドアが買収しているが、この社長、旅行業界の素人でありながら、実は一番、本来の旅行業界的な発想だ。
その発想とは「お客様に情報を与えるのが仕事。手数料は、情報提供料金である」という、簡単な事だ。それが旅のコンサルタントの姿勢であるべきだ。