2009年08月26日
幸福度
最近は経済学者の中でGDPに変わって新しい社会の指標を作ろうとする機運がある。
それが幸福度である。Happiness Rate と英語で言われているようだが、専門的にはGNHとも言うようだ。
要するに人の幸せはカネではない、カネがあっても幸せにならないという、何となく誰でも知っている内容の数値的検証である。
幸福度とおカネは直接の関係はないというのは経済学者の間でも通説ではあったし市井で生きる庶民からすれば当然のことだったが、今まではそれを数値化してなかったので、幸福の代わりにお金で、つまり誰もが分かり易いGDPでどこの社会が良いかを計っていた。
だから米国のGDPが世界一なら米国が一番幸せなはず、じゃあ米国に移住しようと言う話になる。
けど米国に移住しても満足な仕事も見つからず夜遅くまで働いてそれでやっと自宅を買っても、払いきれないローンや失業で自宅を手放して家族でホームレスをするようになったら、これって幸せか?
何とかうまく金融関係の実入りの良い仕事を見つけても今度は土日もなく働きづめで他人を出し抜いたり騙したりして、家族には嫌われてしまい友達も出来ない。これって幸せか?
日本でも戦後は米国に追いつけ追い越せで企業戦士が当然と言う文化があったが、結果的に日本のGDPが何とか世界20位でも幸福を感じる度合いは90位と言う結果が出ているのは事実だ。
これに対して人口400万人の小国家であるニュージーランドの場合、経済は非常に小規模ではあるが幸せを感じている人が多いのも事実である。
ただこの相関関係が数値化されなかった為に、日本にいる日本人はあまり働かないキーウィに対して「何が幸せだ!努力もせずにカネもない、悔しかったらカネ作ってみろ!」的な風潮だった。
別にキーウィからすれば日本と喧嘩する理由もないので相手にする必要もないが、それでも毎年1千人以上の日本人が「お金では買えない幸せ」を求めてニュージーランドに移住していくる。
ところが米国発の同時不況の中で「やっぱりGDPだけじゃないよね」ってことになり、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツのような教授が本格的に幸福度を計算するようになったのだ。
ブータンにおいては幸福に重要な9要素として
1・心理的幸福感
2・時間の使い方
3・生活水準
4・文化
5・健康
6・教育
7・環境
8・良い統治
9・地域の活力
を挙げている。
ミシガン大学のマイルスキンボール教授は
★幸せを高める主な要素として
1・睡眠
2・遺伝子
3・社会的な地位
4・家族と過ごす時間
5・現状への満足度
★幸福感を損なう主な要素
1・配偶者の死
2・心臓発作
3・脳卒中
4・癌
5・失業
6・子供の死
★ こいつ、少しずれてるんじゃないかって思う。ブータンの方がいいじゃん。
ただどっちにしても、お金が生活の第一要素でないのだけは間違いない。
昔の日本の生命保険の宣伝で「愛はお金で買えないけど、お金で表現出来る愛もある」的な内容が多かったのを覚えている。
けどまあ長いこと庶民をやってきた僕としては、お金が一番でないのはよく分かる。その上でお金を追求するってのは矛盾でも何でもなく、要するに状況によって常に変化する優先順位に、ある時はお金も来るだろうしある時は子供の命も来るだろうしと思ってる。
幸福度調査がどのような数値化になるのかは分からない。
ただ僕の経験で言える主観的なことは、物事にはすべて優先順位が相対的に存在して、その時その時で物事の優先順位が変化していく、その変化を見極めて行動した人間は幸せ感が高くなるってことだ。
難しいかもしれないけど、人生にマニュアルなんてない。マニュアルに寄りかかってしか生きていけない人には、時に大きなしっぺ返しが来ますぜと言いたい。
もちろんうまく逃げ切った世代には「そんなことないよ」となるのでしょうが。
写真はグレノーキーのワカティプ湖。彼ら、本当に幸せそうです。

