2006年03月27日
白夜行 2
「あなたっていいわね。毎日毎日お酒を飲んで同じ話をして、プロ野球スポーツを見て。それがいけないって言うんじゃなくて、気軽でいいわねと言ってるだけ」
「あなたには夢ってモノがないのかしらと思ったのよ。野心だとか、向上心だとかいったものがね。自分を磨く努力を一切しないで、毎日毎日同じ事を繰り返しながら年を取っていく積りなのね」
白夜行の中の女性主人公が、見下げたように旦那に向かって言うセリフである。(本文を少し変えている)
くわ〜!きついな。男がここまで言われたら、普通怒る罠。でも、恥かしいと思うから怒るのであり、当たっていると感じるから怒るのだし、日頃からきちんとやる事をやってればこんな事も言われないだろうし、ましてや自分のやっている事に自信があれば、こんな事を言われても怒るわけがない。
昔の話だし実話かどうか知らないが、西郷隆盛が明治維新に向けてまっしぐらの頃、たまたま自宅に帰った時に、妻に言われた事があるらしい。
「この家も雨漏りがひどくて、どうにかなりませんかね」
ぼやく妻の気持ちの半分は、亭主に向かって、家の修理くらいしてよと言いたいのだろう。
それに対して西郷隆盛は、
「今は日本中が雨漏りじゃ、まずはそいつを治してからじゃ」と答えたと言う。かっこいいな!
男は狩に出て猟をする。女は家で采配を振るう。一番自然な姿だ。しかし、狩をせずに社畜に成り下がり、日々の努力を怠ってしまった男に、女は何を感じるだろうか?
男性諸君、気をつけよう。女を作った瞬間に、それまでの努力を忘れて成長を止めて、それまで格好つけて読んでた幻燈社の文庫本が少年マガジンに戻り、日頃の話題が映画から野球に成り下がり、夢を語っていた口が愚痴ばかりこぼすようになり、腹の回りの肉がたるんできて、そして自分の価値を下げていないか?
移住したからと言って、男の責任が終了したわけではない。移住した先で、またも手抜きの生活をすれば、女に捨てられるだけだ。社畜の言い訳はいくらでも出来る。でも個人生活の手抜きに言い訳は出来ない。いくら男の数が少ないから「ただ乗り」しやすいと言っても、女はいつまでも騙されてはいない。
ある日、女は男に対して「乗り越しの精算」を求める。そうだ。君は精算されるのだ。地下鉄の乗り越し精算窓口で精算され、改札口に吸い込まれて、君は終わりだ。彼女は改札口の向こう、広い、新しい世界に向かって駆け出していく。君は改札口の機械の中で、肥満した体と使えない脳みそを抱えて、動けないまま焼却処分を待つのみだ。
焼却されたいか?生き残りたいか?まだ遅くない・・・かもしれない。