2010年06月05日

子供の教育

787dc292.jpg東京での話。

説明会は大体2ヶ月に1回程度の回数で開催しており、その前後に個人面談というのを行っている。これは説明会に参加された方が具体的個別的に「私は移住の可能性がありますか?」と質問を受けて、その人の家庭環境や家族構成などをお伺いして具体的個別的な方法を提案するのが主な目的だ。

その中でぼくはお客様に聞くようにしているのは「何故ニュージーランドなんですか?」である。すると家族を持つお客様の殆どは「子供の教育や日本の将来を考えると今のうちに移住しておいた方が良いと考えてます」となる。

30歳代前半なので人生はまだ折り返し地点でさえない。社内でも身動きが取れない位置でもない。子供は就学前とまだ小さい。今なら新天地に飛び込んでもまたゼロからやれるかも、そう考えているようだ。

面白いのは、彼らは全く良くの繋がりがないのに全く同じ考え方をしていると言うことだ。つまり誰かが情報を発信してそれに感化されて、“よっしゃオレも”と言うわけではないのだ。

全く関連性のない二つの人間がある状況で全く同じ考え方をする。それは世の中全体の流れが変わってきているということだ。

その大きなものは、やっぱり子供の教育だろう。実際にぼくがニュージーランドに移住のお手伝いをしたお客様で渡航した際にちっちゃなお子様がいらっしゃった方は「移住して子供がバイリンガルになって活発になって元気に毎日楽しそうに学校に行くのを見ると、苦労はしたけど正解だったなと思います」と言う話だ。

日本だとある小学校は学校に持っていくノートや鉛筆まで基準があるようだ。すべてに決まりがあってそれを守れない子供は「異常」であり規則に従えない子供は「おかしい」のであり、そんな子供は先生がきちんと「教育」するのだそうだ。

なるほど、弱虫で使い物にならない連中のたどり着いた先がセンセーであり、そのバカが偉そうに子供にモノを教えるわけだから、どんなまともな子供でも最後は擂り潰されてしまう、もういいや、所詮世の中ってこんなもんだ、そう開き直って生きるしかなくなる。

子供の頃からこうである。かわいそうなものだ。それに比べてみればニュージーランドの教育は実にのびのびとしている。人を人としてきちんと扱ってくれる。

もちろん素晴らしい先生ばかりではない。中には“あれ?”って思わせる人もいるが、全体としては実によくプロフェッショナルとして子供に教育をしていると思う。

日本人の両親に生まれた子供でニュージーランドで教育を受けた子供は、顔つきは完璧に日本人だけど、雰囲気が全く違う。

なのでその子を日本人の同い年の子供たちの中に放り込んでも10分もせずに違いが分かる。とにかく活発で元気があって言いたいことを言ってるのだ。ものおじせずに堂々と大人相手でもきちんと自分の言いたいことを言う。

その仕草を見た時の親の誇らしげな顔は、まさに「やったね!」である。

移住するにはかなりの決断と根性と柔軟さが必要になる。大体、英語からして難問である。それでもちっちゃな子供が成長する姿を見たらそんな親の苦労は一発で吹き飛ぶ。

悲しいことだけど、教育という面では日本は江戸時代から“ところてん的”に同じ形のモノを社会に押し出すシステムでしかない。子供を心の底から笑顔にさせて人間らしい生活をさせるためには、やっぱり生活を根本から変えるしかない。

親が子供の為に出来ることはたくさんのお金を残す事でも日本の生活に馴染ませる事でもない。人間らしく生きるための手段を教える事だ。




tom_eastwind at 17:57│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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