2007年09月03日
男尊女卑と言う時代遅れの麻薬について

1・坂道をものすごい勢いで、つんのめるように走り下る若者がいる。
2・そのすぐ後ろには、同じく髪を振り乱しながら若者の後姿を追いかける若い女性がいる。まるで買い物に行くかのような普段着のままだ。
3・走る若者、追いかける女性。その場面は、まるで泥棒と、それを追う被害者の光景を成す。
4・と、次の画面では若者が一気に飛びかかり、彼のちょっと先を、すごい勢いで滑り落ちていた乳母車を捉える。
間一髪、目の前の大通りに飛び出す寸前に、乳母車は無事に止まり、追いかけてきた母親は、座り込んで半分泣きながら、勇気のある若者に、「本当に、本当に有難う御座いました」と感謝の言葉を伝える。
こんな4コマ映画?コマーシャル?何だったか忘れたが、かなり以前に観た記憶がある。
何故こんな事を突然思い出したかって言うと、最近もよくあるのだが、大体の場合、人間は全体を見ずに、目先の場面だけで判断することが多いからだ。
特に自分に自信がつくような年になり、誰も注意する人がいなくなったような状態のおっさんは、脳内梗塞が発生して、自分のいう事は何でも正しい、すべての事について俺は正しい、それが10年前の知識であろうが、今も正しい、そう思い込むのだ。
この「4コマ」で言えば、1の部分だけを見て若者を泥棒扱いして、「だから最近の若者は〜」とかくだんのおっさんは文句を言うのだが、最後の4コマを見た時、この人、どうするんだろうなって思ったりする。
最近も、まさに時代錯誤としか思われないようなおっさんが日本からやってきた。
まともに書くと長いので簡単に言うと、世の中を支配しているのは男であり、男はどんな状況でも女より偉くて、女っちゅうのは何にも分からずにぶつぶつと文句ばかり言う動物で、男がちゃんと教えてやらないと、すぐに間違ったことをすると、本気で思い込んでいる輩である。
まあこんなのは、いっぺん遥洋子のコラムでも読んでもらえばよい。確実に、彼は怒るだろう。もし社会的地位が高いと自分で思い込んでいれば、おそらく直接彼女の事務所に怒鳴り込むか何かするだろう。それでそのまんま、留置場にでも放り込んでもらえば、自分の馬鹿さ加減が理解できる、、、かな、、無理かな。まあいいや、どっちにしても、自分の価値観がすでに時代遅れという事に気づいてもらうだけでもね。
僕の会社に女性スタッフが多いのは、採用の際に女性を優先したわけではない。数少なく当社を無事に卒業した男性スタッフの名誉の為に言えば、優秀な男性もたくさんいる。
ただ、元々僕らのような業種(所謂旅行業)に置いては、首から下の能力、例えば荷物をたくさん持てるとか、飛行機で上の棚に荷物を上げられるとか、そういった身体的能力は、あまり重要ではない。
むしろ、ツアー一本企画するのに、お客様の立場になってどうすればよいかを考え、どの価格ならお得さを感じてくれて、どう売れば買ってくれるかを考えるのは、首から上の、脳みその部分で行われる。
だから、自由な発想で自己責任で何かをしようとすれば、何故か結局女性スタッフの方が、本気で腹を括って仕事をする。それに比べて、男性スタッフはすぐに「義理」とか「いや〜、それは筋が〜」とかなる。
おいおい、仕事をしているのだよ。義理や筋の話なら、おでんやでさえずりでも食いながら語ってくれ。僕は今ビジネスの話をしているのだ。君の道徳観念や古い日本の習慣を持ち出して、合理的な結論を出すことが出来ないなら、去ってくれ。
その結果として女性が多く残っているわけだが、まあこれは、海外に出るという選択をした女性の、自然な結果だと思う。自分が、もっと自分らしく生きようとすれば、リスクを取ってでも行動するだろう。その結果として海外という選択があれば、その先には更に「精神的自立」が出てくる。
そういう人は自己責任が理解出来るから、結果的に採用した方としても「残ってもらいたい人材」となる。
世の中すべての男性が駄目だと言ってるわけではないし、男性だから駄目、女性だから良いなんて人種差別をするつもりもない。女性でも使えない奴はたくさんいるし、その逆もしかり。
