2010年02月09日
起業家ビザルール変更
今までは起業家ビザと言えばIETLS(英語テスト)が5.0だったのが、現在は4.0で申請可能になった。
4.0なら英検2級以下。かなりの人が半年程度勉強すれば取れるし、日常で英語を使っている人ならまず確実である。
そしてNZ50万ドルを自分が始めるビジネスに初期投資して3名以上の社員を雇用すれば、今までは2年経過して永住権が取得出来ていたのが、今回のルール変更では申請後すぐに永住権が取れるようになった。
その代わり、技能移民はあいも変わらずこの失業率なのでまだまだ厳しい。そりゃまあそうだ、自国の失業者がいるのに他国から競争相手となる労働力を移入するなんて反国民的行動ですからね。
それにしても分かり易い移民法である。失業率が増えた⇒雇用を増やせ⇒外国人が起業してキーウィを採用しろ⇒その代わりビザもあげるよ。
ある意味、ビザを売っているのだ。
なんだか理屈や建前のdaisukiな日本人は多い。ビザの話になると「弁護士に頼んでお金を払ってビザを取るなんて卑怯だ」とか「そんな、ビザがカネで買えるなんておかしい!」とか「自分で申請すべきだ、その実力で申請すべきだ〜!」とか、とにかく理屈である。
それも日本人の歴史観の中で日本人の就業感覚とかで、要するにガラパゴスの原理をガイコクに押し付けて「こうあるべきだ」とやるんだから、たまったものではない。
この国ニュージーランドは雇用者が必要なのだ。国が成長する為に売れるものがあれば売る。その一つが永住ビザである。
移民政策は国家にとって大きな判断が必要である。19世紀半ばのダニーデンで起こったゴールドラッシュでは多くの中国人が単身でダニーデン、クイーンズタウン、アロータウンと移住して金掘りをした。
ところが19世紀後半のニュージーランドでは東欧からの移民は引き続き受け入れたが当時のリチャードセドン首相は中国人嫌いだった為に、中国人の受け入れはここで一旦途絶えた。
それ以降の移民政策としては、第二次世界大戦後の羊毛輸出景気があって南太平洋のアイランダーを労働力として受け入れをした。
ところが彼らが働かない。全く働く意志がない。元々彼らの生まれ育った島では「働く」と言う概念が非常に乏しいのだ。手を伸ばせば木の実があり海に足を漬ければ魚も貝もある。
畑を耕せば芋も食えるわけで、そんな環境では労働⇒貯蓄⇒拡大⇒資産保全、などと言う発想がない。
なのでこの移民政策はある意味大失敗で、それが現在まで60年続くニュージーランドの負の遺産となっているのは事実だ。
しかし、だからと言って移民流入を止めてしまえば国の発展も止まる。
だから南太平洋に懲りた移民局は、1990年代になって教育留学生の受け入れを開始、同時に中国や東南アジアからの優秀な移民を受け入れるようになった。
現在のところ先住民との軋轢や一部白人からの中国人に対する反感はあるものの、それ以外のアジア人に対する印象はそれほど悪くない。
とくに日本人に対しては「特別待遇」的な印象がある。
ある夜のシティの街角。道を歩いてた数名の中国人カップルが地元の不良に囲まれた。
カップルはとっさに「僕たちは日本人だ!」と言うとその不良、あきれた顔で「ナンだ、だったら早く言えよ、お前ら危なかったぞ」なんて笑えない笑い話もあるくらいだ。
今は日本人に対して印象も良く、起業家ビザであれば取得しやすい。
しかしこれは何も申請者の都合を考えてビザ枠の設定をしているわけではない。
ニュージーランド政府だって心情的には宗主国である英国や欧州から10万人単位で移住してきてもらいたい、けど実際問題として人種バランスを考えればアジア人も必要である。
Diversityというんだけど、いろんな人種が混ざったほうが社会的には成長しやすい、お互いに違うものを持ち合ってその中で競い合って良いものが出てくるという考えだ。
だから今ならアジア人にも一定枠でビザが発給されるし、お金を持ち込んでくれる起業家はなお優遇である。
ほら、この時点ですでに国家がビザを売って優秀な労働力や経営者を招きいれようとしているのが分かるでしょ。
言葉を変えて言えば、一旦ニュージーランドが「これで充分、もう移民は不要」となれば、門戸はガチンと閉ざされる。移住したい人の事情が何であれ「もういらない」なのだ。
「いつまでもあると思うな永住権」である。
写真はアンガスステーキハウスの2枚目です。シェフはブラジル人か?大量の肉をシュラスコみたいな雰囲気で捌いてました。