ただ今、僕が最近知ったこのおっさん男性が持っているような、ほんっと、どうっしようもない田舎の田吾作の偏見と先入観念に凝り固まった男尊女卑を見ると、異様に腹が立つのだ。
そして、そういうどうしようもないおやじが、相手を小娘と見下して馬鹿にしたような、いかにもモノを教えるみたいな態度で話して、そいでもって隙だらけの理論構成なもんだから、そういう「女の子」にぼこぼこに逆襲されて、グーの音も出なくなって、最後に大声で怒鳴るしかなくなるって、そういう猿回しの猿みたいな話を聞くと、爽快な気持ちになる。
こういう相手は理論で叩くのも面白いが、もっと面白いのは、1の場面でぎゃーぎゃー吼えさせておき、がちがちに相手の言質取った後に、4の場面を見せてあげて、ど〜んと落とす方法である。
何で男なのに、男尊女卑にご立腹?と思う人もいるだろう。確かに男性にとって損ではない観念だし、男尊女卑グループに入って、わいわいと旗を振っておけば、何となく友達も出来ていいじゃん。
でも、そうやって楽しめるほど、僕は陽気にはなれないし楽観的にもなれない。
現実を無視することが、それが、自分の人生を停滞させて、世の中にマイナス思考をばら撒いて、結果的にすべての人を不幸にするって事に気づいてしまったら、今更そんなわがまま少年団の仲間入り等、出来るわけがない。
特に自分自身が子供の頃にいわれのない差別を受けて育ってきた場合、男と女という区分けに安住するよりも、被差別であるという区分けの方が強くなるから、理不尽な差別に対して、どうしても異様に怒りを感じる。
これからニュージーランドに来る人たちに忠告しておきたい。この国に住む日本人にも、随分たくさんの男尊女卑論者がいる。そして、そういうのに限って、何も関係ない他人の生活に口出しして、偉そうに指図して、それで正義を司ったような顔をしている。
このおっさんにしてもそうだが、おっさんはまだ、年を取っているから仕方ないとも言える。ただ、このおっさんの予備軍みたいな若いのが、どこの街にもいる。
クイーンズタウンに行けば、初めて会うような女性を、自分の勝手なスケジュールに合わせて連れまわり、「あんたはやな、今日はこうやってここに行き、夜はこれを食べて、それからこうや〜、それがあんたの幸せなんや」と、自分の貧弱な経験と価値観を押し付ける。
クライストチャーチに行けば、あ、これはやめておこう。
オークランドに行けば、酒を飲んでは女を馬鹿にする(俺じゃないよ)事で昼間の憂さ晴らしをやっているような連中がごろごろしている。
髪の毛を逆立てたちんぴらが、薄い唇をとんがらして、偉そうに町を歩いて女に偉そうに説教しているが、実は家に帰れば、嫁さんのけつに敷かれて、「うん、僕、今日はカレーが食べたいな!」なんてのもある。
今日は、何となく怒りモードで書いてしまったので、分からない人にはごめんなさい。ただ、ニュージーランドに来てまで男尊女卑をする連中を、「子供だね」と見逃せるほどに僕は大人ではないので、一気に書きなぐってしまった。
僕がお付き合いしているお客様の中には、百獣の王のような女性もいる。次に男尊女卑ボーイズを見つけたら、彼女と一緒に食事をしてみよう。キングが男性向けだけの呼び名でなく、力のある者への呼称だという事に、彼らは早晩気づくだろう。
写真の車、拡大してみたら、面白いですよ。
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この記事へのコメント
1週間毎に違うユースホステルに飛び込みで泊まって、あちこちの美術館やらなにやらを観光して、旅をしてきたそうです。「色々苦労もあったけど、鍛えられましたぁ。」と笑う彼女が、正直すごくかっこよくみえました。
私が23歳のとき、たとえどんなに暇とお金があっても、一人で海外を旅するなんて、絶対無理でした。とくに将来やりたいこともありませんでしたし、今から思うとただ毎日を過ごしていましたね。来週も、その方の体験談を聞かせてもらおうと思ってます。
もちろん、社長の体験談も聞かせていただきたいと思います。壁にあたったときの、心の持ちようなど。

